動名詞:句構造と名詞化

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本講義(動名詞:句構造と名詞化)の概要

この講義では、不定詞に続き、英語の準動詞のもう一つの重要な柱である「動名詞 (Gerund)」について、その構造、機能、そして不定詞との使い分けを中心に徹底的に解説します。動名詞は、動詞の -ing 形という形態を持ちながら、文中で完全に名詞として機能する点が最大の特徴です。不定詞の名詞的用法としばしば比較されますが、動名詞ならではの用法やニュアンスがあり、これを正確に理解し使いこなすことは、自然で的確な英語表現のために不可欠です。本講義では、まず動名詞の基本的な定義と準動詞としての位置づけを確認し、動名詞句の内部構造(意味上の主語、時制、態を含む)を分析します。次に、動名詞が文中で主語、補語、そして特に動詞や前置詞の目的語としてどのように機能するかを、豊富な例文と共に詳しく見ていきます。不定詞との使い分け、特に動詞の目的語としてどちらを取るかという点は、学習者が最も混乱しやすい部分であり、本講義の核心の一つです。目的語として動名詞のみを取る動詞、不定詞のみを取る動詞、両方取るが意味が異なる動詞、意味がほぼ同じ動詞について、体系的に整理し解説します。さらに、It is no use doing, look forward to doing など、動名詞を用いた頻出の重要構文や慣用表現についても学びます。また、形態が同じである現在分詞との機能的な違いにも触れ、識別のポイントを明確にします。最後に、読解や作文において動名詞をどのように理解し、活用すべきかを考察し、次の演習編、そして分詞の学習へと繋げていきます。不定詞で学んだ知識を土台に、動名詞という新たなツールを加え、英語表現の幅と精度をさらに高めましょう。

目次

1. 動名詞とは何か? – 動詞の名詞化プロセス

1.1. 準動詞としての動名詞:不定詞との比較

  • 準動詞ファミリーの一員: 動名詞 (Gerund) は、不定詞 (Infinitive)、分詞 (Participle) と並ぶ、英語の主要な準動詞 (Verbals / Non-finite Verbs) の一つです。準動詞は、動詞としての性質(目的語や補語をとる、副詞で修飾される、意味上の主語を持つ、時制や態を持つ)を部分的に保持しながら、文中で異なる品詞の役割を果たします。
  • 名詞機能への特化: 不定詞が名詞・形容詞・副詞の三役をこなすのに対し、動名詞は基本的に名詞としての機能に特化しています。つまり、文中で主語 (S)、目的語 (O)、補語 (C) になります。この点で、不定詞の名詞的用法と機能が重なります。
  • 動詞の性質 + 名詞の機能: 動名詞は、動詞の原形 + -ing という形をとり、「~すること」という意味を表します。この -ing 形により、動詞が名詞化 (Nominalization) され、名詞が置かれるべき文中の位置に現れることが可能になります。しかし、同時に動詞としての性質も色濃く残しています。
    • 例: Reading books is my hobby. (本を読むことは私の趣味だ) – Reading books は動名詞句として文の主語(S)。Reading は動詞 read の性質を持ち、目的語 books をとっている。

1.2. 動名詞の基本的な形 (動詞-ing) と機能

  • 形態: 動名詞の基本的な形は、動詞の原形に接尾辞 -ing を付加したものです。
    • 例: study → studyingplay → playingmake → making (eを削除), run → running (子音を重ねる)
  • 主要機能: 文中で名詞として機能します。
    • 主語 (S)Swimming is good exercise. (水泳は良い運動だ)
    • 動詞の目的語 (O): I enjoy listening to music. (私は音楽を聴くことを楽しむ)
    • 補語 (C): My favorite activity is hiking. (私の好きな活動はハイキングをすることだ)
    • 前置詞の目的語 (O): Thank you for helping me. (私を手伝ってくれてありがとう) – これは不定詞にはない、動名詞の非常に重要な機能です。

1.3. なぜ動名詞を学ぶのか? – 名詞表現の拡張

  • 表現の多様化: 「~すること」を表す際に、不定詞だけでなく動名詞という選択肢を持つことで、より自然で適切な表現を選ぶことができます。特に、特定の動詞の後や前置詞の後では動名詞が必須となる場面が多くあります。
  • 前置詞との連携: 前置詞の目的語には基本的に名詞(相当語句)しか来られません。そのため、前置詞の後で「~すること」という動作を表したい場合には、動名詞を用いる必要があります。これにより、前置詞を用いた豊かな表現(理由、目的、手段、時など)の中に動作を組み込むことが可能になります。(interested in doingtired of doingsucceed in doing など)
  • 慣用表現の理解: 動名詞を用いた慣用表現(It is no use doingfeel like doinglook forward to doing など)は日常会話や文章で頻繁に使われます。これらを理解し、使いこなすことは、英語運用能力の向上に直結します。
  • 不定詞との使い分け: 動詞の目的語として不定詞と動名詞のどちらを取るか、あるいは両方取る場合に意味がどう異なるかを正確に理解することは、文法的な正確さだけでなく、ニュアンスの精密な伝達においても重要です。

1.4. 前の不定詞学習との接続

  • 機能の比較: 不定詞の名詞的用法と動名詞は、どちらも「~すること」を意味し、文中で S, O, C になる点で共通しています。この共通点と相違点を意識することが、両者を効果的に使い分けるための鍵となります。
  • 構造の比較: 不定詞句 (to do...) と動名詞句 (doing...) は、どちらも意味上の主語、時制、態を持つ点で共通しています。ただし、意味上の主語の示し方などに違いがあります。
  • 補完関係: 不定詞と動名詞は、英語の表現体系の中で互いに補完し合う関係にあります。例えば、前置詞の後には動名詞、未来志向の動詞の後には不定詞、といった使い分けが見られます。両方をマスターすることで、より柔軟で幅広い表現が可能になります。

2. 動名詞句の構造:動詞と名詞のハイブリッド

動名詞 (-ing) も不定詞と同様、単独ではなく、目的語、補語、修飾語などを伴って動名詞句 (Gerund Phrase) を形成します。

2.1. 動名詞句の内部構造:(意味上の主語) + 動詞-ing + (目的語/補語/修飾語)

  • 構造: 動名詞句は、典型的には以下のような要素から構成されます。 (意味上の主語) + 動詞-ing + (目的語 / 補語 / 副詞(句・節))
  • 動詞由来の性質: 動名詞句の核となる -ing 形は元々動詞であるため、動詞としての性質を保持します。
    • 目的語を伴う: I enjoy reading detective stories. (reading の目的語が detective stories)
    • 補語を伴うBeing a good listener is important in communication. (Being の補語が a good listener)
    • 副詞による修飾: He is proud of having completed the marathon successfully. (successfully が having completed を修飾)

2.2. 動名詞の意味上の主語:所有格 vs 目的格

  • 意味上の主語とは: 動名詞が表す動作や状態を行う主体を、動名詞の意味上の主語と呼びます。文脈から明らかな場合や、文全体の主語と一致する場合は明示されません。
    • 例: Winning the prize made him happy. (賞を獲得したことが彼を幸せにした) – 文脈上、彼が獲得したと考えられる。
    • 例: I appreciate your helping me. (あなたが私を手伝ってくれたことに感謝します) – helping の意味上の主語は your (あなた)。
  • 意味上の主語の明示:所有格が基本: 動名詞の意味上の主語を明示する場合、原則として所有格 (my, your, his, her, its, our, their, 名詞’s) を動名詞の前に置きます。これは、動名詞が名詞的な性質を持つため、名詞を修飾する所有格との結びつきが強いと考えられます。
    • 例: I insist on his paying back the money. (私は彼がお金を返すことを主張する) – paying の主語は his
    • 例: We were surprised at Mary’s suddenly leaving the party. (私たちはメアリーが突然パーティーを去ったことに驚いた) – leaving の主語は Mary's
    • 例: What do you think of my buying a new car? (私が新しい車を買うことについてどう思いますか?) – buying の主語は my
  • 意味上の主語の明示:目的格も容認 (特に口語): 特に口語インフォーマルな文体では、意味上の主語として目的格 (me, you, him, her, it, us, them, 名詞) が用いられることも多くあります。特に、意味上の主語が無生物の場合や、代名詞ではなく普通名詞の場合は、目的格(または無標)の方が自然に響くことがあります。
    • 例: I appreciate you helping me. (口語的)
    • 例: I don’t like him complaining all the time. (口語的)
    • 例: There is little chance of the train arriving on time. (電車が時間通りに到着する可能性はほとんどない) – 無生物主語。the train's より自然。
  • 入試での注意: フォーマルな書き言葉が要求される入試の英作文などでは、原則として所有格を用いるのが最も安全で推奨されます。ただし、読解では目的格が使われているケースも頻繁に登場するので、どちらの形も理解しておく必要があります。

2.3. 動名詞の時制:単純動名詞 vs 完了動名詞

  • 相対的な時: 不定詞と同様に、動名詞の時制も、主節の述語動詞の時との相対的な関係で示されます。
  • 単純動名詞 (Simple Gerund: doing):
    • 動詞-ing
    • : 主節の述語動詞と同時、またはそれより未来(あるいは時に関係なく一般的な行為)を表します。
      • 同時: I enjoy playing tennis. (私はテニスをすることを楽しむ) – enjoy (現在) と playing (現在/一般的) が同時。
      • 同時: He admitted telling a lie. (彼は嘘をついたことを認めた) – admitted (過去) と telling (過去) が同時。
      • 未来: I’m thinking of visiting London next summer. (来年の夏ロンドンを訪れることを考えている) – am thinking (現在) より未来の visiting
  • 完了動名詞 (Perfect Gerund: having done):
    • having + 過去分詞
    • : 主節の述語動詞よりも前の時 (過去または大過去) を表します。
      • 主節現在 → 動名詞過去: He is proud of having won the speech contest. (彼はスピーチコンテストで優勝したことを誇りに思っている) – is proud (現在) より前の having won (過去)。
      • 主節過去 → 動名詞大過去: He denied having met her before. (彼は以前彼女に会ったことを否定した) – denied (過去) より前の having met (大過去)。
      • 主節過去 → 動名詞過去: She regretted having said such cruel things to him. (彼女は彼にあんな残酷なことを言ってしまったことを後悔した) – regretted (過去) より前の having said (大過去/過去)。
  • 使い分け: 単純動名詞でも文脈から過去を表すことが多いため(例: He admitted telling a lie.)、完了動名詞は、主節の時との前後関係を明確に示したい場合に特に用いられます。

2.4. 動名詞の態:能動態 vs 受動態

  • 動作の受け手・主体: 動名詞の意味上の主語が、動名詞の表す動作を「する」のか「される」のかによって、能動態と受動態の形を使い分けます。
  • 能動態 (Active Gerund):
    • 単純形: doing (~すること)
    • 完了形: having done (~したこと)
    • 例: I like watching movies. (私は映画を見るのが好きだ) – 私が見る(能動)。
    • 例: He confessed to having broken the window. (彼は窓を割ったことを白状した) – 彼が割った(能動)、白状したより前。
  • 受動態 (Passive Gerund):
    • 単純形: being done (~されること)
    • 完了形: having been done (~されたこと)
    • 例: She doesn’t like being told what to do. (彼女は何をすべきか言われるのが好きではない) – 彼女が言われる(受動)。
    • 例: The children complained about being treated unfairly. (子供たちは不公平に扱われることについて不平を言った) – 子供たちが扱われる(受動)。
    • 例: He was angry about having been deceived by his friend. (彼は友人に騙されたことに腹を立てていた) – 彼が騙された(受動)、腹を立てたより前。
    • 例: There is a risk of the data having been leaked. (データが漏洩したリスクがある) – データが漏洩させられた(受動)、リスクがある時点より前。

3. 動名詞の文法的機能:名詞としての役割

動名詞(句)は文中で名詞として機能し、主語、補語、動詞の目的語、前置詞の目的語になります。

3.1. 主語(S) としての動名詞句

  • 文の主題: 動名詞句が文全体の主語として機能します。不定詞句を主語にするよりも一般的で、自然な響きを持つことが多いです。
    • 例: Collecting stamps is his lifelong hobby. (切手を集めることは彼の生涯の趣味だ)
    • 例: Not getting enough sleep can affect your concentration. (十分な睡眠をとらないことは集中力に影響を与える可能性がある) – 否定形も主語になれる。
    • 例: His complaining constantly annoys everyone. (彼が絶えず不平を言うことは皆をうんざりさせる) – 意味上の主語(所有格)を含む動名詞句が主語。

3.2. 補語(C) としての動名詞句

  • 主語の説明be 動詞などの連結動詞の後ろに置かれ、主語Sの内容を説明する主格補語(C)として機能します。「S = ~すること」の関係です。
    • 例: My dream is traveling around the world. (私の夢は世界中を旅することだ)
    • 例: One of the most difficult things in life is admitting your own mistakes. (人生で最も難しいことの一つは、自分自身の誤りを認めることだ)
    • 注意: 進行形 (S is doing) と動名詞補語 (S is doing) は形が同じになることがあります。文脈で判断します。
      • 進行形: My son is studying math now. (息子は今、数学を勉強している最中だ) – 動作の進行。
      • 動名詞補語: My son’s favorite subject is studying math. (息子の好きな科目は数学を勉強することだ) – S = C の関係。

3.3. 動詞の目的語(O) としての動名詞句

  • 特定動詞の対象: 特定の他動詞の目的語として動名詞句が使われます。enjoyfinishstopavoidmindgive uppostponepracticeadmitdenysuggestconsiderimagine など、多くの動詞が動名詞を目的語にとります。
    • 例: Would you mind closing the door? (ドアを閉めていただけますか?) – mind の目的語。
    • 例: He denied taking the money. (彼はお金を取ったことを否定した) – denied の目的語。
    • 例: We should postpone making a final decision. (我々は最終決定を下すのを延期すべきだ) – postpone の目的語。
    • 不定詞との使い分け: どの動詞が動名詞を目的語にとるか、あるいは不定詞をとるか、または両方とるかは、英語学習における最重要項目の一つです(後述 4.)。

3.4. 前置詞の目的語(O) としての動名詞句

  • 前置詞の後: 前置詞 (inonatforofwithwithoutbeforeafterbyabout など) の目的語として「~すること」という動作を表す場合、必ず動名詞を用います。不定詞はこの位置には原則として来られません。これは動名詞の非常に重要な機能です。
    • 例: She is interested in learning foreign languages. (彼女は外国語を学ぶことに興味がある) – in の目的語。
    • 例: Thank you for inviting me to the party. (パーティーに招待してくれてありがとう) – for の目的語。
    • 例: He apologized for being late. (彼は遅れたことを謝罪した) – for の目的語。
    • 例: By studying hard, he passed the exam. (一生懸命勉強することによって、彼は試験に合格した) – by の目的語(手段)。
    • 例: Before leaving the house, check if the gas is off. (家を出る前に、ガスが消えているか確認しなさい) – Before の目的語(時)。
    • 例: I’m thinking about changing my job. (転職しようかと考えている) – about の目的語。

4. 動名詞と不定詞の名詞的用法の使い分け

動詞の目的語として「~すること」を表す場合、動名詞と不定詞のどちらを使うかは、英語学習者が最も習得に苦労する点の一つです。以下にそのルールと傾向を整理します。

4.1. 目的語として動名詞のみを取る動詞

  • 主な動詞enjoyfinishstopquitgive upavoidmind (嫌がる), postponeput offdelaypracticeadmitdenysuggestrecommendconsiderimaginemiss (~し損なう), escape (~するのを免れる), resist (~するのを我慢する), appreciate (~をありがたく思う) など。
  • 傾向: これらの動詞は、過去の行為、習慣的な行為、反復、中断、回避、思考・想像などを表す傾向があります。
  • 例文:
    • We enjoyed walking along the beach. (*enjoyed to walk は不可)
    • Have you finished reading the report? (*finished to read は不可)
    • He admitted having stolen the documents. (*admitted to steal / to have stolen は不可)
    • Could you avoid making noise? (*avoid to make は不可)

4.2. 目的語として不定詞のみを取る動詞(復習)

  • 主な動詞wanthopewishdesireexpectdecidedetermineplanpromiseofferrefuseagreemanagefaillearnpretendseekchooseaffordcare (~したいと思う) など。
  • 傾向: これらの動詞は、未来の行為、意志、願望、決意、計画、努力などを表す傾向があります。
  • 例文:
    • She wants to become a doctor. (*wants becoming は不可)
    • We decided to leave immediately. (*decided leaving は不可)
    • He managed to persuade her. (*managed persuading は不可)
    • They refused to cooperate with us. (*refused cooperating は不可)

4.3. 両方取るが意味が異なる動詞 (rememberforgettrystop など)

  • remember:
    • remember to do: (未来のこと) 忘れずに~する
    • remember doing: (過去のこと) ~したことを覚えている
    • 例: Remember to lock the door. (ドアに鍵をかけるのを忘れないで)
    • 例: I remember meeting him somewhere. (どこかで彼に会ったのを覚えている)
  • forget:
    • forget to do: (未来のこと) ~するのを忘れる
    • forget doing: (過去のこと) ~したことを忘れる
    • 例: Don’t forget to buy milk. (牛乳を買うのを忘れないで)
    • 例: I’ll never forget seeing the beautiful sunset. (その美しい夕日を見たことを決して忘れないだろう)
  • regret:
    • regret to do: (未来のこと) 残念ながら~する、~するのは残念だ (主に regret to inform/say/tell の形で)
    • regret doing: (過去のこと) ~したことを後悔する
    • 例: We regret to inform you that your application was rejected. (残念ながら、あなたの申請が却下されたことをお知らせします)
    • 例: He regretted not studying harder. (彼はもっと一生懸命勉強しなかったことを後悔した)
  • try:
    • try to do: (達成が困難なこと) ~しようと努力する、試みる
    • try doing: (効果を確かめるために) 試しに~してみる
    • 例: She tried to lift the heavy box, but couldn’t. (彼女はその重い箱を持ち上げようとしたが、できなかった)
    • 例: If you have a headache, try taking this medicine. (頭痛がするなら、試しにこの薬を飲んでみて)
  • stop:
    • stop to do: (目的) ~するために立ち止まる、中断する
    • stop doing: (中断) ~するのをやめる
    • 例: He stopped to smoke a cigarette. (彼はタバコを一本吸うために立ち止まった)
    • 例: The doctor advised him to stop smoking. (医者は彼に禁煙するよう忠告した)
  • mean:
    • mean to do: ~するつもりである
    • mean doing: ~することを意味する
    • 例: I didn’t mean to hurt your feelings. (あなたの感情を傷つけるつもりはなかった)
    • 例: Passing the exam means studying hard. (試験に合格することは、一生懸命勉強することを意味する)
  • go on:
    • go on to do: (次に)~し始める
    • go on doing: ~し続ける
    • 例: After finishing high school, she went on to study law at university. (高校卒業後、彼女は次に大学で法律を学び始めた)
    • 例: He went on talking even though nobody was listening. (誰も聞いていなかったが、彼は話し続けた)

4.4. 両方取るが意味がほぼ同じ動詞 (likestart など)

  • 主な動詞likelovehatepreferstartbegincontinuecease (やめる), attempt (試みる、tryに近い) など。
  • ニュアンスの違い: 厳密には、不定詞は特定の具体的な行為を、動名詞は一般的な行為や経験を指す傾向があると言われることもありますが、多くの場合、意味の違いはほとんどなく、互換的に使えます。ただし、would like/love/hate/prefer の場合は不定詞 (to do) を用います。
  • 例文:
    • like reading / to read novels. (小説を読むのが好きだ)
    • It started raining / to rain. (雨が降り始めた)
    • She continued working / to work despite the noise. (騒音にもかかわらず、彼女は働き続けた)
    • would like to visit Paris someday. (*would like visiting は不可)

4.5. 主語・補語としての使い分けのニュアンス

  • 主語: 不定詞も動名詞も主語になれますが、動名詞の方がより一般的で自然です。不定詞を主語にすると、やや硬い、あるいは格言的な響きが出ることがあります。特定の行為や目標を強調したい場合に不定詞が選ばれることもあります。
    • 例: Learning languages is fun. (動名詞 – 一般的)
    • 例: To err is human. (不定詞 – 格言的)
    • 例: To climb Mt. Fuji this summer is my goal. (不定詞 – 特定の目標)
  • 補語: 主語と同様に、動名詞の方がより一般的ですが、不定詞も用いられます。特に主語が plangoalambitiondream など、未来の目標や計画を表す場合、補語として不定詞が好まれる傾向があります。
    • 例: My hobby is collecting coins. (動名詞)
    • 例: His plan is to start a new business. (不定詞 – 未来の計画)

4.6. 前置詞の目的語としての動名詞の優位性

  • 絶対的なルール: 前置詞の目的語として「~すること」を表す場合は、動名詞が必須です。不定詞は原則として使えません。これは動名詞と不定詞の最も明確な使い分けの一つです。
    • 例: He is good at playing the piano. (*at to play は不可)
    • 例: Instead of complaining, try to find a solution. (*of to complain は不可)
    • 例: She insisted on paying for the meal. (*on to pay は不可)

5. 動名詞を用いた重要構文と慣用表現

動名詞は特定の語句と結びついて、様々な慣用的な意味を表す構文を作ります。これらは暗記が有効な場合が多いです。

5.1. It is no use/good doing (~しても無駄だ)

  • 意味: 何かをしても役に立たない、無駄であることを表します。crying over spilt milk (覆水盆に返らず) ということわざの一部としても有名です。
  • 構造It is no use + 動名詞 または It is no good + 動名詞It は形式主語、動名詞句が真主語と解釈できます。
  • 例文:
    • It is no use worrying about things you cannot change. (変えられないことを心配しても無駄だ)
    • It’s no good complaining about the weather. (天気について不平を言っても無駄だ)

5.2. There is no doing (~することはできない)

  • 意味: 何かをすることが不可能であることを表します。It is impossible to do... とほぼ同じ意味です。
  • 構造There is no + 動名詞
  • 例文:
    • There is no knowing what will happen in the future. (将来何が起こるかを知ることはできない)
    • There was no denying the fact that he was guilty. (彼が有罪であるという事実を否定することはできなかった)

5.3. feel like doing (~したい気がする)

  • 意味: 特定のことをしたい気分であることを表します。ややインフォーマルな表現です。
  • 構造feel like + 動名詞
  • 例文:
    • feel like watching a movie tonight. (今夜は映画を見たい気分だ)
    • Do you feel like going for a walk? (散歩に行きたい気分?)

5.4. be busy doing (~するのに忙しい)

  • 意味: 何かをするのに忙しくしている状態を表します。
  • 構造be busy + 動名詞 (前置詞 in が省略された形とも考えられる)
  • 例文:
    • She is busy preparing for the presentation. (彼女はプレゼンテーションの準備で忙しい)
    • They were busy talking about their vacation plans. (彼らは休暇の計画について話すのに忙しかった)

5.5. spend time/money doing (~して時間/金を使う)

  • 意味: 時間やお金を特定の活動に費やすことを表します。
  • 構造spend + 時間/お金 + (in) + 動名詞 (前置詞 in は通常省略)
  • 例文:
    • He spent all day (in) reading books. (彼は一日中本を読んで過ごした)
    • Don’t spend too much money buying unnecessary things. (不必要なものを買うのにお金を使いすぎてはいけない)

5.6. have difficulty/trouble (in) doing (~するのに苦労する)

  • 意味: 何かをするのが難しい、苦労することを表します。have a hard time (in) doinghave problems (in) doing も同様の意味です。
  • 構造have + difficulty/trouble/a hard time/problems + (in) + 動名詞 (前置詞 in はしばしば省略)
  • 例文:
    • had difficulty (in) finding his house. (彼の家を見つけるのに苦労した)
    • Many students have trouble understanding complex grammar rules. (多くの学生が複雑な文法規則を理解するのに苦労している)

5.7. be worth doing (~する価値がある)

  • 意味: 何かをする価値があることを表します。
  • 構造be worth + 動名詞
  • 例文:
    • This museum is worth visiting. (この博物館は訪れる価値がある)
    • The advice he gave me was worth listening to. (彼がくれたアドバイスは聞く価値があった) – listen to the advice の関係から to が必要。

5.8. prevent/stop/keep O from doing (Oが~するのを妨げる)

  • 意味: O(人や物)が何かをするのを妨げる、やめさせるという意味を表します。
  • 構造prevent/stop/keep + O + from + 動名詞
  • 例文:
    • The heavy rain prevented us from going out. (大雨のために私たちは外出できなかった)
    • What stopped you from telling the truth? (何があなたに真実を話すのをやめさせたのですか?)
    • Noise can keep people from sleeping well. (騒音は人々が良い睡眠をとるのを妨げることがある)

5.9. 前置詞 to + 動名詞 (be used to doinglook forward to doing など)

  • 注意が必要な to: 不定詞を作る to ではなく、前置詞としての to の後に動名詞が続く表現があります。これらは不定詞と混同しやすいため、特に注意が必要です。
  • 主な表現:
    • be used/accustomed to doing: ~することに慣れている
      • 例: I am used to getting up early. (早起きには慣れている) – used to do (以前は~したものだ) との区別が重要。
    • look forward to doing: ~するのを楽しみに待つ
      • 例: We are looking forward to seeing you soon. (近いうちにあなたにお会いするのを楽しみにしています)
    • object to doing: ~することに反対する
      • 例: He objected to building a new highway here. (彼はここに新しい高速道路を建設することに反対した)
    • when it comes to doing: ~することになると、~のこととなると
      • 例: When it comes to cooking, she is an expert. (料理のこととなると、彼女は専門家だ)
    • What do you say to doing?: ~するのはどうですか? (提案)
      • 例: What do you say to going for a drink after work? (仕事の後、飲みに⾏くのはどうですか?)
    • contribute to doing: ~することに貢献する
    • devote oneself to doing: ~することに専念する
    • be opposed to doing: ~することに反対している

6. 動名詞と現在分詞の区別

動名詞 (-ing) と現在分詞 (-ing) は全く同じ形をしているため、文中での機能を見分けることが重要です。

6.1. 形態 (-ing) は同じ、機能は異なる

  • 動名詞 (Gerund): 文中で名詞の役割を果たす。「~すること」。
  • 現在分詞 (Present Participle):
    • 形容詞的機能: 名詞を修飾する(前から、または後ろから)。「~している(状態の)」
    • 副詞的機能: 分詞構文を作り、時・理由・付帯状況などを表す。「~しながら」「~なので」
    • 進行形be動詞 + 現在分詞 で進行形を作る。「~している最中だ」

6.2. 動名詞(名詞機能) vs 現在分詞(形容詞/副詞機能)の見分け方

  • 機能で判断: 文中でその -ing 形がどのような役割を果たしているかを見ます。
    • 主語、目的語、補語になっていれば → 動名詞
    • 名詞を修飾していれば → 現在分詞(形容詞的用法)
    • 文全体を修飾する分詞構文であれば → 現在分詞(副詞的用法)
    • be 動詞と結びついて進行形を作っていれば → 現在分詞
  • 言い換えで判断:
    • 動名詞は「~すること」と訳せる場合が多い。
    • 現在分詞(名詞修飾)は「~している」と訳せる場合が多い。
  • :
    • 動名詞Sleeping is necessary for health. (眠ることは健康に必要だ) – 主語(S)
    • 動名詞: My hobby is collecting stamps. (私の趣味は切手を集めることだ) – 補語(C)
    • 現在分詞(進行形): The baby is sleeping peacefully. (赤ちゃんは安らかに眠っている) – 進行形の一部。
    • 現在分詞(名詞修飾): Look at the sleeping baby. (眠っている赤ちゃんを見て) – baby を前から修飾。
    • 現在分詞(名詞修飾): The baby sleeping in the cradle is my nephew. (揺りかごで眠っている赤ちゃんは私の甥だ) – baby を後ろから修飾。
    • 現在分詞(分詞構文)Feeling tired, I went to bed early. (疲れていたので、私は早く寝た) – 理由を表す分詞構文。
  • 複合名詞との区別a sleeping bag (寝袋) の sleeping は、形は現在分詞と同じですが、意味的には「睡眠のための袋」であり、動名詞が名詞を修飾している(あるいは複合名詞の一部)と解釈されます。a sleeping baby(眠っている赤ちゃん)の sleeping は現在分詞です。

7. 読解と作文における動名詞

動名詞の知識は、正確な読解と表現豊かな作文に不可欠です。

7.1. 読解における動名詞句の正確な解釈

  • 構造把握: 文中で動名詞句がどの要素(S, O, C)として機能しているかを特定することが、文構造を正確に理解する上で重要です。特に、長い動名詞句が主語や目的語になっている場合、その範囲を正しく見極める必要があります。
  • 意味上の主語の特定: 動名詞の前に所有格や目的格がある場合、それが意味上の主語であることを認識し、「~が…すること」と解釈します。明示されていない場合は、文脈や文全体の主語から判断します。
  • 時制・態の解釈: 完了動名詞 (having donehaving been done) が使われている場合、主節の時制との前後関係を正確に捉える必要があります。受動態 (being donehaving been done) の解釈も同様です。
  • 慣用表現の認識: 動名詞を用いた慣用表現は、文字通りの意味ではなく、決まった意味を持つことが多いので、それらを知識として知っておくことが読解をスムーズにします。

7.2. 作文における動名詞の効果的な活用

  • 主語としての活用: 「~することは…だ」という文を作る際に、Doing... is... という形で簡潔に表現できます。
  • 目的語としての活用: 動詞の語法に合わせて、動名詞を目的語として正確に使うことが、文法的に正しい英文を書く基本です。
  • 前置詞との組み合わせ: 前置詞と動名詞を組み合わせることで、理由 (because of doing)、手段 (by doing)、時 (before/after doing)、目的 (for the purpose of doing) など、多様な意味関係を表現できます。
  • 慣用表現の利用: 状況に応じて動名詞を用いた慣用表現を適切に使うことで、より自然でこなれた英語表現が可能になります。
  • 不定詞との使い分け: 表現したいニュアンス(一般的か特定的か、過去か未来かなど)に応じて、不定詞と動名詞を戦略的に使い分けることで、より精密な意図伝達が可能になります。

8. まとめと次(演習編)への接続

8.1. 本講義の要点整理

  • 動名詞は 動詞-ing 形で、準動詞として文中で名詞の役割(S, O, C)を果たす。
  • 動名詞句は意味上の主語(所有格/目的格)、時制(単純/完了)、態(能動/受動)を持つ。
  • 前置詞の目的語には原則として動名詞を用いる。
  • 動詞の目的語として、動名詞のみ、不定詞のみ、両方(意味が異なる/同じ)を取る場合があり、その使い分けが重要。
  • 動名詞を用いた多くの重要構文・慣用表現が存在する。
  • 形が同じ現在分詞(形容詞・副詞機能)との区別が必要。

8.2. 演習編への準備と分詞学習への展望

  • 本講義で学んだ動名詞の理論的知識を基に、次の演習編では、具体的な問題を通して実践力を養います。用法識別、形態変化、不定詞との使い分け、慣用表現の運用などを練習します。
  • 動名詞の理解を深めることは、不定詞との比較を通じて準動詞全体のシステムを把握する上で重要です。
  • さらに、動名詞と形態が同じ -ing 形を持つ現在分詞、そして過去分詞へと学習を進めることで、準動詞の全体像が完成します。分詞は形容詞的用法(名詞修飾)や副詞的用法(分詞構文)で活躍し、英語の表現をさらに豊かにします。
  • 本講義の内容をしっかりと復習し、不定詞との関連性を意識しながら、次のステップ(動名詞演習編、そして分詞)へと進む準備をしてください。
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