【基盤 英語】モジュール8:接続詞の種類と識別基準
本モジュールの目的と構成
英文を読んでいるとき、二つの文や語句がどのような関係にあるのかを見誤ると、文全体の意味が正反対になることがある。”He studied hard, but he failed the exam.”という文で、butを見落として「一生懸命勉強したので試験に落ちた」と読んでしまえば、筆者の伝えたい内容は完全に歪む。こうした誤読は、接続詞が文中で果たしている機能を正確に把握できていないことに起因する。接続詞は単なる「つなぎの言葉」ではなく、語・句・節の間に成立する論理的関係を明示する文法的装置である。本モジュールでは、接続詞の定義を機能の観点から正確に確立し、等位接続詞と従位接続詞の識別基準を習得し、接続詞が文構造と意味にどのような影響を与えるかを体系的に理解することを目的とする。
本モジュールは以下の層で構成される:
統語:接続詞の形態的・統語的特徴の把握
接続詞という品詞を他の品詞(前置詞・副詞など)から区別するための形態的特徴と、接続詞が文中で担う統語的機能を確立する。等位接続詞と従位接続詞という二大分類の基準を明確にし、それぞれが結合する要素の文法的性質を正確に把握できるようにする。
意味:接続詞が示す論理関係の識別
等位接続詞が示す並列・対比・選択の関係と、従位接続詞が示す時間・原因・条件・譲歩などの論理関係を識別する能力を確立する。同じ接続詞でも文脈によって異なる論理関係を示す場合があることを理解し、文脈に基づいた正確な判断ができるようにする。
語用:接続詞の実践的識別と運用
前置詞・副詞との紛らわしい語を含む文で接続詞を正確に識別し、接続詞が文全体の構造にどのように影響するかを実践的に把握する。共通テスト・MARCH下位レベルの英文に含まれる接続詞を確実に処理できる能力を確立する。
談話:接続詞と文章構造の関係
接続詞が段落内・段落間の論理展開にどのように寄与するかを把握する。複数の接続詞が共起する文における論理関係の優先順位を判断し、文章全体の論理構造を追跡できる能力を確立する。
このモジュールを修了すると、以下の能力が身につく。まず、英文中の接続詞を他の品詞と混同することなく正確に識別し、その接続詞が等位接続詞と従位接続詞のいずれであるかを即座に判定できるようになる。次に、接続詞が示す論理関係を文脈に即して正確に把握し、文と文、節と節、語と語の間に成立している意味的関係を明示的に言語化できるようになる。さらに、接続詞の識別を起点として文全体の構造を把握し、主節と従属節の関係を正確に特定できるようになる。この能力は、長文読解において段落の論理展開を追跡する際に直接活用される。接続詞の機能的理解は、後続のモジュールで学ぶ文の要素の識別や文型判定の前提となり、さらに基礎体系における接続詞と文の論理関係の発展的学習を可能にする。
統語:接続詞の形態的・統語的特徴の把握
英文を読むとき、andやbecauseといった語を「なんとなく意味がわかる語」として処理している学習者は多い。しかし、接続詞の統語的機能を正確に理解していなければ、forが前置詞なのか接続詞なのか、afterが前置詞なのか接続詞なのかを判断できず、文の構造把握に失敗する。統語層を終えると、接続詞を他の品詞から区別する形態的・統語的基準を確実に適用し、等位接続詞と従位接続詞を正確に分類できるようになる。品詞の名称と基本機能、特に名詞・動詞・形容詞・副詞・前置詞の基本的な識別能力が頭に入っていれば、ここから先の分析に進める。接続詞の定義、等位接続詞と従位接続詞の区別基準、接続詞と前置詞・副詞の識別方法を扱う。後続の意味層で接続詞が示す論理関係を分析する際、統語層で確立した識別能力がなければ、そもそもどの語が接続詞であるかを確定できないという根本的な障害が生じる。
【関連項目】
[基盤 M07-統語]
└ 前置詞の定義と統語的特徴を把握し、接続詞との識別基準を明確にする
[基盤 M06-統語]
└ 副詞の定義と統語的特徴を把握し、接続副詞との区別を確認する
【基礎体系】
[基礎 M15-統語]
└ 接続詞と文の論理関係を原理的に理解し、複合的な文構造の分析へ発展する
1. 接続詞の定義と二大分類
接続詞を学ぶ際、「語と語、句と句、節と節をつなぐ言葉」という理解だけで十分だろうか。実際の英文では、forが「〜のために」(前置詞)なのか「というのは〜だから」(接続詞)なのかを瞬時に判断しなければならない場面が頻繁に生じる。接続詞の識別が不十分なまま長文に取り組むと、文の構造を誤って把握し、主節と従属節の関係を取り違える結果となる。
接続詞の識別能力によって、以下の能力が確立される。第一に、等位接続詞(and, but, or, nor, for, yet, so)を確実に識別し、それが結合する要素の文法的対等性を確認できるようになる。第二に、従位接続詞(because, when, if, although, thatなど)を識別し、従属節の開始位置を正確に特定できるようになる。第三に、接続詞と前置詞・副詞を文中の統語的振る舞いに基づいて区別できるようになる。第四に、等位接続詞と従位接続詞の区別に基づいて、文中の節関係を正確に把握できるようになる。
接続詞の識別能力は、次の記事で扱う等位接続詞の詳細な用法、さらに従位接続詞の体系的理解へと直結する。
1.1. 接続詞の定義と品詞識別
接続詞とは何か。「語と語をつなぐ言葉」という回答は、前置詞や関係代名詞も語と語をつないでいるという事実を説明できない。接続詞の本質は、文法的に対等な要素を結合する(等位接続詞)か、ある節を別の節に従属させる(従位接続詞)かという二つの統語的機能にある。この定義が重要なのは、接続詞の識別は語の意味ではなく、その語が文中で果たしている統語的機能によって決定されるためである。すなわち、同じ語形(after, before, since, untilなど)であっても、後ろに名詞句が続けば前置詞として、節(主語+動詞を含むまとまり)が続けば従位接続詞として機能する。この点を理解していなければ、文構造の分析は出発点から破綻する。さらに、接続詞の定義が「つなぐ」という曖昧な機能ではなく「対等な結合」と「従属的結合」という二種類の統語操作に基づいている点は、接続詞を他の品詞から厳密に区別する上で不可欠の観点である。前置詞は名詞句と結合して前置詞句を形成するが、節を導く機能は本来持たない。関係代名詞は節を導くものの、先行詞を修飾する形容詞的機能を果たしており、接続詞のように節と節の論理関係を明示する機能は持たない。これらの区別が曖昧なまま英文に臨むと、文中のどの語がどのような統語的役割を担っているのかが判然とせず、構造把握の精度が著しく低下する。
この原理から、接続詞を識別する具体的な手順が導かれる。手順1では、対象の語の直後に何が続くかを確認する。直後に「主語+動詞」の構造(節)が続いていれば、その語は接続詞の候補となる。手順2では、等位接続詞か従位接続詞かを判定する。結合される二つの要素が文法的に対等(名詞と名詞、節と節など)であれば等位接続詞、一方の節が他方の節に意味的に依存していれば従位接続詞と判定できる。手順3では、前置詞・副詞との区別を確定する。同じ語形であっても、後ろに節が続かず名詞句のみが続く場合は前置詞であり、文修飾として独立している場合は副詞(接続副詞)であると確定できる。
例1: She left before the meeting started.
→ beforeの直後に”the meeting started”(主語+動詞)が続く。節を導いているため、beforeは従位接続詞。
→ 識別結果:従位接続詞(時間)
例2: She left before the meeting.
→ beforeの直後に”the meeting”(名詞句のみ)が続く。節を導いていないため、beforeは前置詞。
→ 識別結果:前置詞
例3: He was tired, yet he continued working.
→ yetの前後に独立した節がある。”He was tired”と”he continued working”は文法的に対等な二つの節であり、yetはこれらを結合している。
→ 識別結果:等位接続詞(対比)
例4: I haven’t seen him since last Monday.
→ sinceの直後に”last Monday”(名詞句)が続く。節を導いていないため、sinceは前置詞。cf. I haven’t seen him since he moved.(sinceの後にhe movedという節が続けば従位接続詞)
→ 識別結果:前置詞(時間の起点)
例5: The road was slippery, so we drove slowly.
→ soの前後に独立した節がある。”The road was slippery”と”we drove slowly”は文法的に対等な二つの節であり、soはこれらを結合している。soは等位接続詞の一覧に含まれる。
→ 識別結果:等位接続詞(結果)
例6: We stayed indoors after the storm passed.
→ afterの直後に”the storm passed”(主語+動詞)が続く。節を導いているため、afterは従位接続詞。cf. We stayed indoors after the storm.(afterの後に名詞句のみであれば前置詞)
→ 識別結果:従位接続詞(時間)
以上により、英文中のある語が接続詞であるかどうかを、その語の直後に続く要素の統語的性質に基づいて正確に判定することが可能になる。
1.2. 等位接続詞と従位接続詞の識別基準
一般に等位接続詞と従位接続詞は「対等につなぐか、従属させるかの違い」と単純に理解されがちである。しかし、この理解は「対等」と「従属」の判定基準が不明確であるという点で不正確である。学術的・本質的には、等位接続詞とは文法的に同じ階層にある要素(語と語、句と句、節と節)を結合し、いずれの要素を削除しても残りの要素が文法的に成立する接続詞として定義されるべきものである。一方、従位接続詞とは、従属節を主節に結合し、従位接続詞が導く節を削除しても主節が文法的に成立するが、主節を削除すると従属節だけでは文として成立しない接続詞として定義される。この区別が重要なのは、等位接続詞と従位接続詞の識別が文の主節の特定に直結するためである。入試の長文読解において、主節がどこにあるのかを正確に特定できなければ、文全体の意味把握は不可能である。等位接続詞で結合された節はいずれも主節としての資格を持つのに対し、従位接続詞で導かれた節は主節に従属する補助的情報である。この階層関係を理解しなければ、たとえば”Although the experiment failed, the researchers gained valuable insights.”のような文で「実験が失敗した」を主たる情報と誤認し、筆者が本当に伝えたい「研究者は貴重な知見を得た」という主節の情報を見落とす危険がある。
以上の原理を踏まえると、等位接続詞と従位接続詞を識別するための手順は次のように定まる。手順1では、接続詞が導く節を削除して文が成立するか確認する。削除しても主節が成立し、かつ残りの節も独立して成立するなら等位接続詞と判定できる。手順2では、接続詞の位置の可動性を確認する。等位接続詞は結合する要素の間に固定されるが、従位接続詞が導く節は文頭にも文末にも移動できるため、位置の可動性があれば従位接続詞と判定できる。手順3では、等位接続詞の一覧(and, but, or, nor, for, yet, so)と照合する。英語の等位接続詞はこの7語に限定されるため、この一覧に含まれない接続詞は従位接続詞であると確定できる。
例1: Tom likes coffee, and Mary likes tea.
→ “Tom likes coffee”を削除→”Mary likes tea”は文として成立。”Mary likes tea”を削除→”Tom likes coffee”も成立。双方が独立して成立するためandは等位接続詞。
→ 識別結果:等位接続詞(並列)
例2: Although it was raining, they went out.
→ “Although it was raining”を削除→”They went out”は成立。しかし”they went out”を削除→”Although it was raining”だけでは文として不完全。
→ 識別結果:従位接続詞(譲歩)
例3: She didn’t come, for she was ill.
→ forの後に節”she was ill”が続く。forは等位接続詞の一覧に含まれ、前後の節は対等な関係にある。ただしfor節は文頭に移動できないため、等位接続詞としての位置の固定性を確認できる。
→ 識別結果:等位接続詞(理由)
例4: If you study hard, you will pass the exam.
→ “If you study hard”を文末に移動可→”You will pass the exam if you study hard.”も成立。位置の可動性があり、かつifは等位接続詞一覧に含まれないため従位接続詞。
→ 識別結果:従位接続詞(条件)
例5: He likes swimming, but she prefers running.
→ “He likes swimming”を削除→”she prefers running”は成立。逆も同様。butは等位接続詞一覧に含まれ、両方の節が独立して成立する。
→ 識別結果:等位接続詞(対比)
例6: Unless the weather improves, the event will be postponed.
→ “Unless the weather improves”を文末に移動可→”The event will be postponed unless the weather improves.”も成立。unlessは等位接続詞一覧に含まれないため従位接続詞。また、主節を削除すると”Unless the weather improves”だけでは文として不完全。
→ 識別結果:従位接続詞(否定条件)
これらの例が示す通り、等位接続詞と従位接続詞を統語的基準に基づいて正確に識別し、文中の主節と従属節の関係を特定する能力が確立される。
2. 等位接続詞の体系と結合規則
等位接続詞を学ぶ際、「andは『そして』、butは『しかし』、orは『または』」という意味の対応だけで十分だろうか。実際の英文では、”She speaks French and German.”のandが語と語を結合しているのか、”She speaks French, and he speaks German.”のandが節と節を結合しているのかによって、文の構造把握が根本的に異なる。等位接続詞が結合する要素の文法的レベルを正確に判定できなければ、文の骨格を見誤る。
等位接続詞の体系的理解によって、以下の能力が確立される。第一に、等位接続詞が結合する要素の文法的レベル(語・句・節)を正確に判定できるようになる。第二に、等位接続詞の結合規則(文法的対等性の原則)を理解し、並列構造の範囲を正確に特定できるようになる。第三に、nor, for, yet, soといった使用頻度の低い等位接続詞の統語的特徴を把握できるようになる。
等位接続詞の体系的理解は、次の記事で扱う従位接続詞との対比を明確にし、さらに意味層における論理関係の分析へと直結する。
2.1. 等位接続詞の結合規則と並列構造
一般に等位接続詞は「同じものをつなぐ」と漠然と理解されがちである。しかし、この理解は「同じもの」が何を指すのか不明確であるという点で不正確である。学術的・本質的には、等位接続詞は「文法的に同一の範疇に属する要素」を結合する語として定義されるべきものである。つまり、名詞と名詞、形容詞と形容詞、不定詞句と不定詞句、節と節のように、統語的に対等な要素どうしを結合するのが等位接続詞の機能である。この原則が重要なのは、並列構造の範囲を正確に特定するために不可欠だからである。”I like reading books and watching movies.”において、andが結合しているのはreadingとwatchingという二つの動名詞句であって、booksとwatchingではない。この判定は文法的対等性の原則によってのみ可能となる。逆に言えば、この原則を知らない学習者は並列構造の範囲を勘に頼って特定することになり、複雑な英文で並列の範囲を取り違える誤りを頻繁に犯す。入試で出題される長文では、三つ以上の要素がandで結合される場合(A, B, and C)も多く、並列の範囲の取り違えは文全体の構造把握を根底から崩壊させる。また、等位接続詞が結合する要素の範疇が異なる場合(名詞と形容詞をandで結合するなど)は文法的に不適格となるが、この文法的対等性の原則を明確に理解していれば、誤った並列構造を含む英作文を自ら生成してしまう危険も防止できる。
この原理から、等位接続詞の結合範囲を特定する具体的な手順が導かれる。手順1では、等位接続詞の直後の要素の品詞・句・節の種類を確認する。直後の要素が名詞であれば、結合の相手も名詞であると予測できる。手順2では、等位接続詞の直前に遡り、同じ文法範疇の要素を探す。直後の要素と同じ品詞・句・節の種類を持つ要素が結合の相手であると特定できる。手順3では、結合される要素を入れ替えて文が成立するか確認する。”A and B”を”B and A”に入れ替えて文法的に成立すれば、並列構造の範囲が正しく特定されたことを確認できる。
例1: She bought apples, oranges, and bananas.
→ andの直後:bananas(名詞)。直前に同じ名詞:oranges, apples。三つの名詞が並列。
→ 結合範囲:名詞と名詞と名詞(語レベルの並列)
例2: He wants to study abroad and to learn new languages.
→ andの直後:to learn(不定詞句)。直前に同じ不定詞句:to study abroad。
→ 結合範囲:不定詞句と不定詞句(句レベルの並列)
例3: The teacher explained the rule, but the students didn’t understand it.
→ butの直後:“the students didn’t understand it”(節)。直前:“The teacher explained the rule”(節)。
→ 結合範囲:節と節(節レベルの並列)
例4: You can sit here or stand over there.
→ orの直後:stand(動詞原形)。直前:sit(動詞原形)。canの後の動詞原形どうしが並列。
→ 結合範囲:動詞原形と動詞原形(語レベルの並列)
例5: The project was long, expensive, and ultimately unsuccessful.
→ andの直後:unsuccessful(形容詞)。直前に同じ形容詞:long, expensive。三つの形容詞が並列。補語の位置で三つの形容詞が等位接続詞andで結合されている。
→ 結合範囲:形容詞と形容詞と形容詞(語レベルの並列)
例6: She enjoys cooking for her family and gardening in her spare time.
→ andの直後:gardening in her spare time(動名詞句)。直前:cooking for her family(動名詞句)。enjoysの目的語として二つの動名詞句が並列。
→ 結合範囲:動名詞句と動名詞句(句レベルの並列)
以上により、等位接続詞が結合する要素の文法的レベルと範囲を正確に特定し、並列構造を誤りなく把握することが可能になる。
3. 従位接続詞の体系と節の従属関係
従位接続詞を学ぶ際、「becauseは『なぜなら』、whenは『〜のとき』」という意味だけを覚えていて十分だろうか。実際の英文では、従位接続詞が導く節がどこからどこまでなのかを正確に特定しなければ、主節と従属節の関係を把握できない。特にsinceのように「〜以来」(時間)と「〜なので」(理由)の二つの意味を持つ従位接続詞では、文脈に基づいた判断が不可欠となる。
従位接続詞の体系的理解によって、以下の能力が確立される。第一に、主要な従位接続詞を機能別に分類(時間・原因理由・条件・譲歩・目的・結果)できるようになる。第二に、従位接続詞が導く節の範囲を正確に特定できるようになる。第三に、従位接続詞を含む文で主節を正確に特定できるようになる。第四に、同一語形の従位接続詞が文脈によって異なる機能を持つ場合を識別できるようになる。
従位接続詞の理解は、語用層での実践的識別や談話層での論理展開の追跡に直結する。
3.1. 従位接続詞の機能分類と節の範囲特定
一般に従位接続詞は「意味さえわかれば使える」と理解されがちである。しかし、この理解は従位接続詞が導く節の範囲を特定する手順が欠落しているという点で不正確である。学術的・本質的には、従位接続詞とは、主節に対して時間・原因・条件・譲歩などの意味的関係を持つ従属節を導入する語として定義されるべきものである。従位接続詞を見つけたら、その接続詞から始まる節がどこで終わるのかを特定し、残りの部分を主節として把握することが文構造分析の要となる。この手順が重要なのは、英文の正確な読解は常に主節の特定から始まるためである。従位接続詞の主要なカテゴリは六つに分類される。第一に時間を示すもの(when, while, before, after, until, since, as soon as, once等)、第二に原因理由を示すもの(because, since, as, now that等)、第三に条件を示すもの(if, unless, provided, as long as等)、第四に譲歩を示すもの(although, though, even though, while等)、第五に目的を示すもの(so that, in order that等)、第六に結果を示すもの(so…that, such…that等)である。この六つのカテゴリを把握しておけば、未知の従位接続詞に遭遇した場合にも、文脈からどのカテゴリに属するかを推論する手がかりとなる。
では、従位接続詞が導く節の範囲を特定するにはどうすればよいか。手順1では従位接続詞を見つける。when, because, if, although, while, since, unless, until, after, beforeなどの語を文中から特定することで、従属節の開始位置を確認できる。手順2では従属節の終了位置を特定する。従位接続詞の後の「主語+動詞」のまとまりがどこで意味的に完結するかを確認し、コンマや主節の動詞の出現を手がかりにすることで、従属節の範囲を確定できる。手順3では主節を特定する。従属節を括弧で囲むか一時的に除外して、残りの部分が主節であると確認することで、文全体の骨格を把握できる。
例1: When the bell rang, the students left the classroom.
→ 従位接続詞:When。従属節:“When the bell rang”(コンマまで)。主節:“the students left the classroom”。
→ 節の構造:[従属節(時間)]+[主節]
例2: The project failed because nobody took responsibility.
→ 従位接続詞:because。従属節:“because nobody took responsibility”(文末まで)。主節:“The project failed”。
→ 節の構造:[主節]+[従属節(原因)]
例3: Unless you finish the report, you cannot leave.
→ 従位接続詞:Unless。従属節:“Unless you finish the report”(コンマまで)。主節:“you cannot leave”。
→ 節の構造:[従属節(条件)]+[主節]
例4: Although the evidence was strong, the jury remained unconvinced.
→ 従位接続詞:Although。従属節:“Although the evidence was strong”(コンマまで)。主節:“the jury remained unconvinced”。
→ 節の構造:[従属節(譲歩)]+[主節]
例5: She kept studying until she understood the concept completely.
→ 従位接続詞:until。従属節:“until she understood the concept completely”(文末まで)。主節:“She kept studying”。
→ 節の構造:[主節]+[従属節(時間・終点)]
例6: As soon as the rain stopped, the children ran outside.
→ 従位接続詞:As soon as。従属節:“As soon as the rain stopped”(コンマまで)。主節:“the children ran outside”。
→ 節の構造:[従属節(時間・直後)]+[主節]
以上の適用を通じて、従位接続詞が導く節の範囲を正確に特定し、主節を確実に把握する能力を習得できる。
4. 接続詞と紛らわしい語の識別
接続詞の識別を学ぶ際、「接続詞は接続詞として覚える」という方法だけで十分だろうか。実際の英文では、after, before, since, until, while, asなどの語は、文中の位置と後続する要素の種類によって前置詞にも従位接続詞にもなる。また、however, therefore, moreoverなどの語は接続詞のように見えるが、文法的には副詞(接続副詞)であり、等位接続詞や従位接続詞とは統語的な振る舞いが異なる。
接続詞と紛らわしい語の識別能力によって、以下の能力が確立される。第一に、同一語形が前置詞として機能する場合と接続詞として機能する場合を統語的基準で区別できるようになる。第二に、接続副詞(however, therefore等)と等位接続詞・従位接続詞の文法的な違いを把握できるようになる。第三に、thatが接続詞として機能する場合と関係代名詞・指示代名詞として機能する場合を区別できるようになる。
接続詞と紛らわしい語の識別は、語用層での実践的な文構造分析と談話層での論理展開の追跡を支える基礎となる。
4.1. 前置詞・副詞との識別手順
一般にafter, before, sinceなどの語は「意味で判断すればよい」と理解されがちである。しかし、この理解は同じ語形が前置詞にも接続詞にもなるという事実に対処できないという点で不正確である。学術的・本質的には、ある語が前置詞であるか接続詞であるかは、その語の後ろに続く要素の統語的性質(名詞句か節か)によって決定される。また、接続副詞(however, therefore等)は二つの独立した文を論理的に関連づける語ではあるが、文法的には副詞であり、接続詞とは異なる統語的制約を持つ。この区別が重要なのは、接続副詞を接続詞と混同すると、カンマスプライス(コンマだけで二つの独立した節を結合する文法的誤り)を生じさせるためである。カンマスプライスは英作文における典型的な減点対象であり、”He was tired, however he continued working.”のような文は文法的に不適格である。正しくは”He was tired; however, he continued working.”とセミコロンまたはピリオドで区切る必要がある。接続詞であれば”He was tired, but he continued working.”のようにコンマで結合しても問題ないが、接続副詞ではこの形式が許されないという統語的制約の違いを理解することが、正確な英文理解と産出の両方に不可欠である。
上記の定義から、接続詞と紛らわしい語を識別する手順が論理的に導出される。手順1では後続要素の確認を行う。対象の語の直後に「主語+動詞」を含む節が続けば接続詞、名詞句のみが続けば前置詞と判定できる。手順2では文の独立性を確認する。対象の語を含む部分を除外して、前後の文がそれぞれ独立した文として成立するか確認し、両方が成立すれば接続副詞である可能性が高いと判定できる。手順3ではセミコロン・ピリオドの有無を確認する。接続副詞は通常、セミコロンまたはピリオドの後に置かれ、直後にコンマを伴う形式で用いられるため、この形式的特徴によって接続詞との最終的な区別を確定できる。
例1: I haven’t eaten since morning.
→ sinceの直後:“morning”(名詞句のみ)。節が続いていないためsinceは前置詞。
→ 識別結果:前置詞
例2: I haven’t eaten since I woke up.
→ sinceの直後:“I woke up”(主語+動詞を含む節)。節を導いているためsinceは従位接続詞。
→ 識別結果:従位接続詞(時間の起点)
例3: The experiment failed. However, the team learned valuable lessons.
→ howeverの前にピリオドがあり、howeverの直後にコンマがある。二つの文はそれぞれ独立して成立する。howeverは二つの独立した文を論理的に結びつけているが、文法的には副詞(接続副詞)。
→ 識別結果:接続副詞(対比・逆接)
例4: While he was sleeping, someone knocked on the door.
→ whileの直後:“he was sleeping”(節)。一方、”while”が名詞句と共起する場合(for a while)は名詞用法。ここでは節を導いているため従位接続詞。
→ 識別結果:従位接続詞(時間・同時進行)
例5: The results were disappointing. Therefore, the team decided to change their approach.
→ thereforeの前にピリオドがあり、thereforeの直後にコンマがある。二つの文はそれぞれ独立して成立する。thereforeは結果を示す接続副詞であり、等位接続詞soとは異なり、コンマだけで文を結合する機能を持たない。
→ 識別結果:接続副詞(結果・帰結)
例6: We won’t start until everyone arrives.
→ untilの直後:“everyone arrives”(主語+動詞を含む節)。節を導いているためuntilは従位接続詞。cf. We won’t start until noon.(名詞句のみなら前置詞)
→ 識別結果:従位接続詞(時間・終点)
4つの例を通じて、同一語形が前置詞・接続詞・接続副詞のいずれとして機能しているかを統語的基準に基づいて正確に判定する実践方法が明らかになった。
5. 接続詞の識別における注意点
接続詞の識別を学ぶ際、基本的な識別手順を習得しただけで実際の英文に対応できるだろうか。実際の入試英文では、thatが接続詞なのか関係代名詞なのか、asが接続詞なのか前置詞なのか副詞なのかを正確に判断しなければならない場面が多い。また、相関接続詞(both…and, either…or, neither…nor, not only…but also)は二つの要素がセットで機能するため、単独の接続詞とは異なる識別手順が必要となる。
接続詞の識別における注意点の理解によって、以下の能力が確立される。第一に、thatが名詞節を導く接続詞として機能する場合を正確に識別できるようになる。第二に、asの多機能性(接続詞・前置詞・副詞)を統語的文脈に基づいて判定できるようになる。第三に、相関接続詞の構造を把握し、並列される要素の範囲を正確に特定できるようになる。
接続詞の識別における注意点の理解は、意味層での論理関係の分析と語用層での実践的処理を可能にする前提となる。
5.1. thatの識別と相関接続詞
thatには複数の文法的機能がある。「あの」という意味の指示形容詞・指示代名詞、先行詞を修飾する関係代名詞、そして名詞節を導く従位接続詞の三つが主要な機能である。しかし、「thatの意味から判断すればよい」という方法では、接続詞のthatは「こと」「ということ」と訳されるものの、関係代名詞のthatも日本語に訳すと「〜する(もの・こと)」となるため、意味だけでは区別できないという点で不正確である。学術的・本質的には、接続詞のthatは「完全な節(主語・動詞・補語や目的語が全て揃った節)」を導くのに対し、関係代名詞のthatは節の中で主語や目的語が欠けている「不完全な節」を導くという統語的特徴によって区別されるべきものである。この区別が重要なのは、thatの機能の判定が文全体の構造把握を左右するためである。接続詞のthatが導く節は主節の中で名詞の役割(主語・目的語・補語)を果たすのに対し、関係代名詞のthatが導く節は先行詞を修飾する形容詞節として機能する。したがって、thatの判定を誤ると、ある節が文中でどのような統語的役割を果たしているのかという根本的な構造把握が狂うことになる。さらに、入試ではthatの省略(I think he is right. = I think that he is right.)も頻出するため、thatが明示されている場合の識別手順を確実に習得しておかなければ、省略された場合の対処も困難になる。
この原理から、thatを識別し、さらに相関接続詞を処理する具体的な手順が導かれる。手順1ではthatの直後の節の完全性を確認する。thatの後に「主語+動詞+(必要な補語・目的語)」が全て揃っていれば接続詞のthat、主語や目的語が欠けていれば関係代名詞のthatと判定できる。手順2ではthatの前の語との関係を確認する。動詞(think, know, believe, say等)や形容詞(sure, glad, aware等)の直後であれば接続詞のthat、名詞の直後であれば関係代名詞の可能性が高いと判定できる。手順3では相関接続詞のペアを確認する。both…and, either…or, neither…nor, not only…but alsoのセットを見つけたら、二つの要素で挟まれた部分が並列されている要素であると特定できる。
例1: I know that she is honest.
→ thatの後に”she is honest”(主語+動詞+補語が全て揃った完全な節)が続く。knowの目的語となる名詞節を導いている。
→ 識別結果:接続詞(名詞節を導く)
例2: The book that I borrowed was interesting.
→ thatの後の節”I borrowed ___”には目的語が欠けている(borrowedの目的語がない)。thatはこの欠けた目的語の役割を果たしている。
→ 識別結果:関係代名詞
例3: Not only did she win the race, but she also broke the record.
→ not only…but alsoの相関接続詞。”she won the race”と”she broke the record”が並列されている。not onlyの後の倒置(did she win)にも注意。
→ 識別結果:相関接続詞(添加・強調)
例4: Either you apologize, or I will leave.
→ either…orの相関接続詞。“you apologize”と”I will leave”(二つの節)が並列されている。
→ 識別結果:相関接続詞(選択)
例5: The fact that the earth is round was once controversial.
→ thatの後に”the earth is round”(主語+動詞+補語が全て揃った完全な節)が続く。名詞”fact”の内容を説明する同格のthat節。”the earth is round”から何も欠けていないため、接続詞のthatと判定できる。関係代名詞であれば節内に欠落が生じるはずである。
→ 識別結果:接続詞(同格の名詞節を導く)
例6: Neither the teacher nor the students were prepared for the test.
→ neither…norの相関接続詞。“the teacher”と”the students”(二つの名詞)が並列されている。語レベルの並列であり、主語の位置で用いられている。
→ 識別結果:相関接続詞(否定的選択)
以上により、thatの文法的機能を統語的基準で正確に判定し、相関接続詞の構造を把握して並列要素の範囲を特定する能力が確立される。
意味:接続詞が示す論理関係の識別
英文中の接続詞を正確に識別できたとしても、その接続詞がどのような論理関係を示しているのかを把握できなければ、文の意味を正確に理解したことにはならない。sinceが「〜以来」なのか「〜なので」なのかによって文の意味は根本的に異なるし、whileが「〜の間」なのか「〜である一方で」なのかの判断を誤れば文脈全体の理解が破綻する。意味層を終えると、接続詞が示す論理関係を文脈に基づいて正確に識別し、等位接続詞と従位接続詞のそれぞれが持つ意味機能の体系を把握できるようになる。統語層で確立した接続詞の識別能力と、等位接続詞・従位接続詞の区別基準が頭に入っていれば、意味層の学習に進める。等位接続詞の意味機能(並列・対比・選択・理由)、従位接続詞の意味機能(時間・原因・条件・譲歩・目的・結果)、文脈に基づく多義的接続詞の意味判定を扱う。語用層で接続詞を含む文を実践的に処理する際、意味層の識別能力がなければ、統語的に正しく識別した接続詞が何を意味しているのかを確定できないという問題が生じる。
【関連項目】
[基盤 M32-意味]
└ 時制の基本的意味を理解し、従位接続詞(時間)との関係を把握する
[基盤 M55-意味]
└ 接続表現と論理関係の基本的な対応を確認する
【基礎体系】
[基礎 M15-意味]
└ 接続詞と文の論理関係をより高度な文脈で分析する能力へ発展する
1. 等位接続詞の意味機能
等位接続詞を学ぶ際、「andは並列、butは逆接、orは選択」という対応だけで実際の英文に対応できるだろうか。実際には、”Study hard, and you will pass.”のandは「そうすれば」という条件的意味を持ち、単純な並列ではない。また、”He is poor but happy.”のbutは「しかし」という逆接だけでなく、「にもかかわらず」という譲歩の含みを持つ場合がある。
等位接続詞の意味機能の理解によって、以下の能力が確立される。第一に、and, but, orの基本的な意味機能に加え、文脈によって生じる派生的意味を識別できるようになる。第二に、for, yet, soの意味機能を正確に把握し、類似する従位接続詞との違いを理解できるようになる。第三に、等位接続詞が示す論理関係を日本語で正確に言語化できるようになる。
等位接続詞の意味機能の理解は、意味層全体を通じた論理関係の体系的把握を可能にし、談話層での文章構造の分析へと接続する。
1.1. and, but, orの基本的意味と派生的意味
一般にand, but, orは「それぞれ一つの意味を持つ」と単純に理解されがちである。しかし、この理解はandが条件や結果を示す場合、butが譲歩を示す場合、orが警告を示す場合に対応できないという点で不正確である。学術的・本質的には、等位接続詞の意味は「基本的意味」と「文脈から生じる派生的意味」に区別されるべきものである。andの基本的意味は「並列(AかつB)」であるが、命令文の後に続く場合は「そうすれば(条件+結果)」を、時系列的文脈では「そしてその後(継起)」を示す。同様に、butの基本的意味は「対比・逆接」であるが、文脈によって「〜にもかかわらず(譲歩)」や「〜を除いて(排除)」を示す。orの基本的意味は「選択(AまたはB)」であるが、命令文の後に続く場合は「さもなくば(警告)」を示す。この区別が重要なのは、接続詞の意味を文脈なしに一義的に決定することはできないためである。入試の読解問題では、まさにこの派生的意味が問われることが多い。特に”Study hard, and you will pass.” / “Study hard, or you will fail.”の対比は典型的な出題パターンであり、andとorの派生的意味(条件+結果 / 警告)を正確に把握していなければ正答に至ることができない。また、soは「だから」(結果)の意味で頻出するが、等位接続詞のsoと接続副詞のso(so…thatの一部)を区別する必要があり、統語的な位置関係と意味の両面からの判定が求められる。
この原理から、等位接続詞の意味を文脈に基づいて判定する具体的な手順が導かれる。手順1では基本的意味を適用する。and→並列、but→対比・逆接、or→選択として文意が通るか確認し、文意が通ればその基本的意味を採用できる。手順2では文脈的手がかりを確認する。命令文+and/or、時系列を示す副詞の共起、前後の文の意味的関係などの手がかりから、派生的意味の可能性を検討し、基本的意味よりも適切な意味を特定できる。手順3では日本語に置き換えて検証する。特定した意味で日本語に訳し、文脈全体と整合するか確認することで、意味判定の正確性を検証できる。
例1: He worked hard, and he succeeded.
→ 基本的意味「並列」を適用:「彼は一生懸命働いた、そして成功した」→文意は通るが、時系列的文脈であるため「そしてその結果」(結果)の意味合いが強い。
→ 意味判定:結果を伴う並列
例2: Hurry up, or you will miss the train.
→ 基本的意味「選択」を適用:「急ぎなさい、さもなくば電車に乗り遅れるだろう」→命令文+orの形式であり、「さもなくば」(警告)の派生的意味。
→ 意味判定:警告(命令文+or)
例3: The food was expensive but delicious.
→ 基本的意味「対比・逆接」を適用:「その料理は高かったが美味しかった」→「高い」と「美味しい」は対比的な性質であり、基本的意味で文意が通る。
→ 意味判定:対比・逆接
例4: She tried again and again, but she could not solve the problem.
→ 前半のandは「繰り返し」の強調(again and again)。butは基本的意味「逆接」:「何度も試みたが、解けなかった」。
→ 意味判定:andは並列(強調)、butは逆接
例5: Be kind to others, and they will be kind to you.
→ 命令文+andの形式。基本的意味「並列」では「他者に親切にしなさい、そして彼らはあなたに親切にするだろう」→命令文+andのため「そうすれば」(条件+結果)の派生的意味。
→ 意味判定:条件+結果(命令文+and)
例6: You can take it or leave it.
→ 基本的意味「選択」を適用:「それを受け入れるか、放棄するかだ」→二つの行為の選択。文脈上「どちらかを選べ」という二者択一の提示。
→ 意味判定:選択(二者択一)
以上により、等位接続詞の意味を基本的意味と派生的意味に区別し、文脈に基づいて正確に判定する能力が確立される。
2. 従位接続詞の意味機能
従位接続詞を学ぶ際、「becauseは原因、whenは時間、ifは条件」という一対一の対応だけで十分だろうか。実際の英文では、sinceが「〜以来」(時間)と「〜なので」(原因)のいずれの意味で使われているかを文脈から判断しなければならない。また、whileが「〜の間」(時間)と「〜である一方で」(対比)のどちらを示すかも文脈依存的である。
従位接続詞の意味機能の理解によって、以下の能力が確立される。第一に、従位接続詞を時間・原因理由・条件・譲歩・目的・結果の六つの機能カテゴリに正確に分類できるようになる。第二に、同一の従位接続詞が複数の意味機能を持つ場合に、文脈に基づいて正しい意味を判定できるようになる。第三に、類似する論理関係を示す接続詞の違い(because / since / as / forなど)を正確に識別できるようになる。
従位接続詞の意味機能の理解は、語用層での実践的な文構造分析と談話層での論理展開の追跡を可能にする。
2.1. 六つの意味カテゴリと多義的接続詞の判定
一般に従位接続詞の意味は「一つの接続詞に一つの意味」と理解されがちである。しかし、この理解はsince, while, asなどの多義的接続詞に対応できないという点で不正確である。学術的・本質的には、従位接続詞の意味は六つのカテゴリ(時間・原因理由・条件・譲歩・目的・結果)に体系化され、一つの接続詞が複数のカテゴリにまたがる場合は「文脈上どちらの解釈が論理的に整合するか」によって意味が確定される。この体系が重要なのは、多義的接続詞の意味判定が入試の読解問題で頻繁に問われるためである。多義的接続詞の代表格であるsinceを例にとると、現在完了形と共起する場合は時間(〜以来)、現在形や過去形と共起して因果関係が成立する場合は原因(〜なので)と判定されることが多い。しかし、この傾向はあくまで手がかりであり、最終的な判定は文脈全体との整合性によって確定される。whileも同様に、主節と従属節の動作が物理的に同時進行している場合は時間(〜の間)、主節と従属節の内容が対照的である場合は譲歩・対比(〜である一方で)と判定される。asに至っては、時間(〜するとき/〜するにつれて)、原因(〜なので)、様態(〜するように)、比例(〜するにつれて)と四つ以上の意味を持ち、文脈的手がかりの複合的な分析が求められる。
以上の原理を踏まえると、従位接続詞の意味を判定するための手順は次のように定まる。手順1では接続詞の基本カテゴリを確認する。when, before, after, until, since, while→時間の可能性、because, since, as→原因の可能性、if, unless→条件、although, though, while→譲歩の可能性というように候補を絞り込むことができる。手順2では主節と従属節の意味的関係を分析する。「なぜ」で問えば原因、「いつ」で問えば時間、「どんな条件で」で問えば条件という形で、主節と従属節の関係を確認することで、正しいカテゴリを特定できる。手順3では文脈全体と照合する。特定したカテゴリで前後の文脈と整合するかを確認し、時制や副詞などの文脈的手がかりとも照合することで、最終的な意味判定を確定できる。
例1: Since you are here, let me explain the plan.
→ sinceの候補:時間(〜以来)/原因(〜なので)。主節と従属節の関係を「なぜ」で問う→「あなたがここにいるから計画を説明する」→原因として論理的に整合。
→ 意味判定:原因理由
例2: I have lived here since 2010.
→ sinceの候補:時間(〜以来)/原因(〜なので)。現在完了形(have lived)と時点(2010)が共起。「なぜ」で問う→不自然。「いつから」で問う→「2010年以来ここに住んでいる」→時間として整合。
→ 意味判定:時間(起点)
例3: While I agree with your point, I think we need more evidence.
→ whileの候補:時間(〜の間)/譲歩(〜である一方で)。「〜の間同意する」→不自然。「あなたの主張に同意する一方で、もっと証拠が必要だと思う」→譲歩として整合。
→ 意味判定:譲歩(対比的譲歩)
例4: As the temperature dropped, the roads became icy.
→ asの候補:時間(〜するにつれて)/原因(〜なので)。温度低下→路面凍結は因果関係であると同時に時間的推移でもある。「温度が下がるにつれて」→時間+因果の複合的意味。
→ 意味判定:時間(変化の並行)。因果関係は文脈から含意される。
例5: Once you understand the principle, the exercises become easy.
→ onceの候補:時間(〜したら)/条件(〜すれば)。「原理を理解したら演習が簡単になる」→条件の成立後の帰結。時間と条件の複合的な意味であるが、主として条件的意味が前面に出る。
→ 意味判定:条件(一度〜すれば)
例6: She stayed home so that she could finish the report.
→ so thatの候補:目的(〜するために)。「レポートを仕上げるために家にいた」→目的として論理的に整合。従属節のcouldが目的の含意を裏付ける。
→ 意味判定:目的
以上により、従位接続詞の意味を六つのカテゴリに基づいて体系的に判定し、多義的接続詞の意味を文脈から正確に確定する能力が確立される。
3. 類似接続詞の意味的区別
類似する論理関係を示す接続詞の区別を学ぶ際、「because, since, asはどれも理由を表す」という理解だけで十分だろうか。実際には、becauseは新情報として理由を提示するのに対し、sinceとasは聞き手が既に知っている情報(旧情報)を前提として理由を述べる際に使われる。この使い分けを知らなければ、Why疑問文への応答でsinceやasを使うという誤りを犯す。
類似接続詞の意味的区別の理解によって、以下の能力が確立される。第一に、原因理由を表す接続詞(because / since / as / for)の使い分けの基準を把握できるようになる。第二に、条件を表す接続詞(if / unless / provided / as long as)の違いを正確に理解できるようになる。第三に、譲歩を表す接続詞(although / though / even though / while)のニュアンスの違いを識別できるようになる。
類似接続詞の区別の理解は、語用層での表現選択の正確性と談話層での論理展開の精密な追跡に直結する。
3.1. 原因理由・条件・譲歩の接続詞の使い分け
一般に「原因理由を表す接続詞は全て同じように使える」と理解されがちである。しかし、この理解はbecause, since, as, forの間に情報構造上の明確な差異があることを見落としているという点で不正確である。学術的・本質的には、becauseは聞き手にとって新しい情報として理由を提示する接続詞、sinceとasは聞き手が既に了解している情報を前提として理由を述べる接続詞、forは先行する主節の判断の根拠を後づけで示す等位接続詞として区別されるべきものである。同様に、条件のifは中立的な仮定、unlessは「〜しない限り」という否定条件、譲歩のalthoughは事実に対する譲歩、even thoughはalthoughを強調した形である。この区別が重要なのは、接続詞の選択が文の情報構造と論理関係を直接規定するためである。becauseは「理由を新たに提示する」機能を持つため、Why…?に対する応答にはbecauseが適切である。一方、sinceは「すでに共有されている事実を改めて理由として持ち出す」機能を持つため、Why…?への直接的な応答には不自然となる。asは原因を示す場合sinceとほぼ同義であるが、文頭に置かれることが多く、主節よりも情報的な重要度が低い理由を付加する際に用いられる傾向がある。forは等位接続詞であるため文頭に置くことができず、常に主節の後に位置して「判断の根拠」を後づけで補足する機能を持つ。
この原理から、類似接続詞を区別する具体的な手順が導かれる。手順1では情報の新旧を確認する。理由の内容が聞き手にとって新情報ならbecause、既知の情報ならsinceまたはasが適切であると判定できる。手順2では節の位置と機能を確認する。文頭に置けるのはbecause, since, as(従位接続詞)であり、forは文頭に置けない(等位接続詞のため)という制約によって区別を確認できる。手順3では強調度・限定度を確認する。条件ではifが中立、unlessが否定条件、provided/as long asが限定条件であり、譲歩ではalthoughが標準、even thoughが強調、thoughがやや口語的であるという段階によって適切な接続詞を特定できる。
例1: Why did you leave early? — Because I had a headache.
→ Whyへの応答であり、理由は聞き手にとって新情報。becauseが適切。sinceやasを使うと、既知情報として理由を述べることになり不自然。
→ 区別基準:新情報としての理由→because
例2: Since everyone knows the rule, I won’t repeat it.
→ 「みんなルールを知っている」は聞き手も了解している既知情報。sinceが適切。becauseでは「みんながルールを知っているから」を新たな理由として提示するニュアンスになる。
→ 区別基準:既知情報としての理由→since
例3: Even though he apologized, she refused to forgive him.
→ 「彼が謝った」という事実に対する強い譲歩。althoughでも可だが、even thoughは「謝ったにもかかわらず」という意外性をより強く表す。
→ 区別基準:強い譲歩→even though
例4: You can borrow it as long as you return it by Friday.
→ 「金曜日までに返す」という限定条件を設定している。ifでは「返すかもしれない」という中立的仮定になり、unlessでは否定条件になるため意味が異なる。
→ 区別基準:限定条件→as long as
例5: It must be cold outside, for she is wearing a heavy coat.
→ forは主節の判断(外は寒いに違いない)の根拠を後づけで示す等位接続詞。because節なら「コートを着ているから寒い」と因果を直接述べるが、for節は「というのは〜だから」と判断の補足的根拠を提示する。
→ 区別基準:判断の根拠の後づけ→for
例6: Provided that all members agree, we can proceed with the plan.
→ 「全員が同意する」という特定条件を設定している。ifでは条件の中立性が強く、provided thatは「〜という条件が満たされれば」というより限定的・公式的な条件を設定する。
→ 区別基準:限定的・公式的条件→provided that
以上により、類似する接続詞の間に存在する情報構造上・強調度上の差異を正確に把握し、文脈に応じた適切な判定を行う能力が確立される。
4. 接続詞の意味と文構造の関係
接続詞の意味を学ぶ際、接続詞単独の意味だけを知っていれば文全体の意味が把握できるだろうか。実際の英文では、接続詞の意味判定が主節と従属節の関係の把握に直結し、ひいては文全体の解釈を左右する。特に、否定と接続詞の組み合わせや、接続詞が示す論理関係と時制の対応関係は、意味の正確な把握に不可欠である。
接続詞の意味と文構造の関係の理解によって、以下の能力が確立される。第一に、接続詞が示す論理関係と主節・従属節の意味的関係を統合的に把握できるようになる。第二に、否定表現と接続詞の組み合わせ(not…because, not…until等)の意味を正確に判定できるようになる。第三に、接続詞の意味と時制の対応関係を把握し、文の時間的構造を正確に理解できるようになる。
この理解は、語用層での実践的な文構造分析と、談話層での文章全体の論理展開の追跡に直結する。
4.1. 否定と接続詞の組み合わせ・時制との対応
否定文における接続詞の意味は「否定の意味をそのまま接続詞の意味に加えればよい」と理解されがちである。しかし、この理解は否定の作用域(スコープ)が接続詞の解釈に影響するという事実を見落としているという点で不正確である。学術的・本質的には、”I didn’t go because I was afraid.”という文は「怖かったから行かなかった」(否定が主節、becauseが理由)と「怖かったから行ったわけではない」(否定がbecause節に作用)の二通りの解釈が可能であり、この曖昧性は否定の作用域の問題である。この区別が重要なのは、否定と接続詞の組み合わせが入試で頻出する文法問題・読解問題で問われるためである。否定の作用域の問題は英語文法において最も高度な判断を要する領域の一つであり、コンマの有無や文脈による解釈の限定を正確に理解していなければ正答に至ることができない。not…untilの構文(「〜してようやく…した」)は入試で最も頻出する否定+接続詞の組み合わせであり、notの否定がuntil以前の時間帯に限定されるという作用域の特殊性を理解する必要がある。同様に、接続詞が示す時間関係と時制の対応も重要である。before節の出来事が主節の出来事より後に起こるという点は直感に反しやすく、”Before she left, she had finished all the work.”のような文で過去完了形が主節で使われている理由を時間の前後関係から正確に説明できなければ、時制の意味機能の理解が不十分であることになる。
上記の定義から、否定と接続詞の組み合わせを正確に解釈する手順が論理的に導出される。手順1では否定の位置と接続詞の位置関係を確認する。否定語(not等)が主節の動詞を否定しているのか、接続詞が導く節の内容を否定しているのかを確認することで、否定の作用域を特定できる。手順2ではコンマの有無を確認する。”I didn’t go, because I was afraid.”のようにコンマがある場合は「行かなかった。というのは怖かったからだ。」と解釈され、コンマがない場合は両義的になるため、コンマを手がかりとして解釈を限定できる。手順3では文脈全体との整合性を確認する。前後の文脈からどちらの解釈が論理的に整合するかを確認し、最終的な意味判定を確定できる。
例1: I didn’t leave because I was angry.
→ コンマなし。二つの解釈:(a)「怒っていたから出発しなかった」(否定が主節)、(b)「怒っていたから出発したわけではない」(否定がbecause節に作用)。文脈の確認が必要。
→ 注意点:否定+becauseは曖昧性が生じやすい構造
例2: I didn’t leave, because I was angry.
→ コンマあり。「出発しなかった。というのは怒っていたからだ。」→否定は主節の動詞にのみ作用し、because節は主節の否定の理由を説明する。
→ 意味判定:怒っていたことが出発しなかった理由
例3: He didn’t arrive until midnight.
→ not…untilの定型表現。「彼は真夜中まで到着しなかった」=「彼は真夜中になってようやく到着した」。notの作用域はuntil以前の期間に限定される。
→ 意味判定:「〜してようやく…した」
例4: Before she left, she had finished all the work.
→ before(時間)と過去完了(had finished)の対応。「彼女が出発する前に、全ての仕事を終えていた」→従属節の出来事(出発)より前に完了していたことを過去完了が示している。
→ 意味判定:時間の前後関係(接続詞の意味と時制の対応)
例5: She didn’t speak until she was spoken to.
→ not…untilの構文。「彼女は話しかけられるまで口を開かなかった」=「話しかけられてようやく口を開いた」。untilの後に節(she was spoken to)が続いているため、untilは従位接続詞。否定の作用域はuntil以前の時間帯に限定される。受動態(was spoken to)の識別も含めた複合的判断が求められる。
→ 意味判定:「〜されてようやく…した」
例6: After the guests had left, we cleaned the house.
→ after(時間)と過去完了(had left)の対応。「客が帰った後に、私たちは家を掃除した」→従属節の過去完了が主節の過去形よりも前の出来事であることを示している。afterの時間的意味と時制の整合性を確認する。
→ 意味判定:時間の前後関係(従属節の出来事が主節より先行)
以上の適用を通じて、否定と接続詞の組み合わせにおける作用域の問題を正確に処理し、接続詞の意味と時制の対応関係を把握する能力を習得できる。
語用:接続詞の実践的識別と運用
統語層で接続詞の定義と分類基準を確立し、意味層で接続詞が示す論理関係を体系的に把握した。しかし、実際の英文では複数の識別基準を同時に適用しなければならない場面が頻出する。”As it was getting dark, we decided to go home.”という文でasを見た瞬間に、前置詞ではなく従位接続詞であると判定し、さらに時間なのか原因なのかを文脈から確定し、主節と従属節の関係を把握するという一連の処理を迅速に実行できなければ、長文読解の速度と正確性は確保できない。語用層を終えると、統語的識別と意味判定を統合して、共通テスト本試〜MARCH下位レベルの英文に含まれる接続詞を実践的に処理できるようになる。統語層で確立した接続詞の識別基準と、意味層で確立した論理関係の判定手順が頭に入っていれば、語用層の学習に進める。接続詞の統合的処理手順、紛らわしい語を含む文の実践的分析、入試頻出パターンへの対応を扱う。後続の談話層で段落間の論理展開を追跡する際、語用層で確立した実践的処理能力がなければ、個々の文の接続詞処理に時間を取られ、文章全体の構造に注意を払う余裕が生まれない。
【関連項目】
[基盤 M14-語用]
└ 文の要素の識別手順と統合し、接続詞を含む文の構造分析を実践的に深める
[基盤 M12-語用]
└ 文の種類と構造の知識を活用し、複文・重文における接続詞の役割を把握する
【基礎体系】
[基礎 M15-語用]
└ 接続詞と文の論理関係を早慶標準レベルの複合的英文で運用する能力へ発展する
1. 接続詞の統合的処理手順
接続詞を学ぶ際、「識別」と「意味判定」を別々にできればそれで十分だろうか。実際の入試英文では、接続詞の識別から意味判定、さらに文構造の把握までを一連の処理として瞬時に実行しなければならない。一つの文に等位接続詞と従位接続詞が共起する場合や、接続詞と前置詞が混在する場合には、処理の順序を誤ると文全体の解釈を見誤る。
接続詞の統合的処理手順の習得によって、以下の能力が確立される。第一に、統語的識別→意味判定→文構造把握という三段階の処理を一連の流れとして実行できるようになる。第二に、一つの文に複数の接続詞が含まれる場合に、それぞれの接続詞の機能を正確に特定できるようになる。第三に、接続詞の処理を通じて文の主節を素早く特定し、文全体の骨格を把握できるようになる。
接続詞の統合的処理手順は、次の記事で扱う紛らわしい語の実践的分析と、談話層での文章構造分析へと直結する。
1.1. 三段階統合処理の実践
一般に接続詞の処理は「接続詞を見つけて意味を当てはめればよい」と理解されがちである。しかし、この理解は複数の接続詞が共起する文や、接続詞と前置詞が混在する文で処理が破綻するという点で不正確である。学術的・本質的には、接続詞の処理は「統語的識別(品詞の確定)→意味判定(論理関係の確定)→文構造把握(主節・従属節の確定)」という三段階を順序立てて実行するプロトコルとして定義されるべきものである。この順序が重要なのは、統語的識別を飛ばして意味判定に入ると、前置詞を接続詞と誤認する危険があり、意味判定を飛ばして文構造把握に入ると、論理関係の取り違えが生じるためである。入試英文では一つの文に三つ以上の接続詞が含まれる場合も珍しくなく、その場合は各接続詞に対して三段階処理を順次適用し、最終的に文全体の構造を組み立てるという複合的な作業が必要となる。この処理が自動化されていなければ、長文読解において一つの文の解析に過剰な時間を費やすことになり、制限時間内の完答が困難になる。したがって、三段階統合処理は意識的な訓練を通じて無意識的に実行できるレベルにまで習熟させるべき技能である。さらに、この処理は文単位にとどまらず、談話層で学ぶ段落間の論理展開の追跡においても基本単位として機能する。段落内の各文を三段階処理で正確に把握した上で、文と文の間の論理関係を段落レベルで統合するという二段構えの処理が、長文読解の本質的な構造である。
この原理から、接続詞を統合的に処理する具体的な手順が導かれる。手順1では文中の全ての接続詞候補を抽出する。and, but, or, because, when, if, although, since, while, as, that, before, afterなどの語を文中から特定し、それぞれの直後に続く要素を確認することで、接続詞であるか前置詞であるかを確定できる。手順2では各接続詞の意味を文脈に基づいて判定する。統語層の識別結果を前提として、意味層で学んだ六つのカテゴリ(時間・原因・条件・譲歩・目的・結果)および等位接続詞の意味機能に照合することで、論理関係を確定できる。手順3では主節を特定して文の骨格を把握する。全ての従属節を括弧で囲み、残った部分が主節であると確認し、等位接続詞があれば対等な節の並列関係を確認することで、文全体の構造を確定できる。
例1: Although she was tired, she finished the report and submitted it before the deadline.
→ 手順1:接続詞候補はAlthough(従位)、and(等位)、before。beforeの直後は”the deadline”(名詞句)→前置詞。→ 手順2:Although→譲歩、and→並列。→ 手順3:従属節=“Although she was tired”。主節=“she finished the report and submitted it before the deadline”。finishedとsubmittedがandで並列。
→ 文構造:[従属節(譲歩)], [主節(二つの動詞が等位接続詞で並列)]
例2: If you don’t study hard, you will fail, and you will regret it.
→ 手順1:接続詞候補はIf(従位)、and(等位)。→ 手順2:If→条件、and→並列。→ 手順3:従属節=“If you don’t study hard”。主節=”you will fail”と”you will regret it”がandで並列。
→ 文構造:[従属節(条件)], [主節A] and [主節B]
例3: He left because he realized that the meeting was over.
→ 手順1:接続詞候補はbecause(従位)、that(従位)。thatの後に”the meeting was over”(完全な節)→接続詞のthat。→ 手順2:because→原因、that→名詞節を導く。→ 手順3:主節=“He left”。従属節=“because he realized that the meeting was over”。that節はrealizedの目的語としてbecause節に埋め込まれている。
→ 文構造:[主節] + [従属節(原因) → その中にthat節(名詞節)が埋め込み]
例4: While the children played outside, their parents prepared dinner and set the table.
→ 手順1:接続詞候補はWhile(従位)、and(等位)。→ 手順2:Whileの後に節→従位接続詞。主節の動作(dinner準備・テーブルセッティング)と従属節の動作(子供の遊び)が同時進行→時間。and→並列。→ 手順3:従属節=“While the children played outside”。主節=“their parents prepared dinner and set the table”。
→ 文構造:[従属節(時間・同時進行)], [主節(二つの動詞がandで並列)]
例5: Since the manager believed that the plan would succeed, she approved it, but the board remained skeptical.
→ 手順1:接続詞候補はSince(従位)、that(従位)、but(等位)。thatの後に”the plan would succeed”(完全な節)→接続詞のthat。→ 手順2:Sinceの後に節→従位接続詞。文脈上「マネージャーが計画の成功を信じていたので」→原因。that→名詞節。but→逆接。→ 手順3:従属節=“Since the manager believed that the plan would succeed”(that節はbelievedの目的語)。主節A=“she approved it”。主節B=“the board remained skeptical”。主節Aと主節Bがbutで対等に結合。
→ 文構造:[従属節(原因)→that節埋め込み], [主節A] but [主節B]
例6: When I arrived at the station and found that the train had already left, I decided to take a taxi.
→ 手順1:接続詞候補はWhen(従位)、and(等位)、that(従位)。→ 手順2:When→時間。and→arrivedとfoundの並列(従属節内の動詞の並列)。that→名詞節(foundの目的語)。→ 手順3:従属節=“When I arrived at the station and found that the train had already left”。主節=“I decided to take a taxi”。従属節内でarrivedとfoundがandで並列され、foundの目的語としてthat節が埋め込まれている。
→ 文構造:[従属節(時間)→内部にand並列+that節埋め込み], [主節]
以上により、複数の接続詞が共起する英文において、統語的識別→意味判定→文構造把握の三段階処理を一連のプロトコルとして実行し、文の骨格を正確に把握する能力が確立される。
2. 紛らわしい語の実践的識別
接続詞と紛らわしい語の区別について、統語層で学んだ識別基準を実際の英文に適用できるだろうか。入試英文では、as, since, while, forなどの多機能語が高い頻度で出現し、これらの語の品詞判定と意味判定を同時に行わなければならない。特にasは接続詞・前置詞・副詞の三つの品詞にまたがる上に、接続詞としても時間・原因・様態・比例など複数の意味を持つため、最も処理が困難な語の一つである。
紛らわしい語の実践的識別能力によって、以下の能力が確立される。第一に、asの品詞と意味を文脈から一回の処理で確定できるようになる。第二に、forの等位接続詞用法と前置詞用法を瞬時に区別できるようになる。第三に、接続副詞(however, therefore等)を接続詞と混同することなく処理できるようになる。
紛らわしい語の実践的識別は、談話層での文章全体の論理構造の追跡を支える能力として直結する。
2.1. asの多機能性と実践的判定
asとは何か。「〜として」「〜のように」「〜するとき」「〜なので」と複数の訳語を持つこの語は、品詞の確定と意味の確定を同時に行わなければならない点で、英語学習者にとって最も処理負荷の高い語の一つである。asの本質は、前後の要素の統語的性質と文脈的手がかりの組み合わせによって品詞と意味が決定されるという点にある。この理解が重要なのは、asの処理を誤ると文全体の論理関係の把握が破綻するためである。asは入試英文において極めて高頻度で出現する語であり、共通テストの長文読解でも私大の文法問題でも繰り返し出題される。asの品詞判定を迅速かつ正確に行えるかどうかが、読解速度と得点に直結する。前置詞のas(〜として)は名詞句の前に置かれ、資格・立場・役割を示す。接続詞のas(時間・原因・様態・比例)は節の前に置かれ、主節との論理関係を明示する。副詞のasはas…as構文の一部として程度を示す。これら三つの品詞を瞬時に区別する第一の手がかりは、asの直後に何が続くかである。名詞句が続けば前置詞、節が続けば接続詞、形容詞+asが後続すれば比較構文の一部と判定できる。接続詞と判定した後の意味判定については、主節との意味的関係という第二の手がかりを用いる。
この原理から、asを実践的に判定する具体的な手順が導かれる。手順1ではasの直後の要素を確認する。直後に「主語+動詞」を含む節が続けば接続詞、名詞句のみが続けば前置詞と判定できる。手順2では接続詞と判定した場合に意味を特定する。主節との時間的関係が明確なら時間(〜するとき・〜するにつれて)、因果関係が成立するなら原因(〜なので)、主節と従属節の動作が類似しているなら様態(〜するように)と判定できる。手順3では文脈全体と照合する。特定した意味で前後の文脈と整合するかを確認し、最終的な判定を確定できる。
例1: As a student, he had little money.
→ asの直後:“a student”(名詞句)。節が続いていないためasは前置詞。「学生として」。
→ 判定結果:前置詞(資格・立場)
例2: As the sun set, the temperature dropped rapidly.
→ asの直後:“the sun set”(節)→接続詞。二つの事象が同時に進行→時間(〜するにつれて)。
→ 判定結果:従位接続詞(時間・比例的変化)
例3: As she was absent, we postponed the meeting.
→ asの直後:“she was absent”(節)→接続詞。「彼女が欠席だったので会議を延期した」→原因として整合。時間として読むと不自然。
→ 判定結果:従位接続詞(原因理由)
例4: Do as I say, not as I do.
→ asの直後:“I say” / “I do”(いずれも節)→接続詞。「私が言うようにしなさい、私がするようにではなく」→主節の動作の仕方を示す→様態。
→ 判定結果:従位接続詞(様態)
例5: She works as efficiently as her colleague.
→ 最初のasの直後:“efficiently”(副詞)→これはas…as構文の一部。「彼女は同僚と同じくらい効率的に働く」。asは比較構文の副詞的用法であり、接続詞でも前置詞でもない。
→ 判定結果:比較構文(as…as)の副詞的用法
例6: Rich as he is, he is not happy.
→ asの前に形容詞”Rich”が倒置されている。“Rich as he is”=“Although he is rich”。asが譲歩の意味で用いられる倒置構文。asの後に”he is”(節)が続くため接続詞であり、形容詞の前置が譲歩の意味を生む。
→ 判定結果:従位接続詞(譲歩・倒置構文)
4つの例を通じて、asの品詞判定と意味判定を文脈に基づいて一連の処理として実行し、正確な解釈に到達する実践方法が明らかになった。
3. 入試頻出パターンへの対応
接続詞に関する入試問題では、どのような形式で出題されるのだろうか。共通テストでは長文読解の中で接続詞の論理関係を問う設問が出題され、MARCH下位レベルの大学入試では空所補充や整序問題として接続詞の知識が問われる。接続詞に関する出題は、単に接続詞の意味を知っているかだけでなく、文構造の把握や論理関係の判定能力を総合的に試すものである。
入試頻出パターンへの対応能力によって、以下の能力が確立される。第一に、空所補充問題で適切な接続詞を論理関係に基づいて選択できるようになる。第二に、整序問題で接続詞の統語的制約を利用して語順を確定できるようになる。第三に、長文読解問題で接続詞を手がかりとして文と文の論理関係を正確に追跡できるようになる。
入試頻出パターンへの対応は、本モジュールで確立した接続詞の識別能力と意味判定能力の総合的な運用として位置づけられ、談話層での文章構造分析への接続となる。
3.1. 空所補充と論理関係判定の実践
一般に接続詞の空所補充問題は「前後の意味から適切な接続詞を選ぶ」と理解されがちである。しかし、この理解は意味だけでなく統語的制約も同時に考慮しなければ正答できないという点で不正確である。学術的・本質的には、接続詞の空所補充は「統語的制約の確認(空所の前後に何が来ているか)→論理関係の判定(前後の内容がどのような関係にあるか)→選択肢の照合」という手順で処理されるべきものである。この手順が重要なのは、意味的に複数の接続詞が候補となる場合でも、統語的制約によって正答が一つに絞られることが多いためである。空所補充問題は入試で最も出題頻度の高い接続詞関連の問題形式であり、四択または五択の選択肢から正答を選ぶ形式が一般的である。選択肢には等位接続詞・従位接続詞・接続副詞・前置詞が混在して配置されることが多く、品詞の区別を正確に行えない受験生は選択肢の段階で混乱する。統語的制約による絞り込みを先に行うことで、選択肢の数を減らしてから意味的判定に進むという効率的な処理が可能になる。この二段階処理を習熟させておくことが、制限時間内での正答率向上に直結する。また、整序問題(並べ替え問題)においても接続詞の統語的制約は語順確定の強力な手がかりとなる。等位接続詞は結合する二つの要素の間に位置し、従位接続詞は節の冒頭に位置するという制約から、文全体の語順の骨格を推定できるためである。
この原理から、接続詞の空所補充問題を解く具体的な手順が導かれる。手順1では空所の前後の構造を確認する。空所の前後にそれぞれ完全な節があるか、前後の一方が句であるかを確認することで、等位接続詞・従位接続詞・前置詞のいずれが入るかを絞り込める。手順2では前後の論理関係を判定する。順接(原因→結果)、逆接(予想に反する結果)、条件(仮定→帰結)、時間(先後関係)のいずれであるかを前後の内容から判定することで、候補をさらに限定できる。手順3では選択肢を照合する。統語的制約と論理関係の両方を満たす選択肢を特定し、残った候補が一つであれば正答と確定できる。
例1: 空所補充:( ) it was raining heavily, the game continued.
→ 手順1:空所の後に”it was raining heavily”(節)、コンマの後に”the game continued”(節)。空所には従位接続詞が入る。→ 手順2:「大雨だった」にもかかわらず「試合は続いた」→逆接(譲歩)。→ 手順3:Although / Though / Even thoughが候補。
→ 正答:Although(譲歩の従位接続詞)
例2: 空所補充:He studied hard; ( ), he passed the exam.
→ 手順1:セミコロンの前後にそれぞれ独立した節。空所の後にコンマ。→接続副詞の位置。→ 手順2:「一生懸命勉強した」→「試験に受かった」→順接(結果)。→ 手順3:therefore / consequently / as a resultが候補。butやbecauseは統語的に不適。
→ 正答:therefore(接続副詞・結果)
例3: 空所補充:You can go out ( ) you finish your homework.
→ 手順1:空所の後に”you finish your homework”(節)。空所には従位接続詞が入る。→ 手順2:「宿題を終えたら」外出してよい→条件。→ 手順3:if / once / afterが候補。untilだと「宿題を終えるまで外出してよい」→論理的に不整合。
→ 正答:文脈に応じてif(条件)/ once(〜したら)/ after(〜した後)
例4: 空所補充:She speaks French ( ) German.
→ 手順1:空所の前後にそれぞれ名詞(French, German)。語と語の並列→等位接続詞。→ 手順2:二つの言語を話す→並列。→ 手順3:andが最適。butだと「フランス語を話すがドイツ語を話す」→不自然。orだと「フランス語かドイツ語のいずれか」→文脈による。
→ 正答:and(並列の等位接続詞)
例5: 空所補充:The company grew rapidly ( ) it faced many challenges.
→ 手順1:空所の前に”The company grew rapidly”(節)、空所の後に”it faced many challenges”(節)。前後に節→等位接続詞または従位接続詞が入る。→ 手順2:「急速に成長した」にもかかわらず「多くの課題に直面した」→逆接。→ 手順3:等位接続詞ならbutまたはyet、従位接続詞ならalthough / even though。ただしalthoughを入れると”The company grew rapidly although it faced many challenges.”となり語順が異なる(althoughは通常文頭または従属節の冒頭)。ここではbutまたはyetが適切。
→ 正答:but / yet(逆接の等位接続詞)
例6: 空所補充:( ) you submit the application by Friday, it will not be considered.
→ 手順1:空所の後に”you submit the application by Friday”(節)、コンマの後に”it will not be considered”(節)。空所には従位接続詞が入る。→ 手順2:「金曜日までに提出しなければ」→「考慮されない」→否定条件。→ 手順3:unlessが最適。「提出しない限り考慮されない」→論理的に整合。ifを使う場合は”If you don’t submit…”と否定が必要。
→ 正答:Unless(否定条件の従位接続詞)
以上により、接続詞の空所補充問題において統語的制約と論理関係の判定を統合的に適用し、正答を確実に導出する能力が確立される。
談話:接続詞と文章構造の関係
個々の文の中で接続詞を識別し、論理関係を判定できたとしても、文章全体の論理展開を追跡するためには、接続詞が段落内・段落間でどのような役割を果たしているかを把握する能力が必要となる。入試の長文読解では、接続詞を手がかりとして筆者の主張の流れを追い、段落間の関係(対比・例示・因果・譲歩と主張)を把握することが求められる。談話層を終えると、接続詞を文章全体の論理展開の手がかりとして活用し、段落の構成と筆者の論理の流れを正確に把握できるようになる。統語層・意味層・語用層で確立した接続詞の識別能力・意味判定能力・統合的処理能力が頭に入っていれば、談話層の学習に進める。接続詞と段落構造の関係、複数の接続詞による論理展開の追跡、接続詞の省略と暗示的論理関係の把握を扱う。本層で確立した能力は、入試において長文読解の正確性と速度を直接的に向上させるものとして発揮される。
【関連項目】
[基盤 M55-談話]
└ 接続表現と論理関係の知識を文章全体の論理展開の追跡に応用する
[基盤 M53-談話]
└ 主題文と支持文の識別と統合し、接続詞を手がかりとした段落構造の把握を深める
【基礎体系】
[基礎 M15-談話]
└ 接続詞と文の論理関係を長文読解の実践的戦略として発展させる
1. 接続詞と段落構造の関係
段落の構造を把握する際、「最初の文が主題文で、残りが支持文」という理解だけで十分だろうか。実際の英文では、主題文と支持文の関係を示すのが接続詞や接続表現であり、これらを手がかりとして段落内の論理構造を正確に把握しなければ、筆者の主張を見誤る。特に、段落の途中で逆接の接続詞が出現する場合、その前後で筆者の主張が転換されることがあり、接続詞を見落とすと主張の方向性を取り違える。
接続詞と段落構造の関係の理解によって、以下の能力が確立される。第一に、段落内の接続詞を手がかりとして、主題文と支持文の関係を正確に把握できるようになる。第二に、逆接・譲歩の接続詞が出現した箇所で筆者の主張の方向性が転換されることを認識し、主張の核心を正確に特定できるようになる。第三に、段落間の接続詞・接続表現を手がかりとして、文章全体の論理展開の大枠を把握できるようになる。
接続詞と段落構造の関係の理解は、次の記事で扱う論理展開の追跡と、複雑な文章構造の分析を可能にする。
1.1. 段落内の接続詞による論理構造の把握
一般に段落の読解は「一文ずつ意味を取っていけばよい」と理解されがちである。しかし、この理解は文と文の論理関係を把握しないまま個別の文を理解しても段落全体の趣旨は把握できないという点で不正確である。学術的・本質的には、段落の読解とは、接続詞・接続表現を手がかりとして文と文の論理関係を特定し、段落全体がどのような論理構造(主張→根拠、主張→具体例、譲歩→反論→主張など)で構成されているかを把握する行為として定義されるべきものである。この方法が重要なのは、入試の読解問題で問われるのは個々の文の意味ではなく、段落全体の趣旨や筆者の主張だからである。特に重要なのは、逆接の接続詞(however, but, yet, nevertheless等)が出現した場合の処理である。逆接の接続詞の後に筆者の真の主張が置かれるパターンは入試英文で最も頻出する論理構造であり、このパターンを認識できるかどうかが読解の精度を大きく左右する。「一般的に〜と考えられている。However, 実際には〜」という構造を見た瞬間に、Howeverの後が筆者の主張であると判断できることが、段落読解の出発点である。また、for exampleやfor instanceなどの例示の接続表現が出現した場合は、その前の文が抽象的な主張であり、例示はその主張を具体化するための補助的情報であると判断できる。したがって、例示部分に過度の注意を払うよりも、例示の前にある主張部分を正確に把握することが優先される。
では、段落内の接続詞を手がかりとして論理構造を把握するにはどうすればよいか。手順1では段落内の全ての接続詞・接続表現を抽出する。however, therefore, for example, in addition, although, on the other handなどの表現を特定することで、論理的転換点と論理関係の種類を把握できる。手順2では各接続詞が示す論理関係を判定する。順接(therefore, thus, as a result)→前文の帰結、逆接(however, but, on the other hand)→前文との対比・反論、例示(for example, for instance)→前文の具体化、追加(in addition, moreover)→前文への情報追加と判定することで、段落の論理の流れを追跡できる。手順3では論理構造の全体像を確定する。接続詞の出現位置と種類から、段落が「主張→根拠」「事実→解釈」「譲歩→反論→主張」のいずれの構造をとっているかを確定することで、段落の趣旨を正確に把握できる。
例1: Many people believe that social media is harmful to young people. However, recent studies suggest that moderate use can actually improve social skills. For example, a 2023 study found that teenagers who used social media for one hour per day showed better communication skills than those who didn’t.
→ 接続詞:However(逆接)、For example(例示)。→ 論理構造:[一般的見解] → However → [反論(筆者の主張)] → For example → [具体的根拠]。筆者の主張はHoweverの後にある。
→ 段落構造:譲歩→反論(主張)→例示
例2: Climate change affects agriculture in several ways. First, rising temperatures reduce crop yields. In addition, unpredictable weather patterns make it difficult for farmers to plan their planting schedules. Furthermore, increased frequency of droughts leads to water shortages.
→ 接続詞:First(列挙の開始)、In addition(追加)、Furthermore(追加)。→ 論理構造:[主題文] → First → [根拠1] → In addition → [根拠2] → Furthermore → [根拠3]。
→ 段落構造:主張→複数の根拠の列挙
例3: Although the new policy has been praised by many, it has several significant drawbacks. The cost of implementation is extremely high. Moreover, the policy fails to address the needs of rural communities.
→ 接続詞:Although(譲歩)、Moreover(追加)。→ 論理構造:[Although→譲歩(肯定的評価の承認)] + [主節→筆者の主張(問題点の指摘)] → Moreover → [追加の問題点]。筆者の主張はAlthoughの主節部分。
→ 段落構造:譲歩→主張→追加根拠
例4: Technology has transformed education. Students can now access information from anywhere in the world. As a result, traditional classroom learning is no longer the only option. Yet, some educators argue that face-to-face interaction remains essential for effective learning.
→ 接続詞:As a result(結果)、Yet(逆接)。→ 論理構造:[事実] → [展開] → As a result → [帰結] → Yet → [反論・別の見解の提示]。Yetの後に別の立場が導入されている。
→ 段落構造:事実→帰結→反論の導入
以上により、段落内の接続詞を手がかりとして論理構造の全体像を把握し、筆者の主張を正確に特定する能力が確立される。
2. 複数段落にわたる論理展開の追跡
一つの段落内の論理構造を把握できたとして、複数の段落にわたる文章全体の論理展開を追跡できるだろうか。入試の長文読解では、段落間の関係(対比・因果・例示・譲歩と主張の展開)を把握することが求められる。段落の冒頭に置かれた接続詞・接続表現は、前の段落との関係を示す標識として機能するため、これらを正確に読み取ることが文章全体の理解を左右する。
複数段落にわたる論理展開の追跡能力によって、以下の能力が確立される。第一に、段落冒頭の接続詞・接続表現を手がかりとして、段落間の論理関係を正確に判定できるようになる。第二に、文章全体の論理展開のパターン(問題提起→分析→結論、主張→反論→再反論、事実→原因→対策など)を把握できるようになる。第三に、長文読解問題で問われる「筆者の主張」「文章の構成」に関する設問に正確に対応できるようになる。
複数段落の論理展開の追跡は、本モジュールの最終的な到達目標であり、接続詞の識別から文章構造の把握に至る全能力の統合として位置づけられる。
2.1. 段落間の接続詞と文章全体の論理構成
一般に段落間の関係は「順番に読んでいけば自然にわかる」と理解されがちである。しかし、この理解は段落間の論理的転換を示す接続詞・接続表現を意識的に処理しなければ文章全体の構造は把握できないという点で不正確である。学術的・本質的には、段落間の関係は段落冒頭の接続詞・接続表現によって明示されるものであり、これらの表現を手がかりとして文章全体の論理展開を「地図」として把握する行為が長文読解の本質として定義されるべきものである。この方法が重要なのは、入試の長文で問われるのは細部の意味ではなく文章全体の論理構成であることが多いためである。共通テストの読解問題では、文章全体の構成や筆者の主張を問う設問が配点の大きな割合を占めており、段落間の論理関係を正確に把握できるかどうかが得点に直結する。段落冒頭の接続詞・接続表現は、いわば段落間の「道路標識」であり、これを読み取ることで文章全体の「地図」が描ける。逆に、これらの標識を無視して一文ずつ読み進めることは、地図なしで迷路を歩くのに等しく、文章の全体像を見失う原因となる。入試の長文は通常四つから六つの段落で構成されるが、段落間の関係パターンは限定されており、主要なパターン(問題提起→分析→結論、主張→反論→再反論→結論、事実→原因分析→対策提案等)を知っていれば、冒頭の接続詞からパターンを予測し、読解を効率化することが可能である。
上記の定義から、段落間の論理展開を追跡する手順が論理的に導出される。手順1では各段落の冒頭の接続詞・接続表現を抽出する。However, On the other hand, In contrast→逆接・対比の段落転換、Furthermore, In addition, Moreover→前段落への追加、Therefore, As a result, Consequently→前段落からの帰結、For example, For instance→前段落の具体化と判定することで、段落間の関係を確認できる。手順2では段落間の関係を論理記号化する。第1段落→[However]→第2段落→[Therefore]→第3段落のように、接続詞を手がかりとして段落間の関係を可視化することで、文章全体の論理の流れを追跡できる。手順3では文章全体の論理展開パターンを確定する。問題提起→分析→結論、主張→反論→再反論→結論、事実→原因分析→対策提案などのパターンのいずれに該当するかを確定することで、筆者の主張の位置と文章の構成を正確に把握できる。
例1: [第1段落] Many experts argue that renewable energy is the solution to climate change. [第2段落] However, critics point out that… [第3段落] Despite these criticisms, recent technological advances have… [第4段落] Therefore, it is clear that…
→ 段落間関係:主張→[However]→反論→[Despite]→再反論→[Therefore]→結論。筆者の最終的な主張はThereforeの後にある。
→ 文章構造:主張→反論→再反論→結論
例2: [第1段落] The number of foreign tourists visiting Japan has increased dramatically. [第2段落] As a result, local economies in tourist areas have flourished. [第3段落] On the other hand, some residents complain about… [第4段落] In order to address these concerns…
→ 段落間関係:事実→[As a result]→結果→[On the other hand]→別の側面→[In order to]→対策。文章は事実→影響(正負両面)→対策の構造。
→ 文章構造:事実→正の影響→負の影響→対策提案
例3: [第1段落] It is often said that reading is declining among young people. [第2段落] Indeed, statistics show that… [第3段落] Nevertheless, this does not necessarily mean that… [第4段落] Rather, young people are reading in new ways, such as…
→ 段落間関係:一般的見解→[Indeed]→裏付け→[Nevertheless]→反論→[Rather]→筆者の主張。筆者の主張はRatherの後にある。
→ 文章構造:通説→裏付け→反論→筆者の主張(通説の修正)
例4: [第1段落] Artificial intelligence has made remarkable progress in recent years. [第2段落] For example, AI systems can now… [第3段落] While these developments are impressive, they also raise… [第4段落] Consequently, society needs to…
→ 段落間関係:総論→[For example]→具体例→[While]→譲歩+問題提起→[Consequently]→結論。Whileが文章の論理的転換点。
→ 文章構造:総論→具体例→問題提起→結論(対応の必要性)
以上の適用を通じて、段落冒頭の接続詞・接続表現を手がかりとして文章全体の論理展開を追跡し、筆者の主張と文章の構成を正確に把握する能力を習得できる。
3. 接続詞の省略と暗示的論理関係
接続詞の識別を学んだ学習者にとって、接続詞が明示されていない場合の論理関係の把握は盲点となりやすい。実際の英文、特に入試で出題される高度な英文では、接続詞が省略されていても文と文の間に論理関係が成立している場合がある。接続詞が明示されていなくても論理関係を把握できる能力は、長文読解の正確性を飛躍的に向上させる。
接続詞の省略と暗示的論理関係の理解によって、以下の能力が確立される。第一に、接続詞が省略されている場合に、前後の内容から暗示的な論理関係を推論できるようになる。第二に、thatの省略(接続詞thatの脱落)が生じている文を正確に構造分析できるようになる。第三に、接続詞が明示されていない段落間の論理関係を内容から推論し、文章の論理展開を追跡できるようになる。
接続詞の省略と暗示的論理関係の把握は、本モジュールで確立した全能力の統合的運用として位置づけられ、入試長文読解での実践的な対応力を確立する。
3.1. 省略された接続詞の推論と暗示的論理関係
「接続詞がなければ論理関係は判断できない」と理解されがちである。しかし、この理解は英語の文章では接続詞が省略されても文脈から論理関係を復元できる場合が多いという事実を見落としているという点で不正確である。学術的・本質的には、接続詞の省略は特に口語的な文章や、論理関係が文脈上明白な場合に生じる現象であり、省略された接続詞を文脈から復元する能力は高度な読解力の構成要素として定義されるべきものである。また、接続詞thatは目的語節を導く場合に省略されることが多く、この省略を認識しなければ文構造の把握が困難になる。この能力が重要なのは、入試長文では接続詞が省略された文が頻出し、論理関係の推論力が直接問われるためである。接続詞の省略が生じる典型的な場面は三つある。第一に、thatの省略であり、think, believe, know, say, hopeなどの動詞の後の名詞節を導くthatは、特に口語的な文章や日常的な文脈で頻繁に省略される。”I think he is right.”は”I think that he is right.”のthatが省略された形であり、thinkの直後に主語+動詞が続いているという統語的手がかりから省略を検出できる。第二に、文と文の間の接続詞の省略であり、因果関係や逆接関係が文脈上明白な場合に接続詞なしで文が並置される。第三に、段落間の接続詞の省略であり、段落冒頭に明示的な接続表現がなくても、前段落との論理関係が内容から推論できる場合がある。これらの省略パターンを知っておくことで、接続詞が明示されていない場面でも論理関係を正確に復元できるようになる。
この原理から、省略された接続詞を復元し暗示的論理関係を把握する具体的な手順が導かれる。手順1では前後の文の内容的関係を分析する。二つの文の間に因果関係・対比関係・例示関係・追加関係のいずれが成立するかを内容から判定することで、省略された接続詞の種類を推論できる。手順2ではthatの省略を検出する。think, believe, know, sayなどの動詞の直後に「主語+動詞」が続いている場合、接続詞thatが省略されていると判定し、目的語節の範囲を特定できる。手順3では推論した論理関係を検証する。省略されていると推論した接続詞を実際に補って読み、文脈全体と整合するかを確認することで、推論の正確性を検証できる。
例1: He studied all night. He passed the exam.
→ 二つの文の内容的関係:「徹夜で勉強した」→「試験に受かった」→因果関係。省略された接続詞を補う:“He studied all night, and as a result he passed the exam.” / “Because he studied all night, he passed the exam.”
→ 暗示的論理関係:因果(原因→結果)
例2: I think he is right.
→ thinkの直後に”he is right”(主語+動詞)が続いている。接続詞thatが省略されている。“I think that he is right.”
→ 省略の検出:接続詞thatの省略(名詞節を導くthat)
例3: The company invested heavily in research. Its profits declined sharply.
→ 二つの文の内容的関係:「研究に大規模投資した」にもかかわらず「利益は急減した」→逆接。省略された接続詞を補う:“The company invested heavily in research. However, its profits declined sharply.”
→ 暗示的論理関係:逆接(予想に反する結果)
例4: She didn’t say she was coming.
→ sayの直後に”she was coming”(主語+動詞)。否定文であっても接続詞thatの省略は生じる。“She didn’t say that she was coming.” / あるいはwhether/ifの省略の可能性もあるが、文脈上「来るとは言わなかった」ならthatの省略、「来るかどうか言わなかった」ならwhetherの省略。
→ 省略の検出:接続詞thatまたはwhetherの省略(文脈で確定)
例5: The weather was perfect. The beach was crowded.
→ 二つの文の内容的関係:「天気が完璧だった」→「ビーチが混んでいた」→因果関係。省略された接続詞を補う:“The weather was perfect, so the beach was crowded.” / “Because the weather was perfect, the beach was crowded.”
→ 暗示的論理関係:因果(原因→結果)
例6: He promised he would help us.
→ promisedの直後に”he would help us”(主語+動詞)が続いている。接続詞thatが省略されている。“He promised that he would help us.” wouldの使用がthat節の間接話法的性質を裏付ける。
→ 省略の検出:接続詞thatの省略(名詞節を導くthat)
以上により、接続詞が省略された英文において暗示的な論理関係を前後の内容から推論し、thatの省略を正確に検出して文構造を把握する能力が確立される。
このモジュールのまとめ
このモジュールでは、接続詞の定義と二大分類という統語層の理解から出発し、意味層における論理関係の体系的把握、語用層における実践的な統合処理、談話層における文章全体の論理展開の追跡という四つの層を体系的に学習した。これらの層は相互に密接に関連しており、統語的識別が意味判定を可能にし、意味判定が実践的処理を支え、実践的処理が文章構造の分析を実現するという階層的な関係にある。
統語層では、接続詞の定義と品詞識別、等位接続詞と従位接続詞の識別基準、等位接続詞の結合規則と並列構造、従位接続詞の機能分類と節の範囲特定、thatの識別と相関接続詞という五つの側面から、接続詞を他の品詞(前置詞・副詞)と正確に区別し、等位接続詞と従位接続詞を統語的基準に基づいて分類する能力を確立した。接続詞の直後に節が続くか名詞句が続くかという判定基準、等位接続詞の一覧照合、従属節の範囲特定と主節の特定という一連の手順を習得し、文構造の出発点としての接続詞識別能力を獲得した。
意味層では、等位接続詞の基本的意味と派生的意味、従位接続詞の六つの意味カテゴリ(時間・原因理由・条件・譲歩・目的・結果)、多義的接続詞(since, while, as)の文脈に基づく意味判定、類似接続詞の使い分け(because / since / as / for、if / unless / as long as、although / even though)という四つの側面から、接続詞が示す論理関係を正確に識別する能力を確立した。否定と接続詞の組み合わせにおける作用域の問題や、接続詞の意味と時制の対応関係など、入試で頻出する高度な判断を含む処理手順を習得した。
語用層では、統語的識別→意味判定→文構造把握という三段階統合処理、asの多機能性の実践的判定、入試頻出パターン(空所補充・整序問題・論理関係判定)への対応という三つの側面から、複数の接続詞が共起する実際の英文を実践的に処理する能力を確立した。統語層と意味層で個別に習得した能力を一連のプロトコルとして統合し、共通テスト本試〜MARCH下位レベルの英文に対応できる実践力を獲得した。
談話層では、段落内の接続詞による論理構造の把握、複数段落にわたる論理展開の追跡、接続詞の省略と暗示的論理関係の推論という三つの側面から、接続詞を文章全体の論理展開の手がかりとして活用する能力を確立した。段落冒頭の接続詞・接続表現から段落間の関係を判定し、文章全体の論理構成パターンを把握する手順を習得し、さらに接続詞が省略された場合にも内容から論理関係を復元できる能力を獲得した。
これらの能力を統合することで、共通テスト本試〜MARCH下位レベルの英文に含まれる接続詞を正確に識別し、文の構造と論理関係を把握し、文章全体の論理展開を追跡して筆者の主張を正確に特定することが可能になる。このモジュールで確立した接続詞の識別能力と論理関係の判定能力は、後続のモジュールで学ぶ冠詞の種類と用法、句と節の定義と種類、さらに文の要素の識別と文型判定の前提となる。
演習編
接続詞の識別と論理関係の判定は、英文読解の正確性を左右する中核的な能力である。接続詞を正確に識別できなければ、文の構造を見誤り、主節と従属節の関係を取り違え、文章全体の論理展開を追跡することが不可能になる。共通テストでは長文読解の中で段落間の論理関係を問う設問が出題され、MARCH・関関同立レベルの大学入試では空所補充問題として接続詞の統語的知識と意味的知識が同時に問われる。地方国立大学では和訳問題において接続詞が示す論理関係の正確な把握が配点の核となる。本演習では、統語的識別・意味判定・文構造把握・論理展開の追跡という四つの能力を統合的に試す三つの大問を出題する。第1問は基礎レベルとして接続詞の識別と分類を問い、第2問は標準レベルとして空所補充と論理関係の判定を問い、第3問は発展レベルとして長文中の接続詞の機能と文章構造の把握を問う。
【出題分析】
出題形式と難易度
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 難易度 | ★★★☆☆ 標準 |
| 分量 | 標準(30分で完答可能) |
| 語彙レベル | 教科書〜共通テスト本試レベル |
| 構文複雑度 | 基本〜標準(従属節1〜2個を含む文) |
頻出パターン
共通テスト → 長文読解中の段落間の論理関係を問う設問。接続詞・接続表現を手がかりとして筆者の主張や段落の関係を判定させる形式が中心。論理展開の追跡能力が直接的に問われる。
MARCH・関関同立 → 空所補充問題として接続詞の統語的制約と意味的適合性を同時に問う形式。類似する接続詞(because / since / as等)の使い分けを問う問題が頻出する。
地方国立大学 → 和訳問題において従位接続詞が示す論理関係の正確な把握が求められる。接続詞の訳し分け(sinceの時間用法と原因用法など)が配点に直結する。
差がつくポイント
統語的制約の理解において、接続詞の後ろに節が続くか名詞句が続くかを瞬時に判定し、品詞を確定できるかどうかが差を生む。特に、同一語形の前置詞用法と接続詞用法の区別が重要である。
多義的接続詞の意味判定において、since, while, asなどの多義的接続詞の意味を文脈から正確に確定できるかどうかが差を生む。特に、時間と原因の両方の解釈が可能な場合の判断基準の有無が重要である。
論理展開の追跡において、接続詞を手がかりとして文章全体の論理構成パターンを把握し、筆者の主張を正確に特定できるかどうかが差を生む。特に、譲歩→反論→主張の構造を見抜く力が重要である。
演習問題
試験時間: 30分 / 満点: 100点
第1問(30点)
次の各文について、下線部の語の品詞(等位接続詞・従位接続詞・前置詞・接続副詞のいずれか)を答え、その判定根拠を1文で説明せよ。
(1)She has been working here 【since】 she graduated from college.
(2)He is smart 【yet】 lazy.
(3)We waited 【until】 noon.
(4)The experiment failed; 【however】, the data was still useful.
(5)I will call you 【before】 I leave the office.
(6)He works 【as】 a teacher at a local school.
第2問(35点)
次の各文の空所に入れるのに最も適切な接続詞を、選択肢から一つ選び、選んだ理由を1文で説明せよ。
(1)( ) the weather was terrible, the outdoor event was canceled.
選択肢:a. Although b. Because c. Unless d. While
(2)You may go home ( ) you have finished all your assignments.
選択肢:a. because b. unless c. once d. while
(3)She speaks not only English ( ) French.
選択肢:a. and b. but also c. or d. yet
(4)( ) you practice regularly, you will not improve your skills.
選択肢:a. Although b. Because c. If d. Unless
(5)He kept running ( ) he was exhausted.
選択肢:a. because b. even though c. so that d. unless
第3問(35点)
次の英文を読み、以下の設問に答えよ。
Sleep is one of the most important factors affecting academic performance. Students who get sufficient sleep tend to perform better on exams and retain information more effectively. (A) , many students sacrifice sleep in order to study longer hours, believing that more study time leads to better results.
(B) , research consistently shows that this approach is counterproductive. When students are sleep-deprived, their ability to concentrate decreases significantly. © , their memory consolidation — the process by which short-term memories are converted into long-term ones — is severely impaired.
Some students argue that they can function well on only four or five hours of sleep. (D) , studies indicate that most people significantly overestimate their cognitive performance when they are sleep-deprived. The subjective feeling of being “fine” does not correspond to actual test performance.
(E) , the most effective strategy for exam preparation is to combine focused study sessions with adequate sleep, rather than extending study hours at the expense of rest.
(1)空所(A)〜(E)に入る最も適切な接続詞・接続表現を次の選択肢から選べ。同じ選択肢を二度以上使用してはならない。
選択肢:a. However b. Furthermore c. In fact d. In conclusion e. Yet
(2)第2段落で筆者が最も伝えたいことを日本語30字以内で述べよ。
(3)本文全体の論理構成を「第1段落:〜 → 第2段落:〜 → 第3段落:〜 → 第4段落:〜」の形式で日本語で簡潔に記述せよ。
解答・解説
難易度構成
| 難易度 | 配点 | 大問 |
|---|---|---|
| 基礎 | 30点 | 第1問 |
| 標準 | 35点 | 第2問 |
| 発展 | 35点 | 第3問 |
結果の活用
| 得点 | 判定 | 推奨アクション |
|---|---|---|
| 80点以上 | A | 基礎体系へ進む |
| 60-79 | B | 誤答箇所の該当記事を復習後に再挑戦 |
| 40-59 | C | 統語層・意味層を通読し、識別基準を再確認 |
| 40点未満 | D | 該当講義を復習後に再挑戦 |
第1問 解答・解説
【戦略的情報】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出題意図 | 接続詞と前置詞・接続副詞を統語的基準で区別する能力 |
| 難易度 | 基礎 |
| 目標解答時間 | 8分 |
【思考プロセス】
状況設定:下線部の語の品詞を判定する問題。語の意味ではなく統語的振る舞い(直後に何が続くか)に注目する必要がある。
レベル1:構造特定 → 各下線部の語の直後に「節(主語+動詞)」が続くか「名詞句のみ」が続くかを確認する。
レベル2:検証観点 → 節が続けば接続詞の候補、名詞句のみなら前置詞。セミコロン後にコンマを伴えば接続副詞。等位接続詞一覧(and, but, or, nor, for, yet, so)との照合。
【解答】
| 小問 | 解答 |
|---|---|
| (1) | 従位接続詞。sinceの直後に”she graduated from college”(主語+動詞を含む節)が続いているため。 |
| (2) | 等位接続詞。yetは等位接続詞一覧に含まれ、smartとlazyという文法的に対等な形容詞を結合しているため。 |
| (3) | 前置詞。untilの直後に”noon”(名詞句のみ)が続き、節を導いていないため。 |
| (4) | 接続副詞。howeverはセミコロンの後に置かれ、直後にコンマを伴っており、前後の独立した文を論理的に結びつけているため。 |
| (5) | 従位接続詞。beforeの直後に”I leave the office”(主語+動詞を含む節)が続いているため。 |
| (6) | 前置詞。asの直後に”a teacher”(名詞句のみ)が続き、「〜として」の意味で用いられているため。 |
【解答のポイント】
正解の論拠:接続詞と前置詞の区別は「直後に節が続くか名詞句が続くか」という統語的基準で確定される。接続副詞はセミコロン+接続副詞+コンマという形式的特徴で区別される。
誤答の論拠:(1)でsinceを前置詞と誤答するパターンが多い。sinceの後に”she graduated”という主語+動詞が続いている点を見落とすことが原因。(4)でhoweverを接続詞と誤答するパターンもあるが、howeverは等位接続詞一覧に含まれず、単独で二つの節を結合する文法的機能を持たない。
【再現性チェック】
この解法が有効な条件:同一語形が前置詞にも接続詞にもなる語(since, before, after, until, as等)の品詞判定問題全般に適用可能。「直後の要素の確認」という手順は、あらゆる品詞判定の出発点として再現性が高い。
【参照】
[基盤 M08-統語] └ 接続詞の定義と品詞識別手順
[基盤 M07-統語] └ 前置詞の定義と識別基準
第2問 解答・解説
【戦略的情報】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出題意図 | 統語的制約と論理関係の判定を統合して適切な接続詞を選択する能力 |
| 難易度 | 標準 |
| 目標解答時間 | 10分 |
【思考プロセス】
状況設定:空所補充問題。空所の前後の構造(節か句か)を確認し、次に論理関係を判定し、選択肢を照合する三段階処理を実行する。
レベル1:構造特定 → 空所の前後に節があるかを確認し、入るべき品詞(等位接続詞・従位接続詞・前置詞)を絞り込む。
レベル2:検証観点 → 前後の内容の論理関係(順接・逆接・条件・譲歩など)を判定し、選択肢の中から統語的制約と意味的制約の両方を満たすものを特定する。
【解答】
| 小問 | 解答 |
|---|---|
| (1) | b. Because。天気がひどかった(原因)→イベントが中止された(結果)という因果関係が成立するため。Althoughでは「ひどかったにもかかわらず中止」→論理的に不整合。 |
| (2) | c. once。「全ての課題を終えたら帰宅してよい」という条件の成立後の許可を示す。becauseでは理由、unlessでは否定条件、whileでは同時進行となり不自然。 |
| (3) | b. but also。not only…but alsoの相関接続詞の後半部分。andやorでは相関構造が成立しない。 |
| (4) | d. Unless。「定期的に練習しない限り、技術は向上しない」→否定条件。Ifでは「もし練習すれば向上しない」→論理が逆転。AlthoughやBecauseでは文意が不整合。 |
| (5) | b. even though。「疲れ果てていたにもかかわらず走り続けた」→強い譲歩。becauseでは「疲れていたから走った」→不自然。so thatでは目的、unlessでは否定条件となり不適。 |
【解答のポイント】
正解の論拠:空所補充問題では、統語的制約(空所の前後の構造)による絞り込みと、論理関係の判定による確定という二段階の処理が必要である。(1)では因果関係の方向(原因→結果)を正確に判定し、(4)では否定条件(unless)と中立的条件(if)の違いを理解していることが求められる。
誤答の論拠:(1)でAlthoughを選ぶ誤答が多い。「天気がひどかったにもかかわらずイベントが中止された」は論理的に矛盾する(中止は天気の悪さの自然な帰結であり、予想に反する結果ではない)。(4)でIfを選ぶ誤答も多い。”If you practice, you will not improve.”は「練習すれば向上しない」という意味になり、文意が逆転する。
【再現性チェック】
この解法が有効な条件:接続詞の空所補充問題全般に適用可能。特に、because / although(因果と譲歩の区別)、if / unless(条件と否定条件の区別)、相関接続詞の完成問題で有効。
【参照】
[基盤 M08-意味] └ 従位接続詞の意味機能と類似接続詞の使い分け
[基盤 M08-語用] └ 空所補充と論理関係判定の実践
第3問 解答・解説
【戦略的情報】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出題意図 | 接続詞を手がかりとした文章全体の論理構成の把握能力 |
| 難易度 | 発展 |
| 目標解答時間 | 12分 |
【思考プロセス】
状況設定:長文中の空所に接続詞・接続表現を補充し、さらに文章全体の論理構成を把握する問題。まず各段落の内容を把握し、段落間の論理関係を接続詞から特定する。
レベル1:構造特定 → 各段落の主旨を1文で把握し、空所の前後の内容的関係を確認する。
レベル2:検証観点 → 前の段落との論理関係(順接・逆接・追加・結論)を判定し、選択肢の接続詞・接続表現と照合する。(A)〜(E)の全体的な論理の流れの整合性も確認する。
判断手順ログ:第1段落の主旨把握(睡眠は重要→しかし多くの学生は犠牲にする)→(A)は「重要」と「犠牲にする」の逆接→第2段落の主旨把握(研究は逆効果を示す→集中力低下→記憶も障害)→(B)は第1段落末の学生の信念に対する反証→©は追加の悪影響→第3段落の主旨把握(大丈夫と主張する学生→しかし研究は過大評価を示す)→(D)は学生の主張に対する反証→第4段落の主旨把握(結論:勉強と睡眠の両立が最善)→(E)は結論の導入→全体の整合性検証
【解答】
| 小問 | 解答 |
|---|---|
| (1)-(A) | a. However |
| (1)-(B) | c. In fact |
| (1)-© | b. Furthermore |
| (1)-(D) | e. Yet |
| (1)-(E) | d. In conclusion |
| (2) | 睡眠を削る勉強法は逆効果である。(16字) |
| (3) | 第1段落:睡眠の重要性と学生の誤った行動 → 第2段落:研究による反証と悪影響の提示 → 第3段落:学生の反論とそれに対する再反証 → 第4段落:結論としての最適な学習戦略の提示 |
【解答のポイント】
正解の論拠:(A)は第1段落前半の「睡眠は重要」という主張に対して、後半の「学生は睡眠を犠牲にする」が逆接の関係にあるためHowever。(B)は学生の信念に対して研究結果が事実として反証を提示しているためIn fact。©は集中力低下に加えて記憶定着の障害という追加の悪影響を提示しているためFurthermore。(D)は「4〜5時間で大丈夫という学生の主張」に対して研究結果が反論しているためYet。(E)は文章全体の結論を導入しているためIn conclusion。
誤答の論拠:(A)にIn conclusionを入れる誤答がある。第1段落は文章の結論ではなく導入部であり、結論は最終段落(E)に位置する。(D)にFurthermoreを入れる誤答もあるが、第3段落前半の「学生の主張」と後半の「研究結果」は追加の関係ではなく反論の関係にあるため、逆接のYetが適切である。
【再現性チェック】
この解法が有効な条件:段落冒頭の接続詞・接続表現の補充問題全般に適用可能。特に、「主張→反論→再反論→結論」という論理構成パターンを持つ英文で、各段落間の論理関係を接続詞から特定する問題で有効。段落の主旨を先に把握し、段落間の論理関係を判定してから選択肢を照合するという手順は、長文読解の接続詞関連問題全般に再現性がある。
【参照】
[基盤 M08-談話] └ 段落間の接続詞と文章全体の論理構成
[基盤 M55-談話] └ 接続表現と論理関係
【関連項目】
[基礎 M15-統語]
└ 接続詞と文の論理関係を早慶標準レベルで体系的に学習する
[基盤 M55-意味]
└ 接続表現と論理関係の基本的対応を確認する
[基盤 M14-統語]
└ 文の要素の識別手順と接続詞の知識を統合する