【基盤 英語】モジュール18:関係詞の形態と識別

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本モジュールの目的と構成

英文中に”which”“who””that”といった語が出現したとき、それが関係代名詞なのか疑問詞なのか接続詞なのかを即座に判別できなければ、文の構造把握は根本から崩れる。関係詞は名詞を後ろから修飾する節を導く語であり、その識別を誤ると、主語と動詞の対応関係を見失い、文全体の意味を取り違える結果となる。たとえば”I know the man who lives next door.”という文でwhoを疑問詞と誤認すれば、この文を疑問文として処理しようとして構造の分析が破綻する。”The idea that he proposed was rejected.”という文では、thatが関係代名詞なのか接続詞なのかの判定を誤れば、主語の範囲を見誤り、文全体の意味が変わる。関係代名詞・関係副詞の形態的特徴を正確に把握し、先行詞との関係および節内での文法的機能を識別する能力を確立することを目的とする。

本モジュールは以下の層で構成される:

統語:関係詞の形態と文中の位置の把握
 関係代名詞(who, whom, which, that, whose)と関係副詞(where, when, why, how)の形態的特徴を整理し、先行詞の種類と関係詞の格変化の対応関係を正確に識別する方法を確立する。さらに、関係詞と疑問詞・接続詞との形態的区別基準を明確にし、文中での位置から関係詞を特定する手順を習得する。

意味:関係詞が導く節の意味的機能の把握
 制限用法と非制限用法の意味的差異を理解し、関係詞節が先行詞に対してどのような情報を付加しているかを判断する能力を養成する。関係詞の省略が生じる条件を意味的観点から把握し、省略された関係詞を文脈から復元する手順を確立する。

語用:関係詞の使い分けと表現効果の把握
 thatとwhichの使い分け、関係詞の省略の可否といった実際の英文で頻出する判断場面を扱い、文体や情報の重要度に応じた関係詞の選択基準を確立する。入試問題における関係詞の識別問題に対応する判断手順を実践的に習得する。

談話:関係詞節を含む文の読解への統合
 関係詞節が文全体の情報構造にどのように寄与しているかを把握し、長文読解において関係詞節を含む複雑な文を迅速に処理する能力を確立する。関係詞節の挿入位置と文の主要構成要素との関係を正確に追跡する技術を習得する。

このモジュールを修了すると、以下の能力が身につく。英文中に関係詞が出現した際、先行詞の種類と関係詞の格を即座に判定し、関係詞節の範囲を正確に画定できるようになる。制限用法と非制限用法の違いを形態的・意味的の両面から識別し、先行詞に付加される情報の性質を正確に判断できるようになる。thatとwhich、whoとwhomの使い分けを原理的に理解し、文法問題で根拠を持って解答を選択できるようになる。関係詞が省略された文においても、省略された関係詞を復元して文の構造を正確に把握できるようになる。これらの能力は、後続の基礎体系モジュールで扱う関係詞と節の埋め込み(複合関係詞・二重限定・自由関係節等)の学習へと発展させることができる。

【基礎体系】

[基礎 M13]
└ 関係詞と節の埋め込み構造を体系的に理解する

目次

統語:関係詞の形態と文中の位置の把握

英文を読むとき、whoやwhichといった語が出てきた瞬間に「これは関係詞か、それとも疑問詞か」を判断できなければ、文の骨格を見誤る。統語層では、関係代名詞と関係副詞の形態的特徴を正確に把握し、先行詞との対応関係を基準として関係詞を確実に識別する能力を確立する。品詞の基本的な分類と5文型の判定ができていれば、ここから先の分析に進める。関係詞の形態的識別、先行詞と関係詞の対応規則、関係詞と疑問詞の区別基準を扱う。後続の意味層で制限用法と非制限用法の意味的差異を分析する際、統語層で確立した形態的識別の能力が前提となる。

【関連項目】

[基盤 M02-統語]
└ 関係代名詞と先行詞(名詞)の対応関係を把握する

[基盤 M08-統語]
└ 関係詞節が従属節としてどのように機能するかを確認する

1. 関係代名詞の形態と先行詞の対応

関係代名詞を学ぶ際、「who は人、which はもの」という対応だけで十分だろうか。実際の英文では、”The committee which decided the policy”のように集合名詞が先行詞となる場合や、”the thing that matters”のようにthatが使われる場合が頻繁に生じる。関係代名詞の識別が不十分なまま長文に取り組むと、関係詞節の範囲を見誤り、主語と動詞の対応関係を取り違える結果となる。

関係代名詞の形態的識別能力によって、以下の能力が確立される。第一に、先行詞が人・もの・動物のいずれであるかに応じて適切な関係代名詞を選択できるようになる。第二に、関係代名詞の格(主格・目的格・所有格)を節内の文法的機能から判定できるようになる。第三に、thatが関係代名詞として機能する場合とそうでない場合を区別できるようになる。第四に、関係代名詞の直後の構造から、節の範囲を画定できるようになる。

関係代名詞の形態的識別は、次の記事で扱う関係副詞の識別、さらに意味層での制限用法・非制限用法の判定へと直結する。

1.1. 関係代名詞の種類と格変化

一般に関係代名詞は「who, which, thatの3種類」と単純に理解されがちである。しかし、この理解は関係代名詞の格変化(主格・目的格・所有格)を考慮していないという点で不正確である。学術的・本質的には、関係代名詞とは先行詞を受けて後続の節を導く語であり、先行詞の種類(人か人以外か)と節内での文法的機能(主語・目的語・所有格)の2軸で体系的に分類されるべきものである。この分類が重要なのは、関係代名詞の選択は先行詞の意味内容だけでなく、関係詞節内での統語的役割によって決定されるためである。具体的には、先行詞が人の場合はwho(主格)・whom(目的格)・whose(所有格)、先行詞が人以外の場合はwhich(主格・目的格)・whose / of which(所有格)、先行詞が人・人以外の両方に使えるものとしてthat(主格・目的格)が用いられる。入試で特に注意すべきは、whoseが人以外の先行詞にも使える点である。”The building whose roof was damaged”のように、建物の屋根という所有関係を表す場合にもwhoseが用いられ、これを”of which the roof”と書き換えることも可能である。この点を知らないと、whoseを見た瞬間に先行詞が人であると決めつけ、文意を取り違える原因となる。もう一つ注意すべきは、thatとwhichの文法的な互換性の範囲である。thatは制限用法でのみ使用可能であり、非制限用法(コンマ付き)ではthatは使えない。また、前置詞の直後にthatを置くことも英語の文法規則として不適格である。こうした制約を体系的に把握しておくことが、選択問題で消去法を正確に運用するための前提条件となる。

この原理から、関係代名詞を正確に識別する具体的な手順が導かれる。手順1では先行詞を特定する。関係代名詞の直前にある名詞(句)を見つけることで、先行詞の種類(人か人以外か)を確定できる。ただし、先行詞と関係代名詞の間に前置詞句などの修飾語句が挿入されている場合もあるため、直前の名詞句だけでなく、関係詞節の内容が意味的に修飾しうる名詞を探す必要がある。たとえば”The flowers in the vase which she bought were beautiful.”では、whichの直前はvaseだが、実際の先行詞はflowersであり、she boughtの目的語として意味が通る名詞を選ばなければならない。手順2では関係詞節内の構造を分析する。関係代名詞の直後に動詞が続けば主格、主語+動詞が続けば目的格、名詞が続けば所有格と判定することで、関係代名詞の格を特定できる。この判定では、関係代名詞の直後の語順を見るだけでなく、節全体の中でどの要素が欠けているかを確認することが重要である。主格であれば節内に主語がなく、目的格であれば節内に目的語がなく、所有格であれば直後の名詞の所有者が関係代名詞によって示されている。手順3では関係代名詞の形態を確定する。先行詞の種類と格の組み合わせから、適切な関係代名詞の形態(who / whom / whose / which / that)を特定できる。この段階で、thatは主格・目的格のいずれにも使えるが所有格には使えないこと、非制限用法(コンマ付き)ではthatは使えないことを確認する。さらに、先行詞が人以外でも所有格のwhoseが使用可能であるという点を再確認し、選択肢にwhoseがある場合に安易に排除しないよう注意する。手順4ではthatが使用できる範囲を検証する。制限用法であること、前置詞の直後でないこと、所有格でないことの3条件を満たす場合にのみthatが選択肢に残る。この検証手順を経ることで、4択問題でthatを含む選択肢を正確に処理できる。thatの使用可能範囲を体系的に検証する習慣をつけると、問題を見た瞬間に排除すべき選択肢と残すべき選択肢を仕分けできるようになり、解答速度が向上する。

例1: The student who passed the exam celebrated.
→ 先行詞: student(人)。関係詞の直後: passed(動詞)→ 節内に主語の欠け → 主格。
→ 判定: 先行詞が人+主格 = who ✓

例2: The book which I borrowed was interesting.
→ 先行詞: book(もの)。関係詞の直後: I borrowed(主語+動詞)→ borrowedの目的語が欠け → 目的格。
→ 判定: 先行詞がもの+目的格 = which ✓

例3: The teacher whose class I attended was kind.
→ 先行詞: teacher(人)。関係詞の直後: class(名詞)→ classの所有者がwhoseで示されている → 所有格。
→ 判定: 先行詞が人+所有格 = whose ✓

例4: The man whom she met was a doctor.
→ 先行詞: man(人)。関係詞の直後: she met(主語+動詞)→ metの目的語が欠け → 目的格。
→ 判定: 先行詞が人+目的格 = whom ✓

以上により、先行詞の種類と節内の文法的機能の2つの基準から、関係代名詞の形態を正確に識別することが可能になる。

1.2. thatと疑問詞・接続詞との区別

関係代名詞のthatとは何か。thatは英語において関係代名詞・指示代名詞・接続詞・指示形容詞の4つの機能を持ち、同じ形態でありながら文中の機能が全く異なる。この多機能性を理解しなければ、thatが出現するたびに文の構造を見誤る危険がある。関係代名詞のthatの本質は、先行詞を受けて後続の節を導きつつ、その節内で主語または目的語として機能する点にある。“The news that shocked everyone”(関係代名詞のthat:shockedの主語が欠けている)と”The news that he had arrived”(接続詞のthat:he had arrivedは完全な文)のように、同じ”The news that…”という形でも、thatの機能が異なれば文の構造が根本的に変わる。thatの多機能性は英語学習者にとって最大の混乱源の一つであり、形態が同一であるがゆえに文脈と構造に頼らざるを得ない。同格のthatと関係代名詞のthatを混同すると、和訳において「〜というニュース」と「〜したニュース」の区別がつかず、記述問題で致命的な減点となる。

以上の原理を踏まえると、thatの機能を判別するための手順は次のように定まる。手順1ではthatの直前を確認する。直前に名詞(句)があれば関係代名詞または同格のthatの可能性があり、動詞や形容詞の直後であれば接続詞のthatの可能性が高い。ここで注意すべきは、think, believe, know, say, suggest, insist, demandなどの動詞の直後に来るthatはほぼ確実に接続詞であるという点である。これらの動詞はthat節を目的語として取る他動詞であり、that以下の節が動詞の内容を示す名詞節を形成する。一方、名詞の直後にthatが来た場合は、関係代名詞と同格のthatの両方の可能性があるため、手順2に進む必要がある。同格のthatを取りやすい名詞には特徴があり、fact, news, idea, belief, rumor, possibility, evidence, hopeなど、「内容」を持ちうる抽象名詞が典型的である。これらの名詞の直後にthatが来た場合は、まず同格のthatを疑い、手順2で構造を分析して確認するという戦略が有効である。手順2ではthatの直後の節の構造を分析する。that以下の節に主語または目的語の欠けがあれば関係代名詞、節が完全な文(主語+動詞+目的語等が揃っている)であれば接続詞と判定することで、機能を確定できる。この「欠けの有無」の判定が最も重要なステップである。関係代名詞のthatは節内で主語や目的語として機能するため、その位置に穴が空いている。接続詞のthatは節内のどの要素としても機能しないため、節は完全な文となる。手順3では先行詞との意味的関係を確認する。関係代名詞のthatであれば、that節の内容が先行詞を修飾(限定)しており、「どんな〜かというと、…する〜」と言い換えられる。接続詞のthat(同格)であれば、that節の内容が先行詞の具体的内容を説明しており、「〜という[先行詞]」と言い換えられる。この意味的テストは手順2の構造分析を補強する確認手段として有効である。手順4では指示代名詞・指示形容詞のthatとの区別を行う。文頭のthatや、動詞の目的語として単独で機能するthatは指示代名詞(「あれ」「それ」)であり、名詞の直前で限定詞として機能するthatは指示形容詞(「あの」「その」)である。関係代名詞や接続詞のthatは必ず節を導くため、thatの後に節構造が続くかどうかで区別できる。この4段階の手順を習慣化しておくと、長文中にthatが出現するたびに構造的根拠から瞬時に機能を判別でき、読解の正確性と速度が向上する。

例1: The idea that he proposed was rejected.
→ thatの直前: idea(名詞)。that以下: he proposed ___(proposedの目的語が欠け)。
→ 判定: 関係代名詞(目的格)。「彼が提案したアイデア」。

例2: The idea that he would come surprised us.
→ thatの直前: idea(名詞)。that以下: he would come(完全な文、欠けなし)。
→ 判定: 接続詞(同格のthat)。「彼が来るというアイデア(考え)」。

例3: I know that she is kind.
→ thatの直前: know(動詞)。that以下: she is kind(完全な文)。
→ 判定: 接続詞。「彼女が親切だということ」。

例4: The house that stands on the hill is old.
→ thatの直前: house(名詞)。that以下: stands on the hill(standsの主語が欠け)。
→ 判定: 関係代名詞(主格)。「丘の上に建っている家」。

これらの例が示す通り、thatの直前の語の品詞とthat以下の節の完全性という2つの基準から、thatの文法的機能を確実に識別する能力が確立される。

2. 関係副詞の形態と識別基準

関係副詞を学ぶ際、「where は場所、when は時間」という対応だけで十分だろうか。実際の問題では、”the reason why he left”と”the reason that he left”の違いや、”the way how”が不可であることなど、関係副詞固有の制約が問われる場面が頻繁に生じる。関係副詞の識別が不十分なまま読解に取り組むと、関係詞節の構造を誤って分析し、先行詞と節の関係を取り違える結果となる。

関係副詞の識別能力によって、以下の能力が確立される。第一に、where・when・why・howの4つの関係副詞を先行詞の種類に応じて正確に選択できるようになる。第二に、関係副詞と関係代名詞の違いを節内の文法的機能から判定できるようになる。第三に、関係副詞の前置詞+関係代名詞への書き換えの仕組みを理解できるようになる。第四に、the wayとhowの共起制限を正確に把握できるようになる。

関係副詞の識別能力は、意味層で扱う制限用法・非制限用法の判定、さらに語用層での関係詞の使い分けの学習へと直結する。

2.1. 関係副詞の種類と関係代名詞との区別

関係副詞には二つの捉え方がある。一つは「関係代名詞と同じく先行詞を修飾する語」として形式的に覚える方法であり、もう一つは節内での文法的機能の差異から体系的に理解する方法である。前者では関係副詞と関係代名詞の決定的な違い——節内での文法的機能の差——を説明できない。関係副詞の本質は、先行詞を受けて後続の節を導く語であり、関係代名詞が節内で主語・目的語・所有格として機能するのに対し、関係副詞は節内で副詞(場所・時・理由・方法の修飾語)として機能する点にある。この区別が重要なのは、関係副詞が導く節は文の主要構成要素(主語・動詞・目的語)が完全に揃っているのに対し、関係代名詞が導く節には主語または目的語の欠けがあるためであり、この構造的差異が識別の決め手となる。先行詞が場所を表す名詞であっても節内に目的語の欠けがあればwhichを選ぶ必要がある場合(“the city which I visited”)と、節内が完全な文であればwhereを選ぶ場合(“the city where I live”)が頻出するため、先行詞の意味だけでなく節内の構造を分析する手順が不可欠である。また、howについては”the way how”が誤りであり、”the way”か”how”のいずれか一方のみを使うという制約がある。”the way in which”という表現は可能だが、”the way how”は英語として不適格であり、この点は直接出題されることがある。関係副詞が「前置詞+関係代名詞」の圧縮形であるという理解は、関係副詞の本質を把握するうえで極めて有用である。where = in/at which、when = in/on/at which、why = for whichという対応関係が成立するのは、関係副詞が「前置詞の意味+関係代名詞の接続機能」を一語で担っているためである。この理解があれば、関係副詞と関係代名詞のどちらを使うべきかの判断で迷った際に、「前置詞+which」に書き換えられるかどうかという検証手段を使える。

この原理から、関係副詞を識別する具体的な手順が導かれる。手順1では先行詞の種類を確認する。場所を表す名詞(place, house, city, country, school等)ならwhere、時を表す名詞(time, day, year, moment, occasion等)ならwhen、reasonならwhy、the wayならhow(ただしthe wayとhowの共起は不可)という対応を確認することで、関係副詞の候補を特定できる。ここで重要なのは、先行詞の意味的種類はあくまで候補の絞り込みにすぎず、最終的な判定は節内の構造分析で行うという点である。手順2では節内の構造を分析する。関係詞以下の節に主語・動詞・目的語が揃っていれば関係副詞、主語または目的語が欠けていれば関係代名詞と判定することで、確実に区別できる。たとえば”the school where I studied”では、I studiedの後にat the schoolが省略された形であり、studyは自動詞として使われているため目的語の欠けはなく、関係副詞whereが正しい。一方、”the school which I attended”では、attendは他動詞であり目的語(the school)が欠けているため、関係代名詞whichが正しい。このように、動詞の自動詞・他動詞の区別が関係副詞と関係代名詞の識別において決定的な役割を果たす。この点は最も頻繁に問われるポイントの一つであり、visitやattendのように場所に関わる意味を持ちながら他動詞として目的語を取る動詞が出題された場合、先行詞が場所を表す名詞であってもwhereではなくwhichを選ばなければならない。手順3では前置詞+関係代名詞への書き換えを検証する。where = in/at which、when = in/on/at which、why = for whichへの書き換えが可能であることを確認することで、判定の正確性を担保できる。この書き換えが可能であるという事実は、関係副詞が「前置詞+関係代名詞」を一語に圧縮したものであることを示しており、関係副詞の本質的な理解につながる。手順4ではthe wayとhowの共起制限を確認する。先行詞がthe wayの場合、関係副詞howと共起させることは不可であり、”the way in which”または”the way (that)”あるいは”how”の単独使用のいずれかを選択する。正誤判定問題で”the way how”を含む文が出題された場合、この制約を根拠として誤りを指摘できる。手順1から手順4を順に適用する習慣をつけることで、先行詞が場所を表す名詞であっても安易にwhereを選ばず、必ず節内の構造を分析してから最終判定を下す思考回路が定着する。

例1: The city where I was born is small.
→ 先行詞: city(場所)。節内: I was born(S+V 完全、bornは受動態で自動詞的)。
→ 判定: 関係副詞where。書き換え: in which I was born ✓

例2: The city which I visited was large.
→ 先行詞: city(場所)。節内: I visited ___(visitは他動詞、目的語の欠け)。
→ 判定: 関係代名詞which。※先行詞が場所でもwhereではない。

例3: The day when we met was rainy.
→ 先行詞: day(時)。節内: we met(S+V 完全、metは自動詞用法)。
→ 判定: 関係副詞when。書き換え: on which we met ✓

例4: Tell me the reason why you were late.
→ 先行詞: reason。節内: you were late(S+V+C 完全)。
→ 判定: 関係副詞why。書き換え: for which you were late ✓

以上により、先行詞の種類と節内の構造的完全性という2つの基準から、関係副詞と関係代名詞を正確に区別することが可能になる。

3. 関係詞と疑問詞の識別

関係詞と疑問詞は形態が同一(who, which, where, when等)であるにもかかわらず、文中での機能が根本的に異なる。関係詞が名詞を修飾する形容詞節を導くのに対し、疑問詞は疑問文を形成するか、間接疑問を導く名詞節を形成する。この区別ができなければ、文の構造分析は不可能である。

関係詞と疑問詞の識別能力によって、以下の能力が確立される。第一に、同一形態の語(who, which等)が関係詞として機能しているか疑問詞として機能しているかを文脈から即座に判定できるようになる。第二に、間接疑問文と関係詞節の構造的差異を正確に把握できるようになる。第三に、whatが関係代名詞として機能する場合(先行詞を含む関係代名詞)を識別できるようになる。

関係詞と疑問詞の識別能力は、意味層での関係詞節の意味的機能の分析に不可欠であり、さらに談話層での長文読解における複雑な構造の処理へと接続する。

3.1. 識別の原理と手順

一般に関係詞と疑問詞は「形態が同じ別の語」と漠然と理解されがちである。しかし、この理解は個別の暗記に頼っているため未知の文に出会うたびに判断に迷うという点で不正確である。学術的・本質的には、関係詞と疑問詞の区別は「節の機能(形容詞節か名詞節か)」という統語的基準から体系的に判定されるべきものである。関係詞が導く節は先行詞を修飾する形容詞節であり、疑問詞が導く節は動詞の目的語や主語となる名詞節である。この節の機能の違いが、識別の唯一にして確実な基準となる。whatの扱いが特に重要である。whatは通常の関係代名詞(who, which, that)とは異なり、先行詞を自身の中に含んでいる。“What he said”は”the thing which he said”と同義であり、what節全体が名詞として機能する。whatの直前に先行詞がないにもかかわらず名詞節を形成するという特殊性を理解していないと、whatを見るたびに疑問詞か関係代名詞かの判定に迷うことになる。判定の鍵は、what節が「〜すること/もの」と訳せれば先行詞を含む関係代名詞、「何を〜か」と訳せれば疑問詞という意味的テストを構造分析と併用することにある。さらに、whichについても関係詞と疑問詞の両方の用法が存在する。“The book which I read”(関係代名詞)と”I don’t know which book he chose”(疑問詞)では、同じwhichでも文中での役割が全く異なる。疑問詞のwhichは「どの〜」という選択の意味を持ち、名詞を直接修飾する疑問形容詞として機能する場合がある。この点は間接疑問の問題で出題されやすい。

この原理から、関係詞と疑問詞を区別する具体的な手順が導かれる。手順1では当該語の直前を確認する。直前に名詞(先行詞)があれば関係詞の可能性が高く、直前に動詞(know, ask, wonder, tell, decide, explain等)や前置詞があれば疑問詞の可能性が高い。この確認により、候補を絞り込める。ただし、直前に名詞があっても間接疑問が埋め込まれている場合(“the question who should go”)もあるため、手順2で確認が必要である。手順2では節全体の文中での機能を判定する。その節を取り除いても主文が成立すれば形容詞節(関係詞)、節を取り除くと主文が不完全になれば名詞節(疑問詞または先行詞を含む関係代名詞)と判定することで、機能を確定できる。この「削除テスト」は非常に強力な判定手段であり、迷った場合にはこのテストに立ち戻ることが推奨される。削除テストの利点は、節の内部構造を分析する必要なく、文全体のレベルで判定できる点にある。長文読解で時間が限られている場合にも、瞬時に適用できる。手順3ではwhatの特殊性を確認する。whatは先行詞を含む関係代名詞(what = the thing(s) which)として名詞節を導く場合があるため、「what+不完全な節」が名詞として機能していれば先行詞を含む関係代名詞と判定する。whatが「何を」という疑問の意味を持つか、「〜するもの/こと」という関係の意味を持つかは、文脈から判断する。”I don’t know what he said.”は「彼が何を言ったか知らない」(疑問詞)とも「彼が言ったことを知らない」(関係代名詞)とも解釈可能な場合があり、その場合は前後の文脈で判断する。手順4では削除テストと意味的テストを組み合わせて最終判定を行う。削除テストで名詞節と判定された場合、節が「〜すること/もの」と訳せれば先行詞を含む関係代名詞、「〜かどうか」「何を/どの〜か」と訳せれば疑問詞と確定する。この二重の検証により、判定の正確性が担保される。手順1から手順4を体系的に適用する思考回路を身につけておくと、長文中にwho, which, what等が出現するたびに「直前→削除テスト→意味テスト」を瞬時に実行できるようになり、構造の把握に費やす時間が大幅に短縮される。

例1: I know the man who lives next door.
→ whoの直前: man(名詞)。who節を除いても”I know the man”は成立。
→ 判定: 関係代名詞。who節はmanを修飾する形容詞節。

例2: I wonder who lives next door.
→ whoの直前: wonder(動詞)。who節を除くと”I wonder”は目的語不足。
→ 判定: 疑問詞。who節はwonderの目的語となる名詞節。

例3: What he said was true.
→ whatの直前: 文頭(先行詞なし)。What節全体が主語として機能。what以下”he said ___”にはsaidの目的語の欠けがある。
→ 判定: 先行詞を含む関係代名詞(what = the thing which)。「彼が言ったことは本当だった。」

例4: I don’t know which book he chose.
→ whichの直前: know(動詞)。which節を除くと”I don’t know”は目的語不足。
→ 判定: 疑問詞。which節はknowの目的語となる名詞節。「彼がどの本を選んだか知らない。」

以上の適用を通じて、関係詞と疑問詞を形態ではなく節の機能から確実に識別する能力を習得できる。

4. whoseの用法と所有格関係詞の体系

関係代名詞の所有格whoseは、whoやwhichと比べて出現頻度が低いため、出題された際に判断が曖昧になりやすい。whoseが先行詞と節内の名詞との間にどのような所有関係を形成するのかを正確に把握していなければ、空所補充問題でwhoseを選択すべき場面を見落とすことになる。

whoseの体系的理解によって、以下の能力が確立される。第一に、whoseが人だけでなく人以外の先行詞にも使えることを正確に認識できるようになる。第二に、whoseとof whichの書き換え関係を理解し、両者が互換的に使用可能な場面を判定できるようになる。第三に、whose+名詞の塊が節内でどの文法的機能を果たしているかを分析できるようになる。第四に、whoseを含む関係詞節の範囲を正確に画定できるようになる。

whoseの体系的理解は、意味層での制限用法・非制限用法の判定や、語用層での関係詞選択問題への対応に直結する。

4.1. whoseの機能と of which への書き換え

一般にwhoseは「whoの所有格」と単純に理解されがちである。しかし、この理解はwhoseが人以外の先行詞にも使用可能であるという事実を見落としているという点で不正確である。学術的・本質的には、whoseとは先行詞(人・人以外の両方)と関係詞節内の名詞との間に所有関係を示す関係代名詞であり、「whose+名詞」の塊が節内で主語・目的語・補語のいずれかとして機能する語として定義されるべきものである。この定義が重要なのは、whoseを見た瞬間に「先行詞は人である」と決めつけてしまうと、”The tree whose leaves turned red”のように人以外の先行詞を持つ文の構造を見誤るためである。whoseは of which と書き換え可能であるが、書き換えの際には語順に注意が必要である。”whose profits”は”the profits of which”または”of which the profits”と書き換えられる。前者は関係詞節内での語順がやや不自然になる場合があり、後者はフォーマルな文体で用いられる。whoseとof whichの書き換えが直接問われることがあるため、両形式の対応関係を正確に把握しておく必要がある。さらに、whoseは所有格であるためthatでは代用できない点にも注意が必要である。thatは主格と目的格にのみ使用可能であり、所有格の機能を持たない。空所補充問題の選択肢にwhoseとthatがある場合、直後に名詞が続いていれば所有格の可能性が高く、thatを排除する根拠となる。

この原理から、whoseを正確に識別し運用する具体的な手順が導かれる。手順1ではwhoseの直後を確認する。whoseの直後には必ず名詞が続き、「whose+名詞」の塊を形成する。この塊全体が節内で一つの要素として機能していることを認識することで、whoseの存在を確定できる。whoseの直後に名詞が続かない場合は、whoseではなく別の語の可能性を再検討する。手順2では「whose+名詞」の塊の節内での機能を分析する。「whose+名詞」が節内で主語として機能していれば”whose name is…”のような構造、目的語として機能していれば”whose book I read”のような構造となる。この分析により、関係詞節の内部構造を正確に把握できる。目的語として機能する場合、whose+名詞の後に主語+動詞が続き、その動詞の目的語の位置にwhose+名詞が対応する形になる。手順3では先行詞との所有関係を確認する。whoseが示す所有関係が「先行詞の〜」という意味で自然に成立するかを検証することで、判定の正確性を担保できる。”The student whose grades improved”であれば「その生徒の成績」、”The building whose walls cracked”であれば「その建物の壁」という所有関係が成立する。所有関係が意味的に不自然であれば、whoseの判定自体を再検討する必要がある。手順4ではof whichへの書き換えを検証する。”whose+名詞”を”the+名詞+of which”に書き換えて文が成立するかを確認することで、whoseの判定を二重に検証できる。この書き換え検証は、正誤判定問題や書き換え問題で直接的に活用できるスキルである。手順1から手順4を順に適用することで、whoseを含む4択問題では「直後の名詞の確認→節内機能の分析→所有関係の検証→of which書き換え」という一貫した処理が可能になり、解答に迷う時間を最小化できる。

例1: The student whose grades improved was praised.
→ whoseの直後: grades(名詞)。whose gradesが節内の主語。先行詞: student(人)。
→ 所有関係:「その生徒の成績」。書き換え: the grades of whom improved ✓
→ 判定: whose(所有格・先行詞が人)。

例2: The company whose profits declined laid off workers.
→ whoseの直後: profits(名詞)。whose profitsが節内の主語。先行詞: company(人以外)。
→ 所有関係:「その会社の利益」。書き換え: the profits of which declined ✓
→ 判定: whose(所有格・先行詞が人以外でもwhose可)。

例3: The author whose book I recommended is famous.
→ whoseの直後: book(名詞)。whose bookが節内の目的語(I recommendedの目的語)。先行詞: author(人)。
→ 所有関係:「その著者の本」。書き換え: the book of whom I recommended ✓
→ 判定: whose(所有格・whose+名詞が目的語として機能)。

例4: The house whose roof was damaged has been repaired.
→ whoseの直後: roof(名詞)。whose roofが節内の主語。先行詞: house(人以外)。
→ 所有関係:「その家の屋根」。書き換え: the roof of which was damaged ✓
→ 判定: whose(所有格・先行詞が人以外)。

以上により、whoseの直後の名詞との塊の認識、節内での機能分析、先行詞との所有関係の確認、of whichへの書き換え検証という4段階の手順を通じて、所有格の関係代名詞を正確に識別し運用することが可能になる。

5. 関係詞節の文中での位置と先行詞の特定

関係詞が出現した位置から先行詞を特定する作業は、単純に「関係詞の直前の名詞」を見るだけでは済まない場合がある。先行詞と関係詞の間に前置詞句や他の修飾語句が挿入されている文では、直前の名詞を先行詞と誤認し、文の構造を根本から見誤るおそれがある。

先行詞の正確な特定能力によって、以下の能力が確立される。第一に、関係詞と先行詞の間に挿入された修飾語句を認識し、正しい先行詞を特定できるようになる。第二に、先行詞が文の主語位置にある場合の関係詞節の処理(主語の長大化)に対応できるようになる。第三に、文末に置かれた関係詞節が離れた先行詞を修飾する構造を認識できるようになる。

先行詞の正確な特定は、意味層での用法判定、語用層での関係詞選択、談話層での長文読解における構造分析すべての前提となる。

5.1. 先行詞と関係詞の間に挿入がある場合の処理

一般に先行詞の特定は「関係詞の直前の名詞を見ればよい」と理解されがちである。しかし、この理解は先行詞と関係詞の間に前置詞句や同格表現が挿入された場合に対応できないという点で不正確である。学術的・本質的には、先行詞とは関係詞節の内容が意味的に修飾する対象となる名詞であり、関係詞の直前の名詞とは必ずしも一致しないものとして理解されるべきである。先行詞の特定は、関係詞の位置的近接性だけでなく、関係詞節の内容と名詞の意味的整合性によって決定される。この原理が重要なのは、長文では先行詞と関係詞の間に数語から十数語の挿入がある文が珍しくなく、直前の名詞を先行詞と誤認するパターンが得点差を生む典型的な誤りであるためである。さらに、主語の位置にある先行詞に長い関係詞節が付くと、主語が長大化して述語動詞との距離が広がり、文の骨格の把握が困難になる。”The theory that the researcher who had studied the phenomenon for decades proposed contradicted the established view.”のような文では、主語はThe theoryであり、述語動詞はcontradictedであるが、その間に2つの関係詞節が入れ子になっており、主語と述語の対応を見失いやすい。こうした文は下線部和訳や内容一致問題で頻出し、構造を正確に把握できるかどうかが得点を分ける。先行詞の誤認は、関係詞節の内容を正しく先行詞に結びつけられないだけでなく、主文の主語と動詞の対応関係まで連鎖的に崩壊させるため、最も深刻な読解ミスの一つである。

この原理から、先行詞を正確に特定する具体的な手順が導かれる。手順1では関係詞の出現位置を起点として、直前の名詞句を仮の先行詞とする。多くの場合、直前の名詞句が先行詞であるため、まずはこの仮定で構造を分析する。手順2では関係詞節の内容と仮の先行詞の意味的整合性を検証する。関係詞節の述語動詞が仮の先行詞を主語・目的語として取ったときに意味が通るかどうかを確認することで、先行詞の候補を検証できる。意味が通らなければ、直前の名詞句ではなく、さらに前方にある名詞句が真の先行詞である可能性がある。この意味的整合性の検証は、先行詞の特定における最も重要なステップであり、省略してはならない。手順3では挿入された修飾語句を括弧で括り、先行詞と関係詞を直接結びつける。前置詞句、同格表現、副詞句など、先行詞と関係詞の間に挿入された要素を一時的に除外することで、先行詞と関係詞の対応関係を明確にできる。挿入要素の認識には、前置詞(in, of, at, from等)で始まる句、コンマで区切られた同格表現、副詞の存在に注目する。手順4では主語の長大化に対処する。先行詞が文の主語であり、関係詞節が長い場合は、関係詞節全体を括弧で括り、先行詞と主文の述語動詞を直接結びつけることで、文の骨格を復元する。この手順は談話層でさらに発展的に扱うが、統語層の段階でも基本的な対処法を身につけておく必要がある。手順1から手順4を体系的に適用する習慣が定着すれば、先行詞と関係詞が離れた位置にある文であっても、仮定→検証→挿入除外→骨格復元という一貫した処理で正確に先行詞を特定できるようになる。

例1: The flowers in the vase which she bought were beautiful.
→ whichの直前: vase。仮の先行詞: vase → “the vase which she bought”→ 彼女が花瓶を買った?→ 意味は通るが文脈による。“the flowers which she bought”→ 彼女が花を買った。文脈で判断。
→ 判定: 文脈により先行詞はflowersまたはvase。意味的整合性で確定。

例2: A letter from the professor who had supervised my research arrived.
→ whoの直前: professor。先行詞: professor → “the professor who had supervised my research”→ 意味が通る。
→ 主文の骨格: A letter arrived.(from the professor who…は修飾語句)

例3: The results of the experiment which lasted three months surprised everyone.
→ whichの直前: experiment。先行詞: experiment → “the experiment which lasted three months”→ 実験が3か月続いた。意味が通る。
→ 主文の骨格: The results surprised everyone.

例4: The opinion of the committee members who opposed the plan was ignored.
→ whoの直前: members。先行詞: members → “the committee members who opposed the plan”→ 計画に反対した委員たち。意味が通る。
→ 主文の骨格: The opinion was ignored.

以上により、仮の先行詞の設定、意味的整合性の検証、挿入要素の除外、主語長大化への対処という4段階の手順を通じて、関係詞と離れた位置にある先行詞であっても正確に特定することが可能になる。

意味:関係詞が導く節の意味的機能の把握

統語層で関係詞の形態と文中の位置を識別できるようになった学習者が、次に直面するのは「この関係詞節は先行詞をどのように限定しているのか」という問題である。同じ関係代名詞whichを使っていても、制限用法と非制限用法では先行詞に付加する情報の性質が根本的に異なり、この区別を誤ると文意の理解が大きくずれる。意味層では、制限用法と非制限用法の意味的差異を正確に判定し、関係詞の省略条件を理解する能力を確立する。統語層で確立した関係詞の形態的識別と節内構造の分析ができていれば、ここから先に進める。制限用法と非制限用法の意味的差異、関係詞の省略条件と復元手順を扱う。語用層でthatとwhichの使い分けを判断する際、意味層の能力が不可欠となる。

【関連項目】

[基盤 M22-意味]
└ 関係詞節が先行詞の多義性をどのように限定するかを把握する

[基盤 M25-意味]
└ 関係詞節の文脈情報が語義推測にどう役立つかを理解する

[基盤 M35-意味]
└ 関係詞の基本的意味(制限用法・非制限用法の意味的差異)を確認する

1. 制限用法と非制限用法の意味的差異

関係詞節を学ぶ際、「コンマがあれば非制限用法、なければ制限用法」という形式的な判断だけで十分だろうか。実際には、制限用法と非制限用法の意味的な違いが和訳や内容理解の正否を左右する場面が頻繁に生じる。制限用法と非制限用法の意味的差異が把握できていなければ、先行詞が特定のものを指すのか一般的なものを指すのかを判断できず、文意を取り違える結果となる。

制限用法と非制限用法の意味的識別能力によって、以下の能力が確立される。第一に、関係詞節が先行詞を限定(特定)しているのか、補足情報を付加しているだけなのかを正確に判定できるようになる。第二に、制限用法の関係詞節を含む文の和訳において「~する[先行詞]」という形式を適切に使えるようになる。第三に、非制限用法の関係詞節を含む文において、情報の主従関係(どちらが主要な情報か)を正確に把握できるようになる。第四に、固有名詞の後に関係詞節が来た場合、それが非制限用法であることを即座に判断できるようになる。

制限用法と非制限用法の識別能力は、語用層で扱うthatとwhichの使い分け、さらに談話層での長文読解における情報の主従関係の把握に直結する。

1.1. 制限用法と非制限用法の定義と判定

制限用法と非制限用法は「コンマの有無で区別する」と理解されがちである。しかし、この理解はコンマという形式的手がかりのみに依存しており、両用法の意味的本質を捉えていないという点で不正確である。学術的・本質的には、制限用法とは関係詞節が先行詞の指示範囲を限定(どの~かを特定)する機能を持つ用法であり、非制限用法とは先行詞がすでに特定されている状態で補足情報を付け加える用法として定義されるべきものである。この定義が重要なのは、制限用法の関係詞節を削除すると先行詞が特定できなくなる(意味が変わる)のに対し、非制限用法の関係詞節を削除しても先行詞の特定に影響しない(補足情報が失われるだけ)ためであり、この意味的差異が両者の本質的な区別基準となる。和訳においても両者の訳し方は異なり、制限用法は「〜する[先行詞]」と先行詞を修飾する形で訳すのに対し、非制限用法は「[先行詞]、そしてそれは〜である」のように別の情報として訳出するのが原則である。和訳問題でこの区別が曖昧だと、文意に合わない不自然な訳になる。また、先行詞が固有名詞(Shakespeare, Tokyo等)や唯一の存在(my mother, the sun等)の場合、すでに特定されているため制限する必要がなく、必然的に非制限用法となる。この原則を知っていれば、固有名詞の後に関係詞節が来た時点で非制限用法と即断でき、判定の速度が上がる。さらに、制限用法と非制限用法の区別は、文の意味を根本的に変える場合がある。“He has two sons who are doctors.”(制限用法:彼には息子がいて、そのうち医者である息子が2人いる。他にも息子がいる可能性あり)と”He has two sons, who are doctors.”(非制限用法:彼には2人の息子がいて、その2人とも医者である)では、息子の総数に関する含意が異なる。

この原理から、制限用法と非制限用法を判定する具体的な手順が導かれる。手順1では先行詞の特定性を確認する。先行詞が固有名詞(Tokyo, Shakespeareなど)や、既に文脈で特定されている名詞(my brother, the sunなど唯一の存在)であれば非制限用法であり、先行詞が不特定の名詞であれば制限用法の可能性が高い。この確認により、用法の候補を絞り込める。手順2では関係詞節の削除テストを行う。関係詞節を削除して文意が大きく変わる(先行詞が特定できなくなる)場合は制限用法、文意の核心は変わらない(補足情報が失われるだけ)場合は非制限用法と判定することで、用法を確定できる。削除テストでは、「関係詞節がなくても、聞き手が先行詞を特定できるか」を基準に判断する。特定できるなら非制限用法、特定できないなら制限用法である。手順3ではコンマの有無を形式的に確認する。非制限用法にはコンマが付き、制限用法にはコンマが付かないという対応を確認することで、判定の正確性を補強できる。ただし、手順3はあくまで確認手段であり、手順1・2による意味的判断を覆すものではない。手順4では和訳テストを実施する。制限用法として「〜する[先行詞]」と訳した場合と、非制限用法として「[先行詞]は〜だが」と訳した場合のどちらが文脈に合致するかを比較する。この和訳テストは、判定に迷った場合の最終確認手段として有効である。手順1の特定性判断で即断できない場合に、手順2の削除テストと手順4の和訳テストを組み合わせて使うことで、判定の精度を確実に高められる。

例1: The students who passed the exam were happy.
→ 先行詞: students(不特定)。who節を削除→「生徒たちは嬉しかった」(どの生徒か不明、意味が大きく変わる)。
→ 判定: 制限用法(試験に受かった生徒に限定)。和訳:「試験に受かった生徒たちは嬉しかった。」

例2: My brother, who lives in Tokyo, visited me.
→ 先行詞: My brother(特定済み・唯一の存在)。who節を削除→「兄が訪ねてきた」(意味は成立、兄の特定に影響なし)。
→ 判定: 非制限用法(東京在住という補足情報)。和訳:「兄は東京に住んでいるのだが、私を訪ねてきた。」

例3: The book which I bought yesterday was expensive.
→ 先行詞: book(不特定)。which節を削除→「その本は高かった」(どの本か不明、意味が変わる)。
→ 判定: 制限用法(昨日買った本に限定)。和訳:「昨日買った本は高かった。」

例4: Shakespeare, who wrote Hamlet, was born in 1564.
→ 先行詞: Shakespeare(固有名詞→必然的に非制限用法)。who節を削除→「シェイクスピアは1564年に生まれた」(意味は成立)。
→ 判定: 非制限用法(ハムレットを書いたという補足情報)。和訳:「シェイクスピアはハムレットを書いた人物だが、1564年に生まれた。」

以上により、先行詞の特定性と関係詞節の削除テストという2つの基準から、制限用法と非制限用法を意味的に正確に判定することが可能になる。

2. 関係詞の省略条件と復元手順

関係詞の省略を学ぶ際、「目的格の関係代名詞は省略できる」という規則だけで十分だろうか。実際の英文では、関係詞が省略された文が頻出し、省略された関係詞を復元できなければ文の構造を正確に把握できない場面が多い。長文では省略された関係代名詞を見抜けるかどうかが読解の速度と正確性を大きく左右する。

関係詞の省略条件の理解によって、以下の能力が確立される。第一に、関係代名詞が省略可能な条件(目的格であること)を正確に把握できるようになる。第二に、省略された関係代名詞を文の構造から復元できるようになる。第三に、主格の関係代名詞は省略できないという制約を理解し、省略の可否を正確に判定できるようになる。

関係詞の省略条件の理解は、語用層でのthatとwhichの使い分けの判断、さらに談話層での長文読解における構造の迅速な把握に直結する。

2.1. 省略の原理と復元手順

関係代名詞の省略が可能な場合と不可能な場合がある。「省略できるかできないかを覚える」という理解は、なぜ省略可能な場合と不可能な場合があるのかを説明できないという点で不十分である。学術的・本質的には、関係代名詞の省略が可能なのは目的格の場合のみであり、これは目的格の関係代名詞が省略されても節内の主語+動詞の語順から「ここに名詞の欠けがある」ことが構造的に復元可能であるためと定義されるべきものである。主格の関係代名詞が省略できないのは、省略すると節内の主語が失われ、動詞の主語を特定できなくなるためである。具体的に考えると、”The book which I read”からwhichを省略して”The book I read”としても、I readの目的語が欠けているという構造的手がかりから、bookとI readの間に関係代名詞が省略されていることを復元できる。一方、”The book which was interesting”からwhichを省略すると”The book was interesting”となり、これは単なる主文として解釈されてしまい、関係詞節の存在自体が消失する。この構造的復元可能性の有無が、省略の可否を決定する原理的根拠である。さらに注意すべき点として、非制限用法(コンマ付き)の関係代名詞は目的格であっても省略できないという制約がある。”My brother, whom I met yesterday, was happy.”のwhomは目的格だが、省略するとコンマの直後に主語+動詞が来る構造となり、非制限用法であることが判別できなくなるためである。また、前置詞+関係代名詞の構造(in which, to whom等)では、関係代名詞のみを省略することはできない。ただし、前置詞を文末に移動させた場合(which…in → …in)は、関係代名詞の省略が可能となる。”The house in which he lives”は”The house he lives in”のように前置詞を文末に残して関係代名詞を省略できるが、“in he lives”のように前置詞の直後で関係代名詞だけを省略することはできない。関係副詞(where, when, why)も省略が可能な場合があり、特に”the reason (why)”、“the time (when)”、”the place (where)”のように先行詞の意味から関係副詞の種類が明白な場合に省略される。

上記の定義から、省略された関係代名詞を復元する手順が論理的に導出される。手順1では「名詞+主語+動詞」の連続を探す。名詞の直後に別の主語+動詞が現れた場合、その間に目的格の関係代名詞が省略されている可能性がある。この構造パターンの認識により、省略箇所を発見できる。長文ではこのパターンが頻出するため、「名詞の直後にいきなり主語+動詞が続く」という違和感を感じ取れるかどうかが、読解速度を左右する。手順2では省略された関係代名詞を仮に挿入する。名詞と主語+動詞の間にwhich / whom / thatを補い、文の構造が正しくなるか確認することで、省略の有無を確定できる。挿入した関係代名詞が節内の目的語の位置に対応していること(他動詞の目的語や前置詞の目的語が欠けていること)を確認する。手順3では節の範囲を画定する。復元した関係代名詞から節の終わりまでを関係詞節として認定し、主文の構造と分離することで、文全体の骨格を正確に把握できる。節の終了位置は、節内の動詞に対して主語・目的語・補語が揃った時点、またはコンマ・ピリオド・次の接続詞等が出現した時点で判断する。手順4では省略不可のケースを確認する。主格の関係代名詞、非制限用法の関係代名詞、前置詞の直後の関係代名詞は省略不可であり、これらに該当する場合は関係代名詞が省略されているという解釈を棄却する。この検証手順を経ることで、省略の有無の判定精度が向上する。手順1の「名詞+主語+動詞」パターンの認識を自動化することが、長文読解における省略発見の鍵である。このパターンを見た瞬間に「ここに省略がある」と気づける感覚を練習段階で身につけておくと、本番で関係詞省略を見落とすリスクを大幅に減らせる。

例1: The movie I watched last night was exciting.
→ movie(名詞)+ I watched(主語+動詞)→ movieとIの間にwhich/thatが省略。watchedの目的語が欠けている。
→ 復元: The movie [which/that I watched last night] was exciting.
→ 主文の骨格: The movie was exciting.

例2: The person you mentioned called me.
→ person(名詞)+ you mentioned(主語+動詞)→ personとyouの間にwhom/thatが省略。mentionedの目的語が欠けている。
→ 復元: The person [whom/that you mentioned] called me.
→ 主文の骨格: The person called me.

例3: The cake she made was delicious.
→ cake(名詞)+ she made(主語+動詞)→ cakeとsheの間にwhich/thatが省略。madeの目的語が欠けている。
→ 復元: The cake [which/that she made] was delicious.
→ 主文の骨格: The cake was delicious.

例4: The teacher who teaches English is popular. ※省略不可の例
→ who(主格)を省略すると”The teacher teaches English is popular”となり、teachesとisの2つの動詞が並立し、文が成立しない。主格の関係代名詞は省略すると節内の主語が消失するため、復元の手がかりが失われる。
→ 判定: 主格の関係代名詞は省略不可。

4つの例を通じて、関係代名詞の省略を構造的基準から発見・復元し、文の骨格を正確に把握する実践方法が明らかになった。

3. 非制限用法の和訳と情報の主従関係

和訳問題で非制限用法の関係詞節を含む文が出題された場合、制限用法と同じ訳し方をすると不自然な日本語になり、減点の対象となる。非制限用法の関係詞節が伝える情報は補足的な性質を持つため、主文の情報と関係詞節の情報の主従関係を正確に判断したうえで、日本語として自然な訳出を行う必要がある。

非制限用法の和訳能力によって、以下の能力が確立される。第一に、非制限用法の関係詞節を「〜だが」「〜であり」「そしてそれは〜」などの形式で自然に訳出できるようになる。第二に、主文の情報と関係詞節の情報のどちらが主要でどちらが補足かを正確に判断できるようになる。第三に、非制限用法のwhichが前文全体を先行詞とする場合の訳出に対応できるようになる。

非制限用法の和訳能力は、語用層でのthatとwhichの使い分けや、談話層での長文読解における情報構造の把握に直結する。

3.1. 非制限用法の訳出パターンと文全体を受けるwhich

非制限用法の和訳では、文脈に応じた最適な訳出形式を選択する技術が求められる。「制限用法と同じように訳せばよい」という理解は、非制限用法が伝える情報の補足的性質を反映できないという点で不正確である。学術的・本質的には、非制限用法の関係詞節は主文とは独立した情報単位であり、日本語に訳す際には主文と関係詞節を別の節として訳出するのが原則である。この原則が重要なのは、制限用法の「〜する[先行詞]」という訳し方を非制限用法に適用すると、先行詞を限定している印象を与え、原文の意味とずれるためである。特に注意すべきは、非制限用法のwhichが前文全体(または前文の一部)を先行詞とする場合である。”He passed the exam, which surprised everyone.”では、whichの先行詞は”He passed the exam”という事態全体であり、「彼が試験に受かったこと、そしてそのことが皆を驚かせた」と訳す。この用法は和訳問題で頻出するが、whichが名詞ではなく文全体を受けていることに気づかなければ、「試験が皆を驚かせた」のように先行詞を誤認する。文全体を受けるwhichの判定基準は、whichの先行詞として直前の名詞を当てはめたときに意味が通らない場合、前文の事態全体が先行詞である可能性を検討するという手順で行う。非制限用法の訳出では、日本語の語順と英語の語順の違いにも注意が必要である。英語では先行詞の直後に非制限用法の関係詞節が挿入されるが、日本語に訳す場合、挿入位置をそのまま維持すると不自然になることが多い。そのため、関係詞節の内容を主文の前に出す方法(「〜であるが、[先行詞]は…」)や、主文の後に追加する方法(「[先行詞]は…した。なお、[先行詞]は〜である」)など、複数の訳出戦略を使い分ける必要がある。

この原理から、非制限用法を正確に訳出する具体的な手順が導かれる。手順1ではコンマの存在から非制限用法を認識する。コンマ+関係詞(, which / , who / , where / , when)の形式が出現した時点で、非制限用法であると判定し、訳出方法を切り替える。手順2では先行詞が名詞か文全体かを判定する。whichの先行詞として直前の名詞を当てはめて意味が通れば名詞が先行詞、意味が通らなければ前文の事態全体が先行詞と判定することで、先行詞を確定できる。この判定は特にwhichの場合に重要であり、who/whereの場合は先行詞が人/場所であるため判定は容易である。手順3では日本語の訳出パターンを選択する。先行詞が名詞の場合は「[先行詞]は〜だが」「[先行詞]は〜であり」の形式、先行詞が文全体の場合は「〜した。そしてそのことが〜」「〜したが、それは〜」の形式で訳出することで、非制限用法の補足的性質を反映できる。手順4では情報の主従関係を確認する。主文が伝える情報が主要情報であり、非制限用法の関係詞節が伝える情報が補足情報であるという関係を確認し、和訳の中でこの主従関係が反映されているかを検証する。和訳の最終確認では、「日本語として自然に読めるか」という基準も適用し、原文の意味を正確に伝えつつ不自然さのない日本語を目指す。手順2の「先行詞が名詞か文全体か」の判定を瞬時に行えるようになると、長文の和訳問題で非制限用法のwhichに遭遇した際の処理速度が格段に向上する。

例1: Paris, which is the capital of France, attracts millions of tourists.
→ 先行詞: Paris(固有名詞)。which節の情報:「フランスの首都である」(補足情報)。
→ 和訳:「パリはフランスの首都であるが、何百万もの観光客を引きつけている。」

例2: He passed the exam, which surprised everyone.
→ whichの先行詞: 直前の名詞examを当てはめると「試験が皆を驚かせた」→ 不自然。前文の事態”He passed the exam”全体が先行詞。
→ 和訳:「彼は試験に受かった。そしてそのことが皆を驚かせた。」

例3: The museum, where we spent the afternoon, was closing for renovation.
→ 先行詞: museum。where節の情報:「午後を過ごした場所」(補足情報)。
→ 和訳:「その博物館は、私たちが午後を過ごした場所だが、改装のため閉館するところだった。」

例4: She resigned from the committee, which meant that the project lost its strongest advocate.
→ whichの先行詞: 直前の名詞committeeを当てはめると不自然。前文の事態”She resigned from the committee”全体が先行詞。
→ 和訳:「彼女は委員会を辞任した。そしてそのことは、プロジェクトが最も強力な支持者を失ったことを意味した。」

以上により、非制限用法の認識、先行詞の判定(名詞か文全体か)、訳出パターンの選択、情報の主従関係の確認という4段階の手順を通じて、非制限用法を含む英文を正確かつ自然に和訳することが可能になる。

4. 関係副詞の省略と先行詞の省略

関係副詞が省略される場合、および先行詞そのものが省略される場合を正確に把握できなければ、長文で一見すると関係詞が存在しないように見える文の構造を分析できない。関係副詞why、when、whereは特定の条件下で省略が可能であり、さらに先行詞(the place, the time, the reason等)も省略されて関係副詞だけが残る場合や、先行詞と関係副詞の両方が省略される場合がある。

関係副詞の省略と先行詞の省略への対応能力によって、以下の能力が確立される。第一に、関係副詞が省略された文において、省略を認識し関係副詞を復元できるようになる。第二に、先行詞が省略されて関係副詞だけが残った文の構造を正確に把握できるようになる。第三に、“the reason (why)”、“the time (when)”、”the place (where)”のように先行詞と関係副詞の対応関係を正確に認識できるようになる。

関係副詞と先行詞の省略への対応は、語用層での関係詞選択の判断や、談話層での長文読解における構造分析に直結する。

4.1. 関係副詞の省略パターンと復元

関係副詞の省略には固有の原理がある。「関係代名詞の省略と同じもの」という理解は、関係副詞の省略に固有の条件を見落としているという点で不正確である。学術的・本質的には、関係副詞の省略は、先行詞自体が場所・時・理由を表す名詞であるため、関係副詞が伝える情報(場所・時・理由の修飾)が先行詞の意味と重複するという冗長性が省略を許容する根拠となる。たとえば”the reason why he left”では、reasonが理由を意味し、whyも理由を意味するため、情報の重複が生じており、whyを省略しても”the reason he left”で意味が完全に伝わる。この原理は関係代名詞の省略(目的格の構造的復元可能性)とは異なる根拠に基づいている。関係代名詞の省略は「節内の欠けから復元できるかどうか」という構造的基準で決まるが、関係副詞の省略は「先行詞の意味から関係副詞の種類が推定できるかどうか」という意味的基準で決まる。この違いを理解しておくと、省略された語が関係代名詞なのか関係副詞なのかの判定が容易になる。さらに、先行詞そのものが省略される場合もある。”the place where I was born”が”where I was born”となり、先行詞the placeが省略されてwhereだけが残る。この場合、where節は名詞節として機能し、「私が生まれた場所」という意味で主語・目的語・補語の位置に立つ。頻出するのは、“That is why…”(それが〜の理由だ)、“This is where…”(ここが〜の場所だ)、“That was when…”(それが〜の時だ)のように先行詞が省略されて関係副詞が名詞節を導くパターンである。特に”That is why…”は長文で非常に頻繁に出現する構文であり、「それが〜の理由である」→「だから〜なのだ」と訳出する技術が求められる。

この原理から、関係副詞の省略を認識し復元する具体的な手順が導かれる。手順1では先行詞の種類を確認する。先行詞がreason、time/day/moment、place/house/cityなど場所・時・理由を表す名詞であれば、その直後に関係副詞が省略されている可能性がある。この確認により、省略箇所の候補を特定できる。手順2では先行詞の直後の節の構造を分析する。先行詞の直後に主語+動詞が続き、節が完全な文(主語・動詞・目的語が揃っている)であれば、関係副詞(why/when/where)が省略されていると判定できる。もし節内に目的語の欠けがあれば、省略されているのは関係副詞ではなく関係代名詞である。この判定は統語層で習得した関係副詞と関係代名詞の区別基準の応用である。手順3では省略された関係副詞を仮に挿入して検証する。先行詞と節の間にwhy/when/whereを補い、文の意味が自然に通るかを確認することで、省略の有無と種類を確定できる。手順4では先行詞が省略されたケースに対応する。関係副詞(where/when/why)が文頭や動詞の目的語の位置に出現し、直前に先行詞がない場合、先行詞(the place/the time/the reason)が省略されていると判断し、関係副詞節全体を名詞節として処理する。“That is why…”、“This is where…”、”That was when…”の構文を見た瞬間に、先行詞省略のパターンであると認識できることが読解の効率を大きく向上させる。手順2の「節が完全な文か、欠けがあるか」の判定は、関係副詞の省略と関係代名詞の省略を区別する決定的な分岐点であるため、判定を丁寧に行う習慣をつけることが重要である。

例1: The reason he was late was the traffic jam.
→ reason(理由を表す名詞)の直後にhe was late(完全な文)。why が省略。
→ 復元: The reason [why he was late] was the traffic jam.

例2: I remember the day we first met.
→ day(時を表す名詞)の直後にwe first met(完全な文)。when が省略。
→ 復元: I remember the day [when we first met].

例3: This is where I grew up.
→ whereの直前に先行詞なし(isの補語の位置)。先行詞the placeが省略。
→ 復元: This is [the place where I grew up].(「ここが私が育った場所だ。」)

例4: That is why I decided to study abroad.
→ whyの直前に先行詞なし(isの補語の位置)。先行詞the reasonが省略。
→ 復元: That is [the reason why I decided to study abroad].(「それが私が留学を決めた理由だ。」)

以上の適用を通じて、関係副詞の省略と先行詞の省略を構造的・意味的基準から正確に認識し復元する能力を習得できる。

語用:関係詞の使い分けと表現効果の把握

統語層で関係詞の形態的識別を、意味層で制限用法・非制限用法の意味的差異と省略条件を習得した学習者は、次に「この場面ではthatとwhichのどちらを使うべきか」「関係詞を省略してよいか」といった実際の使い分けの判断を求められる。こうした判断を根拠なく行えば、入試の文法問題で安定した得点は望めない。語用層の到達目標は、thatとwhichの選択基準、whoとwhomの使い分け、関係詞の省略可否の判断手順を入試問題の文脈で実践し、根拠を持って解答を選択する能力の確立である。制限用法と非制限用法の意味的差異が頭に入っていれば、ここから先に進める。扱う内容は、thatとwhichの選択基準、whoとwhomの使い分け、関係詞の省略可否の判断手順である。本層で確立した能力は、入試の文法問題において関係詞の適切な選択を即座に判断する場面で発揮される。

【関連項目】

[基盤 M45-語用]
└ 関係詞の省略が文脈理解にどう影響するかを把握する

[基盤 M46-語用]
└ 非制限用法の関係詞節が前提の提示にどう機能するかを確認する

1. thatとwhichの使い分け

関係代名詞の選択を学ぶ際、「thatとwhichは同じ意味」という理解だけで十分だろうか。実際の入試問題では、thatのみが適切な場合やwhichのみが適切な場合が明確に区別されて出題される。thatとwhichの使い分けの原則を把握していなければ、文法問題で根拠を持って解答を選択することができない。

thatとwhichの使い分けの能力によって、以下の能力が確立される。第一に、thatが優先的に使われる条件(先行詞にall, every, the only, 最上級等が含まれる場合)を正確に把握できるようになる。第二に、非制限用法ではthatが使えないという制約を理解し、コンマ付きの関係詞節ではwhichを選択できるようになる。第三に、前置詞の後にはthatが使えないという制約を把握し、「前置詞+which」の形を正確に選択できるようになる。第四に、これらの条件を階層的に適用して4択問題の選択肢を効率的に絞り込めるようになる。

thatとwhichの使い分けの能力は、談話層で関係詞節を含む複雑な文を読解する際の構造把握に直結する。

1.1. thatが優先される条件とwhichが必須な条件

一般にthatとwhichは「どちらを使っても同じ」と理解されがちである。しかし、この理解はthatのみが適切な場合とwhichのみが適切な場合が存在するという事実を無視しているという点で不正確である。学術的・本質的には、thatは制限用法専用の関係代名詞であり、先行詞の限定が強調される文脈で優先的に選択される語として定義されるべきものである。一方、whichは制限用法と非制限用法の両方で使用可能であるが、非制限用法と前置詞の直後ではwhichのみが許容される。この使い分けの原則が重要なのは、入試では両者が区別されて出題されるためである。thatが優先される条件を具体的に列挙すると、先行詞にall, every, any, no, the only, the very, the same, 最上級(the best, the most等)、序数詞(the first, the last等)が付いている場合である。これらの語はいずれも先行詞の限定を強める機能を持ち、限定の強調という点でthatの性格と合致するため、thatが選ばれる。逆に、whichが必須となる条件は2つあり、非制限用法(コンマ付き)の場合と前置詞の直後に関係代名詞を置く場合(in which, at which, for which等)である。前置詞の直後にthatを置くことは英語の文法規則として不適格であり、”in that”は「〜という点で」という別の表現として解釈される。thatが優先される条件とwhichが必須となる条件は互いに排他的であるため、両者の条件を順に確認していけば、常にどちらか一方を選択できる。先行詞が人以外でall等の修飾語が付いている場合はthat、コンマ付きまたは前置詞直後であればwhich、どちらの条件にも該当しなければthatとwhichのいずれも文法的に可能である。

この原理から、thatとwhichを選択する具体的な手順が導かれる。手順1ではコンマの有無を確認する。コンマがあれば非制限用法であり、which一択と確定できる。この段階でthatを排除できるため、最初に確認すべき条件である。入試の4択問題では、コンマの有無を確認するだけで選択肢を半分に絞り込める場合が多い。手順2では前置詞の直後かどうかを確認する。前置詞の直後であればwhich一択(in which, at which等)と確定することで、thatの不可を判定できる。なお、口語では”the house that I live in”のように前置詞を文末に残してthatを使う形も可能だが、”in that I live”のように前置詞の直後にthatを置くことは不可である。この口語的用法と正式な用法の区別を入試で問われることがあるため、前置詞の位置に注意する。手順3では先行詞の修飾語を確認する。先行詞にall, every, any, no, the only, the very, the same, 最上級, 序数詞が付いていればthatが優先されるため、thatを選択できる。これらの修飾語は先行詞の指示範囲を極度に限定する機能を持っており、限定の強調がthat優先の根拠となる。さらに、先行詞が「人+もの」の組み合わせ(“the man and the dog that…”)の場合もthatが優先される。これは、whoとwhichのいずれか一方では人ともの両方をカバーできないため、両方に使えるthatが選ばれるという合理的な理由に基づく。手順4では上記のいずれの条件にも該当しない場合の処理を行う。制限用法でコンマなし・前置詞直後でなく・特定の修飾語もない場合、thatとwhichのどちらも文法的には正しいが、口語的な文体ではthatが、フォーマルな文体ではwhichが好まれる傾向がある。入試の空所補充問題では、他の選択肢との比較で判断する。選択肢にthatとwhichの両方がある場合は、先行詞の修飾語に着目し、優先条件に該当すればthat、該当しなければ他の手がかり(文体・前後の構造)で判断する。この4段階の手順を機械的に適用できるようになれば、thatとwhichの選択で迷うことがなくなる。

例1: This is the best movie that I have ever seen.
→ 先行詞: best movie(最上級)。コンマなし。前置詞なし。
→ 判定: thatが優先(最上級の先行詞)。

例2: Tokyo, which is the capital of Japan, has a large population.
→ コンマあり → 非制限用法。
→ 判定: which必須(非制限用法ではthat不可)。

例3: The house in which he lives is very old.
→ 前置詞inの直後。
→ 判定: which必須(前置詞の直後ではthat不可)。

例4: All the books that she recommended were useful.
→ 先行詞: All the books(allが付く)。コンマなし。前置詞なし。
→ 判定: thatが優先(allを含む先行詞)。

以上により、コンマの有無・前置詞の位置・先行詞の修飾語という3つの基準から、thatとwhichを正確に使い分けることが可能になる。

2. whoとwhomの使い分け

関係代名詞のwhoとwhomの使い分けを学ぶ際、「whoは主格、whomは目的格」という分類だけで十分だろうか。実際の入試では、whomを使うべき場面でwhoを使った場合に誤りとなるか否か、前置詞の直後でのwhomの必須性、whomever等の派生形の処理など、whoとwhomの区別が直接的に問われる場面がある。特に、現代英語では口語でwhoがwhomの代わりに使われる傾向が強まっているが、入試の文法問題ではwhomの使用が正式な形として問われるため、両者の統語的区別を正確に把握しておく必要がある。

whoとwhomの使い分けの能力によって、以下の能力が確立される。第一に、関係詞節内での文法的機能(主語か目的語か)からwhoとwhomを正確に選択できるようになる。第二に、前置詞の直後ではwhomが必須であるという制約を把握できるようになる。第三に、入試の正誤判定問題でwhoとwhomの混同を指摘できるようになる。

whoとwhomの使い分けは、談話層での長文読解における関係詞節の正確な構造分析に直結する。

2.1. whoとwhomの統語的判定基準

whoとwhomの区別には、節内の構造分析という統語的基準が不可欠である。「どちらでも通じる」という理解は、フォーマルな英語、とりわけ入試の文法問題において両者が明確に区別されるという事実を見落としている点で不正確である。学術的・本質的には、whoは関係詞節内で主語として機能する主格の関係代名詞であり、whomは関係詞節内で目的語として機能する目的格の関係代名詞として定義されるべきものである。この区別が重要なのは、前置詞の直後ではwhomのみが許容され(to whom, with whom, for whom等)、whoを置くことは文法的に不適格とされるためである。入試では、“The man to who I spoke”(誤り)と”The man to whom I spoke”(正しい)の区別が正誤判定問題として出題される。

この原理から、whoとwhomを正確に選択する具体的な手順が導かれる。手順1では前置詞の直後かどうかを確認する。前置詞の直後であればwhom一択と確定する。to whom, with whom, for whom, by whom, of whomなどの形式である。この段階でwhomを確定できるため、最初に確認する。手順2では関係詞節内の構造を分析する。関係詞の直後に動詞が続き、その関係詞が動詞の主語として機能していればwho、関係詞の直後に主語+動詞が続き、その関係詞が動詞の目的語として機能していればwhomと判定する。この判定は統語層で習得した「主語の欠け→主格、目的語の欠け→目的格」の原則の適用である。手順3では挿入節の有無を確認する。関係詞の直後に”I think”“he believed””she said”などの短い挿入節がある場合、それを括弧で括って除外したうえで、関係詞の節内での機能を判定する。”who (I think) is the best”ではwhoはisの主語であるため主格のwhoが正しい。これを「I thinkの目的語」と誤認してwhomを選ぶのはよくある誤りである。挿入節の判定基準は、短い主語+動詞の後にさらに定形動詞が続いているかどうかである。続いていれば挿入節、続いていなければ主節の一部である。挿入節を含む構文は入試で出題頻度が高く、正誤判定問題や空所補充問題の定番である。”The candidate who I believe is the best”と”The candidate whom I believe to be the best”を比較すると、前者ではwhoがisの主語であり主格、後者ではwhomがbelieveの目的語であり目的格という違いがある。不定詞構文(believe O to be C)の有無が判定の分かれ目となる。手順4では口語的用法との区別を行う。口語では”Who did you meet?”のようにwhomの代わりにwhoが使われるが、入試のフォーマルな文法問題では”Whom did you meet?”が正しいとされる。入試での解答ではwhomを選択するのが安全である。さらに、入試では”whoever”と”whomever”の区別が問われることもある。”Give it to whoever needs it.”では、whoever節全体がtoの目的語として機能しているが、whoever自体はneeds itの主語であるため、主格のwhoeverが正しい。前置詞の後だからといってwhomeverを選ぶと誤りとなる。この判断では、前置詞の目的語は節全体であり、関係詞自体の格は節内での機能で決まるという原則を適用する。

例1: The professor to whom I wrote a letter replied quickly.
→ 前置詞toの直後 → whom一択。
→ 判定: whom(前置詞の直後)。

例2: The doctor who examined me was very thorough.
→ whoの直後: examined(動詞)→ whoがexaminedの主語として機能。
→ 判定: who(主格)。

例3: The candidate who I believe is the best should be elected.
→ “I believe”は挿入節。括弧で除外: who (I believe) is the best → whoがisの主語。
→ 判定: who(主格)。※whomと誤認しやすい典型例。

例4: The woman whom he had been searching for was found.
→ whomの後: he had been searching for → searching forの目的語が欠け → whomが目的語として機能。
→ 判定: whom(目的格)。前置詞forの目的語。

これらの例が示す通り、前置詞の直後の確認、節内の構造分析、挿入節の除外という3段階の手順から、whoとwhomを正確に使い分ける能力が確立される。

3. 入試で問われる関係詞選択の総合判断

入試の文法問題で関係詞の選択が問われる場合、単一の基準だけでは正解に到達できない問題が出題される。先行詞の種類、関係詞の格、制限用法と非制限用法の区別、thatの優先条件、前置詞の位置、省略の可否といった複数の基準を統合的に適用して、最も適切な関係詞を選択する能力が求められる。

関係詞選択の総合判断能力によって、以下の能力が確立される。第一に、複数の判断基準を体系的な順序で適用し、選択肢を効率的に絞り込めるようになる。第二に、誤答選択肢がなぜ誤りであるかを文法的根拠に基づいて説明できるようになる。第三に、判断に迷った場合の優先順位(コンマの有無→前置詞→先行詞の種類→格の順)を自動的に適用できるようになる。第四に、入試本番の制限時間内で、1問あたり30秒程度で関係詞の選択を完了できるようになる。

関係詞選択の総合判断能力は、談話層での長文読解において関係詞節を含む文を正確に分析する実践的基盤となる。

3.1. 統合的判断手順と入試問題への適用

関係詞の選択を体系的に処理するには、複数の判断基準を階層的に適用する手順が必要である。「先行詞が人ならwho、ものならwhich」という理解は、格の区別、thatの優先条件、前置詞との共起制約、用法の区別といった複数の判断基準を無視しているという点で不正確である。学術的・本質的には、関係詞の選択は「用法(制限か非制限か)→前置詞の有無→先行詞の種類→格の判定→thatの優先条件」という階層的な判断プロセスとして体系化されるべきものである。この体系化が重要なのは、入試問題では複数の基準が同時に関わる問題が出題され、基準を一つずつ階層的に適用することで誤選択を防げるためである。

この原理から、関係詞を総合的に選択する具体的な手順が導かれる。手順1ではコンマの有無を確認する。コンマがあれば非制限用法であり、thatは不可。先行詞が人ならwho/whom/whose、人以外ならwhichに絞り込める。この手順で選択肢の半数を排除できることが多く、判断の効率を大きく高める。手順2では前置詞の直後かどうかを確認する。前置詞の直後であれば、先行詞が人ならwhom、人以外ならwhichに確定する。thatは前置詞の直後では不可。手順3では先行詞の種類を確認する。先行詞が人であればwho/whom/whose/that、人以外であればwhich/whose/thatが候補となる。先行詞が不定代名詞(anything, nothing, everything, something等)の場合は、thatが強く優先される。不定代名詞は「すべて」「何も」といった包括的・限定的な意味を持つため、限定を強調するthatとの親和性が高い。手順4では関係詞節内の構造から格を判定する。主語の欠け→主格(who/which/that)、目的語の欠け→目的格(whom/which/that)、直後に名詞→所有格(whose)。この判定で候補がさらに絞り込まれる。手順5ではthatの優先条件を確認する。先行詞にall, every, the only, 最上級, 序数詞等が付いていれば、thatを優先的に選択する。また、先行詞が「人+もの」の組み合わせ(“the man and the dog that…”)の場合もthatが優先される。手順5まで到達してもthatとwhichの両方が残っている場合は、文体や前後の文脈から判断する。この5段階の手順を機械的に適用できるようになれば、どのような関係詞選択問題にも対応可能である。入試の空所補充問題だけでなく、正誤判定問題や整序問題にも応用できる汎用性がこの手順の利点である。

例1: This is the very book ( ) I have been looking for.
→ 手順1: コンマなし→制限用法。手順2: 前置詞forは文末にあり、空所の直後ではない。手順3: 先行詞book(人以外)→ which/that。手順4: I have been looking for ___(forの目的語が欠け)→目的格。手順5: 先行詞にthe veryが付く→thatが優先。
→ 判定: that。

例2: The scientist, ( ) research was groundbreaking, received an award.
→ 手順1: コンマあり→非制限用法→that不可。手順2: 前置詞の直後ではない。手順3: 先行詞scientist(人)。手順4: 空所の直後がresearch(名詞)→所有格→whose。
→ 判定: whose。

例3: The colleague with ( ) she collaborated is now retired.
→ 手順1: コンマなし→制限用法。手順2: 前置詞withの直後→that不可。手順3: 先行詞colleague(人)→whom。手順4: 前置詞の目的語→目的格→whom。
→ 判定: whom。

例4: There is nothing ( ) can be done about it.
→ 手順1: コンマなし→制限用法。手順2: 前置詞の直後ではない。手順3: 先行詞nothing(不定代名詞)→thatが優先。手順4: can be doneの主語が欠け→主格。手順5: 先行詞がnothing→thatが優先。
→ 判定: that。

以上により、用法の判定→前置詞の確認→先行詞の種類→格の判定→thatの優先条件という5段階の階層的判断を通じて、入試のどのような関係詞選択問題にも体系的に対応することが可能になる。

談話:関係詞節を含む文の読解への統合

ここまでの3つの層で、関係詞の形態的識別(統語層)、意味的機能の把握(意味層)、使い分けの判断基準(語用層)を確立してきた。長文読解の現場では、これらの個別技術を瞬時に組み合わせて運用しなければならない。談話層の到達目標は、関係詞節を含む複雑な英文を長文読解の中で迅速かつ正確に処理する能力の確立である。thatとwhichの使い分け、制限用法と非制限用法の意味的差異、省略された関係代名詞の復元ができていれば、ここから先に進める。扱う内容は、関係詞節の範囲画定と主文の骨格把握、関係詞節の入れ子構造の処理、関係詞節の情報構造上の機能である。本層で確立した能力は、入試の長文読解において関係詞節を含む複雑な文を正確に読解する場面で発揮される。

【関連項目】

[基盤 M52-談話]
└ 関係詞による照応が文章の結束性にどう寄与するかを確認する

[基盤 M55-談話]
└ 要約における関係詞節の取捨選択の基準を理解する

1. 関係詞節の範囲画定と読解速度の向上

関係詞節を含む文を読む際、「関係詞が出てきたら節がどこまで続くかを正確に見極める」能力がなければ、文の主語と動詞の対応を見失い、読解が破綻する。入試の長文では、関係詞節が長くなったり、関係詞が省略されたりする場面が頻繁にあり、節の範囲を瞬時に画定する技術が読解速度を決定する。

関係詞節の範囲画定能力によって、以下の能力が確立される。第一に、関係詞節がどこで終わるかを構造的基準から即座に判定できるようになる。第二に、主文の動詞と関係詞節内の動詞を混同せず、文の骨格を正確に把握できるようになる。第三に、関係詞節が長い場合でも、先行詞と主文の述語を正しく結びつけて読解できるようになる。

関係詞節の範囲画定能力は、入試長文の読解速度と正確性を直接的に向上させる実践的能力である。

1.1. 範囲画定の手順と入れ子構造の処理

関係詞節の範囲画定とは何か。「関係詞が出てきたら修飾している名詞を見つける」という回答は、関係詞節が長文化した場合や入れ子構造(関係詞節の中にさらに別の節が含まれる場合)への対処を説明できない。関係詞節の範囲画定の本質は、関係詞の出現位置から節の終了位置までを構造的に確定し、その区間を一時的に括弧で括ることで主文の骨格を透視する技術にある。この技術が重要なのは、入試の長文では関係詞節が10語以上に及ぶことがあり、節の範囲を見誤ると主文の主語と動詞の対応を完全に見失うためである。

この原理から、関係詞節の範囲を画定する具体的な手順が導かれる。手順1では関係詞の出現位置を特定する。関係代名詞・関係副詞が出現した位置を起点として、ここから関係詞節が始まることを認識することで、読解の切り替えができる。省略された関係詞の場合は、「名詞+主語+動詞」の連続から省略位置を特定する。入試の長文ではこのパターンが頻出するため、「名詞の直後にいきなり主語+動詞が続く」という違和感を感じ取れるかどうかが、読解速度を左右する。手順2では節の終了位置を見つける。関係詞節内の動詞に対して主語・目的語・補語が揃った時点(文が完結した時点)、またはコンマ・ピリオド・次の主文の動詞が出現した時点が節の終了位置であり、この位置を特定することで節の範囲を確定できる。関係詞節の終了を示す最も確実な手がかりは、「もう一つの定形動詞(主文の述語動詞)の出現」である。英語では一つの節に定形動詞は原則として一つであるため、関係詞節内の動詞とは別の定形動詞が出現した時点で、関係詞節が終了していると判断できる。手順3では入れ子構造に対処する。関係詞節の中にさらに別の関係詞節や名詞節が含まれている場合、内側の節を先に括弧で括り、次に外側の節を括弧で括るという手順で処理する。内側の節の認識には、関係詞節内にさらに別の関係詞や接続詞thatが出現しているかどうかを確認する。入れ子構造では定形動詞が複数出現するため、どの動詞がどの節に属するかの対応を慎重に追跡する必要がある。手順4では主文の骨格を復元する。全ての関係詞節を括弧で括り、先行詞と主文の動詞を直接結びつけることで、文全体の骨格を把握できる。骨格の復元後、「主語+動詞+目的語/補語」の組み合わせが意味的に自然であるかを確認し、範囲画定の正確性を検証する。この検証は、特に主語の位置に長い関係詞節が付いた文で重要であり、主語と述語動詞の間が大きく離れる場合に骨格の復元なしには文の構造を把握できない。

例1: The report [which the committee submitted last month] contained errors.
→ 関係詞: which(submitの目的語)。節の範囲: which〜month。定形動詞submittedの後に新たな定形動詞containedが出現→ここで節が終了。
→ 主文の骨格: The report contained errors.

例2: The student [who had been studying at the library for three hours] finally went home.
→ 関係詞: who(had been studyingの主語)。節の範囲: who〜hours。定形動詞had been studyingの後にwentが出現→ここで節が終了。
→ 主文の骨格: The student finally went home.

例3: The building [where my father [who is an architect] works] is near the station.
→ 入れ子構造: where節の中にwho節がある。内側から処理: who節の範囲: who〜architect。次にwhere節の範囲: where〜works。定形動詞worksの後にisが出現→where節終了。
→ 主文の骨格: The building is near the station.

例4: The novel she recommended to me was written by an author I had never heard of.
→ 省略された関係詞が2箇所。novel + she recommended(省略位置1)。author + I had never heard of(省略位置2)。
→ 復元: The novel [which/that she recommended to me] was written by an author [whom/that I had never heard of].
→ 主文の骨格: The novel was written by an author.

以上により、関係詞節の出現位置の認識、節の終了位置の特定、入れ子構造の処理、主文の骨格の復元という4段階の処理を通じて、関係詞節を含むどのような複雑な英文でも正確に読解することが可能になる。

2. 関係詞節の情報構造と読解戦略

長文読解において、関係詞節が文全体の中でどのような情報的役割を果たしているかを把握できなければ、筆者の主張と補足情報の区別がつかず、論旨の追跡に失敗する。関係詞節が伝える情報は、制限用法であれば先行詞の特定に不可欠な情報であり、非制限用法であれば付加的な補足情報である。この区別を読解戦略に組み込むことで、長文中の情報の重要度を瞬時に判断できるようになる。

関係詞節の情報構造の把握能力によって、以下の能力が確立される。第一に、長文中で主要情報と補足情報を関係詞節の用法から区別できるようになる。第二に、制限用法の関係詞節を含む文では関係詞節の内容が論旨の理解に不可欠であると判断し、精読できるようになる。第三に、非制限用法の関係詞節を含む文では、関係詞節の内容を一旦保留して主文の論旨を追跡するという読解戦略を適用できるようになる。

関係詞節の情報構造の把握は、入試長文の論旨追跡と設問への正確な対応に直結する。

2.1. 情報の重要度判定と読解速度の最適化

関係詞節は文中の情報に階層構造を作り出す装置である。長文読解における関係詞節の扱いは「全ての関係詞節を同じ精度で読む」と理解されがちであるが、この理解は制限用法と非制限用法で情報の重要度が異なるという事実を読解戦略に反映できていないという点で不正確である。学術的・本質的には、制限用法の関係詞節は先行詞の指示対象を確定するために不可欠な情報を含むため精読の対象であり、非制限用法の関係詞節は補足的な情報を含むため初読時には保留し、設問で問われた場合に精読するという読解戦略が合理的であると定義されるべきものである。この戦略が重要なのは、入試の長文読解では限られた時間内で情報の取捨選択を行う必要があり、全ての関係詞節を同じ精度で読んでいては時間が不足するためである。

この原理から、関係詞節の情報構造を活用した読解戦略の具体的な手順が導かれる。手順1では関係詞節の用法を判定する。コンマの有無と先行詞の特定性から制限用法か非制限用法かを判定し、情報の重要度レベルを設定する。制限用法であれば「精読必須」、非制限用法であれば「初読時は概要把握、必要時に精読」とする。長文読解中はコンマの有無を最初の手がかりとして利用するのが最も効率的であり、コンマがあれば非制限用法→補足情報→概要把握、コンマがなければ制限用法→必須情報→精読、という即時判断が可能になる。手順2では制限用法の関係詞節を精読する。制限用法の関係詞節は先行詞を特定する情報を含むため、節の内容を正確に読み取ることで、先行詞が「どの〜か」を確定する。この情報が不正確だと、後続の議論で先行詞の指示対象を見失う。制限用法の関係詞節は主文の論旨の理解に直接関与するため、読み飛ばすことは許されない。手順3では非制限用法の関係詞節の概要を把握する。非制限用法の関係詞節が伝える情報の種類(先行詞の属性・背景情報・筆者の評価・前文全体へのコメント)を認識し、主文の論旨追跡に必要な情報かどうかを判断する。筆者の評価を含む非制限用法(“, which suggests…”、”, which indicates…“等)は論旨の理解に関わる可能性が高いため、注意して読む必要がある。一方、先行詞の背景情報を付加するだけの非制限用法(”, who is 85 years old,”等)は、初読時には概要把握で十分な場合が多い。手順4では設問との対応を確認する。選択肢や設問が関係詞節の内容に関わる場合は、該当する関係詞節に戻って精読する。入試では非制限用法の関係詞節の内容を問う設問が出題されることがあり、初読時の概要把握が不十分だと該当箇所を見つけるのに時間がかかる。このため、初読時に非制限用法の関係詞節の位置と概要をメンタルマップとして記憶しておくことが有効である。このメンタルマップは「何ページ目の何行目あたりに、どんな補足情報があったか」という程度の記憶で十分であり、設問で該当箇所を問われた際にすぐ戻れることが目的である。

例1: The policy that the government introduced last year has reduced unemployment.
→ 制限用法(コンマなし、先行詞policyが不特定)。「政府が昨年導入した政策」→ 精読必須。どの政策かを特定する情報。

例2: The Prime Minister, who has been in office for three years, announced new measures.
→ 非制限用法(コンマあり、先行詞Prime Ministerは特定済み)。「3年間在任している」→ 補足情報。初読時は概要把握で十分。

例3: The company invested heavily in renewable energy, which led to a significant increase in profits.
→ 非制限用法のwhichが前文全体を受ける。「そしてそのことが利益の大幅増加につながった」→ 結果を示す情報であり、論旨の追跡に関わる可能性がある。設問で問われる可能性が高い。

例4: Scientists who study climate change warn that temperatures will continue to rise.
→ 制限用法(コンマなし、先行詞Scientistsが不特定)。「気候変動を研究する科学者たち」→ 精読必須。「全ての科学者」ではなく「気候変動を研究する科学者」に限定されていることが論旨の理解に関わる。

以上の適用を通じて、関係詞節の用法判定と情報の重要度判定を読解戦略に統合し、限られた時間内で効率的かつ正確に長文を読解する能力を習得できる。

3. 複数の関係詞節を含む長文の構造分析

入試の長文では、一つの文に複数の関係詞節が含まれる場合がある。省略された関係代名詞、非制限用法のwhich、入れ子構造の関係詞節が混在する文では、統語層・意味層・語用層で習得した個別の技術を統合的に運用しなければ、文の構造を正確に分析できない。

複数の関係詞節を含む文の構造分析能力によって、以下の能力が確立される。第一に、一つの文に含まれる複数の関係詞節をそれぞれ正確に画定し、主文の骨格を復元できるようになる。第二に、省略された関係詞と明示された関係詞が混在する文を処理できるようになる。第三に、制限用法と非制限用法が同一文内に共存する場合の情報の主従関係を正確に判断できるようになる。

複数の関係詞節を含む文の構造分析は、入試の長文読解における最も高度な読解技術の一つであり、本モジュールで習得する能力の総合的な到達点である。

3.1. 統合的構造分析の手順

複数の関係詞節を含む文の分析には、体系的な手順が不可欠である。「複雑な文は意味で何となく理解すればよい」という理解は、構造的分析を省略しているため、微妙な意味の違いを取り違えたり、設問の選択肢で誤った判断をしたりする原因となるという点で不正確である。学術的・本質的には、複数の関係詞節を含む文の構造分析とは、文中の全ての関係詞節を一つずつ特定・画定し、それぞれの先行詞・用法・格を判定したうえで、関係詞節を全て括弧で括って主文の骨格を復元するという体系的なプロセスとして定義されるべきものである。このプロセスが重要なのは、入試では設問が主文の内容を問う場合と関係詞節の内容を問う場合があり、両者を正確に区別できなければ正解に到達できないためである。

上記の定義から、複数の関係詞節を含む文を統合的に分析する手順が論理的に導出される。手順1では文全体をスキャンし、関係詞の出現箇所を全て特定する。明示された関係詞(who, which, that, where, when等)だけでなく、「名詞+主語+動詞」の連続から省略された関係詞の位置も特定する。この段階で、文中にいくつの関係詞節が存在するかを把握する。複数の関係詞節がある文は一見圧倒的に複雑に見えるが、各関係詞節を個別に処理すれば、それぞれは統語層で習得した基本的な識別手順の適用にすぎない。手順2では各関係詞節の範囲を画定する。入れ子構造がある場合は内側の節から先に画定する。各節の終了位置は、節内の動詞に対する要素の充足、または次の定形動詞の出現で判断する。手順3では各関係詞節の先行詞・用法・格を判定する。コンマの有無で制限用法/非制限用法を判定し、先行詞の種類と節内構造から関係詞の種類と格を確定する。非制限用法のwhichが前文全体を受ける場合も確認する。この段階で、各関係詞節が伝える情報の性質(限定情報か補足情報か)も把握する。手順4では全ての関係詞節を括弧で括り、主文の骨格を復元する。主文の主語+動詞+目的語/補語を抽出し、文全体の意味を確認する。複数の関係詞節がある文では、主文の骨格が驚くほどシンプルであることが多い。骨格を把握したうえで、各関係詞節の情報を付加していくことで、文全体の意味を正確かつ効率的に理解できる。この手順は入試本番では頭の中で瞬時に行う必要があるが、練習段階では文に括弧を書き込みながら丁寧に処理することで、手順を内面化できる。

例1: The theory [the scientist proposed] at the conference, [which attracted international attention], was based on data [she had collected] over a period of ten years.
→ 関係詞節1: the scientist proposed(省略されたwhich/that、目的格、制限用法)→ 先行詞: theory。
→ 関係詞節2: which attracted international attention(明示されたwhich、主格、非制限用法)→ 先行詞: conference(または前文全体の出来事)。
→ 関係詞節3: she had collected(省略されたwhich/that、目的格、制限用法)→ 先行詞: data。
→ 主文の骨格: The theory was based on data.

例2: The colleagues [who reviewed her work] praised the methodology, but the conclusions, [which some researchers found controversial], require further investigation.
→ 関係詞節1: who reviewed her work(明示されたwho、主格、制限用法)→ 先行詞: colleagues。
→ 関係詞節2: which some researchers found controversial(明示されたwhich、目的格、非制限用法)→ 先行詞: conclusions。
→ 主文の骨格: The colleagues praised the methodology, but the conclusions require further investigation.

例3: The author [whose novel I read last summer], [who also writes screenplays], has announced a new project.
→ 関係詞節1: whose novel I read last summer(whose、所有格、制限用法)→ 先行詞: author。
→ 関係詞節2: who also writes screenplays(who、主格、非制限用法)→ 先行詞: author。
→ 主文の骨格: The author has announced a new project.

例4: The decision [they made] affected the employees [who had been with the company for over ten years], [which caused widespread dissatisfaction].
→ 関係詞節1: they made(省略されたwhich/that、目的格、制限用法)→ 先行詞: decision。
→ 関係詞節2: who had been with the company for over ten years(who、主格、制限用法)→ 先行詞: employees。
→ 関係詞節3: which caused widespread dissatisfaction(which、主格、非制限用法)→ 先行詞: 前文の事態全体。
→ 主文の骨格: The decision affected the employees.

以上により、関係詞の全数特定、各節の範囲画定、先行詞・用法・格の判定、主文の骨格復元という4段階の統合的分析を通じて、複数の関係詞節が混在するどのような複雑な英文でも正確に読解することが可能になる。

このモジュールのまとめ

このモジュールでは、関係代名詞と関係副詞の形態的特徴を正確に把握するという統語層の理解から出発し、意味層における制限用法と非制限用法の意味的差異の判定、語用層におけるthatとwhichの使い分け基準の確立、談話層における関係詞節を含む複雑な文の読解技術の習得という4つの層を体系的に学習した。これらの層は相互に関連しており、統語層の形態的識別が意味層の用法判定を可能にし、意味層の用法理解が語用層の使い分け判断を支え、語用層の判断基準が談話層の実践的読解を実現するという階層的な関係にある。

統語層では、関係代名詞の種類と格変化(who / whom / whose / which / that)、thatの多機能性(関係代名詞・接続詞・指示代名詞の区別)、関係副詞(where / when / why / how)と関係代名詞の構造的区別、関係詞と疑問詞の識別、whoseの所有格体系、先行詞と関係詞の間に挿入がある場合の処理という6つの側面から、関係詞の形態的識別能力を確立した。先行詞の種類と節内の文法的機能の2軸による体系的な分類基準を習得し、同一形態の語(who, which, that等)が関係詞・疑問詞・接続詞のいずれとして機能しているかを文の構造から判定する技術を身につけた。

意味層では、制限用法と非制限用法の意味的差異、関係詞の省略条件と復元手順、非制限用法の和訳と情報の主従関係、関係副詞の省略と先行詞の省略という4つの側面から、関係詞節の意味的機能の把握能力を確立した。制限用法が先行詞の指示範囲を限定する機能を持ち、非制限用法が補足情報を付加する機能を持つという本質的な違いを理解し、先行詞の特定性と削除テストによる判定手順を習得した。また、目的格の関係代名詞のみが省略可能である理由を構造的に理解し、「名詞+主語+動詞」の連続から省略された関係詞を復元する技術を身につけた。

語用層では、thatとwhichの選択基準、whoとwhomの使い分け、入試で問われる関係詞選択の総合判断という3つの側面から、関係詞の実践的な使い分け能力を確立した。非制限用法ではwhich必須、前置詞の直後ではwhom / which必須、最上級・all・every・the onlyなどが付く先行詞ではthat優先という原則を習得し、用法→前置詞→先行詞の種類→格→thatの優先条件という階層的な判断手順を体系化した。入試の文法問題で根拠を持って解答を選択する力を身につけた。

談話層では、関係詞節の範囲画定と入れ子構造の処理、関係詞節の情報構造と読解戦略、複数の関係詞節を含む長文の構造分析という3つの側面から、長文読解における関係詞節の実践的処理能力を確立した。関係詞の出現位置の認識、節の終了位置の特定、主文の骨格の復元という3段階の処理手順を習得し、制限用法と非制限用法の情報の重要度の違いを読解戦略に統合する技術を身につけた。

これらの能力を統合することで、関係詞を含む文の構造を正確に分析し、文法問題での関係詞の選択を根拠を持って判断し、長文読解で関係詞節を含む複雑な文を迅速に処理することが可能になる。このモジュールで確立した関係詞の形態的識別・意味的判定・使い分け判断・読解統合の技術は、後続の基礎体系モジュールで学ぶ複合関係詞(whatever, whoever等)、二重限定、自由関係節、関係詞の非標準的用法といった高度な関係詞運用の基盤となる。

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