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接続詞:節連結と意味関係
講義 / 演習
本講義(接続詞:節連結と意味関係)の概要
この講義では、文と文、あるいは文中の語や句を結びつけ、論理的な関係性を示す上で不可欠な「接続詞(Conjunction)」および関連表現について、その種類、機能、そして意味関係を体系的に解説します。接続詞を理解することは、単文だけでなく、より長く複雑な構造を持つ英文(重文、複文)を正確に読み解き、また自ら論理的で一貫性のある文章を作成するための鍵となります。本講義では、まず接続詞の基本的な役割と学習の重要性を確認します。次に、接続詞の主要な3つのタイプ、すなわち「等位接続詞」(and, but, orなど)、「従位接続詞」(that, if, when, because, thoughなど)、そして「接続副詞」(however, therefore, moreoverなど)について、それぞれの特徴、機能、代表的な例、そしてそれらが示す意味関係(並列、対比、選択、時、理由、条件、譲歩、目的、結果など)を詳しく解説します。特に、従位接続詞が導く名詞節や副詞節の機能、接続副詞と接続詞の違い(句読法を含む)は重要なポイントです。さらに、ペアで用いられる「相関接続詞」(both…and, either…orなど)についても触れます。最後に、文脈や文体に応じて適切な接続詞・接続表現を選択することの重要性をまとめ、次の演習編へと繋げます。この講義を通して、文と文の「つなぎ役」である接続詞をマスターし、英文の論理構造を深く理解する力を養いましょう。
1. はじめに:接続詞とは何か?
1.1. 接続詞の役割:結びつけ、関係を示す
- 接続詞 (Conjunction) とは、その名の通り、単語と単語、句と句、あるいは節(文)と節(文) といった文の構成要素を文法的に結びつける働きをする語です。接続詞は、単に要素を繋ぐだけでなく、多くの場合、結びつけられる要素間の論理的な関係性(例:順接、逆接、原因・結果、時、条件など)をも示唆します。
- 例えば、and は要素を対等に結びつけ(並列)、but は対比や逆の関係を示し、because は原因・理由を導きます。このように、接続詞は文の意味を豊かにし、論理的な流れを作り出す上で不可欠な役割を担っています。
- 接続詞は、主に機能語 (Function Word) に分類され、文法的な機能を主として担います。
1.2. なぜ接続詞を学ぶのか?(読解・作文における重要性)
接続詞を正確に理解し、使いこなせることは、高度な英語運用能力にとって極めて重要です。
- 読解:
- 文構造の把握: 接続詞は、文が単文なのか、あるいは複数の節が組み合わさった重文や複文なのかを見分けるための重要な目印となります。どの接続詞が使われているかによって、節と節の関係性(対等か、主従か)や、文全体の構造を把握することができます。
- 論理関係の理解: 接続詞は、文脈における論理展開(例:原因→結果、主張→譲歩→反論、具体例の提示など)を読み解くための鍵となります。however が来れば逆接、therefore なら結果、for example なら具体例、といったように、接続詞を手がかりに筆者の論理展開を追うことができます。これは長文読解、特に論説文の読解において不可欠なスキルです。
- 文意の正確な解釈: 同じ内容の文でも、使われる接続詞によってニュアンスが変わることがあります(例: because vs since vs as)。接続詞の意味を正確に理解することで、より精密な文意の解釈が可能になります。
- 作文:
- 論理的で明瞭な文章作成: 自分の考えを論理的に展開し、読み手に分かりやすく伝えるためには、適切な接続詞を用いて文や段落を効果的に繋ぐ必要があります。接続詞の選択を誤ると、論理が破綻したり、意図が不明瞭になったりします。
- 表現の多様性: 様々な接続詞・接続表現を使いこなせることで、単調な表現を避け、より洗練された、変化に富んだ文章を作成することができます。
- 文法的正確性: 接続詞の種類によって、後に続く文の構造や句読点の使い方が異なります。正しい知識に基づいて使用することで、文法的な誤りを減らすことができます。
1.3. 接続詞の種類概観(等位・従位・接続副詞)
接続詞はその機能や性質によって、大きく以下の3種類に分類されます。それぞれの特徴を理解することが重要です。
- 等位接続詞 (Coordinating Conjunctions): 文法的に対等な関係にある語、句、節を結びつける。 (and, but, or, so, for, nor, yet)
- 従位接続詞 (Subordinating Conjunctions): 主節と従属節を結びつけ、従属節(名詞節、形容詞節、副詞節)を導く。従属節が主節に対して持つ意味関係(時、理由、条件、譲歩など)を示す。 (that, if, whether, when, because, although など多数)
- 接続副詞 (Conjunctive Adverbs): 文法的には副詞だが、意味的に文と文(または節と節)を繋ぎ、論理関係を示す。 (however, therefore, moreover, for example など)
これらに加え、ペアで使われる相関接続詞 (Correlative Conjunctions) (both…and, either…or など) もあります。本講義では、これらの種類ごとに、その機能と用法を詳しく見ていきます。
2. 等位接続詞 (Coordinating Conjunctions)
2.1. 等位接続詞の定義と特徴(FANBOYS)
- 等位接続詞 (Coordinating Conjunction) は、文法的に対等な要素を結びつける接続詞です。結びつけられる要素は、単語、句、節のいずれでも構いませんが、原則として同じ種類・同じ形のものが対等に結ばれます(並列構造 Parallelism)。
- 主要な等位接続詞は以下の7つで、それぞれの頭文字をとって FANBOYS という覚え方があります。
- For (というのは~だから)
- And (そして、~と)
- Nor (そして~ない)
- But (しかし、~だが)
- Or (または、さもないと)
- Yet (しかし、それでも)
- So (だから、それで)
- 等位接続詞が節と節を結びつける場合、接続詞の前にコンマ (,) を置くのが一般的です(特に節が長い場合や for, so の場合)。
2.2. and
(そして、~と): 並列、追加、結果、時系列
- 最も基本的な等位接続詞で、要素を対等に付け加えます。
- 並列・追加:
- 語: bread and butter (パンとバター)
- 句: reading books and listening to music (本を読むことと音楽を聴くこと)
- 節: He opened the door, and she walked in. (彼がドアを開け、そして彼女が入ってきた。)
- 結果: 「~して、その結果…」
- 節: Work hard, and you will succeed. (熱心に働きなさい、そうすれば成功するでしょう。[命令文 + and …])
- 時系列: 「~して、それから…」
- 節: She finished her work and went home. (彼女は仕事を終えて、それから家に帰った。)
- 並列・追加:
2.3. but
(しかし、~だが): 対比、逆接
- 前の要素と対比的・逆接的な関係にある要素を結びつけます。
- 語: slow but steady (遅いが着実な)
- 句: rich in natural resources but poor in technology (天然資源は豊富だが技術は乏しい)
- 節: He is intelligent, but he is lazy. (彼は頭が良いが、怠け者だ。)
- 節: It rained heavily, but we enjoyed the picnic. (雨は激しく降ったが、私たちはピクニックを楽しんだ。)
2.4. or
(または、さもないと): 選択、言い換え
- 複数の選択肢の中から一つを選ぶ関係を示します。また、「さもないと」という条件や、「すなわち」という言い換えの意味でも使われます。
- 選択:
- 語: tea or coffee (紅茶かコーヒーか)
- 句: You can pay by cash or by credit card. (現金かクレジットカードで支払えます。)
- 節: Which do you prefer, staying home or going out? (家にいるのと外出するのとどちらが好きですか?)
- 条件(命令文 + or …): 「~しなさい、さもないと…」
- 節: Hurry up, or you will miss the train. (急ぎなさい、さもないと電車に乗り遅れますよ。)
- 言い換え: 「すなわち」「言い換えれば」
- 句: He studies linguistics, or the science of language. (彼は言語学、すなわち言語の科学を研究している。)
- 選択:
2.5. so
(だから、それで): 結果、結論
- 前の節が原因・理由となり、後ろの節がその結果・結論となる関係を示します。節と節のみを結び、前にコンマを置くのが普通です。
- 節: It started to rain, so we decided to stay home. (雨が降り始めた、それで私たちは家にいることに決めた。)
- 節: He didn’t study hard, so he failed the exam. (彼は熱心に勉強しなかったので、試験に落ちた。)
2.6. for
(というのは~だから): 理由、根拠(文語的)
- 前の節で述べたことの理由や根拠を、後ろの節で補足的に説明します。節と節のみを結び、前にコンマを置きます。because よりも文語的で、理由を後から付け加えるニュアンスがあります。
- 節: She must be tired, for she has been working all day. (彼女は疲れているに違いない、というのも一日中働いていたからだ。)
- 節: I decided to go by train, for I don’t like flying. (私は電車で行くことに決めた、というのは飛行機が好きではないからだ。)
2.7. nor
(そして~ない): 否定の追加
- 前の否定文を受けて、「そして~もまた…ない」という意味で否定を付け加えます。nor が節の先頭に来る場合、その後ろは**疑問文の語順(倒置)**になります。and … not や and neither と似た意味を表します。
- 節: He doesn’t like fish, nor does he like meat. (= and he doesn’t like meat, either / and neither does he like meat) (彼は魚が好きではないし、肉もまた好きではない。)
- 節: She cannot swim, nor can she ride a bicycle. (彼女は泳げないし、自転車にも乗れない。)
- neither A nor B (AもBも~ない) の形でも使われます(相関接続詞)。
2.8. yet
(しかし、それでも): 逆接 (but
と類似)
- but と同様に、前の要素と対比的・逆接的な関係にある要素を結びつけます。「しかし」「それでもなお」という意味合いで、but よりもやや意外性や驚きを含むことがあります。前にコンマを置くことが多いです。
- 節: The car is old, yet it runs well. (その車は古いが、それでもよく走る。)
- 節: He studied hard, yet he failed. (彼は熱心に勉強した、しかしそれでも失敗した。)
2.9. 等位接続詞と並列構造 (Parallelism)
- 等位接続詞 (and, but, or など) を使って要素を結びつける際には、文法的に同じ形・同じ機能を持つ要素を並べる並列構造 (Parallelism) を保つことが重要です。形が揃っていないと、文が読みにくく、非文法的になることがあります。
- 良い例 (形が揃っている):
- 名詞 + 名詞: I like apples and oranges.
- 動名詞 + 動名詞: My hobbies are reading and watching movies.
- 不定詞 + 不定詞: He wants to swim or to play tennis.
- 形容詞 + 形容詞: She is kind but strict.
- 節 + 節: He arrived and she left.
- 悪い例 (形が揃っていない):
- I like reading and to watch movies. (× 動名詞と不定詞)
- → I like reading and watching movies. (○) または I like to read and to watch movies. (○)
- 良い例 (形が揃っている):
- 作文の際には、等位接続詞の前後の要素が文法的に対応しているかを確認する習慣をつけましょう。
3. 従位接続詞 (Subordinating Conjunctions)
3.1. 従位接続詞の定義と機能(従属節を導く)
- 従位接続詞 (Subordinating Conjunction) は、主節 (Main Clause / Independent Clause) と、それに従属する従属節 (Subordinate Clause / Dependent Clause) を結びつける接続詞です。
- 従属節は、それ単独では完全な文として成立せず、主節の一部として名詞節、形容詞節、または副詞節の働きをします。従位接続詞は、従属節の先頭に置かれ、その節がどのような機能を持つか、また主節に対してどのような意味関係(時、理由、条件、譲歩など)を持つかを示します。
- 主節: 文の核となる、独立した部分。
- 従属節: 主節に従属し、文の一部として機能する部分。従位接続詞で始まる。
- 例: [I stayed home] (主節) because [it was raining] (従属節: 副詞節).
- 例: [I know] (主節) that [he is honest] (従属節: 名詞節).
- 例: [This is the book] (主節) which [I bought yesterday] (従属節: 形容詞節). (関係代名詞も接続詞の一種)
3.2. 名詞節を導く従位接続詞
- 従属節全体が文の中で名詞と同じ働き(主語 S, 目的語 O, 補語 C, 同格)をする節を名詞節 (Noun Clause) と呼びます。主な名詞節を導く従位接続詞は以下の通りです。
that
(~ということ): 事実や考えの内容を表す。- S: That the earth is round is a fact. (地球が丸いということは事実だ。)
- O: I believe that he will succeed. (彼が成功すると信じている。)
- C: The problem is that we have no money. (問題は私たちにお金がないということだ。)
- 同格: The news that he won the prize surprised us. (彼が賞を獲得したという知らせは私たちを驚かせた。)
- 注意: 目的語になる that節の that はしばしば省略される。(例: I think (that) he is right.)
if
/whether
(~かどうか): 疑問や不確実性を表す。whether の方がフォーマルで、主語や前置詞の目的語にもなれる。if は主語や前置詞の目的語にはなりにくい。- O: I wonder if [whether] she likes me. (彼女が私を好きかどうか疑問に思う。)
- S: Whether he agrees or not doesn’t matter. (彼が同意するかどうかは問題ではない。)
- C: The question is whether [if] we should start now. (問題は私たちが今始めるべきかどうかだ。)
- 前置詞のO: We talked about whether we should go. (if は不可)
- 疑問詞 (Wh-words):who, what, which, when, where, why, how などが導く節(間接疑問文)も名詞節として機能する。
- S: Where he lives is a secret. (彼がどこに住んでいるかは秘密だ。)
- O: Tell me what you want. (何が欲しいか教えて。)
- C: This is why I was late. (これが私が遅れた理由だ。)
3.3. 副詞節を導く従位接続詞(意味による分類)
- 従属節全体が文の中で副詞と同じ働きをし、主節の動詞、形容詞、副詞、または文全体を修飾して、時、理由、条件、譲歩、目的、結果などの意味を付け加える節を副詞節 (Adverbial Clause) と呼びます。非常に多くの種類があります。
3.3.1. 時 (Time)
- 主節の動作・状態が「いつ」起こるかを示す。「~とき」「~する間」「~する前に/後に」「~して以来」「~するまで」「~するとすぐに」など。
- 接続詞: when (~とき), while (~する間), as (~とき、~するにつれて), before (~する前に), after (~した後に), since (~して以来), until/till (~するまでずっと), as soon as (~するとすぐに), once (いったん~すると), by the time (~する時までに), whenever (~するときはいつでも) など。
- 例文:
- He came when I was out. (私が外出しているときに彼は来た。)
- While I was sleeping, the phone rang. (私が寝ている間に電話が鳴った。)
- Please wash your hands before you eat. (食べる前に手を洗ってください。)
- I have lived here since I graduated from college. (大学を卒業して以来、ここに住んでいる。)
- Wait here until I come back. (私が戻るまでここで待っていてください。)
- As soon as he arrived, he called her. (彼は到着するとすぐに彼女に電話した。)
- By the time you arrive, the party will be over. (あなたが到着する頃には、パーティーは終わっているだろう。)
- 注意: 時を表す副詞節の中では、未来のことでも現在形(または現在完了形)を用い、will は使わないのが原則(前述 2.2. の用法5)。
3.3.2. 理由 (Reason/Cause)
- 主節の動作・状態の「なぜ」その理由・原因を示す。「~なので」「~だから」。
- 接続詞: because (直接的な理由・原因), since (相手も知っているような理由、~だからには), as (~なので、付随的な理由), now that (今や~だから) など。
- 例文:
- I couldn’t go out because I was sick. (病気だったので外出できなかった。)
- Since you are tired, you should take a rest. (疲れているのだから、休むべきだ。)
- As it was getting dark, we hurried home. (暗くなってきたので、私たちは家路を急いだ。)
- Now that you are here, we can start the meeting. (君がもうここに来たのだから、会議を始められる。)
3.3.3. 条件 (Condition)
- 主節の動作・状態が成り立つための「もし~ならば」という条件を示す。
- 接続詞: if (もし~ならば), unless (もし~でなければ), provided/providing (that) (もし~という条件ならば), suppose/supposing (that) (もし~と仮定すれば), as long as / so long as (~する限りは), in case(that) (~するといけないから、~の場合に備えて), on condition that (~という条件で) など。
- 例文:
- If it is fine tomorrow, let’s go hiking. (もし明日晴れたら、ハイキングに行きましょう。)
- You cannot enter unless you have a ticket. (チケットがなければ入場できません。)
- I will lend you the money provided (that) you pay it back soon. (すぐに返してくれるという条件なら、お金を貸しましょう。)
- Take an umbrella in case it rains. (雨が降るといけないから[雨の場合に備えて]傘を持っていきなさい。)
- 注意: 条件を表す副詞節の中では、未来のことでも現在形を用いるのが原則(will は使わない)。仮定法の場合は過去形や過去完了形が用いられる。
3.3.4. 譲歩 (Concession)
- 主節の内容と対比的・逆説的な関係にある事柄を示す。「~だけれども」「たとえ~でも」。
- 接続詞: though / although / even though (~だけれども [事実]), while / whereas (~である一方 [対比]), even if (たとえ~だとしても [仮定]), whether A or B (AであろうとBであろうと), no matter + 疑問詞 (何が/誰が/いつ/どこで~しようとも) など。
- 例文:
- Although he studied hard, he failed the exam. (彼は熱心に勉強したが、試験に落ちた。)
- While I like cats, my brother prefers dogs. (私は猫が好きだが、一方、弟は犬が好きだ。)
- I will go out even if it rains. (たとえ雨が降っても、私は外出するつもりだ。)
- Whether you like it or not, you have to do it. (君が好むと好まざるとに関わらず、それをしなければならない。)
- No matter what happens, I will support you. (何が起ころうとも、私はあなたを支持します。)
3.3.5. 目的 (Purpose)
- 主節の動作の「何のために」という目的を示す。「~するために」。
- 接続詞: so that … may/can/will/should, in order that … may/can/will/should (~するために), lest … should / for fear (that) … should (~しないように) など。
- 例文:
- He studied hard so that he could pass the exam. (彼は試験に合格できるように熱心に勉強した。)
- Speak louder in order that everyone can hear you. (皆が聞こえるようにもっと大きな声で話しなさい。)
- She walked quietly lest she (should) wake the baby. (彼女は赤ちゃんを起こさないように静かに歩いた。)
3.3.6. 結果 (Result)
- 主節の内容から生じる「その結果どうなったか」を示す。「とても~なので…だ」。
- 接続詞: so + 形容詞/副詞 + that …, such + (a/an) + 形容詞 + 名詞 + that …
- 例文:
- He was so tired that he couldn’t walk any further. (彼はとても疲れていたので、それ以上歩けなかった。)
- It was such a beautiful day that we decided to go for a picnic. (とても良い天気だったので、私たちはピクニックに行くことに決めた。)
3.3.7. 様態 (Manner)
- 主節の動作が「どのように」行われるかを示す。「~のように」。
- 接続詞: as (~のように、~するとおりに), as if / as though (まるで~であるかのように [仮定法を伴うことが多い])。
- 例文:
- Do as you are told. (言われたとおりにしなさい。)
- He talks as if he knew everything. (彼はまるで何でも知っているかのように話す。[仮定法過去])
3.3.8. 比較 (Comparison)
- 主節の内容と比較される事柄を示す。「~よりも」「~と同じくらい」。
- 接続詞: than, as … as
- 例文:
- She is older than I am. (彼女は私より年上だ。)
- He runs as fast as his brother (does). (彼は兄[弟]と同じくらい速く走る。)
3.4. 形容詞節を導く接続詞(関係詞)との区別
- when, where, why などは、副詞節を導くだけでなく、先行詞を修飾する形容詞節(関係詞節)を導く関係副詞としても使われます。
- that は名詞節、副詞節(目的・結果)、形容詞節(関係代名詞)を導くため、文脈での機能を見極めることが重要です。
- 関係詞については Module 2 で詳しく扱いますが、従位接続詞との機能の違いを意識しておく必要があります。
4. 接続副詞 (Conjunctive Adverbs)
4.1. 接続副詞の定義と機能(副詞としての性質)
- 接続副詞 (Conjunctive Adverb) とは、文法的には副詞でありながら、意味的・論理的に文と文、または節と節を結びつける働きをする語です。however, therefore, moreover, consequently, nevertheless などが代表例です。
- 等位接続詞や従位接続詞とは異なり、接続副詞は文法的に節と節を直接結びつける力はありません。あくまで副詞として、前の文脈との論理的な関係を示しながら、後ろの文(または文の一部)を修飾します。
- 文中での位置は比較的自由で、文頭、文中(主語と動詞の間や動詞の後など)、文末に置くことができます。
4.2. 接続副詞の種類と意味関係
接続副詞は、示す論理関係によって分類できます。
- 逆接・対比: however (しかしながら), nevertheless, nonetheless (それにもかかわらず), still (それでもやはり), on the other hand (他方では), in contrast (対照的に), conversely (逆に)
- 結果・順接: therefore, thus, consequently, accordingly, hence, as a result (それゆえに、その結果)
- 追加: moreover, furthermore, in addition, besides, also (さらに、その上、加えて)
- 例示: for example, for instance (例えば)
- 言い換え・要約: in other words, that is (to say), namely (すなわち、言い換えれば), in short, in summary (要するに)
- 時間・順序: meanwhile, in the meantime (その間に), then, next, finally, subsequently (その後)
- 強調: indeed, in fact, actually (実際に、実に)
- その他: otherwise (さもなければ), instead (代わりに), likewise, similarly (同様に)
4.3. 接続詞との違いと句読法(ピリオド、セミコロン、コンマ)
- 接続詞(等位・従位)との違い: 接続詞は文法的に節を結びつけますが、接続副詞は副詞なのでその力はありません。
- 句読法:
- 接続副詞を使って二つの独立した文(節)を繋ぐ場合、接続副詞の前にはピリオド (.) またはセミコロン (;) を置きます。接続副詞の後には通常コンマ (,) を置きます。
- 例: He studied hard. However, he failed. (○ ピリオド + コンマ)
- 例: He studied hard; however, he failed. (○ セミコロン + コンマ)
- 例: He studied hard, however, he failed. (× コンマのみは不可 – Comma Splice という誤り)
- 接続副詞が文中に挿入される場合は、前後にコンマを置くことが多いです。
- 例: His first attempt failed. He decided, however, to try again.
- 文末に置かれる場合は、直前にコンマを置くことが多いです。
- 例: He decided to try again, however.
- 接続副詞を使って二つの独立した文(節)を繋ぐ場合、接続副詞の前にはピリオド (.) またはセミコロン (;) を置きます。接続副詞の後には通常コンマ (,) を置きます。
- 接続副詞の正しい句読法は、アカデミックなライティングなどでは特に重要です。
5. 相関接続詞 (Correlative Conjunctions)
5.1. 相関接続詞とは何か?(ペアで使う接続詞)
- 相関接続詞 (Correlative Conjunction) とは、常にペアで用いられ、二つの語、句、または節を結びつける接続詞(または接続詞的表現)のことです。
5.2. 主要な相関接続詞
both A and B
: AとBの両方- 例: He likes both dogs and cats.
either A or B
: AかBのどちらか一方- 例: You can choose either tea or coffee.
neither A nor B
: AもBもどちらも~ない (動詞は肯定形になる)- 例: Neither he nor his brother was present. (彼も彼の兄[弟]も出席していなかった。)
not only A but (also) B
: AだけでなくBもまた (B as well as A とほぼ同義)- 例: She speaks not only English but also French. (彼女は英語だけでなくフランス語も話す。)
whether A or B
: AかBか(どうか) (名詞節を導くことが多い)- 例: I don’t know whether he is right or wrong. (彼が正しいのか間違っているのか分からない。)
as ... as A
: Aと同じくらい… (程度比較)- 例: He is as tall as his father. (彼は父親と同じくらいの身長だ。)
so ... as A
: Aほど…ない (否定文での程度比較)- 例: She is not so [as] active as she used to be. (彼女は以前ほど活動的ではない。)
so + 形容詞/副詞 + that + 節
: とても…なので~だ (結果)- 例: He ran so fast that I couldn’t catch him.
such + (a/an) + 形容詞 + 名詞 + that + 節
: とても…な名詞なので~だ (結果)- 例: It was such a cold day that we stayed indoors.
5.3. 並列構造と主語・動詞の一致
- 相関接続詞で結ばれる A と B も、等位接続詞と同様に、文法的に**対等な形(並列構造)**にする必要があります。
- 相関接続詞(either A or B, neither A nor B, not only A but also B)が主語を作る場合、動詞は原則として B(動詞に近い方の主語)の人称・数に一致させます。
- 例: Neither you nor I am mistaken. (あなたも私も間違っていない。) (
I
にam
を一致) - 例: Not only the students but also the teacher was surprised. (生徒たちだけでなく先生も驚いた。) (
the teacher
にwas
を一致)
- 例: Neither you nor I am mistaken. (あなたも私も間違っていない。) (
- both A and B が主語の場合は、常に複数扱いとなります。
- 例: Both John and Mary are coming. (ジョンもメアリーも来ます。)
6. 接続詞・接続表現の選択と文脈
6.1. 意味関係に応じた適切な選択
- 文と文、あるいは節と節の間の論理関係(原因・結果、対比、譲歩、時系列など)を正確に把握し、それに最も適した接続詞や接続副詞を選択することが重要です。
- 例えば、単なる対比なら but, while、予期せぬ逆接なら however, nevertheless、理由なら because, since, as, for(文語)、結果なら so, therefore, consequently など、ニュアンスに応じて使い分ける必要があります。
6.2. 文体(フォーマル/インフォーマル)による違い
- 接続詞・接続表現の中には、文体によって使われ方が異なるものがあります。
- フォーマル: moreover, furthermore, consequently, nevertheless, whereas, hence, thus, in order that, lest などは、主に書き言葉やフォーマルなスピーチで使われます。
- インフォーマル: so (結果), but, and は会話でも書き言葉でも広く使われます。like が接続詞として使われる (
Do it like I told you.
) のはインフォーマルな用法です(標準的には as を使う)。
- 作文においては、文脈や目的に応じた適切な文体の接続表現を選ぶことが求められます。
7. まとめと次への接続
7.1. 本講義の要点整理
- 本講義では、文の要素を結びつけ、論理関係を示す接続詞および関連表現について学びました。
- 等位接続詞 (FANBOYS) が対等な要素を結び、従位接続詞が主節と従属節(名詞節、副詞節、形容詞節)を結びつけること、そして接続副詞が意味的に文脈を繋ぐ副詞であることを理解しました。
- それぞれの接続詞・接続副詞が示す主要な意味関係(並列、対比、選択、時、理由、条件、譲歩、目的、結果など)と、並列構造や句読法における注意点を確認しました。
- ペアで使う相関接続詞についても学びました。
7.2. 次のステップ:演習編での定着と応用
- 接続詞・接続表現は種類が多く、その使い分けは複雑ですが、論理的な読解と作文には不可欠です。
- 次の「接続詞:節連結と意味関係(演習編)」では、様々な文脈で適切な接続詞・接続表現を選んだり、接続詞が示す意味関係を判断したりする演習に取り組みます。講義内容を復習し、接続詞の機能を実践的に理解し、使いこなせるようにトレーニングしましょう。
7.3. 前置詞への橋渡し
- 接続詞が主に節と節を結びつけるのに対し、次に学習する「前置詞」は、主に名詞(句)と他の語句を結びつけ、場所、時間、方向、関係性など、より具体的な意味関係を示す働きをします。
- before, after, since, until, as, like など、接続詞としても前置詞としても使われる単語があるため、両者の**機能の違い(後ろに節が来るか、名詞句が来るか)**を正確に見分けることが重要になります。
- 接続詞の知識を基盤に、次は前置詞の多様な機能と用法について学んでいきましょう。