不定詞:句構造と意味機能(演習編)

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講義編では、動詞の原形をベースに、文中で名詞・形容詞・副詞として機能する「不定詞」の多様な世界を探求しました。to不定詞の3つの主要用法(名詞的・形容詞的・副詞的)から、意味上の主語、否定、時制、態といったバリエーション、さらには原形不定詞が活躍する場面まで、不定詞が英語表現をいかに豊かにしているかを見てきました。この演習編では、その知識を確かなスキルへと変えるための実践トレーニングを行います。様々な文脈の中で不定詞の用法と意味を正確に見抜き、適切な形を選択・運用する能力を徹底的に鍛え上げましょう。不定詞を自在に操ることは、難関大合格に必要な高度な英語力の獲得に不可欠です。

目次

1. はじめに:不定詞の実践力を鍛え上げる

1.1. この演習の目的

  • 知識の定着と実践: 講義編で学んだ不定詞の用法、形態、関連構文に関する知識を、具体的な問題演習を通して確実に定着させ、実際の英文の中で応用できるレベルまで引き上げます。
  • 識別・解釈能力の向上: 文中の不定詞が名詞的・形容詞的・副詞的のどの用法で使われ、具体的にどのような意味(〜すること、〜するための、目的、結果、原因、根拠など)を表しているのかを正確に識別し、解釈する能力を養います。
  • 選択・運用能力の習得: 文脈や表現したいニュアンスに応じて、適切な不定詞の形(単純/完了、能動/受動、to不定詞/原形不定詞、意味上の主語の有無など)を選択し、文法的に正しく運用するスキルを高めます。

1.2. 演習に臨む際のポイント

  • 機能に着目: まず、その不定詞(句)が文の中でどんな「役割」(主語?目的語?名詞修飾?動詞修飾?)を果たしているかを考えましょう。これが用法特定の第一歩です。
  • 意味を考える: 用法を特定したら、次にそれが具体的にどんな「意味」(〜すること?〜するための?〜するために?〜するとは?)を表しているかを文脈から判断します。
  • 形態に注意: 不定詞の「形」にも注意しましょう。意味上の主語(for/of)、否定(not)、時制(to have pp)、態(to be pp) などが適切に使われているか、あるいは原形不定詞が使われるべき場面ではないかを確認します。
  • 構文を意識: 不定詞は特定の構文 (It is...to doS V O to dotoo...to do など) で頻繁に使われます。これらの構文の知識も活用しましょう。
  • 根拠を持つ: なぜその用法・意味・形だと判断したのか、常に明確な根拠を持って解答するように心がけましょう。

2. 不定詞の用法識別演習

文中の不定詞がどの用法(名詞的、形容詞的、副詞的)で使われ、どのような意味を表しているかを見抜く練習です。

2.1. 名詞的・形容詞的・副詞的用法の識別

問題

次の文の下線部の to不定詞句は、(a)名詞的用法、(b)形容詞的用法、(c)副詞的用法のいずれですか?

  1. It takes courage to tell the truth.
  2. He promised to help me with my homework.
  3. We went to the park to play baseball.
  4. She needs a friend to rely on.
  5. My hobby is to collect old coins.
  6. He was foolish to make such a mistake.
  7. The first train to arrive was from Osaka.
  8. To see is to believe. (ことわざ)

解答・解説

  1. (a) 名詞的用法 (形式主語 It の内容を表す真主語。「真実を語ること」)
  2. (a) 名詞的用法 (動詞 promised の目的語。「手伝うこと」)
  3. (c) 副詞的用法 (動詞 went を修飾する目的。「野球をするために」)
  4. (b) 形容詞的用法 (名詞 a friend を修飾。「頼るべき」友人。) ※rely on なので on が必要。
  5. (a) 名詞的用法 (be動詞 is の補語。「古いコインを集めること」。S=Cの関係。)
  6. (c) 副詞的用法 (形容詞 foolish を修飾する判断の根拠。「そんな間違いをするとは」)
  7. (b) 形容詞的用法 (名詞 The first train を修飾。「到着する(した)」一番列車。)
  8. (a) 名詞的用法 (文頭の To see は主語、to believe は補語。「見ることは信じることである」→百聞は一見に如かず。)

解説: 不定詞句が文の中でどのような役割(S, O, C, 名詞修飾, 動詞・形容詞修飾など)を果たしているかに注目して用法を判断します。

2.2. 副詞的用法の意味識別

問題

次の文の下線部の to不定詞句(副詞的用法)が表す主な意味として最も適切なものを、下の(a)〜(f)から選びなさい。

  1. She must be very intelligent to solve that puzzle so quickly.
  2. He worked hard day and night, only to fail the final exam.
  3. I was shocked to witness the accident.
  4. He raised his hand to ask a question.
  5. This book is easy enough for beginners to understand.
  6. You would be wise to accept her offer.

(a) 目的 (〜するために)

(b) 結果 (〜して…する、結局〜するだけ)

(c) 感情の原因 (〜して)

(d) 判断の根拠 (〜するとは、〜するなんて)

(e) 程度 (〜するには…)

(f) 条件 (もし〜すれば) ※この選択肢は上記例には該当なし

解答・解説

  1. (d) 判断の根拠 (そんなパズルを素早く解く「とは」、彼女はとても賢いに違いない。)
  2. (b) 結果 (昼も夜も一生懸命働いた「が、結局」最終試験に落ちただけだった。only to do は残念な結果。)
  3. (c) 感情の原因 (その事故を目撃「して」ショックを受けた。)
  4. (a) 目的 (質問をする「ために」手を挙げた。)
  5. (e) 程度 (初心者でも理解「するほど」簡単だ。enough to do 構文。)
  6. (d) 判断の根拠 (彼女の申し出を受け入れる「とは」、あなたは賢明だろう。) ※ 条件「もし受け入れれば」と解釈する余地もあるが、判断の根拠がより一般的。

解説: 副詞的用法は意味が多様です。文脈や、不定詞句が修飾している語(動詞、感情形容詞、判断形容詞など)を手がかりに、どの意味で使われているかを判断します。

3. 不定詞の形態と関連構文の演習

意味上の主語、否定、時制、態、原形不定詞、重要構文など、不定詞の形や使い方に関する練習です。

3.1. 意味上の主語 (for O to doof O to do)

問題

括弧内に for または of のどちらか適切な方を入れなさい。

  1. It is unusual ( ) him to be late for school.
  2. How generous ( ) you to offer such a wonderful gift!
  3. There is no need ( ) you to worry about that.
  4. It was rude ( ) them to ignore your question.
  5. Is it possible ( ) us to change the schedule?

解答・解説

  1. for (unusual は人の性質そのものを表す形容詞ではないため for)
  2. of (generous は人の性質を表す形容詞なので of)
  3. for (need の後の不定詞の意味上の主語は for)
  4. of (rude は人の性質・行為の評価を表す形容詞なので of)
  5. for (possible は人の性質ではないため for)

解説: It is 形容詞 to do の構文で、形容詞が kindnicewisefoolishcarelessgenerouspoliterude など人の性質・評価を表す場合に of 人 を使い、それ以外(importantnecessarypossibledifficulteasyhardunusual など)の場合は for 人 を使う、というルールを適用します。

3.2. 否定形 (not to do)

問題

  1. 次の文が「彼は二度と嘘をつかないと約束した」という意味になるように、( ) に適切な語を入れなさい。 He promised ( ) ( ) tell a lie again.
  2. 次の指示を英語で表現しなさい。「パニックにならないように努めなさい。」 (Try …)

解答・解説

  1. not to
  2. Try not to panic.

解説: 不定詞の否定は <not + to + 原形> または <never + to + 原形> の形になります。to の前に not/never を置きます。

3.3. 時制(完了不定詞 to have pp

問題

括弧内の動詞を、文脈に合わせて適切な不定詞の形(単純不定詞 to do または完了不定詞 to have pp)に直しなさい。

  1. She seems (know) the answer already. (今知っているようだ)
  2. She seems (know) the answer yesterday. (昨日知っていたようだ)
  3. I regret (be) so rude to him last night. (昨夜失礼だったことを後悔)
  4. He hopes (pass) the exam next week. (来週合格することを望む)
  5. This temple is believed (build) over 1000 years ago. (1000年以上前に建てられたと信じられている)

解答・解説

  1. to know (主節の seems と同じ「現在」のことなので単純不定詞)
  2. to have known (主節の seems(現在)より過去(yesterday)のことなので完了不定詞)
  3. to have been (主節の regret(現在)より過去(last night)のことなので完了不定詞)
  4. to pass (主節の hopes(現在)より未来のことなので単純不定詞)
  5. to have been built (主節の is believed(現在)より過去(1000 years ago)のことで、かつ受動態なので完了受動不定詞) ※(受動態は次のセクションだがここで複合的に出題)

解説: 不定詞の表す時が、主節の動詞の時よりも「前」である場合に完了不定詞 <to have + 過去分詞> を使います。

3.4. 態(受動不定詞 to be ppto have been pp

問題

括弧内の動詞を、文脈に合わせて適切な不定詞の形(能動または受動、単純または完了)に直しなさい。

  1. Children need (love) and care. (愛される必要がある)
  2. He doesn’t want (disturb) while he is working. (邪魔されたくない)
  3. The first prize is expected (win) by our team. (我々のチームによって勝ち取られると予想される)
  4. She felt honored (choose) as the representative. (代表として選ばれたことを光栄に思った)
  5. The stolen painting is thought (hide) somewhere in the city. (市内のどこかに隠されていると思われている)

解答・解説

  1. to be loved (子供たちは「愛される」必要がある→単純受動不定詞)
  2. to be disturbed (彼は仕事中に「邪魔されたく」ない→単純受動不定詞)
  3. to be won (一等賞は我々のチームによって「勝ち取られる」と期待される→単純受動不定詞)
  4. to have been chosen (代表に「選ばれた」のは、光栄に思った(過去)のと同じか、より前のこと→完了受動不定詞がより自然だが、単純受動 to be chosen も文脈によっては可)
  5. to be hidden / to have been hidden (盗まれた絵画は「隠されている」と思われている→単純受動不定詞。盗まれて隠されたのが「思われている」時点より前なら完了受動不定詞 to have been hidden も可)

解説: 不定詞の意味上の主語が動作を「される」側の場合、受動不定詞 <to be + 過去分詞> または <to have been + 過去分詞> を使います。時制(主節との前後関係)も考慮して形を決定します。

3.5. 原形不定詞

問題

  1. 括弧内に入れるのに適切な動詞の形を選びなさい。 (a) I felt the house (shake / to shake / shaking) slightly. (知覚動詞) (b) Let me (introduce / to introduce / introducing) my friend to you. (使役動詞 let) (c) The teacher made the students (write / to write / writing) an essay. (使役動詞 make) (d) You had better (wear / to wear / wearing) a coat. It’s cold outside. (had better)
  2. 次の文の誤りを訂正しなさい。 (a) He helped me solving the problem. (b) She was seen steal the money.

解答・解説

  1. (a) shake / shaking (知覚動詞 feel の後は原形不定詞か現在分詞。shake は揺れるのを(一瞬)感じた、shaking は揺れているのを感じた、というニュアンスの違い。) (b) introduce (使役動詞 let の後は原形不定詞。) (c) write (使役動詞 make の後は原形不定詞。) (d) wear (had better の後は原形不定詞。)
  2. (a) 誤り: solving → 訂正: solve または to solve 解説: help O (to) do. 原形不定詞か to不定詞。 (b) 誤り: steal → 訂正: to steal 解説: 知覚動詞 see の受動態 was seen の後ろでは、原形不定詞は to不定詞に変わる。

3.6. 不定詞を用いた重要構文

問題

  1. 次の日本文に合うように、括弧内の語句を並べ替えて英文を完成させなさい。 (a) 彼にとってその試験に合格するのは簡単だった。( for / easy / was / him / it / pass / to ) the exam. (b) 彼女は親切にも私に席を譲ってくれた。( gave / kind / her / to / it / of / was / me ) her seat. (c) 彼はその重い箱を持ち上げるほど強くなかった。( lift / enough / to / strong / wasn’t / he ) the heavy box.
  2. 次の文を too ... to do 構文を使って書き換えなさい。The coffee was so hot that I couldn't drink it.
  3. 次の文を S V O to do 構文を使って書き換えなさい。My parents said that I should study harder. (adviseを使う)

解答・解説

  1. (a) It was easy for him to pass the exam. (It is 形容詞 for O to do 構文) (b) It was kind of her to give me her seat. (It is 形容詞 of O to do 構文、kind は人の性質) (c) He wasn’t strong enough to lift the heavy box. (... enough to do 構文)
  2. The coffee was too hot (for me) to drink. (so ... that S cannot ... → too ... to do)
  3. My parents advised me to study harder. (advise O to do 構文)

解説: 不定詞を用いた重要構文の形と意味を理解し、正しく組み立てる、または書き換える練習です。

4. 総合演習

4.1. 誤文訂正(総合)

問題

次の各文には不定詞に関する誤りが含まれています。誤りを指摘し、正しく訂正しなさい。

  1. To watching movies is my favorite pastime.
  2. I want that he helps me.
  3. It is necessary for you finish the task today.
  4. She seems to be tired yesterday.
  5. He avoided to answer my question.
  6. Let’s to play tennis this afternoon.
  7. I heard him to sing a song.
  8. This book is enough easy for children to read.

解答・解説

  1. 誤り: To watching → 訂正: To watch または Watching 解説: 不定詞は <to + 原形>。主語にするなら動名詞 Watching も可。
  2. 誤り: that he helps → 訂正: him to help 解説: want O to do の構文を使う。want that 節 の形は通常とらない。
  3. 誤り: finish → 訂正: to finish 解説: It is necessary for O to do。不定詞の to が必要。
  4. 誤り: to be tired → 訂正: to have been tired 解説: 主節 seems (現在) より過去 (yesterday) のことなので完了不定詞。
  5. 誤り: to answer → 訂正: answering 解説: avoid は目的語に動名詞をとる動詞。
  6. 誤り: Let's to play → 訂正: Let's play 解説: Let's (= Let us) の後ろは原形不定詞。
  7. 誤り: to sing → 訂正: sing または singing 解説: 知覚動詞 hear の後ろは原形不定詞か現在分詞。
  8. 誤り: enough easy → 訂正: easy enough 解説: enough が形容詞・副詞を修飾する場合は、その語の後ろに置く。<形容詞/副詞 + enough + to do>

4.2. 短文和訳・英訳(不定詞に注目)

問題

  1. 次の英文を和訳しなさい。 (a) He was the first man to walk on the moon. (b) She was considerate enough not to disturb him. (c) To be frank with you, I don’t agree with your opinion. (独立不定詞) (d) What to do in case of an earthquake is written in this booklet.
  2. 次の日本文を英訳しなさい。 (a) 将来何になりたいですか? (what を使った名詞的用法) (b) 彼は私に助けを求める勇気がなかった。(have the courage to do) (c) その箱は重すぎて私には運べなかった。(too ... to do) (d) 彼らは試合に勝つために一生懸命練習した。 (副詞的用法・目的)

解答・解説

  1. (a) 彼は月面を歩いた最初の人間だった。(形容詞的用法 man を修飾) (b) 彼女は彼を邪魔しないほど十分に思いやりがあった。(副詞的用法・程度 enough not to do) (c) 率直に言うと、私はあなたの意見には賛成できません。(独立不定詞・文修飾) (d) 地震の場合に何をすべきかがこの小冊子に書かれている。(疑問詞+to不定詞 が主語)
  2. (a) What do you want to be in the future? (want の目的語となる名詞的用法) (b) He didn’t have the courage to ask me for help. (courage を修飾する形容詞的用法) (c) The box was too heavy for me to carry. (too ... for O to do) (d) They practiced hard (in order) to win the game. (目的の副詞的用法)

5. まとめと今後の学習

5.1. 不定詞スキルのチェック

この演習を通して、不定詞の多様な顔(名詞的、形容詞的、副詞的用法)を見分け、文脈に応じて適切な形(単純/完了、能動/受動、原形/to不定詞、意味上の主語)を選択・運用する力がどれだけ身についたかを確認できたでしょうか。特に、副詞的用法の多様な意味の識別や、完了不定詞・受動不定詞、原形不定詞の用法は、繰り返し練習することで確実にマスターできます。

5.2. 不定詞をさらに使いこなすために

  • 動名詞・分詞との比較学習: 今後学習する動名詞や分詞は、不定詞と形や機能が似ている部分があり、混同しやすい点です。それぞれの特徴と使い分け(特に目的語にとる動詞の違いや、名詞修飾のニュアンスの違いなど)を比較しながら学ぶことで、不定詞への理解も一層深まります。
  • 文構造分析への応用: 読解において、不定詞句が文のどの部分を構成し、どのような役割を果たしているかを常に分析する習慣をつけましょう。It is ... to do や S V O to do のような構文は、文の骨格を把握する上で重要です。
  • 表現の道具として活用: 作文や会話で、同じ内容を表現するにも、不定詞を使うことでより簡潔になったり、異なるニュアンスが出せたりする場合があります。意識的に不定詞を使った表現を試してみましょう。
  • 慣用表現の習得: 不定詞を用いた慣用表現(needless to say「言うまでもなく」、so to speak「いわば」、to say nothing of「〜は言うまでもなく」など)も覚えておくと、表現の幅が広がります。

不定詞は英語の表現力を豊かにする上で欠かせない要素です。この演習で得た実践力を土台に、さらに学習を進め、不定詞を自在に操れるようになりましょう。

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