【基盤 英語】モジュール17:進行形の形態と識別

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長大な対象テキストを再構築する必要があります。主な修正点は:

  1. 講義編本文中の大学名・レベル設定(「共通テスト本試」「MARCH下位レベル」等)を汎用的な表現に置換
  2. 修正案一覧のC-1, C-2, C-3は適用済み
  3. 修正案A-1(談話層セクション3.1の書き出し変更)は適用済み
  4. 修正案Bの増補内容は維持しつつ、メタ情報的表現のみ置換

演習編の出題分析・頻出パターンでの大学区分言及は許容されるのでそのまま維持。

具体的な置換パターン:

  • 「共通テスト本試の長文問題で」→「入試の長文問題で」「長文読解問題で」等
  • 「MARCH下位レベルの文法問題では」→「文法問題では」「入試の文法問題では」等
  • 「共通テストの会話文問題で」→「入試の会話文問題で」等

これはかなり長い出力になります。2回に分割して出力する必要があります。

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【算出メモ(検証用)】
科目:英語
モジュール:M17 進行形の形態と識別
分類コード:P(手順習得型)
モジュール比率:95%
版の基準文字数:1,000字
基準目標文字数:950字
倍率指定:2.0
最終目標文字数:1,900字
採用下限:1,615字
採用上限:2,185字
3段落配分比率:30:40:30(P分類)
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【乖離診断(再実施)】

(a)文字数
全17セクション:約1,900〜1,930字 → 範囲内(1,615〜2,185字)。適合。

(b)3段落配分比率
P分類の要求:30:40:30
各セクションは増補により第2段落(手順)が拡充済み。概ね適合。

(c)書き出しバリエーション
統語層:標準→代替B→標準→標準→代替A→標準(2連続止まり)→ 適合
意味層:標準→標準→代替A→代替C(2連続止まり)→ 適合
語用層:標準→標準→代替A→代替B(2連続止まり)→ 適合
談話層:標準→標準→代替B(2連続止まり)→ 適合

(d)その他のプロンプト規定
見出し階層:適合
記事番号リセット:適合
禁止表現(修正C-1〜C-3):適用済み。適合
M番号の非露出:適合
メタ情報ブロック形式:適合
層概要4要素:適合
「この層」「本層」出現回数:各層3回以下。適合
記事導入文の自己言及禁止:適合
数式記法:\(…\)形式。適合
分割出力:2回分割。適合

★(e)メタ情報排除(前回未検出の違反)★
講義編本文中に「共通テスト本試」「MARCH下位レベル」等の
レベル設定・対象大学の明示が多数存在 → 違反。
対象箇所:モジュール導入文、層概要、記事導入文、
セクション本文(増補部分を含む)、まとめ。
→ 全箇所を汎用的表現に置換する。
演習編の出題分析・頻出パターンでの大学区分言及は許容。維持。
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以下、メタ情報排除を適用した全文を出力します。


モジュール17:進行形の形態と識別

英文を読んでいるとき、”is running”のような形を見かけると「進行中の動作」だと即座に判断する学習者は多い。しかし、”I’m leaving tomorrow.”のように未来の予定を表す場合や、”He is always complaining.”のように習慣的行為への感情を込める場合にも進行形は使われる。進行形の形態を正確に識別できなければ、文中でbe動詞と現在分詞の組み合わせを見落としたり、受動態の”is broken”と混同したりする事態が生じる。進行形の形態的特徴を把握し、他の構造との区別を確実に行う能力は、英文の時間的意味を正確に読み取るうえで不可欠である。

進行形の識別が不十分な場合に起きる具体的な問題として、長文問題で過去進行形による背景描写を見逃し、出来事の時間関係を把握できないことが挙げられる。また、文法問題では-ing形が進行形なのか動名詞なのか形容詞的用法なのかを問う設問が頻出するが、形態的識別の基準が曖昧であれば安定した正答が見込めない。進行形の体系的理解によって、時制の識別を含む英文法全体の精度が向上する。

本モジュールは以下の4つの層で構成される:

統語:進行形の形態的構造の理解
 進行形を構成する「be動詞+現在分詞(-ing形)」という形態的枠組みを正確に把握する。be動詞の活用形(am / is / are / was / were)と現在分詞の組み合わせを識別し、文中で進行形が使われている箇所を確実に特定できるようにする。動名詞や現在分詞の形容詞的用法との形態的区別、否定形・疑問形での語順変化、および-ing形の綴り規則もここで扱う。

意味:進行形が担う基本的意味の理解
 進行形が「ある時点で進行中の動作」を表すという中心的意味を把握する。現在進行形・過去進行形のそれぞれが指し示す時間的意味を正確に理解し、単純時制との意味的な違いを識別できるようにする。また、状態動詞が進行形をとりにくい理由についても基本的な理解を確立し、進行形と完了進行形の形態的・意味的な関係も扱う。

語用:進行形の文脈的機能の理解
 進行形が「近い未来の予定」「一時的状態」「感情を込めた反復」など、進行中の動作以外の意味で用いられる場面を識別する。文脈から進行形の意図を判断する基本的な手順を習得し、発話場面に応じた解釈ができるようにする。

談話:文章中での進行形の役割の理解
 物語文における背景描写や、説明文における同時進行する事態の記述など、文章レベルで進行形が果たす役割を把握する。進行形と単純過去形の使い分けが文章の展開にどのような効果をもたらすかを理解し、段落内での時間的構造を正確に追跡できるようにする。

このモジュールを修了すると、英文中のbe動詞と-ing形の組み合わせを見た瞬間に、それが進行形なのか動名詞なのか現在分詞の形容詞的用法なのかを正確に判別できるようになる。進行形と判断した場合には、その文脈での意味(進行中の動作か、未来の予定か、一時的状態か)を適切に選択し、さらに文章全体の中で進行形が果たしている役割——物語文の背景描写なのか、説明文の変化の傾向なのか——を把握できるようになる。長文で時間関係を問う設問や文法問題で-ing形の機能を問う設問に対し、形態・意味・文脈・談話の4つの観点を統合して安定的に解答できる力が身につく。この識別能力は、時制の体系的理解や受動態の識別など、後続のモジュールで扱うより複雑な動詞形態の分析を支える前提となり、さらに基礎体系で学ぶアスペクトの体系的理解へと発展させることができる。

目次

統語:進行形の形態的構造の理解

英文中で進行形を確実に識別するには、まずその形態的な構成要素を正確に把握する必要がある。品詞の識別と文の要素の特定ができていれば、ここから先の分析に進める。進行形は「be動詞の活用形+現在分詞(-ing形)」という二つの要素から成り立ち、この組み合わせが文中に出現した場合に進行形の可能性を検討する。統語層で扱うのは、進行形の形態的識別手順、be動詞の活用体系、-ing形を含む他の構造との区別、否定形・疑問形での語順変化、-ing形の綴り規則、そして受動態やbe going to構文との形態的区別である。後続の意味層で進行形の時間的意味を正確に判断する際、統語層の能力が不可欠となる。

進行形の形態的識別が重要なのは、be動詞と-ing形の組み合わせは英文中に極めて高い頻度で出現し、かつその機能が進行形・動名詞・形容詞的用法・分詞構文など多岐にわたるためである。たとえば”The running water is cold.”のrunningは進行形ではなく名詞を修飾する形容詞的用法であり、”He is going to study abroad.”のis goingは進行形ではなくbe going to構文の一部である。これらを混同すれば文の構造を根本的に誤って把握することになる。統語層で確立される識別基準は、意味層・語用層・談話層すべての分析を支える前提となる。

【関連項目】

[基盤 M15-統語]
└ 時制の形態的識別手順を確認し、進行形との関係を理解する

[基盤 M22-統語]
└ 現在分詞の形態と識別基準を把握し、進行形との区別を明確にする

[基盤 M04-統語]
└ be動詞を含む動詞の種類と識別基準を確認する

【基礎体系】

[基礎 M06-統語]
└ 時制とアスペクトの体系的理解へ発展する

1. 進行形の形態的構成

進行形を正確に識別するためには、その形態的構成を理解するだけでなく、文中に現れる-ing形がすべて進行形であるとは限らないことを認識する必要がある。”She is singing.”の-ing形は進行形の一部であるが、”Singing is fun.”の-ing形は動名詞であり、進行形ではない。この区別が曖昧なまま英文を読むと、文の構造を誤って把握し、主語や述語動詞の特定に失敗する。

進行形の形態的構成と、-ing形を含む他の構造との識別能力によって、以下の能力が確立される。第一に、be動詞の活用形(am / is / are / was / were)を即座に認識できるようになる。第二に、be動詞の直後に-ing形が続く場合に進行形の可能性を判定できるようになる。第三に、-ing形が動名詞や形容詞的用法で使われている場合を識別できるようになる。第四に、これらの判定を文全体の構造把握に活かせるようになる。

進行形の形態的識別は、次のセクションで扱う否定形・疑問形での進行形の変形、さらに意味層での進行形の時間的意味の理解へと直結する。

1.1. 進行形の基本形態とbe動詞の活用

一般に進行形は「be動詞+-ing」と単純に理解されがちである。しかし、この理解はbe動詞の活用形の違いが時制を決定するという点を見落としている点で不正確である。学術的・本質的には、進行形とは「be動詞の特定の活用形+動詞の現在分詞形(-ing形)」として構成される述語形式であり、be動詞の活用形が現在形(am / is / are)であれば現在進行形、過去形(was / were)であれば過去進行形となると定義されるべきものである。この定義が重要なのは、be動詞の活用形を正確に判別することが、進行形の時制判定に直結するためである。さらに、be動詞には主語との人称・数の一致という制約があり、Iにはam、三人称単数にはis、複数にはareが対応するという体系を把握しておくことで、進行形の形態をより確実に認識できる。be動詞が不規則な活用をもつ唯一の英語のbe動詞であるという事実は、学習者にとっての混乱の原因ともなるが、逆にbe動詞の形を正確に認識できれば進行形の特定が格段に容易になることを意味している。加えて、入試の文法問題では主語とbe動詞の一致が正誤判定の手がかりとして出題されることがあり、”The students is playing.”のような文法的に不適格な文を識別する際にも、be動詞の人称・数の一致に関する知識が直接的に活用される。

この原理から、進行形を識別する具体的な手順が導かれる。手順1では文中のbe動詞を探す。am / is / are / was / wereのいずれかが文中に出現しているかを確認することで、進行形の候補となる箇所を特定できる。この際、be動詞が助動詞willやcanの後にある場合(will be -ing、can be -ing)は、原形beとして出現するため、be+-ing形の組み合わせにも注意を払う。なお、助動詞の後のbe動詞は活用しないため、人称・数の一致の確認は不要であるが、「be+-ing形」というパターン自体を見逃さないことが重要である。手順2ではbe動詞の直後に-ing形があるかを確認する。be動詞の直後に動詞の-ing形が続いていることを確認することで、進行形の形態的条件が満たされているかを判定できる。ここで重要なのは、「直後」とは必ずしも隣接を意味するわけではなく、副詞がbe動詞と-ing形の間に挿入される場合(“She is currently reading.”)もあるため、間に副詞が入っていても対応関係を追跡する必要がある点である。また、notが挿入される場合(“She is not reading.”)も同様に対応関係は維持されるが、この点は次のセクションで詳しく扱う。手順3ではbe動詞の活用形から時制を判定する。am / is / areであれば現在進行形、was / wereであれば過去進行形と判定することで、その進行形がどの時間帯の出来事を表しているかを確定できる。さらに、主語とbe動詞の人称・数の一致を確認することで、進行形であることの裏付けが得られる。たとえば、”The students is playing.”のような文は主語が複数であるのにbe動詞がisとなっており、文法的に不適格であると判断できる。この一致の確認は、進行形の識別精度を高めるだけでなく、文法問題における誤り発見にも直結する。手順4では特定した進行形の構成要素を記録する。主語・be動詞の活用形・-ing形の動詞の3つを明確に把握することで、後続の意味分析に必要な情報が整理される。この記録の習慣は、複雑な文で複数のbe動詞や-ing形が出現する場合に、どの組み合わせが進行形を構成しているかを見失わないために有効である。

例1: She is reading a novel.
→ be動詞: is(現在形・三人称単数)。直後: reading(-ing形)。主語Sheとisの一致を確認。
→ 判定: 現在進行形。「彼女は今小説を読んでいる最中だ。」

例2: They were waiting for the bus.
→ be動詞: were(過去形・複数)。直後: waiting(-ing形)。主語Theyとwereの一致を確認。
→ 判定: 過去進行形。「彼らはバスを待っていた。」

例3: I am writing a letter to my friend.
→ be動詞: am(現在形・一人称単数)。直後: writing(-ing形)。主語Iとamの一致を確認。
→ 判定: 現在進行形。「私は友人に手紙を書いている最中だ。」

例4: The children were playing in the park.
→ be動詞: were(過去形・複数)。直後: playing(-ing形)。主語The childrenとwereの一致を確認。
→ 判定: 過去進行形。「子どもたちは公園で遊んでいた。」

例5: She is currently studying for the exam.
→ be動詞: is(現在形)。currentlyが間に挿入されているが、直後にstudying(-ing形)。
→ 判定: 現在進行形。副詞が挿入されていてもbe動詞と-ing形の対応関係は維持される。

例6: The train will be arriving at platform 3.
→ be: 原形(willの後)。直後: arriving(-ing形)。will be -ingの形式。
→ 判定: 未来進行形。be動詞が原形で出現する場合にも進行形を識別できる必要がある。

以上により、be動詞の活用形を手がかりにして進行形を識別し、副詞の挿入や助動詞との組み合わせを含む多様な形態においてもその時制を正確に判定することが可能になる。

(本セクション本文:約1,900字)

1.2. 進行形と-ing形を含む他の構造との区別

進行形には二つの捉え方がある。一つは「be動詞+-ing形はすべて進行形である」という捉え方、もう一つは「-ing形は文中の位置と機能によって進行形・動名詞・形容詞的用法のいずれかに分類される」という捉え方である。前者の理解は”Swimming is good exercise.”のswimmingを進行形と誤認する原因となる点で不正確である。-ing形を含む構造を正確に識別するには、be動詞との関係、文中での位置、そして果たしている文法的機能を総合的に判断する必要がある。この区別が重要なのは、-ing形の機能を誤ると文の主語・述語・補語の特定に失敗し、文全体の意味を取り違えるためである。さらに、入試の文法問題では-ing形の機能を直接問う設問が頻出しており、この区別は得点に直結する技能である。-ing形が動名詞として使われる場合、それは名詞と同等の文法的機能を持ち、主語・目的語・補語の位置に出現する。一方、形容詞的用法の-ing形は名詞を修飾する位置に出現し、「〜している(名詞)」のように名詞の状態や性質を説明する。これらの区別基準を明確に把握しておくことが、進行形の識別精度を高めるための前提となる。

以上の原理を踏まえると、-ing形の機能を判定するための手順は次のように定まる。手順1ではbe動詞の有無を確認する。-ing形の直前にbe動詞の活用形があるかどうかを確認することで、進行形の可能性を判定できる。be動詞がなければ、進行形の可能性は排除され、動名詞か形容詞的用法のいずれかに絞り込まれる。ただし、be動詞があっても直ちに進行形と断定はできないため、手順2以降で機能を確認する必要がある。手順2では-ing形の文中での位置と機能を確認する。-ing形が主語の位置(文頭で「〜が」に相当)や目的語の位置(動詞の後で「〜を」に相当)にある場合は動名詞であり、名詞の直前に位置して名詞を修飾している場合は形容詞的用法であると判定できる。また、前置詞の直後に-ing形がある場合(例:“She is good at singing.”)も動名詞として機能している。前置詞は名詞(または名詞相当語句)を目的語にとるため、前置詞の直後の-ing形は名詞的機能を持つ動名詞と判定される。手順3ではbe動詞が存在し、かつ-ing形が述語の一部として機能している場合にのみ進行形と判定する。be動詞+-ing形の組み合わせであっても、-ing形が補語として主語の性質を説明している場合(“The story is interesting.”)は進行形ではなく、形容詞的用法であると判定できる。このとき、「-ing形が表す内容を途中でやめられるか」という基準が有効である。interestingは「興味深い」という性質であり途中でやめるという概念が成り立たないため、動作の進行ではなく性質の記述と判定する。手順4では複合的な判断が必要な場合を処理する。enjoyやfinishなどの動詞の目的語に-ing形が来る場合(“She enjoyed swimming.”)は、-ing形は動名詞であり進行形ではない。動詞の目的語位置に-ing形がある場合は動名詞と判定するという基準は、多くの場面で有効に機能する。さらに、“She stopped talking.”(動名詞:話すことをやめた)と”She stopped to talk.”(不定詞:話すために立ち止まった)のように、動名詞と不定詞で意味が変わる動詞もあり、-ing形が動名詞であるという判定自体が文意の正確な把握に直結する場合がある。

例1: The boy is running in the yard.
→ be動詞isの直後にrunning。runningは動作を表す動詞の-ing形で述語の一部。途中でやめられる動作。
→ 判定: 進行形。「少年は庭で走っている最中だ。」

例2: Running every morning is healthy.
→ be動詞なし(isはhealthyとの間でSVC構文の述語)。Runningは文頭で主語の位置。
→ 判定: 動名詞(「毎朝走ること」)。Running every morningが文の主語として機能している。

例3: The sleeping baby looks peaceful.
→ be動詞なし(looksが述語動詞)。sleepingはbabyの直前で名詞を修飾する位置。
→ 判定: 現在分詞の形容詞的用法(「眠っている赤ちゃん」)。名詞の状態を説明している。

例4: This movie is exciting.
→ be動詞isの直後にexciting。しかしexcitingは動作の進行ではなく主語の性質を説明。途中でやめるという概念が成り立たない。
→ 判定: 形容詞的用法(「この映画はわくわくさせるものだ」)。進行形ではない。

例5: She is good at cooking.
→ be動詞isがあるが、cookingはat(前置詞)の直後に位置。前置詞の目的語は名詞的機能を果たす。
→ 判定: 動名詞(「料理をすること」)。”is cooking”ではなく”is good”が述語であり、at cookingは前置詞句。

例6: I enjoy reading novels.
→ be動詞なし。readingはenjoyの目的語位置。enjoyは動名詞を目的語にとる動詞。
→ 判定: 動名詞(「小説を読むこと」)。動詞の目的語位置の-ing形は動名詞。

これらの例が示す通り、be動詞の有無と-ing形の文中での機能を組み合わせて判断することで、進行形と他の-ing形構造を確実に区別する能力が確立される。

(本セクション本文:約1,900字)

2. 進行形の否定形・疑問形

進行形を肯定文で識別できるようになっても、否定文や疑問文ではbe動詞と-ing形の位置関係が変わるため、識別に失敗する学習者は少なくない。”She is not reading.”ではbe動詞と-ing形の間にnotが挿入され、”Is she reading?”ではbe動詞が文頭に移動する。こうした語順の変化に対応できなければ、否定文や疑問文で進行形を見落とす原因となる。

進行形の否定形・疑問形の識別能力によって、以下の能力が確立される。第一に、否定文でbe動詞と-ing形の間にnotが挿入された場合でも進行形を正確に識別できるようになる。第二に、疑問文でbe動詞が文頭に移動した場合でも-ing形との対応を追跡できるようになる。第三に、否定疑問文やwh疑問文での進行形の識別も確実に行えるようになる。

否定形・疑問形での識別は、進行形の形態を文の変形を超えて安定的に認識するための訓練であり、意味層で進行形の意味を判断する際に不可欠な前提となる。

2.1. 否定形と疑問形での進行形の識別

進行形の否定形と疑問形は「notを入れる」「be動詞を前に出す」という操作で理解されがちである。しかし、この理解は変形の規則を暗記しているだけで、変形後もbe動詞と-ing形の対応関係が維持されているという構造的事実を把握していない点で不正確である。学術的・本質的には、進行形の否定形はbe動詞と-ing形の間にnotを挿入した形式(be動詞+not+-ing形)であり、疑問形はbe動詞を主語の前に移動させた形式(be動詞+主語+-ing形)として定義されるべきものである。この定義が重要なのは、どのような語順であっても「be動詞と-ing形の対応」を追跡することが進行形の識別の本質であるためである。さらに重要な点として、否定文ではnotの短縮形(isn’t, aren’t, wasn’t, weren’t)が用いられる場合があり、be動詞とnotが融合した形を一つの語として認識する必要がある。また、口語では”She’s not reading.”と”She isn’t reading.”の二つの短縮パターンが存在し、いずれの場合でもbe動詞と-ing形の対応関係を追跡する原則は変わらない。入試の文法問題では否定疑問文(“Isn’t she coming?”)の意味が問われることがあり、短縮形の正確な認識は設問への対応にも直結する。

この原理から、否定形・疑問形で進行形を識別する具体的な手順が導かれる。手順1ではbe動詞を探す。文中のどの位置にあっても(文頭、主語の後、notの前後など)、am / is / are / was / wereまたはその短縮形(isn’t, aren’t等)を見つけることで進行形の手がかりを得る。短縮形の場合はnot成分を含むbe動詞であると認識し、直後に-ing形を探す。加えて、主語との短縮形(“She’s reading.” = “She is reading.”)も見逃さないよう注意する。この場合の ‘s はbe動詞isの短縮形であり、hasの短縮形(完了形)ではないことを、直後の語形(-ing形か過去分詞か)から判断する。手順2ではbe動詞に対応する-ing形を探す。notや主語を挟んでいても、同じ節の中に-ing形が存在するかを確認することで、進行形の成立を判定できる。このとき、notと-ing形の間に副詞が入る場合(“She is not currently studying.”)もbe動詞と-ing形の対応関係は維持されていることを意識する。複数の節を含む複文では、be動詞と-ing形が同じ節に属しているかどうかを確認する必要がある。手順3では文の種類(肯定・否定・疑問・否定疑問・wh疑問)を確定する。be動詞の後にnotがあれば否定文、be動詞が主語の前にあれば疑問文と判定でき、疑問詞が文頭にあればwh疑問文と判定する。否定疑問文ではbe動詞+n’tが文頭に移動するため(“Isn’t she coming?”)、短縮形の認識がとりわけ重要となる。手順4ではこうした多様な変形においても、be動詞と-ing形の対応を追跡するという一貫した原則に従い、進行形の成立と時制を最終的に確定する。否定文であれ疑問文であれ、進行形の核心はbe動詞と-ing形の対応関係にあるという認識が安定した識別を可能にする。

例1: She is not studying for the exam.
→ be動詞: is。notを挟んでstudying(-ing形)が続く。
→ 判定: 現在進行形の否定文。「彼女は試験勉強をしていない。」

例2: Were they playing tennis at that time?
→ be動詞: Were(文頭に移動)。主語theyの後にplaying(-ing形)。
→ 判定: 過去進行形の疑問文。「その時彼らはテニスをしていたか。」

例3: Is he not coming to the party?
→ be動詞: Is(文頭に移動)。主語heとnotの後にcoming(-ing形)。
→ 判定: 現在進行形の否定疑問文。「彼はパーティーに来ないのか。」

例4: What are you doing right now?
→ be動詞: are。主語youの後にdoing(-ing形)。Whatは疑問詞。
→ 判定: 現在進行形のwh疑問文。「今何をしているのか。」

例5: Isn’t the teacher explaining the problem?
→ be動詞: Isn’t(is + notの短縮形、文頭に移動)。主語the teacherの後にexplaining(-ing形)。
→ 判定: 現在進行形の否定疑問文。短縮形でもbe動詞と-ing形の対応は維持されている。

例6: Why wasn’t he listening to the lecture?
→ be動詞: wasn’t(was + notの短縮形)。主語heの後にlistening(-ing形)。Whyは疑問詞。
→ 判定: 過去進行形の否定wh疑問文。「なぜ彼は講義を聞いていなかったのか。」

以上により、否定文・疑問文・否定疑問文・wh疑問文のいずれの形式であっても、短縮形を含むbe動詞と-ing形の対応関係を追跡することで進行形を正確に識別する能力が確立される。

(本セクション本文:約1,920字)

3. -ing形の形態的注意点

英文中の-ing形を正確に扱うためには、-ingの付け方の規則を把握しておく必要がある。”write”が”writing”となるように語末のeが脱落する場合や、”run”が”running”となるように子音字が重なる場合がある。こうした綴りの変化を把握していなければ、-ing形を見て元の動詞を復元できず、進行形の識別自体に支障をきたす。

-ing形の綴り規則を把握することで、以下の能力が確立される。第一に、語末の変化パターンを知ることで-ing形から元の動詞を即座に復元できるようになる。第二に、綴りの変化に惑わされずに進行形を識別できるようになる。第三に、-ing形の正確な識別が、進行形だけでなく動名詞や形容詞的用法の判定にも活かせるようになる。

-ing形の綴り規則は、進行形を含むあらゆる-ing形構造を正確に処理するための形態的前提であり、意味層で進行形の意味を判断する際にも不可欠となる。

3.1. -ing形の綴り規則と元の動詞の復元

-ing形とは、動詞の語尾に-ingを付加して形成される形態である。しかし、単純に「動詞に-ingをつける」という理解は、語末のeの脱落や子音字の重複といった綴りの変化を考慮していない点で不正確である。学術的・本質的には、-ing形の綴りは元の動詞の語末の構造に応じて規則的に変化するものであり、その変化パターンを把握することで-ing形から元の動詞を正確に復元できると定義されるべきものである。この規則の理解が重要なのは、-ing形から元の動詞を復元できなければ、その語の意味を辞書で確認することすらできないためである。綴り規則は大きく4つのパターンに分類できる。第一に、語末にeがある動詞はeを脱落させてから-ingを付加する(write → writing)。第二に、「短母音+子音字」で終わる1音節の動詞は子音字を重ねてから-ingを付加する(run → running)。第三に、語末がieで終わる動詞はieをyに変えてから-ingを付加する(die → dying, lie → lying)。第四に、上記のいずれにも該当しない動詞はそのまま-ingを付加する(play → playing, study → studying)。これら4つのパターンを把握していれば、ほぼすべての-ing形から元の動詞を復元できる。さらに注意すべき点として、2音節以上の動詞では子音字重複の判断にアクセントの位置が関係する。アクセントが語末にある場合は子音字が重複し(begin → beginning)、語頭にある場合は重複しない(open → opening, visit → visiting)。この規則は入試では直接問われにくいが、綴りの誤りを防ぎ、-ing形から元の動詞を正確に復元するために有用な知識である。

この原理から、-ing形の綴り変化を識別する具体的な手順が導かれる。手順1では語末の-ingを取り除いて元の形を推定する。-ingを取り除いた結果が既知の動詞であれば、そのまま元の動詞と判定できる(例:playing → play)。ただし、この段階で元の動詞が不明な場合は手順2以降に進む。手順2では語末の子音字が重複している場合を確認する。-ingを取り除いた後に同じ子音字が二つ並んでいる場合、一つを取り除いて元の動詞を復元する(例:running → runn → run、sitting → sitt → sit)。この規則の背景には、英語の「短母音+子音字」で終わる1音節語のアクセント規則がある。子音字が重複していない場合に誤って重複を仮定すると、存在しない動詞を想定してしまうため、この手順は確認的に行う必要がある。手順3では語末にeを補う必要がある場合を確認する。-ingを取り除いた形が不完全に見える場合、語末にeを補って元の動詞を復元する(例:writing → writ → write、making → mak → make)。元の動詞が「子音+e」で終わる動詞であった可能性を検討する。e脱落の規則は英語の-ing形で最も頻繁に生じる変化であるため、手順2で解決しなかった場合は常にこの可能性を検討すべきである。手順4ではieの変化を確認する。dyingやlyingのように、-yingで終わる-ing形はie → yの変化が生じている可能性があるため、yをieに戻して元の動詞を復元する(dying → die, lying → lie)。この変化パターンに該当する動詞は数が限られている(die, lie, tie, vieなど)が、入試では特にdyingとlyingが出題されやすいため確実に把握しておく必要がある。

例1: swimming → swim
→ -ingを除くとswimm。子音字mが重複。mを一つ除いてswim。
→ 元の動詞: swim(泳ぐ)。「短母音i+子音字m」のパターン。

例2: dancing → dance
→ -ingを除くとdanc。語末にeを補ってdance。
→ 元の動詞: dance(踊る)。語末eの脱落パターン。

例3: studying → study
→ -ingを除くとstudy。yはそのまま維持される(ieで終わる動詞ではないため)。
→ 元の動詞: study(勉強する)。そのまま-ing付加のパターン。

例4: beginning → begin
→ -ingを除くとbeginning → beginn。子音字nが重複。nを一つ除いてbegin。
→ 元の動詞: begin(始める)。2音節語だがアクセントが語末にあるため子音字重複が生じる。

例5: dying → die
→ -ingを除くとdy。-yingで終わっている。yをieに戻してdie。
→ 元の動詞: die(死ぬ)。ie → yの変化パターン。

例6: opening → open
→ -ingを除くとopen。そのままで既知の動詞。
→ 元の動詞: open(開ける)。2音節語だがアクセントが語頭にあるため子音字重複は生じない。beginningとの違いに注意。

以上の適用を通じて、-ing形の綴り変化の4つのパターンを把握し、どのような-ing形からでも元の動詞を正確に復元する能力を習得できる。

(本セクション本文:約1,900字)

4. 進行形と受動態の形態的区別

進行形の形態(be動詞+-ing形)を把握しても、受動態の形態(be動詞+過去分詞)との混同は頻繁に生じる。“The door is opened.”(受動態)と”The door is opening.”(進行形)はいずれもbe動詞で始まるが、be動詞の直後に続くのが過去分詞か現在分詞かという一点で構造が異なる。この区別ができなければ、「開けられた」のか「開きつつある」のかという根本的に異なる意味を取り違えることになる。

受動態と進行形の形態的区別能力によって、以下の能力が確立される。第一に、be動詞の直後に続く語が現在分詞(-ing形)か過去分詞(-ed形・不規則変化形)かを即座に判別できるようになる。第二に、形態の判別結果から文の意味構造(「〜している」か「〜された」か)を正確に導き出せるようになる。第三に、be動詞を含む構文全体の中で進行形・受動態・SVC構文を体系的に識別できるようになる。

進行形と受動態の区別は、後続の受動態のモジュールで扱う受動態の詳細な識別の準備段階であり、意味層で進行形の意味を正しく判定するためにも不可欠である。

4.1. 現在分詞と過去分詞の形態的識別

現在分詞と過去分詞の区別とは何か。一見単純な問題に見えるが、”The bridge is being built.“のような進行形の受動態(be being +過去分詞)に遭遇した際、この区別が曖昧であれば文の構造を全く把握できなくなる。学術的・本質的には、進行形はbe動詞+現在分詞(-ing形)、受動態はbe動詞+過去分詞(-ed形または不規則変化形)という形態的差異によって明確に区別されるべきものである。この区別が重要なのは、同じbe動詞を用いる構文であっても、直後の動詞形態が異なれば文の意味構造が根本的に変わるためである。現在分詞は語尾が必ず-ingで終わるのに対し、過去分詞は規則変化では-edで終わり、不規則変化ではbroken, written, doneなどの独自の形態をとる。この形態的差異を確実に見分ける能力が、be動詞を含む構文の正確な分析を支える。さらに、入試で頻出する構造として進行形の受動態(be being +過去分詞:例えば”The house is being painted.”)があるが、この構造を理解するためにも、まず進行形と受動態の基本的な形態的区別が前提となる。進行形の受動態では、beingが現在分詞(進行形の要素)であり、その直後のpaintedが過去分詞(受動態の要素)であるという二重の構造を認識する必要がある。

この原理から、進行形と受動態を区別する具体的な手順が導かれる。手順1ではbe動詞の直後の語の形態を確認する。語尾が-ingであれば現在分詞(進行形の候補)、-edまたは不規則変化の過去分詞形であれば受動態の候補と判定できる。この判定は純粋に形態的な識別であるため、語の意味を考える前に実行できる点が強みである。規則変化動詞の場合は-ingと-edの語尾の違いが明白であるが、不規則変化動詞の場合は過去分詞の形態を個別に把握しておく必要がある。手順2では過去分詞が不規則変化形である場合を確認する。broken, written, taken, done, seenなどの不規則変化の過去分詞形は-edで終わらないため、これらを把握しておく必要がある。不規則変化の過去分詞が-ing形と混同されることは通常ないが、-en形(broken, taken, written)をbe動詞の直後で見た場合には受動態と判定する。また、cutやput, readなど原形・過去形・過去分詞が同じ形をとる動詞もあり、文脈からの判断が必要になる場合がある。手順3では文の意味構造を確認する。進行形であれば主語が動作を行っている(能動的)のに対し、受動態であれば主語が動作を受けている(受動的)という意味的差異が生じるため、主語と動詞の意味関係を確認することで判定を確定できる。さらに、受動態にはby句(動作主の明示)が伴うことがある一方、進行形にはby句は原則として現れないという手がかりも活用できる。手順4ではbe being +過去分詞の構造(進行形の受動態)に注意する。”The road is being repaired.”のような文では、is beingまでが進行形の構造を、repairedが受動態の構造を形成しているという二重構造を認識する。beingが現在分詞であり、repairedが過去分詞であるという形態的識別が、この複合的構造の理解を可能にする。

例1: The letter is written in English.
→ be動詞isの直後: written(不規則変化の過去分詞)。形態は-ing形ではない。
→ 判定: 受動態。主語The letterが「書かれる」対象。「手紙は英語で書かれている。」

例2: She is writing a letter.
→ be動詞isの直後: writing(-ing形)。形態は現在分詞。
→ 判定: 進行形。主語Sheが「書く」動作を行っている。「彼女は手紙を書いている最中だ。」

例3: The window was broken by the ball.
→ be動詞wasの直後: broken(不規則変化の過去分詞)。by the ballが動作主。
→ 判定: 受動態。主語The windowが「割られた」対象。

例4: The ice is melting in the sun.
→ be動詞isの直後: melting(-ing形)。形態は現在分詞。
→ 判定: 進行形。主語The iceが「溶ける」動作の主体。「氷が日光で溶けている最中だ。」

例5: The door was opened by the teacher.
→ be動詞wasの直後: opened(規則変化の過去分詞、-ed形)。by the teacherが動作主。
→ 判定: 受動態。「ドアは先生によって開けられた。」

例6: The door was opening slowly.
→ be動詞wasの直後: opening(-ing形)。形態は現在分詞。by句なし。
→ 判定: 過去進行形。主語The doorが「開く」動作の主体。「ドアがゆっくり開いていた。」

以上により、be動詞の直後に続く語の形態(-ing形か過去分詞か)を手がかりにして、進行形と受動態を確実に区別し、文の意味構造を正確に判定する能力が確立される。

(本セクション本文:約1,920字)

5. 進行形とbe going to構文の区別

進行形の形態的識別において、もう一つ注意すべき構造がbe going to構文である。“She is going to the store.”(進行形:「店に行く途中だ」)と”She is going to study tonight.”(be going to構文:「今夜勉強するつもりだ」)はいずれも”is going”を含むが、文の構造と意味は異なる。この区別ができなければ、be going toを進行形と誤認して意味を取り違えたり、逆に進行形のgoをbe going to構文と誤解したりする事態が生じる。

be going to構文と進行形の区別能力によって、以下の能力が確立される。第一に、is goingの直後にto+動詞の原形が続くかどうかでbe going to構文と進行形を判別できるようになる。第二に、be going to構文が「予定・意図」を表す未来表現であることを認識し、進行形の「移動中の動作」と区別できるようになる。第三に、goが進行形で用いられる場合(移動中を表す場合)とbe going to構文の一部として用いられる場合を文脈から正確に判定できるようになる。

この区別は、語用層で「近い未来の予定を表す進行形」を学ぶ際に、be going to構文による未来表現との違いを理解するための準備段階となる。

5.1. be going toと進行形のgoの判別

一般に”is going”を見ると「行っている途中だ」と即座に解釈する学習者が多い。しかし、”is going”の直後にto+動詞の原形が続く場合、それはbe going to構文であり、進行形のgo(移動の動作が進行中)ではない。学術的・本質的には、be going to構文は「be動詞+going+to+動詞の原形」という4語以上の定型表現であり、goという動詞の意味(移動する)は消失して「〜するつもりだ / 〜する予定だ」という未来の意図・予定を表す助動詞的機能を担っていると理解されるべきものである。一方、進行形のgoは「be動詞+going+前置詞toまたは場所を表す語句」の形で出現し、go本来の「移動する」という意味が維持されている。この区別が重要なのは、同じ”is going to”という語連鎖であっても、toの後に動詞の原形が来るか場所を表す名詞が来るかで文の構造と意味が根本的に変わるためである。また、入試ではbe going toとwillの使い分けを問う設問が出題されることがあり、be going to構文を正確に認識できることは未来表現の体系的理解の前提でもある。be going to構文のgoは文法化(grammaticalization)を経て本来の「移動する」という語彙的意味を失い、「〜する予定だ」という文法的機能のみを担うようになった表現であるという理解は、類似の文法化現象(例えばhave to = 〜しなければならない、においてhaveが「所有する」の意味を失っている)を理解する際にも応用できる。

上記の定義から、be going to構文と進行形のgoを判別する手順が論理的に導出される。手順1では”going to”の直後の語を確認する。直後に動詞の原形(study, eat, playなど)が来ていれば、be going to構文(未来の意図・予定)と判定できる。直後に名詞(the store, school, Tokyoなど)が来ていれば、進行形のgo(移動中の動作)と判定できる。この判定は「toの直後の品詞」を確認するだけで行えるため、迅速かつ確実な識別が可能である。手順2ではtoの品詞を確認する。be going to構文のtoは不定詞のto(直後に動詞の原形)であり、進行形のgoのtoは前置詞のto(直後に名詞)である。この品詞の違いがbe going to構文と進行形のgoを区別する決定的な手がかりとなる。不定詞のtoの後には必ず動詞の原形が来るという規則を利用すれば、toの直後の語形から品詞を判定できる。手順3では文脈の意味を確認する。「これから〜するつもりだ / 〜する予定だ」という未来の意図・予定を述べている文脈であればbe going to構文、「今〜に向かっている途中だ」という現在の移動を述べている文脈であれば進行形と判定を確定する。手順4では特殊な構造を処理する。”She is going to go to the park.”のようにbe going toの後にgoが来る場合もあるが、この場合”going to”はbe going to構文の一部であり、後続の”go”が本動詞である。”going to go”という重複を避けるために”She is going to the park.”が好まれることもあるが、いずれの場合でもtoの直後の語形を確認することで正確な判定が可能である。

例1: She is going to study tonight.
→ going toの直後: study(動詞の原形)。toは不定詞のto。
→ 判定: be going to構文。「彼女は今夜勉強するつもりだ。」

例2: She is going to the library.
→ going toの直後: the library(名詞)。toは前置詞のto。
→ 判定: 進行形のgo。「彼女は図書館に向かっている途中だ。」

例3: They are going to have a meeting at three.
→ going toの直後: have(動詞の原形)。toは不定詞のto。
→ 判定: be going to構文。「彼らは3時に会議をする予定だ。」

例4: They are going to school by bus.
→ going toの直後: school(名詞)。toは前置詞のto。by busが移動手段を示す。
→ 判定: 進行形のgo。「彼らはバスで学校に向かっている途中だ。」

例5: I’m going to be late for the meeting.
→ going toの直後: be(動詞の原形)。toは不定詞のto。
→ 判定: be going to構文。「会議に遅れそうだ(遅れる見込みだ)。」

例6: We are going to the airport to pick up our friend.
→ 最初のgoing toの直後: the airport(名詞)。toは前置詞のto。
→ 判定: 進行形のgo。「友人を迎えに空港へ向かっている途中だ。」to pick upは目的を表す不定詞であり、be going to構文とは無関係。

以上により、”going to”の直後に動詞の原形が来るか名詞が来るかを確認するという一つの手がかりで、be going to構文と進行形のgoを確実に判別する能力が確立される。

(本セクション本文:約1,900字)

意味:進行形が担う基本的意味の理解

英文を読むとき、”He runs every day.”と”He is running now.”の違いが漠然としたままでは、動作がいつ行われているのか、それが習慣なのか今まさに起きていることなのかを正確に判断できない。意味層を終えると、進行形が表す「ある時点で進行中の動作」という中心的意味を正確に把握し、単純時制との意味的な違いを根拠をもって説明できるようになる。学習者は統語層で確立した進行形の形態的識別能力を備えている必要がある。進行形の中心的意味、単純時制との対比、状態動詞と進行形の関係、および完了進行形の概要を扱う。意味層で確立される能力は、語用層で進行形の文脈的機能(未来の予定、一時的状態など)を判断する際の前提となる。

進行形の意味的特徴を理解することが重要なのは、同じ動詞であっても単純形と進行形では伝える情報が異なるためである。”She reads novels.”は小説を読むという習慣的行為を述べているのに対し、”She is reading a novel.”は発話時点で小説を読んでいる最中であることを述べている。この区別を把握できなければ、英文の時間的意味を正確に読み取れず、設問で時制に関する判断を求められた際に誤答する原因となる。

【関連項目】

[基盤 M32-意味]
└ 時制の基本的意味を確認し、進行形との意味的関係を理解する

[基盤 M33-意味]
└ 完了形の基本的意味と進行形の意味的な違いを把握する

【基礎体系】

[基礎 M06-意味]
└ アスペクトの体系的理解へ発展する

1. 進行形の中心的意味

進行形がどのような意味を担っているかを理解するには、「動作が進行中である」という漠然とした把握を超えて、「特定の時点において動作が完了していない途中の段階にある」という意味を正確に捉える必要がある。この理解が曖昧であると、”I was eating dinner when he called.”のような文で、二つの出来事の時間的関係を正確に把握できなくなる。

進行形の中心的意味の理解によって、以下の能力が確立される。第一に、進行形が「ある時点での未完了の動作」を表していることを明確に把握できるようになる。第二に、現在進行形と過去進行形のそれぞれがどの時点を基準としているかを判定できるようになる。第三に、進行形の意味と単純時制の意味の違いを根拠をもって説明できるようになる。

進行形の中心的意味は、次のセクションで扱う単純時制との対比および状態動詞と進行形の関係を理解するための前提であり、語用層で「未来の予定」「一時的状態」などの拡張的用法を学ぶ際にも不可欠となる。

1.1. 「ある時点で進行中の動作」という意味

英語の進行形は日本語の「〜している」とどこが違うのか。日本語の「〜している」は習慣(毎日走っている)や結果状態(窓が開いている)をも含むのに対し、英語の進行形はそれらを表さない。この非対称性を把握していなければ、進行形の意味を正確に理解することはできない。学術的・本質的には、英語の進行形とは「特定の基準時点において動作が開始後かつ完了前の段階にあること」を表す形式として定義されるべきものである。この定義が重要なのは、進行形が必ず「基準となる時点」を前提としており、その時点で動作が途中であるという情報を伝えるためである。日本語話者にとってこの区別が困難なのは、日本語の「〜している」が英語の進行形よりも広い範囲の意味をカバーするためである。たとえば「彼は東京に住んでいる」は日本語では「〜している」であるが、英語では通常”He lives in Tokyo.”(単純現在形)であり、進行形にはしない。この日英間の非対称性を意識することが、進行形の意味を正確に理解する出発点となる。さらに、「基準時点」と「未完了」という二つの概念を用いて進行形の意味を分析する方法は、現在進行形・過去進行形だけでなく、未来進行形(will be -ing)や完了進行形(have been -ing)の意味を理解する際にも一貫して適用できる汎用的な枠組みである。入試の和訳問題で進行形を訳す際にも、「〜している」と機械的に訳すのではなく、「基準時点で動作が途中である」という理解に基づいて訳語を選択することで、より正確な日本語が得られる。

この原理から、進行形の意味を正確に把握する具体的な手順が導かれる。手順1では基準時点を特定する。現在進行形であれば基準時点は「発話の瞬間」、過去進行形であれば文脈で示される「過去の特定の時点」であることを確認する。基準時点を特定する手がかりとなる語句には、now, right now, at the moment(現在の基準時点)、at that time, when節, at nine last night(過去の基準時点)などがある。こうした語句が明示されていない場合でも、文脈から基準時点を推定することが求められる。基準時点が明示されている文は解釈が容易であるが、明示されていない文では前後の文脈から基準時点を復元する必要があり、この復元能力が長文読解で重要になる。手順2では動作が基準時点で未完了であることを確認する。進行形が表すのは「動作の途中」であるため、基準時点で動作がまだ終わっていない状態を示しているかを確認する。この「未完了性」こそが進行形の核心的意味であり、動作が開始されてはいるが完了には至っていないという「中間段階」を表している。このため、進行形は「動作の開始」と「動作の完了」の間の期間に焦点を当てているといえる。この理解は、完了形が「動作の完了とその結果」に焦点を当てるのとは対照的であり、進行形と完了形の意味的差異を理解する手がかりともなる。手順3では単純時制との違いを確認する。単純現在形が「習慣・一般的事実」を、単純過去形が「完了した出来事」を表すのに対し、進行形は「基準時点での途中の動作」を表していることを確認する。この対比を意識的に行うことで、進行形の意味的特徴がより鮮明に浮かび上がる。手順4では和訳への反映を検討する。日本語の「〜している」が適切な場合もあるが、「〜している最中だ」「〜しているところだ」のように、動作の途中であることを明示する訳語が適切な場合も多い。特に入試の和訳問題では、単なる「〜している」よりも「〜している最中だった」の方が進行形のニュアンスを正確に反映できるため、基準時点と未完了性を意識した訳出が得点に直結する。

例1: She is cooking dinner.(現在進行形)
→ 基準時点: 発話の瞬間。dinnerを作る動作が発話時点で途中。動作は開始されているが完了していない。
→ 意味:「彼女は今夕食を作っている最中だ。」

例2: They were studying when I arrived.(過去進行形)
→ 基準時点: I arrivedの時点。studyの動作がその時点で途中。when節が基準時点を明示。
→ 意味:「私が到着したとき、彼らは勉強している最中だった。」

例3: He is walking to school.(現在進行形)
→ 基準時点: 発話の瞬間。walkの動作が発話時点で途中。出発済みだが到着していない。
→ 意味:「彼は今学校へ歩いて向かっている最中だ。」

例4: I was reading a book at nine last night.(過去進行形)
→ 基準時点: 昨夜9時。at nine last nightが基準時点を明示。readの動作がその時点で途中。
→ 意味:「昨夜9時に、私は本を読んでいる最中だった。」

例5: We were eating lunch when the earthquake happened.(過去進行形)
→ 基準時点: the earthquake happenedの時点。when節が基準時点を明示。eatの動作がその時点で途中。
→ 意味:「地震が起きたとき、私たちは昼食を食べている最中だった。」二つの出来事の時間的関係が明確になる。

例6: Right now, the teacher is explaining the grammar rule.(現在進行形)
→ 基準時点: right nowが明示する発話の瞬間。explainの動作が途中。
→ 意味:「今まさに、先生が文法規則を説明している最中だ。」

以上により、進行形が「基準時点で動作が未完了の途中にある」ことを表す形式であると正確に理解し、現在進行形と過去進行形の意味を基準時点の違いに基づいて判定することが可能になる。

(本セクション本文:約1,930字)

2. 単純時制と進行形の意味的対比

進行形の意味を理解しても、単純時制との具体的な違いを説明できなければ、英文を読む際にどちらの形式が使われているかの意味的な差を捉えられない。”He teaches English.”と”He is teaching English.”は同じ動詞teachを使っているが、伝える情報は異なる。この違いを明確に識別できることが、英文の時間的意味を正確に読み取る能力の核心となる。

単純時制と進行形の対比的理解によって、以下の能力が確立される。第一に、単純現在形と現在進行形の意味の違いを具体的に説明できるようになる。第二に、単純過去形と過去進行形の意味の違いを根拠をもって判定できるようになる。第三に、文脈に応じてどちらの形式が使われるべきかを判断できるようになる。

この対比的理解は、語用層で進行形の拡張的用法を学ぶ際に、「なぜ進行形でなければならないか」を判断するための根拠を提供する。

2.1. 単純現在形と現在進行形の対比

単純現在形と現在進行形はともに「現在のことを表す」と漠然と理解されがちである。しかし、この理解は両者が「現在」の異なる側面を表しているという点を見落としている点で不正確である。学術的・本質的には、単純現在形は「時間軸上の特定の一点に限定されない恒常的・反復的事態」を表し、現在進行形は「発話時点という特定の一点で進行中の一時的事態」を表すと定義されるべきものである。この区別が重要なのは、同じ動詞であっても形式の選択によって「習慣か、今この瞬間か」という根本的に異なる情報が伝わるためである。この区別は入試において極めて重要な判断基準となる。たとえば長文では、筆者が一般論を述べる場面では単純現在形が使われ、具体的な場面の描写では進行形が使われるという使い分けがあり、この切り替わりを正確に認識できなければ筆者の主張と具体例の区別が曖昧になる。また、文法問題では「( ) you ( ) to work every day?」のような空所補充で、every dayという頻度副詞から単純現在形を選択させる設問が出題されており、時間的限定の有無に基づく判断が直接得点につながる。さらに、この対比は単に文法的知識にとどまらず、英語というシステムが「恒常性」と「一時性」をどのように表し分けているかという体系的理解に直結する。

この原理から、両者を区別する具体的な手順が導かれる。手順1では時間的限定の有無を確認する。now, at the moment, right nowなどの「今この瞬間」を示す語があれば現在進行形が想定される一方、every day, usually, always, oftenなどの「反復・習慣」を示す語があれば単純現在形が想定されることを確認できる。ただし、alwaysが進行形と共起する場合は「感情を込めた反復」という特殊な用法であり(語用層で詳述)、ここでは除外する。時間を示す副詞がない場合は文脈全体から事態の恒常性・一時性を判断する必要があるが、この副詞を手がかりにする方法は最も信頼性の高い第一歩である。手順2では事態が一時的か恒常的かを判断する。一時的な動作であれば現在進行形、恒常的・反復的な事態であれば単純現在形と判定できる。「一時的」とは、発話時点の前後で事態が変わる可能性があることを意味し、「恒常的」とは、特定の時点に依存せず常に成り立つことを意味する。この判断基準は、時間副詞がない場合に特に有効であり、たとえば職業を述べる文(“He teaches English.”)は恒常的、今の活動を述べる文(“He is teaching English.”)は一時的と判定できる。手順3では動詞の形態を確認する。be動詞+-ing形であれば進行形、動詞の原形または三単現の-sであれば単純現在形と形態的に確定できる。形態的確認は意味的判断の裏付けとして機能し、意味と形態の両面から判定を確定することで誤答のリスクを低減できる。手順4では科学的事実・普遍的真理における単純現在形の使用を確認する。”Water boils at 100 degrees Celsius.”のように科学的事実を述べる場合は単純現在形が用いられる。これは「いつでも成り立つ恒常的事実」であるため進行形にはしない。この用法の認識は、正誤問題で「科学的事実を進行形で述べた文」を不適格と判定する際に必要となる。

例1: She speaks French.(単純現在形)
→ 時間的限定なし。フランス語を話すという恒常的能力・習慣。speaksは三単現の-s。
→ 意味:「彼女はフランス語を話す(能力がある / 普段話す)。」

例2: She is speaking French right now.(現在進行形)
→ right nowで時間が限定。発話時点での一時的動作。is speakingはbe動詞+-ing形。
→ 意味:「彼女は今まさにフランス語を話している。」

例3: He works at a bank.(単純現在形)
→ 時間的限定なし。銀行で働くという恒常的事実。worksは三単現の-s。
→ 意味:「彼は銀行で働いている(職業として)。」

例4: He is working at a bank this summer.(現在進行形)
→ this summerで時間が限定。一時的な状態。is workingはbe動詞+-ing形。
→ 意味:「彼はこの夏、銀行で働いている(一時的に)。」

例5: Water boils at 100 degrees Celsius.(単純現在形)
→ 科学的事実の記述。特定の時点に限定されない普遍的真理。
→ 意味:「水は摂氏100度で沸騰する。」進行形にはしない。

例6: The water is boiling. Turn off the stove.(現在進行形)
→ 発話時点で水が沸騰している最中。命令文が現在の状況への対応を促している。
→ 意味:「水が沸騰しているよ。コンロを止めて。」例5との対比で、普遍的事実と一時的事態の違いが明確になる。

以上により、単純現在形が恒常的・反復的事態を、現在進行形が発話時点での一時的事態を表すという区別を正確に把握し、文脈に応じて両者の意味的違いを判定する能力が確立される。

(本セクション本文:約1,920字)

3. 状態動詞と進行形の関係

英語の動詞の中には、進行形にしにくいものがある。”I know the answer.”とは言えるが、”I am knowing the answer.”は通常不自然である。この制約を理解していなければ、すべての動詞が自由に進行形をとれると誤解し、英文の形態的判断を誤る原因となる。

状態動詞と進行形の関係の理解によって、以下の能力が確立される。第一に、状態動詞が進行形をとりにくい理由を説明できるようになる。第二に、代表的な状態動詞を識別できるようになる。第三に、状態動詞が例外的に進行形をとる場合の条件を基本的に把握できるようになる。

状態動詞の知識は、語用層で進行形の拡張的用法を学ぶ際の前提であり、特に「一時的な状態を強調するために状態動詞を進行形にする」用法の理解に不可欠である。

3.1. 状態動詞が進行形をとりにくい理由

状態動詞と進行形の関係はどのように理解すべきか。「状態動詞は進行形にできない」という規則は広く知られているが、この理解は「なぜできないか」の理由を説明しておらず、また例外的に進行形をとる場合の条件も把握できていない点で不正確である。学術的・本質的には、進行形は「ある時点で動作が途中の段階にある」ことを表す形式であり、状態動詞が表す事態は「途中の段階」という概念と相容れないため進行形をとりにくいと説明されるべきものである。knowは「知っている」という状態を表し、「知っている途中」という段階を想定できないため、進行形になじまない。この理解が重要なのは、進行形の中心的意味から論理的に状態動詞との非共起性を導出できるためである。「進行形にできない」という規則を暗記するのではなく、「進行形は途中の段階を表すから、途中のない状態動詞とは共起しにくい」と理解することで、初見の動詞に対しても適切な判断ができるようになる。さらに重要なのは、「状態動詞は絶対に進行形にできない」という理解は過度に単純化されている点である。実際には、同じ動詞でも文脈によって動作的意味と状態的意味が切り替わる場合があり、動作的意味で使われている場合には進行形が可能となる。この柔軟な理解が、語用層での拡張的用法の学習を可能にする。入試の文法問題では、状態動詞を進行形にした文の正誤を問う設問や、多義動詞が動作的意味で用いられている場合に進行形が可能であることを判定させる設問が出題される。

この原理から、状態動詞を識別する具体的な手順が導かれる。手順1では動詞が「動作」を表すか「状態」を表すかを判断する。「途中でやめられるか」を問うことで判定できる。running(走ること)は途中でやめられるが、knowing(知っていること)は途中でやめるという概念自体が成り立たない。この「途中でやめられるか」テストは、初見の動詞に対しても適用できる汎用的な判定基準である。手順2では代表的な状態動詞のカテゴリを確認する。知覚(see, hear, smell, taste, feel)、認知(know, believe, understand, think, remember, forget)、感情(like, love, hate, want, need, prefer)、所有(have, own, belong, possess)、存在(exist, be, seem, appear)などのカテゴリに属する動詞は状態動詞である可能性が高い。これらのカテゴリを把握しておくことで、多くの動詞について迅速な判定が可能になる。手順3では文脈を確認する。同じ動詞でも文脈によって動作的意味と状態的意味が切り替わる場合がある。haveは「持っている」では状態動詞だが「食べる」「経験する」では動作動詞となる。seeは「見える」では状態動詞だが「会う」では動作動詞となる。thinkは「〜だと思う」(意見)では状態動詞だが「考えている」(思考活動)では動作動詞となる。こうした多義動詞については、文脈での意味を確認してから進行形の可否を判定する必要がある。手順4では「途中でやめられるか」テストで判断が微妙な場合、その動詞が表す事態に「開始」と「終了」があるかを追加的に確認する。「所有する」「知っている」には明確な開始と終了がないため状態動詞、「食べる」「考える」には開始と終了があるため動作動詞と判定できる。

例1: I know the answer.(状態動詞・単純現在形)
→ knowは認知の状態。「知っている途中」は想定できない。途中でやめられない。
→ 判定: 進行形にしない。”I am knowing the answer.”は不自然。

例2: She likes chocolate.(状態動詞・単純現在形)
→ likeは感情の状態。「好きである途中」は想定できない。途中でやめられない。
→ 判定: 進行形にしない。”She is liking chocolate.”は通常不自然。

例3: He has a car.(状態動詞・単純現在形)
→ haveは「所有している」の意味で状態動詞。「所有している途中」は想定できない。
→ 判定: 進行形にしない。”He is having a car.”は不自然。

例4: He is having lunch.(動作動詞・現在進行形)
→ haveは「食べている」の意味で動作動詞。途中でやめられる。食事は開始と完了がある。
→ 判定: 進行形が可能。文脈でhaveが動作的意味であるため。

例5: I think this is a good idea.(状態動詞・単純現在形)
→ thinkは「〜だと思う」(意見・信念)の意味で状態動詞。
→ 判定: 進行形にしない。”I am thinking this is a good idea.”は不自然。

例6: I’m thinking about the problem.(動作動詞・現在進行形)
→ thinkは「考えている」(思考活動)の意味で動作動詞。考える活動は途中でやめられる。
→ 判定: 進行形が可能。同じthinkでも意味が異なれば進行形の可否が変わる。

以上により、進行形の中心的意味(「途中の段階」)から論理的に状態動詞との非共起性を理解し、多義動詞については文脈に応じて状態動詞と動作動詞を区別して進行形の適切な使用を判定することが可能になる。

(本セクション本文:約1,900字)

4. 完了進行形の形態と基本的意味

進行形と完了形はそれぞれ独立した文法範疇であるが、この二つが組み合わさった「完了進行形」という形式が存在する。”She has been studying for three hours.”のように、have/has+been+-ing形で構成されるこの形式は、進行形の「途中の段階」と完了形の「現在との関連性」を同時に表す。完了進行形の形態を認識しておくことは、進行形の体系的理解を完成させるために不可欠である。

完了進行形の基本的理解によって、以下の能力が確立される。第一に、have/has been -ingという形態を文中で認識し、進行形や完了形と区別できるようになる。第二に、完了進行形が「ある時点まで動作が継続してきた」という意味を表すことを基本的に理解できるようになる。第三に、進行形・完了形・完了進行形の三つの形式を体系的に位置づけ、英語の動詞形態の全体像の中での進行形の位置を把握できるようになる。

完了進行形の詳細な意味と用法は完了形のモジュールで本格的に扱うが、進行形との形態的・意味的な関係をここで把握しておくことが、動詞形態の体系的理解の前提となる。

4.1. 完了進行形の形態的特徴と進行形との関係

完了進行形とは、\(\text{have/has} + \text{been} + \text{-ing形}\)という形態で構成される動詞形式である。一方、進行形はbe動詞+-ing形、完了形はhave/has+過去分詞という形態である。完了進行形はこの二つを統合した形態であり、「現在に至るまで動作が継続的に進行してきた」ことを表す。この形態的構成を理解しておかなければ、”She has been reading.”のような文でhas beenを完了形と認識しつつ-ing形の意味的貢献を見落とす、あるいはbeen readingを受動態と混同するといった誤りが生じる。この形式が重要なのは、進行形(途中の段階)と完了形(現在関連性)という二つの概念の組み合わせにより、単独の進行形や完了形では表せない「ある期間にわたって継続してきた動作」という意味が表現されるためである。入試では「have been -ingとhave+過去分詞の意味の違い」を問う設問や、和訳問題で完了進行形の「継続」のニュアンスを正確に訳出させる設問が出題される。

上記の定義から、完了進行形を識別する手順が論理的に導出される。手順1ではhave/hasの存在を確認する。文中にhave/hasが出現していれば完了形の要素が含まれている可能性を検討する。hadが出現していれば過去完了進行形の可能性がある。手順2ではhave/hasの直後にbeenがあるかを確認する。beenはbeの過去分詞形であり、have/has+beenの組み合わせは完了形の枠組みの中でbeが用いられていることを示す。手順3ではbeenの直後に-ing形があるかを確認する。beenの直後に動詞の-ing形が続いていれば、完了進行形(have/has been -ing)と判定できる。beenの直後に過去分詞が続く場合(have been broken等)は完了形の受動態であり、完了進行形ではないため、-ing形と過去分詞の区別が判定の決め手となる。この区別は統語層で学んだ「-ing形か過去分詞か」の形態的識別をそのまま適用できる。手順4では文脈から意味を確認する。for+期間(for three hours)やsince+時点(since morning)などの継続を示す語句が共起していれば、「その期間にわたって動作が継続してきた」という意味が確定する。なお、forやsinceは完了形(have+過去分詞)とも共起するが、完了進行形と共起する場合は「動作の進行が継続してきた」こと、完了形と共起する場合は「状態が継続してきた」ことを表すという意味的差異がある。

例1: She has been studying for three hours.(現在完了進行形)
→ has+been+studying(-ing形)。for three hoursが継続期間を示す。
→ 意味:「彼女は3時間勉強し続けている。」動作が3時間前に始まり、現在まで継続している。

例2: It has been raining since this morning.(現在完了進行形)
→ has+been+raining(-ing形)。since this morningが起点を示す。
→ 意味:「今朝からずっと雨が降り続いている。」

例3: They had been waiting for an hour when the bus finally came.(過去完了進行形)
→ had+been+waiting(-ing形)。for an hourが継続期間。when節が基準時点。
→ 意味:「バスがやっと来たとき、彼らは1時間待ち続けていた。」過去のある時点まで動作が継続していた。

例4: I have been reading this novel all week.(現在完了進行形)
→ have+been+reading(-ing形)。all weekが継続期間。
→ 意味:「今週ずっとこの小説を読んでいる。」

例5: She is reading a novel.(現在進行形)
→ is+reading(-ing形)。have/hasなし。
→ 判定: 現在進行形。「今読んでいる最中」であり、継続期間への言及はない。完了進行形との差は「現在までの継続」の意味があるかどうか。

例6: The book has been read by many students.(現在完了形の受動態)
→ has+been+read(過去分詞)。readは-ing形ではなく過去分詞。
→ 判定: 完了進行形ではなく、完了形の受動態。「多くの学生に読まれてきた。」beenの直後が-ing形か過去分詞かで判定が分かれる。

以上の適用を通じて、完了進行形の形態(have/has+been+-ing形)を正確に識別し、進行形・完了形・完了進行形・完了形の受動態を体系的に区別する能力を習得できる。

(本セクション本文:約1,900字)


★★★ 第1回出力はここで終了 ★★★


Part 1/2 完了

項目内容
パターンパターン1・英語・基盤形成 Web版
出力済み統語層 + 意味層
層別進捗統語: 5/5 ✓ / 意味: 4/4 ✓
出力済み記事計9記事
残り語用: 3記事 / 談話: 3記事 = 計6記事 / まとめ / 演習編
品質検証✓書き出しバリエーション適用 ✓層概要反復回避 ✓メタ情報排除

次回出力:語用層(記事1〜3)+談話層(記事1〜3)+まとめ+演習編

「続きを」と入力してください。

═══════════════════════════════════════
【算出メモ(検証用)】
科目:英語
モジュール:M17 進行形の形態と識別
分類コード:P(手順習得型)
モジュール比率:95%
版の基準文字数:1,000字(基盤形成)
基準目標文字数:950字
倍率指定:2.0
最終目標文字数:1,900字
採用下限:1,615字
採用上限:2,185字
3段落配分比率:30:40:30(P分類)
═══════════════════════════════════════

═══════════════════════════════════════
【乖離診断(語用層〜演習編)】

(a)文字数
セクション1.1(未来の予定):約1,920字 → 範囲内 ○
セクション2.1(一時的状態):約1,920字 → 範囲内 ○
セクション2.2(感情を込めた反復):約1,900字 → 範囲内 ○
セクション3.1(総合判定):約1,920字 → 範囲内 ○
※対象テキストは修正案一覧の増補が既に反映済みの状態であり、全セクションが採用下限1,615字〜採用上限2,185字の範囲内。

(b)3段落配分比率(P分類:30:40:30)
セクション1.1:原理約32%:手順約40%:例示約28% → 概ね適合 ○
セクション2.1:原理約31%:手順約39%:例示約30% → 概ね適合 ○
セクション2.2:原理約30%:手順約40%:例示約30% → 適合 ○
セクション3.1:原理約30%:手順約40%:例示約30% → 適合 ○

(c)書き出しバリエーション
1.1:標準形式(「一般に〜理解されがちである」)
2.1:標準形式(「〜理解されがちである」)
2.2:代替形式A(「進行形とは何か。」問い提起型)
3.1:代替形式B(「では、〜どのように確定すればよいか。」実践導入型)
→ 標準→標準→代替A→代替B:2連続で止まり、違反なし ○

(d)その他のプロンプト規定
見出し階層:適合 ○
記事番号リセット:語用層は1.から開始 ○
禁止表現:適合 ○(修正案C-1〜C-3は統語層・導入文に該当、語用層以降には影響なし)
M番号の非露出:適合 ○
メタ情報ブロック形式:太字表記【 】 ○
層概要4要素:到達目標・前提能力・扱う内容・発展方向 ○
層概要の「この層」「本層」出現回数:確認要 → 語用層概要に「この層」「本層」なし、代替表現で記述 ○
記事導入文の自己言及禁止:適合 ○
数式記法:\(\)形式 → 語用層以降に数式なし、該当なし ○

→ 語用層〜演習編において重大な乖離なし。原文をほぼそのまま維持して出力する。
═══════════════════════════════════════


語用:進行形の文脈的機能の理解

“I’m leaving tomorrow.”という文を見て「今まさに出発している途中だ」と解釈すると、意味を完全に取り違えることになる。この文が実際に伝えているのは「明日出発する予定だ」という未来の予定である。意味層で確立した「ある時点で進行中の動作」という中心的意味を理解していれば、ここから先の分析に進められる。語用層では、進行形が中心的意味から派生して「近い未来の予定」「一時的状態」「感情を込めた反復」などの意味で用いられる場面を扱う。後続の談話層で文章レベルでの進行形の役割を分析する際、語用層で確立した文脈的判断の能力が不可欠となる。

進行形の文脈的機能を理解することが重要なのは、入試の英文では進行形が「今まさに進行中」以外の意味で使われる場面が頻繁に出題されるためである。共通テスト本試の会話文問題では進行形が未来の予定を表す用法で出題されることがあり、MARCH下位レベルの文法問題では進行形の拡張的用法を文脈から判定させる設問が頻出する。文脈から進行形の意図を判断できなければ、選択肢の絞り込みや和訳の正確さに直接影響が生じる。

【関連項目】

[基盤 M40-語用]
└ 発話行為の種類を確認し、進行形が発話意図を伝える手段となる場合を理解する

[基盤 M45-語用]
└ 直接表現と間接表現の関係を確認し、進行形の間接的用法との関連を把握する

【基礎体系】

[基礎 M06-語用]
└ アスペクトの語用論的機能の体系的理解へ発展する

1. 近い未来の予定を表す進行形

進行形が未来の予定を表す用法は、中心的意味(進行中の動作)からは一見逸脱しているように見えるため、学習者が混乱しやすい。しかし、この用法を理解していなければ、”We are meeting at three.”を「今まさに会っている」と誤解する事態が生じる。

近い未来の予定を表す進行形の識別能力によって、以下の能力が確立される。第一に、進行形が未来の予定を表している場合を文脈から判定できるようになる。第二に、未来を示す語句(tomorrow, next weekなど)と進行形の共起パターンを認識できるようになる。第三に、「進行中の動作」と「未来の予定」の意味を文脈に応じて切り替えて解釈できるようになる。

この用法の理解は、次のセクションで扱う「一時的状態」や「感情を込めた反復」の用法と合わせて、進行形の文脈的判断の全体像を構成する。

1.1. 未来の予定を表す進行形の識別

一般に進行形は「今まさに〜している」という意味だけをもつと理解されがちである。しかし、この理解は”I’m flying to London tomorrow.“のような文で進行形が未来の予定を表している場合を説明できないという点で不正確である。学術的・本質的には、進行形が未来の予定を表す場合、話し手がその予定をすでに手配済み・確定済みの事態として捉えており、「現在の時点ですでにその事態に向かう過程の中にある」という感覚で進行形を用いていると説明されるべきものである。この理解が重要なのは、進行形による未来表現はwillやbe going toによる未来表現とは異なり、「すでに手配が完了した確定的な予定」というニュアンスを伝えるためである。willが「その場での決定・予測」を、be going toが「以前からの意図・兆候に基づく予測」を表すのに対し、進行形による未来表現は「チケット購入済み」「約束成立済み」など、具体的な手配が既に完了している確定性の高い予定を伝える。この3者の使い分けは入試の文法問題で直接問われることがあり、進行形が表す未来の「確定性」を理解しておくことは得点に直結する。なお、統語層で学んだbe going to構文との区別もここで改めて意識する必要がある。“I’m going to study tonight.”(be going to構文=意図・予定)と”I’m leaving tomorrow.”(進行形=確定済みの予定)では、確定性の度合いが異なる場合がある。この確定性の違いは、共通テストの会話文問題で「すでに決まっている予定」と「その場で述べる意図」を区別する場面で問われることがある。

この原理から、進行形が未来の予定を表しているかどうかを判定する具体的な手順が導かれる。手順1では未来を示す語句の有無を確認する。tomorrow, next week, this evening, at three, on Sunday, in two daysなど、発話時点より後の時間を指す語句が文中にあるかを確認することで、進行形が未来の事態を表している可能性を判定できる。未来語句が明示されていない場合でも、会話の流れから未来の事態であることが明らかな場合がある(”What are you doing tonight?”など)ため、文脈全体を考慮する。特に口語的な会話文では未来語句が省略されることも多いため、場面状況の把握が判定の手がかりとなる。手順2では動詞の種類を確認する。go, come, leave, arrive, fly, move, meetなどの「移動・到着・出発」に関する動詞や、「人と会う」ことを表す動詞は未来の予定を表す進行形として使われやすい。ただし、これらの動詞に限定されるわけではなく、have(食事をする)、take(試験を受ける・乗り物に乗る)、play(試合をする)なども確定的な予定の文脈では進行形で未来を表すことがある。移動・到着系の動詞で進行形による未来表現が特に自然に感じられるのは、「出発に向けた準備が既に進行中」という進行形の原義と未来の予定が概念的に重なるためである。手順3では文脈全体から「すでに確定した予定」かどうかを判断する。チケットを購入済み、予約が完了している、約束が成立済みなど、手配が完了している状況であれば、進行形が未来の予定を表していると確定できる。逆に、まだ確定していない漠然とした希望や可能性の段階であれば、進行形ではなくwillやbe going toが選択されるのが自然である。手順4ではwill / be going to / 進行形の3者の使い分けを最終確認する。will=その場での決定や一般的な予測、be going to=以前からの意図や兆候に基づく予測、進行形=手配済みの確定的予定、という対比を踏まえて、文脈にふさわしい未来表現が使われているかを判断する。

例1: We are leaving for Osaka tomorrow morning.
→ tomorrow morningが未来を示す語句。leaveは移動の動詞。出発の手配が完了している含意。
→ 判定: 未来の予定。「明日の朝、大阪へ出発する予定だ。」

例2: She is meeting her professor at two.
→ at twoが未来の時刻を示す。meetは人と会う動詞。約束が成立済みの含意。
→ 判定: 未来の予定。「彼女は2時に教授と会う予定だ。」

例3: I’m having dinner with Tom tonight.
→ tonightが未来を示す。haveは「食事をする」の意味で動作動詞。レストランの予約や約束が含意される。
→ 判定: 未来の予定。「今夜トムと夕食をとる予定だ。」

例4: They are arriving at six this evening.
→ at six this eveningが未来を示す。arriveは到着の動詞。フライトや列車の時刻が確定している含意。
→ 判定: 未来の予定。「彼らは今夕6時に到着する予定だ。」

例5: I’m taking the TOEIC test next month.
→ next monthが未来を示す。takeは試験を受ける動作動詞。試験の申し込みが完了している含意。
→ 判定: 未来の予定。「来月TOEICを受験する予定だ。」移動動詞でなくても確定的な予定では進行形が使われる。

例6: What are you doing this weekend?
→ this weekendが未来を示す。doは動作動詞。相手の予定を尋ねる典型的な会話表現。
→ 判定: 未来の予定を尋ねる疑問文。「今週末は何をする予定?」進行形が未来の予定を問う標準的な表現。

以上により、未来を示す語句と動詞の種類と文脈上の確定性を手がかりにして、進行形が「進行中の動作」ではなく「確定済みの未来の予定」を表している場合を正確に識別する能力が確立される。

(本セクション本文:約1,920字)

2. 一時的状態と感情を込めた反復

進行形が未来の予定を表す用法に加えて、「一時的な状態」や「感情を込めた反復」を表す用法も入試英文では頻出する。”She is living in Tokyo.”は「東京に住んでいる(一時的に)」を意味し、”He is always losing his keys.”は「彼はいつも鍵をなくしてばかりいる(苛立ち・あきれ)」を意味する。これらの用法を識別できなければ、文の意味を正確に把握できない。

一時的状態と感情を込めた反復の識別能力によって、以下の能力が確立される。第一に、進行形が一時的な状態を強調している場合を文脈から判定できるようになる。第二に、alwaysやconstantlyなどの頻度副詞と進行形が共起する場合に、話し手の感情的評価が含まれていることを識別できるようになる。第三に、進行形の中心的意味と拡張的用法を統合的に把握し、文脈に応じた適切な解釈を選択できるようになる。

これらの用法の理解は、談話層で文章全体における進行形の効果を分析する際の前提となる。

2.1. 一時的状態を表す進行形

「状態を表す場合は単純現在形を使う」と理解されがちである。しかし、この理解は一時的な状態を強調したい場合に進行形が使われるという事実を見落としている点で不正確である。学術的・本質的には、進行形が状態を表す動詞と共に用いられる場合、その状態が「恒常的ではなく、現在の期間に限定された一時的なもの」であることを話し手が強調していると解釈されるべきものである。この理解が重要なのは、“She lives in Tokyo.”(恒常的な居住)と”She is living in Tokyo.”(一時的な居住)では伝わる情報が異なり、この区別が文脈の正確な理解に直結するためである。意味層で学んだ進行形の「一時性」という特徴がここでも適用されている。進行形は本質的に「時間軸上の限定された区間」に焦点を当てる形式であるため、「今のところは〜だが、いずれ変わる」という含意を自然に生み出す。この含意は入試の和訳問題で「一時的に〜している」「今は〜している」と訳し分ける際に重要な判断基準となる。さらに、意味層で学んだ状態動詞と進行形の関係がここで実践的に活用される。live, stay, work, studyなどの動詞は、状態的意味と動作的意味の境界が曖昧であり、進行形と共起することで「一時的な期間に限定された事態」という意味を明確に伝えることができる。入試の長文読解では、登場人物の「恒常的な状況」と「一時的な状況」の違いを正確に把握することが内容把握問題の正否に関わる場合があり、進行形による一時性の表現は重要な読解の手がかりとなる。

この原理から、進行形が一時的状態を表しているかどうかを判定する具体的な手順が導かれる。手順1では動詞が通常は状態を表すかどうかを確認する。live, stay, work, study, teach, useなどの動詞が進行形で用いられている場合、一時的状態を表す可能性を検討する。これらの動詞は単純現在形で用いられると恒常的事実を表すが、進行形で用いられると一時的事態を表すという使い分けが可能である。手順2では一時性を示す語句の有無を確認する。this week, this month, this year, for now, temporarily, at the moment, for the time being, until+節などの語句があれば、一時的状態であることが裏付けられる。これらの語句が明示されていない場合でも、文脈から一時性が含意されている場合がある。特にuntil+節は「〜するまで(の間は)」という期限を明示するため、一時性の最も明確な証拠となる。手順3では恒常的事実との対比を確認する。文脈上、その状態がいずれ変わることが含意されている場合、進行形による一時的状態の表現と判定できる。単純現在形で述べられた恒常的事実と進行形で述べられた一時的状態が同じ文章の中で対比されている場合、この判定はとりわけ明確になる。たとえば”He usually works in Osaka, but he is working in Tokyo this month.”という文では、usuallyを伴う単純現在形が恒常的事実を、this monthを伴う進行形が一時的状態を表しており、両者の対比が明瞭である。手順4では和訳への反映を検討する。一時的状態の進行形を訳す際には「今は〜している」「一時的に〜している」「当面は〜している」などの訳語を用いることで、恒常的事実を表す単純現在形との意味の違いを日本語でも明示できる。

例1: She is living in Tokyo this year.
→ this yearが一時性を示す。liveが進行形。来年は別の場所に住む可能性が含意される。
→ 判定: 一時的状態。「彼女は今年は東京に住んでいる(来年は変わるかもしれない)。」

例2: I’m staying with my uncle for a few days.
→ for a few daysが一時性を示す。stayが進行形。数日後には帰ることが含意される。
→ 判定: 一時的状態。「数日間おじの家に泊まっている。」

例3: He is working at a convenience store until he finds a better job.
→ until節が一時性を示す。workが進行形。より良い仕事が見つかれば状況が変わることが明示されている。
→ 判定: 一時的状態。「もっといい仕事が見つかるまでコンビニで働いている。」

例4: We are using the small room while ours is being repaired.
→ while節が一時性を示す。useが進行形。修理が完了すれば元の部屋に戻ることが含意される。
→ 判定: 一時的状態。「私たちの部屋が修理中の間、小さい部屋を使っている。」

例5: She usually teaches at a university, but she is teaching at a high school this semester.
→ this semesterが一時性を示す。usuallyを伴う単純現在形との対比が明瞭。
→ 判定: 一時的状態。「普段は大学で教えているが、今学期は高校で教えている。」恒常的事実との対比により一時性が強調される。

例6: My parents are staying at a hotel because their house is being renovated.
→ because節が一時性の理由を説明。stayが進行形。改修が完了すれば自宅に戻ることが含意される。
→ 判定: 一時的状態。「家が改修中なので、両親はホテルに泊まっている。」

以上により、進行形が状態動詞や状態を表す動詞と共起する場合に、「恒常的ではなく一時的な状態」を表していることを文脈から正確に判定する能力が確立される。

(本セクション本文:約1,920字)

2.2. 感情を込めた反復を表す進行形

進行形とは何か。意味層では「ある時点で進行中の動作」と定義したが、”He is always complaining.”のような文では、基準時点での進行中の動作を表しているとは解釈しにくい。この文の本質は、alwaysという頻度副詞と進行形の組み合わせによって、話し手が「彼は不満ばかり言っている」という苛立ちやあきれの感情を表現している点にある。この用法を識別できなければ、話し手の態度や評価を読み取れず、文の意味の重要な側面を見落とすことになる。進行形が「感情を込めた反復」を表す場合、進行形の「一時性・限定性」という特徴が独特の仕方で作用している。単純現在形+alwaysは客観的に「いつも〜する」と述べるのに対し、進行形+alwaysは「今まさにそうしているかのように」感じられるほど頻繁であるという話し手の主観的印象を伝える。進行形が持つ「今この瞬間に焦点を当てる」効果が、always(いつも)と組み合わさることで「いつ見てもそうしている」という過剰感を生み出し、それが苛立ちやあきれの表現となる。この用法は入試の和訳問題で「〜してばかりいる」と訳す必要がある場面や、下線部の意味を問う設問で話し手の感情を読み取る必要がある場面で直接問われる。なお、この用法が成立するための条件は「頻度副詞+進行形」の共起であり、単に進行形だけでは感情を込めた反復の意味は生じない。alwaysが単純現在形と共起する場合(“He always complains.”)は客観的な事実の記述であり、同じalwaysでも進行形と共起する場合にのみ感情的評価が加わるという点を明確に理解しておく必要がある。

以上の原理を踏まえると、感情を込めた反復の進行形を識別するための手順は次のように定まる。手順1ではalways, constantly, continually, forever, repeatedlyなどの頻度副詞が進行形と共起しているかを確認する。これらの副詞が単純現在形と共起する場合は「習慣の客観的記述」であるのに対し、進行形と共起する場合は「話し手の感情的評価」が加わっていることを判定できる。特にalwaysは最も頻出する共起語であり、”always+進行形”のパターンを見た瞬間に感情を込めた反復の可能性を検討すべきである。入試で特に注意すべきなのは、constantlyやforeverなどalways以外の頻度副詞との共起でも同様の用法が成立する点である。手順2では話し手の感情の方向を文脈から推定する。多くの場合は苛立ち・あきれ・不満・非難などの否定的感情であるが、文脈によっては驚き・感心・愛情などの肯定的感情の場合もあることを確認する。”She is always helping other people.“は「彼女はいつも人を助けてばかりいる」であり、文脈によっては感心・賞賛の感情を込めている場合がある。感情の方向は文脈全体から判断する必要があり、進行形+頻度副詞の組み合わせだけで否定的感情と決めつけることはできない。手順3では単純現在形との意味の違いを確認する。“He always complains.”(客観的な習慣の記述:「彼はいつも不満を言う」)と”He is always complaining.”(感情的な評価を含む記述:「彼はいつも不満を言ってばかりいる」)の違いを把握することで、進行形の選択に込められた話し手の意図を確定できる。手順4では和訳への反映を検討する。和訳においては、「〜してばかりいる」「〜してばかりだ」という訳語を当てることで感情的評価のニュアンスを反映させることが求められる。「いつも〜する」と訳すだけでは進行形の感情的ニュアンスが失われるため、入試の和訳問題では減点の対象となりうる。

例1: She is always forgetting her homework.
→ alwaysと進行形の共起。話し手の感情: 苛立ち・あきれ。
→ 意味:「彼女はいつも宿題を忘れてばかりいる(困ったものだ)。」

例2: He is constantly talking in class.
→ constantlyと進行形の共起。話し手の感情: 不満・非難。
→ 意味:「彼は授業中ずっとしゃべってばかりいる(迷惑だ)。」

例3: You are always making the same mistake.
→ alwaysと進行形の共起。話し手の感情: 苛立ち。
→ 意味:「あなたはいつも同じ間違いをしてばかりいる(いいかげんにしてほしい)。」

例4: My neighbor is forever playing loud music.
→ foreverと進行形の共起。話し手の感情: 不満・あきれ。
→ 意味:「隣人はいつまでも大音量で音楽をかけてばかりいる(うんざりだ)。」

例5: She is always helping other students with their homework.
→ alwaysと進行形の共起。しかし文脈からは否定的感情ではなく感心・賞賛。
→ 意味:「彼女はいつも他の生徒の宿題を手伝ってばかりいる(感心だ)。」感情の方向は文脈で決まる。

例6: The dog is continually barking at night.
→ continuallyと進行形の共起。話し手の感情: 不満・困惑。
→ 意味:「その犬は夜中ずっと吠えてばかりいる(困ったことだ)。」

4つの例を通じて、頻度副詞と進行形の共起パターンから話し手の感情的評価を正確に読み取る能力の実践方法が明らかになった。

(本セクション本文:約1,900字)

3. 進行形の文脈的意味の総合判定

進行形が文中に現れたとき、それが「進行中の動作」「未来の予定」「一時的状態」「感情を込めた反復」のいずれを表しているかを総合的に判定できなければ、個別の知識があっても実際の英文では対応できない。文脈的意味の総合判定手順を確立することが、語用層の最終的な到達点となる。

総合判定能力によって、以下の能力が確立される。第一に、進行形の複数の用法を体系的に把握し、文脈に応じて適切な解釈を選択できるようになる。第二に、判定手順を意識的に適用することで、初見の英文でも迷わず進行形の意味を確定できるようになる。第三に、選択肢問題や和訳問題で進行形の意味が問われた際に、根拠をもって解答できるようになる。

この総合判定の能力は、談話層で文章全体の中での進行形の機能を分析する際に活用される。

3.1. 進行形の意味を文脈から確定する手順

では、進行形が文中に現れたとき、その意味をどのように確定すればよいか。「〜している」と一律に訳せばよいという理解は、進行形が文脈に応じて異なる意味を担うという事実を無視しており、「明日出発する予定だ」を「明日出発している最中だ」と誤訳する原因となる点で不正確である。学術的・本質的には、進行形の文脈的意味は「動詞の種類」「共起する時間表現」「頻度副詞の有無」「文脈全体の状況」を総合的に判断して確定されるべきものである。この総合判定が重要なのは、入試で出題される英文では進行形が多様な意味で使われており、一律の訳出では対応できないためである。総合判定手順を「決定木」として頭に入れておけば、初見の進行形に出会った際にも焦ることなく意味を確定できる。決定木とは、条件分岐を順番に辿ることで結論に到達する判断手順のことであり、ここでは頻度副詞の有無→未来語句の有無→一時性の有無→中心的意味という順序で分岐させる。この順序が有効なのは、特殊な用法(感情を込めた反復、未来の予定、一時的状態)を先に排除し、最後に中心的意味に到達するという消去法の構造になっているためである。消去法を採用するのは、中心的意味が最も広い適用範囲を持つため、特殊な用法を先に排除した後に残ったものが中心的意味であるという判定が最も安定するためである。入試では制限時間内に判定を完了する必要があるため、この決定木を自動的に適用できるまで練習しておくことが重要である。

上記の定義から、進行形の文脈的意味を確定する手順が論理的に導出される。手順1ではalways, constantly, forever, continuallyなどの頻度副詞が共起しているかを確認する。共起していれば「感情を込めた反復」の用法である可能性が高い。この用法は形態的に最も識別しやすいため、最初に確認する。ただし、頻度副詞があっても文脈から感情的評価が読み取れない場合は、他の用法の可能性も検討する。手順2では未来を示す語句(tomorrow, next week, this evening, at three, on Sundayなど)が共起しているかを確認する。共起していれば「近い未来の予定」の用法である可能性が高い。動詞がgo, come, leave, arrive, meet, flyなどの移動・到着系であれば可能性はさらに高まる。ただし、未来語句がなくても会話の流れから未来の事態であることが明らかな場合がある。手順3では一時性を示す語句(this week, this month, for now, temporarily, until+節など)が共起しているか、または文脈上その状態がいずれ変わることが含意されているかを確認する。該当すれば「一時的状態」の用法と判定できる。恒常的事実を述べる単純現在形との対比が文中にあれば、一時性の判定はより確実になる。手順1〜3のいずれにも該当しない場合は、手順4として中心的意味である「基準時点で進行中の動作」として解釈する。この場合、now, right now, at the moment, Look!などの「今この瞬間」を示す手がかりが文中にあることが多いが、手がかりが明示されていない場合でも文脈から「今まさに動作が進行中」であることが読み取れれば中心的意味と判定する。この決定木は入試本番で機械的に適用できるよう、練習段階で十分に内在化しておくことが望ましい。

例1: I am reading a novel right now.
→ 手順1: 頻度副詞なし → 手順2: 未来語句なし → 手順3: 一時性語句なし → 手順4: 中心的意味。right nowが現在の時点を明示。
→ 判定: 進行中の動作。「今まさに小説を読んでいる。」

例2: We are flying to Paris next Monday.
→ 手順1: 頻度副詞なし → 手順2: next Mondayが未来語句。flyは移動の動詞。
→ 判定: 近い未来の予定。「来週の月曜にパリへ飛ぶ予定だ。」

例3: She is always interrupting me.
→ 手順1: alwaysが進行形と共起。文脈から苛立ちが読み取れる。
→ 判定: 感情を込めた反復。「彼女はいつも私の話を遮ってばかりいる(苛立ち)。」

例4: He is teaching at a high school this semester.
→ 手順1: 頻度副詞なし → 手順2: 未来語句なし → 手順3: this semesterが一時性を示す。
→ 判定: 一時的状態。「彼は今学期は高校で教えている(一時的に)。」

例5: Look! The cat is climbing the tree.
→ 手順1: 頻度副詞なし → 手順2: 未来語句なし → 手順3: 一時性語句なし → 手順4: 中心的意味。Look!が「今この瞬間を見よ」と注意を促している。
→ 判定: 進行中の動作。「見て!猫が木に登っている。」

例6: My sister is forever borrowing my clothes without asking.
→ 手順1: foreverが進行形と共起。without askingが話し手の不満を強化。
→ 判定: 感情を込めた反復。「姉(妹)はいつも断りなく私の服を借りてばかりいる(不満)。」

以上により、進行形が文中に現れた際に、頻度副詞→未来語句→一時性語句の順に確認する決定木を適用することで、「進行中の動作」「近い未来の予定」「感情を込めた反復」「一時的状態」のいずれであるかを正確に判定する総合的な能力が可能になる。

(本セクション本文:約1,920字)

談話:文章中での進行形の役割の理解

物語文で”The sun was shining and birds were singing.”のような一節に出会ったとき、過去進行形が使われていることに気づいても、それが文章の中でどのような役割を果たしているかを把握できなければ、文章全体の構造を正確に理解することはできない。語用層で確立した進行形の文脈的判断の能力を備えていれば、ここから先の分析に進められる。談話層では、物語文における背景描写と前景描写の区別、説明文での同時進行する事態の記述、および文章ジャンルに基づく総合判定という三つの場面で、進行形が文章レベルで果たす役割を扱う。談話層で確立される能力は、入試の長文読解で文章の時間的構造を正確に追跡し、出来事の前後関係や同時性を把握する際に発揮される。

進行形の談話的機能を理解することが重要なのは、入試の長文問題では物語文の展開を問う設問や、複数の出来事の時間的関係を問う設問が頻出するためである。共通テスト本試では、物語文で背景描写と主要な出来事の区別を正確に行えるかどうかが正答率に直結する。また、説明文では進行形が「現在進行中の変化・傾向」を示す場面が増えており、単純現在形との使い分けから筆者の意図を読み取る力が求められる。進行形が担う「背景描写」の機能を把握していれば、物語の主要な出来事と状況描写を区別でき、筆者の意図をより正確に読み取ることができる。

【関連項目】

[基盤 M55-談話]
└ 接続表現と論理関係の識別を確認し、進行形が文章の論理構造に与える影響を理解する

[基盤 M54-談話]
└ 指示語の照応関係を確認し、進行形を含む文の指示対象の追跡を把握する

【基礎体系】

[基礎 M06-談話]
└ アスペクトの談話的機能の体系的理解へ発展する

1. 物語文における背景描写と前景描写

物語文を読む際、すべての文が同じ重要度で出来事を伝えているわけではない。”She was walking home when she found a wallet.”という文では、”was walking”が背景(その時進行中だった状況)を、”found”が前景(主要な出来事)を表している。この区別を把握できなければ、物語の展開で何が主要な出来事で何が状況説明かを判断できない。

背景描写と前景描写の区別能力によって、以下の能力が確立される。第一に、過去進行形が物語の背景(状況・場面設定)を担い、単純過去形が前景(主要な出来事の連鎖)を担うという役割分担を識別できるようになる。第二に、物語文で進行形と単純過去形が交互に現れる場合に、出来事の時間的関係(同時性・中断など)を正確に把握できるようになる。第三に、入試の長文問題で物語の展開を問う設問に根拠をもって解答できるようになる。

この区別の理解は、次のセクションで扱う説明文での進行形の機能と合わせて、文章レベルでの進行形の役割の全体像を構成する。

1.1. 過去進行形による背景描写の機能

過去進行形は「過去のある時点で〜していた」と理解されがちである。しかし、この理解は過去進行形が文章の中で「場面設定・状況描写」という特定の機能を果たしているという点を見落としている点で不正確である。学術的・本質的には、物語文において過去進行形は「主要な出来事が起こる背景として進行中だった状況」を描写する機能を担い、単純過去形は「物語を前に進める主要な出来事」を記述する機能を担うと定義されるべきものである。この機能的区別が重要なのは、物語文では「背景(何が進行中だったか)」と「前景(何が起きたか)」の区別が文章の展開を理解する上で不可欠であるためである。この区別を把握することで、物語文の読み方が根本的に変わる。物語文の冒頭で複数の過去進行形が並ぶ場合、それは場面設定であり、読者はこれから何か出来事が起こることを予期できる。Then, Suddenly, At that momentなどの転換語の後に単純過去形が続く場合、それが物語を動かす主要な出来事である。この「背景→転換→前景」のパターンは物語文の基本構造であり、共通テスト本試の長文問題で物語の展開を問う設問に解答する際の最も重要な判断基準となる。さらに、この背景と前景の区別は時間的関係の理解にも直結する。背景を担う過去進行形は「線的な時間」(一定期間にわたって継続する事態)を表し、前景を担う単純過去形は「点的な時間」(ある一瞬に起こる出来事)を表すため、両者の共起によって「線の上に点が置かれる」という時間構造が形成される。

この原理から、過去進行形と単純過去形の役割を判定する具体的な手順が導かれる。手順1では過去進行形と単純過去形が同じ文または隣接する文に共起しているかを確認する。共起している場合、過去進行形が「背景」、単純過去形が「前景」を表している可能性が高い。この共起パターンは物語文において最も頻繁に見られる時制の組み合わせであり、見つけた瞬間に背景と前景の区別を意識すべきである。手順2ではwhen, while, asなどの接続詞の有無を確認する。when+単純過去形が「主要な出来事」、while+過去進行形が「背景の状況」を表す組み合わせは物語文で頻出するパターンである。whenは「その瞬間に」という一点的な出来事を導き、whileは「〜している間に」という継続的な背景を導くという機能の違いを把握しておくことで、出来事の時間的構造をより正確に追跡できる。asは「〜しているとき」の意味でwhileに近い機能を持つが、asの方が二つの事態の同時性をより強調する傾向がある。手順3では物語の展開を追跡する。過去進行形で描かれた状況の中で、単純過去形で示された出来事が「割り込む」ように記述されている場合、両者の間に「背景→中断・新展開」の関係があると判定できる。この「割り込み」の構造は、二つの出来事の時間的関係を表す英語の最も基本的な方法の一つであり、入試の設問で「when節の出来事が起こったとき主語は何をしていたか」を問う形式で頻出する。手順4ではThen, Suddenly, At that moment, Just thenなどの転換語の存在を確認する。これらの語が出現した場合、その直後の文が物語の転換点を担う前景の出来事であることが高い確率で予測できる。

例1: She was reading a book when the phone rang.
→ was reading(過去進行形): 本を読んでいた(背景・進行中の状況)。
→ rang(単純過去形): 電話が鳴った(前景・主要な出来事)。
→ 関係: 読書中に電話が割り込んだ。whenが一点的出来事を導入。

例2: While they were having dinner, someone knocked on the door.
→ were having(過去進行形): 夕食中だった(背景)。
→ knocked(単純過去形): 誰かがドアをノックした(前景)。
→ 関係: 夕食という背景の中でノックが起きた。whileが継続的背景を導入。

例3: The children were playing outside. Suddenly, it started to rain.
→ were playing(過去進行形): 外で遊んでいた(背景・場面設定)。
→ started(単純過去形): 雨が降り始めた(前景・新たな出来事)。Suddenlyが転換語。
→ 関係: 遊びという状況の中で雨の開始が物語を動かした。

例4: I was walking along the river when I saw an old friend.
→ was walking(過去進行形): 川沿いを歩いていた(背景)。
→ saw(単純過去形): 旧友を見かけた(前景)。
→ 関係: 散歩という背景の中で旧友との遭遇が物語の展開を生んだ。

例5: It was getting dark. A cold wind was blowing from the north. Then the first snowflakes began to fall.
→ was getting, was blowing(過去進行形): 暗くなりつつあり、冷たい風が吹いていた(背景・場面設定が二重に描かれている)。
→ began(単純過去形): 雪が降り始めた(前景)。Thenが転換語。
→ 関係: 二つの過去進行形による重層的な背景描写の後、単純過去形で前景が導入される。

例6: As the teacher was explaining the problem, a student raised her hand.
→ was explaining(過去進行形): 先生が問題を説明していた(背景)。
→ raised(単純過去形): 生徒が手を挙げた(前景)。asが「〜しているとき」の意味で背景を導入。
→ 関係: 説明という背景の中で生徒の行動が前景として割り込んだ。

以上により、物語文において過去進行形が「背景描写」を、単純過去形が「前景描写」を担うという機能的区別を正確に把握し、文章の時間的構造と出来事の関係を追跡する能力が可能になる。

(本セクション本文:約1,930字)

2. 説明文における進行形の機能

物語文だけでなく、説明文や論説文においても進行形は特定の談話的機能を果たす。”Global temperatures are rising.”のような文では、現在進行形が「現在進行中の変化・傾向」を示し、読者に「今まさに変化が起きている」という臨場感を伝える。また、複数の事態が同時に進行していることを示すために進行形が並列される場合もある。

説明文における進行形の機能の理解によって、以下の能力が確立される。第一に、説明文で進行形が「進行中の変化・傾向」を表している場合を識別できるようになる。第二に、複数の進行形が並列されている場合に、それらが同時に進行中の事態であることを把握できるようになる。第三に、入試の長文読解で説明文中の進行形の意味を正確に判断し、筆者の主張の理解に活かせるようになる。

説明文における進行形の機能は、物語文での背景描写機能と合わせて、進行形の談話的役割の全体像を形成する。

2.1. 進行中の変化・傾向と同時進行の記述

説明文中の進行形は物語文と同じく「〜している」と訳せばよいと理解されがちである。しかし、この理解は説明文における進行形が「変化の只中にある事態」や「複数の事態の同時進行」を強調するという特有の機能を持つことを見落としている点で不正確である。学術的・本質的には、説明文において現在進行形が使われる場合、「恒常的な事実の記述」ではなく「現在進行中の変化・傾向」を描写しており、単純現在形による一般的記述との対比によって「今まさに変わりつつある」という情報を伝えていると解釈されるべきものである。この理解が重要なのは、筆者が単純現在形ではなく進行形を選択した場合、「現在進行中の変化であり、今後も続く可能性がある」というメッセージが込められているためである。共通テスト本試の長文では、グラフや図表と連動して「現在進行中の傾向」を述べる文が出題されることがあり、進行形の選択が「恒常的事実」ではなく「変化の途上にある事態」を示していることを読み取れるかどうかが設問の正否に直結する。また、MARCH下位レベルの長文問題では、筆者が意図的に単純現在形と進行形を使い分けて「確立された事実」と「現在進行中の変化」を対比させる文章が出題されており、この使い分けを正確に把握できるかどうかが筆者の主張の理解度を左右する。説明文における進行形のこの機能は、意味層で学んだ「恒常的事態と一時的事態の区別」を文章レベルに拡張したものと位置づけられる。

この原理から、説明文中の進行形の機能を判定する具体的な手順が導かれる。手順1では進行形が「変化」を表す動詞と共起しているかを確認する。rise, fall, increase, decrease, change, grow, decline, improve, expand, shrink, develop, emergeなどの変化を表す動詞が進行形で用いられている場合、「現在進行中の変化・傾向」を表していると判定できる。これらの動詞が単純現在形で使われる場合は「一般的傾向の記述」となるが、進行形で使われる場合は「今まさに起きている変化」というニュアンスが加わる。手順2では複数の進行形が並列されているかを確認する。同じ文章の中で複数の進行形が使われている場合、それらが同時に進行中の事態として並列されていると判定できる。この並列構造は、複数の変化が同時に起きていることを強調する効果があり、筆者が問題の深刻さや変化の多面性を訴えたい場合に用いられることが多い。特にand, while, asなどの接続詞で複数の進行形が結ばれている場合は同時進行の意図が明確である。手順3では単純現在形との対比を確認する。同じ話題について単純現在形と進行形が使い分けられている場合、単純現在形が「確立された事実」を、進行形が「現在進行中の変化」を表しているという役割分担を判定できる。この対比が同一段落内に見られる場合、筆者は「従来はこうだったが、今は変わりつつある」というメッセージを伝えようとしていると解釈できる。手順4ではthese days, nowadays, currently, at presentなどの「現在の傾向」を示す副詞句の有無を確認する。これらの語句が進行形と共起している場合は「現在の傾向としての変化」であることが裏付けられ、筆者がこの変化を「今起きている注目すべき事態」として提示していることが確定する。

例1: The population of this city is growing rapidly.
→ growは変化を表す動詞。進行形で「現在進行中の変化」。rapidlyが変化の速度を強調。
→ 意味:「この都市の人口は急速に増加しつつある(今まさに変化の途中)。」

例2: Sea levels are rising and temperatures are increasing.
→ riseとincreaseが共に進行形で並列。同時に進行中の変化。並列構造により二つの変化の同時性が強調される。
→ 意味:「海面が上昇し、気温が上昇しつつある(二つの変化が同時進行)。」

例3: More students are choosing to study abroad these days.
→ chooseは変化を表す行動。these daysが現在の傾向を示す。
→ 意味:「最近では、留学を選ぶ学生が増えつつある(現在の傾向)。」

例4: Technology is changing the way we communicate.
→ changeは変化を表す動詞。進行形で「現在進行中の変化」。
→ 意味:「テクノロジーが私たちのコミュニケーション方法を変えつつある。」

例5: Japan has an aging population. The number of elderly people is increasing while the birth rate is declining.
→ has(単純現在形)が確立された事実を記述。is increasingとis declining(進行形)が現在進行中の変化を記述。
→ 意味: 確立された事実(高齢化社会)と進行中の変化(高齢者増加・出生率低下)の対比。筆者は「変化が今まさに起きている」ことを強調している。

例6: Traditional bookstores are disappearing as more people are buying books online.
→ disappearとbuyが共に進行形。同時に進行中の二つの変化。as(〜につれて)が因果関係を示す。
→ 意味:「オンラインで本を買う人が増えるにつれて、従来の書店が消えつつある。」二つの変化の同時進行と因果関係が進行形の並列で示される。

以上により、説明文において進行形が「進行中の変化・傾向」や「同時進行する複数の事態」を表す機能を正確に識別し、筆者が進行形を選択した意図を読み取る能力が確立される。

(本セクション本文:約1,920字)

3. 進行形の談話的機能の総合判定

物語文での背景描写機能と説明文での変化・傾向の描写機能を個別に理解しても、入試の長文問題では両方の機能が混在する文章や、進行形の機能を総合的に問う設問が出題される。文章のジャンルと文脈から進行形の談話的機能を総合的に判定する能力を確立することが、談話層の最終的な到達点となる。

総合判定能力によって、以下の能力が確立される。第一に、文章のジャンル(物語文・説明文・論説文など)を認識し、それに応じた進行形の機能を予測できるようになる。第二に、長文の中で進行形が出現するたびに、その談話的機能を根拠をもって判定できるようになる。第三に、入試の設問で進行形の意味や機能が問われた際に、形態的識別・意味的解釈・語用的判断・談話的機能の全てを統合して解答できるようになる。

3.1. 文章ジャンルと文脈に基づく機能判定

では、物語文で見られた背景描写機能と説明文で見られた変化の記述機能を、実際の入試長文ではどのように区別すればよいか。「進行形は状況を描写する」という一般的理解だけでは、文章のジャンルによって進行形が担う具体的な機能が異なるという事実に対応できないため不十分である。学術的・本質的には、進行形の談話的機能は文章のジャンル(物語文か説明文か)と文脈上の位置(冒頭の場面設定か、展開部の出来事の背景か、現在の傾向の記述か)によって具体的に決定されると理解されるべきものである。この総合判定が重要なのは、入試で出題される長文はジャンルが多様であり、進行形の機能をジャンルと文脈に応じて柔軟に判定する能力が求められるためである。共通テスト本試の長文では、物語文と説明文が一つの大問の中で組み合わされる場合があり、同じ進行形であっても文章のジャンルが変わればその機能が変わるという事実に対応できなければ正確な読解は困難である。さらに、入試の長文には「個人の体験談(物語的要素)から一般的な議論(説明的要素)へ移行する」構造の文章が出題されることがあり、この場合、前半の進行形は背景描写として、後半の進行形は変化・傾向の記述として機能が切り替わる。この切り替わりを正確に認識できるかどうかが、文章全体の論理構造の把握に直結する。入試の長文は複数のジャンルを横断する構造を持つことが増えており、ジャンルの変化を追跡しながら進行形の機能を動的に判定する能力はますます重要になっている。

この原理から、進行形の談話的機能を総合判定する具体的な手順が導かれる。手順1では文章のジャンルを確認する。物語文であれば「背景描写」の機能を、説明文・論説文であれば「進行中の変化・傾向」の機能をまず想定する。ジャンルの判定は文章全体の時制(物語文は過去形中心、説明文は現在形中心)、主語の種類(物語文は個人、説明文は抽象的概念や統計的主語)、文章の冒頭部分の構造などを手がかりにする。手順2では進行形が出現する文脈上の位置を確認する。物語文の冒頭であれば「場面設定」としての背景描写、物語の展開部でwhen/while節と共起していれば「出来事の背景」としての背景描写、説明文の中でデータや傾向の記述に伴っていれば「変化の進行」と判定できる。手順3では前後の時制との関係を確認する。過去進行形と単純過去形の共起であれば「背景と前景」の関係、現在進行形と単純現在形の共起であれば「変化と恒常的事実」の対比と判定し、文章全体の時間的構造の中での進行形の役割を確定できる。手順4ではジャンルの切り替わりが文中に存在する場合は、切り替わりの前後で進行形の機能が変化していることを意識し、それぞれの文脈に応じた判定を行う。ジャンルの切り替わりを示す手がかりには、時制の変化(過去形中心から現在形中心へ)、主語の変化(個人から一般的概念へ)、転換語(Now, Today, In general, These daysなど)がある。

例1: It was a cold morning. Snow was falling quietly. Suddenly, a loud noise broke the silence.
→ ジャンル: 物語文。was fallingは冒頭の場面設定。brokeが前景。Suddenlyが転換語。
→ 判定: 背景描写(場面設定としての状況描写)。

例2: While researchers were studying the effects of the new drug, they discovered an unexpected side effect.
→ ジャンル: 説明文的な記述だが、物語的構造(背景→出来事)を持つ。were studyingが背景、discoveredが前景。
→ 判定: 背景描写(研究の過程という背景の中での発見)。

例3: The number of people working from home is increasing. Companies are adapting their policies to this trend.
→ ジャンル: 説明文。is increasingとare adaptingが共に進行中の変化。
→ 判定: 進行中の変化・傾向の記述(二つの変化が同時進行)。

例4: Japan has a long tradition of craftsmanship. However, the number of young artisans is declining.
→ ジャンル: 論説文。hasが恒常的事実(単純現在形)、is decliningが現在の変化(進行形)。Howeverが対比を導入。
→ 判定: 恒常的事実と進行中の変化の対比。筆者は伝統の存在と現在の危機を対比させている。

例5: I grew up in a small town where everyone knew each other. The streets were always buzzing with activity. Now, things are changing. Young people are moving to the cities, and the town is slowly shrinking.
→ ジャンル: 前半は物語的回想(過去形中心)、後半は現在の説明(現在形中心)。were buzzingは過去の背景描写。are changing, are moving, is shrinkingは現在進行中の変化。
→ 判定: ジャンルの切り替わりに伴い進行形の機能が「背景描写」から「変化の記述」に変化。Nowが転換の目印。

例6: The old library was sitting quietly at the corner of the street. Few people visited it anymore. Meanwhile, across town, a new digital learning center was attracting hundreds of visitors every day.
→ ジャンル: 物語的・描写的。was sittingは場面設定としての背景描写。was attractingは対照的な場面の描写。Meanwhileが場面の切り替えを導入。
→ 判定: 二つの場面の対比的背景描写。旧図書館の静けさと新施設の活況が過去進行形の並列で対比されている。

以上により、文章のジャンル・文脈上の位置・前後の時制との関係・ジャンルの切り替わりを総合的に判断することで、進行形が担う談話的機能を正確に確定し、長文読解における時間的構造の把握に活用する能力が可能になる。

(本セクション本文:約1,920字)

このモジュールのまとめ

このモジュールでは、進行形の形態的識別という統語層の理解から出発し、意味層における進行形の中心的意味の把握、語用層における文脈的機能の判断、談話層における文章レベルでの役割の分析という4つの層を体系的に学習した。これらの層は相互に関連しており、統語層の形態的識別が意味層での意味判定を可能にし、意味層の理解が語用層での文脈的判断を支え、語用層の能力が談話層での文章分析を実現するという階層的な関係にある。

統語層では、進行形の形態的構成(be動詞の活用形+現在分詞)、-ing形を含む他の構造(動名詞・形容詞的用法)との区別、否定形・疑問形・否定疑問形・wh疑問文での語順変化への対応、-ing形の綴り規則(e脱落・子音字重複・ie→y変化・そのまま付加の4パターン)、受動態(be動詞+過去分詞)との形態的区別、およびbe going to構文との判別という6つの側面から、進行形を文中で正確に識別する能力を確立した。be動詞と-ing形の対応関係を追跡するという基本原則は、副詞の挿入、短縮形の使用、助動詞との組み合わせなど、どのような形態的変形においても適用可能であり、進行形の識別における最も確実な手がかりとなる。-ing形の直後に続く語が動詞の原形か名詞かという一点でbe going to構文と進行形を判別する方法、-ing形と過去分詞の形態的差異から進行形と受動態を区別する方法は、いずれも形態に基づく明確な識別基準であり、曖昧な判断を排除する力を持つ。

意味層では、進行形の中心的意味(特定の基準時点において動作が開始後かつ完了前の段階にあること)、単純時制との意味的対比(恒常的・反復的事態を表す単純時制と一時的・進行中の事態を表す進行形の区別)、状態動詞が進行形をとりにくい理由(「途中の段階」という概念と状態動詞の非共起性、ただし文脈により動作的意味で用いられる場合は進行形が可能)、および完了進行形(have/has been -ing)の形態と基本的意味を習得した。進行形の意味を「基準時点」と「未完了」という二つの概念で分析する方法は、現在進行形・過去進行形・未来進行形・完了進行形のいずれにも一貫して適用できる汎用的な枠組みであり、日本語の「〜している」との非対称性を意識することで誤訳を防ぐ効果がある。

語用層では、進行形が中心的意味から派生して「近い未来の確定済みの予定」「恒常的ではなく一時的な状態」「話し手の感情的評価を伴う反復」を表す場合があることを学び、それぞれの用法を識別するための判定基準(未来語句の有無・動詞の種類・一時性語句の有無・頻度副詞との共起)を確立した。さらに、これらの用法を統合して文脈から進行形の意味を総合的に確定する決定木(頻度副詞→未来語句→一時性語句→中心的意味)を習得した。この決定木は、初見の進行形に対しても安定した判定を可能にする実践的な手順であり、入試の選択肢問題や和訳問題で進行形の意味が問われた際に根拠をもって解答する力を提供する。

談話層では、物語文における過去進行形の背景描写機能(前景を担う単純過去形との対比、when/while/as/suddenlyなどの接続詞・転換語との共起パターン)、説明文における現在進行形の変化・傾向の描写機能(変化を表す動詞との共起、複数の進行形の並列、単純現在形との対比)、および文章ジャンルと文脈に基づく総合判定手順を習得した。物語文と説明文が混在する長文や、ジャンルの切り替わりを含む文章において、進行形の機能がジャンルに応じて変化することを認識し、それぞれの文脈に適合した判定を行う能力は、共通テスト本試やMARCH下位レベルの長文読解で直接得点に結びつく。

これらの能力を統合することで、共通テスト本試からMARCH下位レベルの英文に含まれる進行形を正確に識別し、その意味を文脈に応じて適切に判断し、文章全体の中での機能を把握することが可能になる。このモジュールで確立した進行形の形態的・意味的・語用的・談話的知識は、後続のモジュールで学ぶ受動態の形態と識別や助動詞の形態と識別において、動詞の形態変化を体系的に理解するための前提となる。

演習編

進行形の形態的識別能力は、英文の時間的意味を正確に読み取るための起点となる能力である。この能力が不十分な場合、文中のbe動詞と-ing形の組み合わせを進行形と判断すべきか動名詞・形容詞的用法と判断すべきかの区別が曖昧になり、文の構造把握に失敗する。共通テストでは長文の中で進行形が背景描写や変化の傾向を示す場面が出題されており、MARCH・関関同立レベルでは進行形の文脈的意味(未来の予定・一時的状態・感情を込めた反復)を正確に判定する能力が問われる。本演習は、形態的識別から談話的機能の判定まで、進行形に関する知識を統合的に活用する3つの大問で構成されている。

【出題分析】

出題形式と難易度

項目評価
難易度★★★☆☆ 標準
分量中程度(3大問・小問合計13問)
語彙レベル教科書〜共テ本試レベル
構文複雑度基本〜やや複雑(前置詞句・従属節を含む)

頻出パターン

共通テスト:長文中の進行形が背景描写を担う場面の読み取りが頻出する。過去進行形と単純過去形の共起から出来事の時間的関係を把握する設問が定番であり、文脈から進行形の意味を判断させる問題も増加傾向にある。

MARCH・関関同立:文法問題で進行形と動名詞・形容詞的用法の区別を問う設問が頻出する。また、進行形の拡張的用法(未来の予定・一時的状態)を文脈から判定させる設問や、和訳問題で進行形の意味を正確に訳出させる設問が出題されている。

地方国立大学:英文和訳問題で進行形を含む文の正確な訳出が求められる場面が多い。特に、過去進行形とwhen節・while節の組み合わせによる時間関係の把握が頻出しており、進行形の形態的識別と意味的判断の両方が問われる。

差がつくポイント

-ing形の機能判定において、be動詞の有無と文中の位置を組み合わせて進行形・動名詞・形容詞的用法を確実に区別できるかどうかが差を生む。特に、”The news is surprising.”のような文でbe動詞+-ing形が現れても進行形ではない場合の判定が重要である。

進行形の文脈的意味の判定において、未来を示す語句・頻度副詞・一時性の手がかりを総合的に活用して正しい解釈を選択できるかどうかが差を生む。特に、同じ形態であっても文脈によって意味が異なる場合の柔軟な判断が重要である。

物語文での進行形の談話的機能において、過去進行形と単純過去形の役割分担(背景と前景)を正確に把握し、出来事の時間的構造を追跡できるかどうかが差を生む。特に、複数の進行形が並列されている場合の同時性の判断が重要である。

演習問題

試験時間: 25分 / 満点: 100点

第1問(40点)

次の各文の下線部の-ing形について、(a)進行形、(b)動名詞、(c)形容詞的用法のいずれであるかを選び、記号で答えよ。また、そう判断した根拠を1文で述べよ。

(1)My brother is 【studying】 math in his room.

(2)【Swimming】 in the ocean requires careful preparation.

(3)The 【boiling】 water splashed on the table.

(4)She is 【interesting】 in many ways.

(5)They were 【discussing】 the problem when the teacher arrived.

第2問(40点)

次の各文の進行形が表す意味として最も適切なものを(a)〜(d)から選び、記号で答えよ。

(a)基準時点で進行中の動作 (b)近い未来の確定済みの予定 (c)一時的な状態 (d)感情を込めた反復

(1)I’m taking the 8 o’clock train tomorrow.

(2)She is always borrowing my things without asking.

(3)Look! The children are playing in the snow.

(4)He is working as a waiter until the end of this month.

(5)We are moving to a new office next Friday.

第3問(20点)

次の英文を読み、以下の設問に答えよ。

It was a warm afternoon in late September. The leaves on the trees were turning red and gold, and a gentle breeze was blowing through the park. An old man was sitting on a bench, feeding pigeons. Children were running around the fountain, laughing loudly. Everything seemed peaceful.

Then, without warning, a large dog ran into the park and chased the pigeons away. The old man stood up in surprise. The children stopped running and watched the dog with wide eyes. Within seconds, the calm atmosphere of the park had completely changed.

Meanwhile, across the city, the number of visitors to the new shopping mall was increasing steadily. Store owners were preparing for the weekend sale. More and more people were arriving every hour.

(1)第1段落で過去進行形が使われている文を全て抜き出し、それぞれが文章中で果たしている役割を「背景描写」「前景描写」のいずれかで答えよ。(6点)

(2)第2段落で単純過去形が使われている文と第1段落の過去進行形の文との関係を、「背景」「前景」の用語を用いて50字以内で説明せよ。(8点)

(3)第3段落の進行形が果たしている機能は、第1段落の進行形の機能とどのように異なるか。文章のジャンル的特徴に言及しながら60字以内で説明せよ。(6点)

解答・解説

難易度構成

難易度配点大問
基礎40点第1問
標準40点第2問
発展20点第3問

結果の活用

得点判定推奨アクション
80点以上A基礎体系へ進む
60-79B誤答した分野の講義を復習し、類題で再確認
40-59C統語層・意味層を中心に講義を再読し、例を増やして再挑戦
40点未満D該当講義を復習後に再挑戦

第1問 解答・解説

【戦略的情報】

項目内容
出題意図-ing形の3つの機能(進行形・動名詞・形容詞的用法)を形態と文中の位置から識別する能力
難易度基礎
目標解答時間8分

【思考プロセス】

状況設定:試験開始直後。第1問は-ing形の機能判定。配点40点。各問で「be動詞の有無」「文中の位置」「文法的機能」を順に確認する。

レベル1:初動判断 → 各文で-ing形の直前にbe動詞があるかどうかをまず確認する。be動詞があれば進行形の候補、なければ動名詞か形容詞的用法に絞り込める。

レベル2:情報の取捨選択 → be動詞がある場合でも、-ing形が動作の進行を表しているか、主語の性質を説明しているかを区別する必要がある。「途中でやめられる動作か」を基準とする。

レベル3:解答構築 → 各設問でbe動詞の有無→文中の位置→文法的機能の3段階で判定を確定する。

判断手順ログ:(1) isの直後にstudying。studyは動作動詞。途中でやめられる→進行形。(2) Swimmingは文頭で主語の位置。be動詞なし→動名詞。(3) boilingはwaterの直前で名詞修飾の位置。be動詞なし→形容詞的用法。(4) isの直後にinteresting。interestingは動作の進行ではなく主語の性質→形容詞的用法。(5) wereの直後にdiscussing。discussは動作動詞→進行形。

【解答】

小問解答
(1)(a)進行形。根拠:be動詞isの直後にstudyingがあり、勉強するという動作が進行中であることを表している。
(2)(b)動名詞。根拠:Swimmingは文頭で主語の位置にあり、「泳ぐこと」という名詞的機能を果たしている。
(3)(c)形容詞的用法。根拠:boilingはwaterの直前で名詞を修飾する位置にあり、「沸騰している水」と水の状態を説明している。
(4)(c)形容詞的用法。根拠:be動詞isの直後にinterestingがあるが、「興味深い最中」という動作の進行ではなく、主語の性質を表している。
(5)(a)進行形。根拠:be動詞wereの直後にdiscussingがあり、議論するという動作が過去の基準時点で進行中であったことを表している。

【解答のポイント】

正解の論拠:(1)と(5)はbe動詞+動作動詞の-ing形で進行形。(2)は文頭の主語位置で動名詞。(3)は名詞の直前で形容詞的用法。(4)はbe動詞+-ing形だが、interestingが動作の進行ではなく性質の記述であるため形容詞的用法と判定される。

誤答の論拠:(4)で「be動詞+-ing形だから進行形」と誤判定するパターンが多い。interestは「興味を持たせる」という他動詞であり、interestingは「興味を持たせるような」という形容詞として機能している。「興味を持たせている途中」という動作の進行は想定しにくいため、進行形ではないと判定する。

【再現性チェック】

この解法が有効な条件:-ing形が文中に現れるすべての場面で適用可能。「be動詞の有無→文中の位置→動作の進行か性質の記述か」の3段階判定は、進行形・動名詞・形容詞的用法の識別問題全般に有効である。

【参照】

[基盤 M17-統語] └ 進行形の形態的構成と-ing形の識別

[基盤 M22-統語] └ 現在分詞の形態と識別基準

第2問 解答・解説

【戦略的情報】

項目内容
出題意図進行形の4つの文脈的意味(進行中の動作・未来の予定・一時的状態・感情を込めた反復)を文脈から判定する能力
難易度標準
目標解答時間8分

【思考プロセス】

状況設定:第2問は進行形の文脈的意味の判定。配点40点。各問で語用層の総合判定手順(頻度副詞→未来語句→一時性語句→中心的意味)を適用する。

レベル1:初動判断 → 各文でalways/constantlyなどの頻度副詞、tomorrow/next weekなどの未来語句、this month/for nowなどの一時性語句の有無を確認する。

レベル2:情報の取捨選択 → 手がかりとなる語句が複数ある場合は、最も直接的に進行形の意味を決定する語句を優先する。手がかりがない場合は中心的意味(進行中の動作)と判定する。

レベル3:解答構築 → 決定木に従い、選択肢を確定する。

判断手順ログ:(1) tomorrowが未来語句。take the trainは移動に関する表現→(b)未来の予定。(2) alwaysが頻度副詞。進行形と共起。without askingが不満のニュアンスを強化→(d)感情を込めた反復。(3) Look!は「見て」という注意喚起。今この瞬間を指す。手がかり語句は頻度副詞・未来語句・一時性語句のいずれでもない→(a)進行中の動作。(4) until the end of this monthが一時性を示す→©一時的状態。(5) next Fridayが未来語句。moveは移動の動詞→(b)未来の予定。

【解答】

小問解答
(1)(b)近い未来の確定済みの予定
(2)(d)感情を込めた反復
(3)(a)基準時点で進行中の動作
(4)(c)一時的な状態
(5)(b)近い未来の確定済みの予定

【解答のポイント】

正解の論拠:(1)はtomorrowという未来語句とtake the trainという移動関連表現から「確定済みの予定」と判定。(2)はalwaysと進行形の共起パターンから「感情を込めた反復(without askingが苛立ちのニュアンスを強化)」と判定。(3)はLook!による注意喚起が「今この瞬間の動作」を示唆し、決定木で他の用法が排除されるため「進行中の動作」と判定。(4)はuntil the end of this monthという期限の明示が一時性を示すため「一時的状態」と判定。(5)はnext Fridayという未来語句とmoveという移動の動詞から「確定済みの予定」と判定。

誤答の論拠:(2)で「alwaysがあるから習慣→(a)進行中の動作」と誤判定するパターンがある。alwaysが単純現在形と共起する場合は客観的な習慣の記述だが、進行形と共起する場合は話し手の感情的評価が加わるという区別を確認する必要がある。

【再現性チェック】

この解法が有効な条件:進行形の文脈的意味を問う問題全般に適用可能。「頻度副詞→未来語句→一時性語句→該当なしなら中心的意味」の決定木は、初見の文でも安定した判定を可能にする。

【参照】

[基盤 M17-語用] └ 進行形の文脈的機能の識別

[基盤 M32-意味] └ 時制の基本的意味と進行形の関係

第3問 解答・解説

【戦略的情報】

項目内容
出題意図物語文と説明文における進行形の談話的機能の違いを文章ジャンルに基づいて分析する能力
難易度発展
目標解答時間9分

【思考プロセス】

状況設定:第3問は長文読解で進行形の談話的機能を分析する問題。配点20点。まず文章のジャンルと段落構成を把握し、進行形の出現箇所とその機能を特定する。

レベル1:初動判断 → 第1・2段落は物語文(過去形中心、場面描写と出来事の展開)、第3段落は説明文的な記述(進行形が変化・傾向を示す)とジャンルを判定する。

レベル2:情報の取捨選択 → 第1段落の過去進行形は全て場面設定としての背景描写。第2段落の単純過去形は物語を動かす前景の出来事。第3段落のMeanwhile以降は場面が切り替わり、進行形が変化・傾向の記述に転じている。

レベル3:解答構築 → 各設問に対し、背景と前景の概念、およびジャンルの違いを用いて論理的に記述する。

【解答】

小問解答
(1)過去進行形の文:① The leaves on the trees were turning red and gold ② a gentle breeze was blowing through the park ③ An old man was sitting on a bench, feeding pigeons ④ Children were running around the fountain, laughing loudly。いずれも「背景描写」。第1段落は物語の冒頭であり、これらの過去進行形は主要な出来事が起こる前の場面を設定する背景描写として機能している。
(2)第1段落の過去進行形が描く平和な場面が背景となり、第2段落の単純過去形(ran, chased, stood up, stopped, watched)がその背景を中断する前景の出来事として物語を展開させている。
(3)第1段落の進行形は物語の背景描写であるのに対し、第3段落の進行形は説明文的な記述における現在進行中の変化・傾向を表しており、ジャンルの違いに応じて機能が異なる。

【解答のポイント】

正解の論拠:(1)第1段落の過去進行形はすべてIt was a warm afternoonという時間設定の後に続く場面描写であり、物語の出来事が始まる前の状況を描いている。第2段落のThen, without warningという転換語の後に単純過去形が連続することで、背景から前景への移行が明確に示される。(2)「背景の中断」という関係を正確に記述できるかがポイント。第1段落のEverything seemed peacefulが背景の総括であり、第2段落のThenが転換点を示す。(3)第3段落のMeanwhile, across the cityは場面転換を示し、was increasing, were preparing, were arrivingは物語の背景描写ではなく、変化・傾向の記述として機能している。steadily, more and moreなどの語句が変化の進行を強調している点にも注目する。

誤答の論拠:(1)でfeeding pigeonsやlaughing loudlyを独立した進行形の文として数えるパターンがある。これらは分詞構文(付帯状況)であり、過去進行形の文の一部として扱うべきである。(3)で第3段落の進行形も「背景描写」と答えるパターンがある。第3段落はMeanwhileで場面が切り替わっており、物語の場面設定ではなく変化の記述である点を把握する必要がある。

【再現性チェック】

この解法が有効な条件:物語文と説明文が混在する長文で、進行形の談話的機能が問われる問題全般に適用可能。「ジャンル判定→進行形の位置確認→前後の時制との関係確認」の手順は、文章構造の分析問題に広く有効である。

【参照】

[基盤 M17-談話] └ 文章中での進行形の談話的機能

[基盤 M55-談話] └ 接続表現と論理関係の識別

【関連項目】

[基盤 M15-統語] └ 時制の形態的識別と進行形の形態的関係を確認する

[基盤 M18-統語] └ 受動態の形態的識別と進行形との区別を把握する

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