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組合せの応用:組分け問題と図形問題へのアプローチ
基本的な組合せ (nCr) の計算に慣れたら、次はその応用問題に挑戦しましょう。ここでは、組合せの応用として特によく出題される「組分け問題」と「図形問題」に焦点を当てて解説します。組分け問題では、人や物をいくつかのグループに分ける方法を考えますが、「組に区別があるかないか」が重要なポイントになります。図形問題では、点、直線、多角形などの図形的要素の個数を組合せを使って数え上げます。
第1章:組分け問題の基本パターン
「組分け」とは、いくつかの要素をいくつかのグループ(組)に分けることです。このタイプの問題では、条件設定によって考え方が変わるため、パターンを整理して理解することが重要です。
1. 組分けとは? – 物や人をグループに分ける
- 与えられた n 個の異なる要素を、指定された条件に従っていくつかのグループに分ける場合の数を求める問題です。
- 重要な確認事項:
- 分けるグループ(組)に名前や区別があるか (例: A組, B組, C組 vs 単に3つの組)?
- 各グループの人数(要素数)は指定されているか?
- 指定されている場合、同じ人数のグループが複数あるか?
2. パターン1:各組の人数が指定され、組に区別がある場合
- 状況: n 個のものを、p 人、q 人、r 人 (p+q+r=n) のグループ A, B, C に分けるなど、組に明確な区別(名前や役割)がある場合。
- 考え方:
- まず、n 個からグループ A に入る p 人を選ぶ (nCp 通り)。
- 次に、残りの (n-p) 個からグループ B に入る q 人を選ぶ ((n-p)Cq 通り)。
- 最後に、残った (n-p-q) = r 個からグループ C に入る r 人を選ぶ (rCr = 1 通り)。
- これらの選択は連続して行われるため、積の法則を用いて掛け合わせます。
- 計算式: nCp × (n-p)Cq × rCr ( = nCp × (n-p)Cq )
3. パターン2:各組の人数が指定され、組に区別がない場合(重要!)
- 状況: n 個のものを、p 人、q 人、r 人 (p+q+r=n) の3つのグループに分ける(ただし、グループ自体にはA, B, Cのような名前や区別がない)場合。
- 考え方:
- ステップ1: まず、組に区別があるものとして計算します(パターン1と同様)。つまり、nCp × (n-p)Cq × rCr を計算します。
- ステップ2: 次に、同じ人数の組があるかを確認します。
- もし p, q, r がすべて異なる数であれば、組の区別をなくしても場合の数はステップ1と同じです。
- もし p, q, r の中に同じ数が k 個 ある場合、ステップ1の計算結果には、それらの組が入れ替わっただけのものが区別されて数えられています。組の区別がない場合はこれらを同一視する必要があるため、k! で割ります。
- 計算式:
- p, q, r がすべて異なる場合: nCp × (n-p)Cq
- p = q ≠ r など、同じ人数の組が2組ある場合: {nCp × (n-p)Cq × rCr} / 2!
- p = q = r など、同じ人数の組が3組ある場合: {nCp × (n-p)Cp × pCp} / 3!
4. パターン3:各組の人数が指定されない場合(発展)
- 状況: n 個のものを、単に k 個の組に分ける(各組の人数は問わないが、空の組は作らない)場合。
- 考え方: これはより複雑な問題で、「スターリング数」という概念に関連します。高校数学の範囲では、n や k が小さい場合に具体的な人数の組み合わせを列挙し、それぞれのパターン(パターン2)で計算して足し合わせる(和の法則)ことが多いです。
- 例: 6人を2つの組に分ける場合。
- 考えられる人数の組は (1人, 5人), (2人, 4人), (3人, 3人)。
- (1人, 5人) の分け方: 6C1 × 5C5 = 6通り。組の区別はない(人数が違うため割る必要なし)。
- (2人, 4人) の分け方: 6C2 × 4C4 = 15通り。組の区別はない(人数が違うため割る必要なし)。
- (3人, 3人) の分け方: (6C3 × 3C3) / 2! = (20 × 1) / 2 = 10通り。(同じ人数の組が2つなので 2! で割る)
- 合計: 6 + 15 + 10 = 31通り。
第2章:組分け問題の解法と例題
具体的な例題を通して、組分け問題の解き方を確認しましょう。
1. 例題(パターン1):特定人数の組に分けて、異なる部屋に入れる
- 問題: 9人を、Aの部屋に4人、Bの部屋に3人、Cの部屋に2人入れる方法は何通りあるか?
- 考え方:
- 人数は 4人, 3人, 2人 と指定されており、部屋 A, B, C という明確な区別がある。これはパターン1に該当します。
- 9人からA部屋の4人を選ぶ → 9C4
- 残り5人からB部屋の3人を選ぶ → 5C3
- 残り2人からC部屋の2人を選ぶ → 2C2
- これらを掛け合わせます。
- 計算:
- 9C4 = (9×8×7×6) / (4×3×2×1) = 126
- 5C3 = 5C2 = (5×4) / (2×1) = 10
- 2C2 = 1
- 求める場合の数 = 126 × 10 × 1 = 1260
- 答え: 1260通り
2. 例題(パターン2):特定人数の組に分けるだけ(区別なし)
- 問題: 9人を、4人、3人、2人の3つの組に分ける方法は何通りあるか?
- 考え方:
- 人数は 4人, 3人, 2人 と指定されているが、組自体に区別はない。
- ステップ1:区別があるものとして計算 → 9C4 × 5C3 × 2C2 = 1260 (例題1と同じ計算)
- ステップ2:同じ人数の組があるか確認 → 4人, 3人, 2人 はすべて異なる人数。
- したがって、k! で割る必要はありません。
- 答え: 1260通り
- 問題(変更): 9人を、3人ずつの3つの組に分ける方法は何通りあるか?
- 考え方:
- 人数は 3人, 3人, 3人 と指定され、組に区別はない。
- ステップ1:区別があるものとして計算 → 9C3 × 6C3 × 3C3
- 9C3 = (9×8×7)/(3×2×1) = 84
- 6C3 = (6×5×4)/(3×2×1) = 20
- 3C3 = 1
- 区別がある場合の計算結果 = 84 × 20 × 1 = 1680
- ステップ2:同じ人数の組 (3人) が 3組 ある。
- したがって、ステップ1の結果を 3! で割る必要があります。
- 計算:
- 求める場合の数 = (9C3 × 6C3 × 3C3) / 3! = 1680 / (3 × 2 × 1) = 1680 / 6 = 280
- 答え: 280通り
3. なぜ同じ人数の組の階乗で割るのか? – 重複を除く理由
- 9人を {a,b,c}, {d,e,f}, {g,h,i} のように3人ずつの組に分ける場合を考えます。
- 区別があるとして計算 (9C3 × 6C3 × 3C3 = 1680) した場合、例えば以下のような選び方がすべて「異なる」ものとしてカウントされています。
- 最初に {a,b,c} を選び、次に {d,e,f} を選び、最後に {g,h,i} を選ぶ。
- 最初に {d,e,f} を選び、次に {a,b,c} を選び、最後に {g,h,i} を選ぶ。
- 最初に {g,h,i} を選び、次に {d,e,f} を選び、最後に {a,b,c} を選ぶ。 … など
- しかし、「組に区別がない」場合、これらの選び方はすべて「{a,b,c}, {d,e,f}, {g,h,i} という3つの組に分けた」という結果としては全く同じものです。
- {a,b,c}, {d,e,f}, {g,h,i} という3つの組に対して、どの組を最初に選び、次に選び…とするかの順番が 3! = 6 通り考えられます。
- この 3! 通りの選び方が、区別のある計算では別々に数えられているため、区別をなくすには 3! で割ることで重複を除かなければなりません。
- 同様に、もし同じ人数の組が k 組あれば、それらの組の選び方の順番 k! 通りが重複して数えられているため、k! で割る必要があります。
第3章:組合せを用いた図形問題
組合せは、平面図形や空間図形の要素の数を数える問題にも広く応用されます。
1. 基本:直線と三角形の個数(復習)
- 直線: n 個の点(どの3点も一直線上にない)から2点を選ぶ組合せ → nC2 本
- 三角形: n 個の点(どの3点も一直線上にない)から3点を選ぶ組合せ → nC3 個
- (前回の記事「組合せ(C):基本的な計算と選び方の問題」第3章 例題2 を参照)
2. 多角形の対角線の本数
- 問題: 正八角形の対角線は何本あるか?
- 考え方:
- ステップ1: 8個の頂点から2つの頂点を選ぶ組合せを考える (8C2)。これは、辺と対角線の両方を含んだ数になる。
- ステップ2: 8C2 の中には、正八角形の「辺」も含まれている。辺は対角線ではないため、その数を除く必要がある。正八角形の辺の数は 8本。
- ステップ3: (全ての2頂点の結び方) – (辺の数) = (対角線の本数)
- 計算:
- 8C2 = (8 × 7) / (2 × 1) = 28
- 対角線の本数 = 8C2 – 8 = 28 – 8 = 20
- 一般化: n 角形の対角線の本数は nC2 – n (ただし n ≧ 3)
- nC2 – n = {n(n-1)/2} – n = {n(n-1) – 2n} / 2 = {n^2 – 3n} / 2 = n(n-3) / 2 とも書けます。
- 答え: 20本
3. 平行線によってできる平行四辺形の個数
- 問題: 横方向に平行な直線が5本、縦方向に平行な直線が4本ある。これらの直線によってできる平行四辺形は全部で何個あるか?
- 考え方:
- 1つの平行四辺形は、横方向の平行線から2本、縦方向の平行線から2本を選ぶことで一意に決まる。
- 横方向の5本から2本を選ぶ組合せ → 5C2 通り
- 縦方向の4本から2本を選ぶ組合せ → 4C2 通り
- これらの選択は独立しているので、積の法則で掛け合わせる。
- 計算:
- 5C2 = (5 × 4) / (2 × 1) = 10
- 4C2 = (4 × 3) / (2 × 1) = 6
- 平行四辺形の個数 = 5C2 × 4C2 = 10 × 6 = 60
- 答え: 60個
4. 格子点に関する問題(例:長方形の個数)
- 問題: 碁盤の目のように、縦線が6本、横線が5本引かれている。この図形の中にある長方形(正方形を含む)の個数はいくつか?
- 考え方:
- この問題は、上記の平行四辺形の問題と全く同じ構造です。
- 長方形は、縦線から2本、横線から2本を選ぶことで決まります。
- 縦線6本から2本を選ぶ組合せ → 6C2 通り
- 横線5本から2本を選ぶ組合せ → 5C2 通り
- 積の法則で掛け合わせる。
- 計算:
- 6C2 = (6 × 5) / (2 × 1) = 15
- 5C2 = (5 × 4) / (2 × 1) = 10
- 長方形の個数 = 6C2 × 5C2 = 15 × 10 = 150
- 答え: 150個
第4章:より複雑な図形問題への考え方(導入)
基本的な図形問題に慣れたら、少し条件が複雑な場合も考えてみましょう。
1. 注意点:点が直線上にある場合
- これまでの例題では、「どの3点も一直線上にない」という仮定がありました。もし、複数の点が一直線上に存在すると、注意が必要です。
- 例: 平面上に7個の点があり、そのうち3点だけが一直線上にある。これらの点で作られる三角形は何個か?
- 考え方:
- ステップ1:まず、7点から3点を選ぶすべての組合せを計算する (7C3)。
- ステップ2:ステップ1の中には、一直線上にある3点を選んでしまった場合が含まれている。これらは三角形を作らないので、除く必要がある。一直線上にある3点から3点を選ぶ組合せ (3C3) を計算する。
- ステップ3:(全体の組合せ) – (三角形を作らない組合せ) = (作られる三角形の個数)
- 計算:
- 7C3 = 35
- 3C3 = 1
- 三角形の個数 = 7C3 – 3C3 = 35 – 1 = 34
- 答え: 34個
- 考え方:
- 同様に、直線の本数を数える場合も、一直線上にある点から2点を選んでも新しい直線は1本しかできないため、重複を除く計算が必要になります。
2. 立体図形への応用(考え方)
- 組合せの考え方は、立方体や直方体などの立体図形の問題にも応用できます。
- 例:立方体の頂点、辺、面の数
- 頂点は8個。
- 辺の数:各面に4本×6面分あるが、各辺は2つの面で共有されるので (4×6)/2 = 12本。または、1つの頂点から3本の辺が出ているので (3×8)/2 = 12本。
- 面の数は6個。
- 例:立方体の対角線(頂点と頂点を結ぶ線分のうち、辺や面の対角線でないもの)の本数
- 8個の頂点から2点を選ぶ組合せ:8C2 = 28通り。
- これには、辺 (12本) と、各面の対角線 (各面に2本 × 6面 = 12本) が含まれる。
- 空間的な対角線の本数 = 8C2 – (辺の数) – (面の対角線の数) = 28 – 12 – 12 = 4本。
第5章:まとめと注意点
組合せの応用問題では、基本的な組合せの計算に加え、問題の条件を正確に読み取り、適切な処理(特に組分けでの重複処理)を行うことが重要です。
1. 組分け問題のポイント整理
- 組の区別: 区別があるかないかで計算方法が変わる。
- 人数の指定: 指定された人数ごとに組合せで選んでいく。
- 重複の処理: 組に区別がなく、同じ人数の組が k 組ある場合は、区別があるとして計算した後に k! で割ることを忘れない。
2. 図形問題のポイント整理
- 図形を構成する要素(点、線など)の選び方を組合せ (nCr) で考える。
- 対角線: (頂点2点の組合せ) – (辺の数)
- 平行四辺形/長方形: (縦線から2本選ぶ組合せ) × (横線から2本選ぶ組合せ)
- 特殊条件: 点が一直線上にあるなどの条件がある場合は、重複したり、作れなかったりする場合を除く必要がある。
3. 応用問題への心構え
- 基礎となる nCr の計算を確実にできるようにする。
- 問題文を丁寧に読み、状況設定(区別の有無、特殊な条件など)を正確に把握する。
- 組分けの「なぜ k! で割るのか」という理由を理解しておくと、間違いを防ぎやすい。
- 図形問題では、図を実際に描いてみると考えやすくなることがある。
潜在的なリスクについて:
この記事では、組合せの応用として組分けと図形問題の基本的なパターンを解説しました。しかし、これらのテーマにはさらに複雑なバリエーションが存在します。例えば、組分け問題で各組の人数が指定されない場合(特に要素数や組数が多い場合)は、より高度な数学(スターリング数など)が必要になることがあります。図形問題においても、点が多数 collinear(同一直線上)であったり、複数の直線群が複雑に交差したりする場合、あるいは3次元空間での複雑な図形を扱う場合などは、単純な組合せ計算だけでは対応できず、慎重な場合分けや特殊なテクニックが要求されることがあります。特に組分け問題での「組の区別の有無」の判断ミスや、同じ人数の組がある場合の「k! で割り忘れる」ミスは頻発するため、十分な注意と演習が必要です。