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標準化

 標準化というのは、実際には「規格」として扱われることが多かったが、昨今、「しくみ化」という単語などとともに様々な分野で市民権を得たことは言うまでもないだろう。また、標準化を知る者が増加したことによって、知らない者との能力的な差は一層大きくなるだろう。

 この記事で扱う標準化とは、戦略思考という観点から標準化を解説するものであることに注意されたい。

目次

概観

予め、統一的な基準を、決めておくこと

 業界等によって、様々な機関・団体が定義を決めているが、一言で言えば上記の通りである。重要なのは、定義の主体によって、効果を限定的に説明されていることに気づくことである。
 標準化というと、USBやマニュアルが代表的であるが、グローバル流通の商品パッケージ・ゲームソフト、なども標準化されている。そもそも特殊なスキルではなく、高校生が大学受験の対策として取り入れている場合もある。

効果

 標準化の効果は大きく2つあると考えている。

協業・連携の実現

 協業・連携の実現とは、”不特定多数による”協業・連携の実現である。この場合、標準化されているのは「接点」である。

 例えば、標準化に関連してワープロソフトはココ10年の間で大きな変化が生まれている。2000年頃より「Microsoft Word」が莫大なシェアをとり、事実上、標準化される。10年前頃から、「Google ドキュメント」が台頭する。すると、現在は「Microsoft Word」と「Google ドキュメント」が混在することとなった。ファイルの形式はソフトウェアごとに存在するので、基準(ファイル形式)は統一されていない。ただし、上手くいかない点もあるが、概ね連携可能な機能が備えられている。このように、ワープロソフトについて考えると、(概ね)標準化されていた時代と標準化されていない時代を比較することが可能である。
 「Microsoft Word」が莫大なシェアをとり、事実上、標準化されていた時代というのは、定義通り、協業・連携が容易に可能であった。ファイル形式が同じなのだから、メールで送信しようが、USBなどで作業しようが、そこに「Microsoft Word」がある限り、問題は生じない。ただし、バージョンが変わる場合はこの限りではない。
 「Google ドキュメント」が台頭し、Microsoft Word」と「Google ドキュメント」が混在することとなった、標準化のされていない、時代というのは、定義通り、協業・連携が容易に可能ではない。別の会社の別のソフトウェアで、別のファイル形式なのだから当然と言えば、当然である。ただし、前述した通り、機能としての連携機能は備わっている。が、当然、全てを完璧に連携することはできないので、出力時に必要に応じて追加コスト(時間など)が発生する。

 このように、標準化の有無によって、協業・連携に際して追加的にコストが発生する。今回挙げた例では、提供者によって、協業・連携に関する機能が限定的ではあるものの備わっているが、多くの場面ではそうはいかないことに留意されたい。

コストの低減

 コストの低減とは、定型業務における個別最適化に係るコストの低減である。この場合、標準化されているのは「作業」である。対象が同質的である場合、標準化が可能である。また、対象が異質的である場合、適応化が必要となる。基本的には、標準化はコストは低く・品質は同質的、適応化はコストが高く・品質は異質的となる傾向にある。

 対象が同質的である(定型業務)場合、マニュアル化・しくみ化、で対応することが可能である。同じことを繰り返し行うのだから、毎回、考える必要はなく、事前に方法を決めてしまえば、それによって対応することが可能である。そのため、誰でも同じように一定の業務品質を達成することが可能になる。また、事前に決められた動きを再現するだけなので、作業効率が高くなる。
 また、マニュアル化などというと全社的な取り組みであるように感じられるかもしれないが、個人での取り組みが可能である。前項で扱った協業・連携を目指すならば、確かに自身の周りと標準化(事前の取り決め)は必要かもしれないが、個人単位でのオペレーションコストの低減を目指すならば不要である。

 このように、標準化によってオペレーションコストを削減することが可能になる。マニュアル化・しくみ化というと全社的な動きであるような印象を受けるかもしれないが、個人単位での取り組みとして導入することも可能である。他者との協業・連携を考える際には、その間での標準化(事前の取り決め)が必要となる。

運用

 では、標準化という考え方の先には何があるのか、という「運用」の観点から一部解説する。

準備中

標準化と適応化

オープン化とクローズ化

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