分詞:句構造と修飾関係(演習編)

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講義編では、動詞から派生し、形容詞や副詞のように機能する「分詞」(現在分詞 -ing と過去分詞 pp)について、その形態、意味(能動・進行 vs 受動・完了)、そして文中で果たす役割(名詞修飾、補語、分詞構文)を学びました。分詞は、英語の表現を豊かに描写し、文と文を簡潔かつ流暢に繋ぐための強力なツールです。この演習編では、講義で得た知識を基に、分詞の用法を正確に識別し、文脈に応じて適切な形を選択・運用し、特に分詞構文を読み解き、作成する実践的なスキルを習得することを目指します。様々な問題を通して、この「描写と接続の達人」である分詞を使いこなせるようになりましょう。

目次

1. はじめに:分詞を使いこなすための実践演習

1.1. この演習の目的

  • 知識の定着と応用: 講義で学んだ現在分詞・過去分詞の機能(形容詞的・副詞的)、意味(能動/受動、進行/完了)、形態(完了形、受動態)、分詞構文、with構文に関する知識を、具体的な問題演習を通じて確実に定着させ、応用力を高めます。
  • 識別・解釈能力の向上: 文中の分詞(句)がどのような用法で使われ、どのような意味・機能を持っているかを正確に識別し、解釈する能力を養います。特に現在分詞と過去分詞の使い分け、分詞構文の意味判断が重要です。
  • 選択・運用スキルの習得: 文脈に合わせて適切な分詞の形を選択し、分詞構文を正しく構築・解釈するスキル、およびwith構文などを効果的に運用するスキルを習得します。

1.2. 演習に取り組む際の心構え

  • 機能の特定: まず、その分詞(句)が名詞を修飾しているか(形容詞的)、文の補語になっているか(形容詞的)、それとも文全体を修飾しているか(副詞的=分詞構文)を考えましょう。
  • 意味関係の確認: 現在分詞か過去分詞かは、修飾される名詞や意味上の主語との関係(能動「〜している」か、受動「〜される/された」か)で決まります。感情動詞の分詞にも注意しましょう。
  • 分詞構文の解読: 分詞構文では、省略された接続詞(時、理由、条件、譲歩、付帯状況)と主語(通常は主節の主語)を補って意味を考えてみましょう。
  • 形態への注意: 完了形 (Having ppHaving been pp) や受動態 ((Being) ppHaving been pp)、否定 (Not -ing) など、文脈が要求する形態を正確に適用しましょう。

2. 分詞の形容詞的用法の演習

名詞を修飾したり、補語になったりする分詞の使い方を確認します。

2.1. 現在分詞 vs 過去分詞(名詞修飾)

問題

  1. 括弧内に入れるのに適切な分詞の形(現在分詞 -ing または過去分詞 pp)を選びなさい。 (a) Be careful with the (breaking / broken) glass on the floor. (b) The concert was amazing! The audience was really (exciting / excited). (c) We watched the (setting / set) sun over the ocean. (d) English is a language (speaking / spoken) all over the world. (e) The police are searching for the (missing / missed) child. (f) It was a (tiring / tired) journey, so I felt very (tiring / tired).
  2. 括弧内の動詞を適切な分詞の形にして、前の名詞を修飾するようにしなさい。 (a) the train (arrive) at Platform 3 → arriving (b) the results (announce) yesterday → announced (c) children (play) in the snow → playing (d) rules (establish) by the committee → established

解答・解説

  1. (a) broken (ガラスは「壊された」状態 → 受動) (b) excited (聴衆は「興奮させられた」→ 受動 → 興奮した) ※ exciting music なら「興奮させる音楽」 (c) setting (太陽は「沈んでいる」最中 → 進行) (d) spoken (言語は「話される」→ 受動) (e) missing (子供は「行方不明になっている」状態 → 能動/状態) ※ missは他動詞だが、missing child は慣用的な形容詞用法 (f) tiringtired (旅が「疲れさせる」ので、私は「疲れさせられた」) 解説: 修飾される名詞と分詞の関係が能動・進行なら現在分詞、受動・完了なら過去分詞です。感情動詞(excite, tireなど)は「〜させる」なら-ing、「〜させられる(→〜する)」なら-edです。
  2. (a) arriving (プラットフォーム3に「到着する」電車 → 能動/進行) (b) announced (昨日「発表された」結果 → 受動) (c) playing (雪の中で「遊んでいる」子供たち → 能動/進行) (d) established (委員会によって「設立された」規則 → 受動) 解説: 名詞を後ろから修飾する場合も、名詞との意味関係で現在分詞か過去分詞かを判断します。

2.2. 前置修飾 vs 後置修飾

問題

  1. 次の語句を並べ替えて、自然な英語の名詞句を作りなさい。 (a) ( a / barking / loudly / dog ) (b) ( stolen / car / police / by / the / found / the )
  2. 次の下線部を、関係代名詞を用いて書き換えなさい。 The theories **discussed in the meeting** were innovative.

解答・解説

  1. (a) a loudly barking dog (副詞+現在分詞が前から修飾) または a dog barking loudly (現在分詞句が後ろから修飾) ※後者の方が一般的か。 (b) the stolen car found by the police (過去分詞 stolen が前から、過去分詞句 found by the police が後ろから修飾) または the car stolen and found by the police (文脈によるが、通常は前者) 解説: 分詞単独なら前から、句を伴うなら後ろから修飾するのが基本です。(a)のように副詞を伴う場合はどちらの形もありえます。
  2. The theories which/that were discussed in the meeting were innovative. 解説: 後置修飾の分詞句は、多くの場合 <関係代名詞 + be動詞> が省略された形と考えることができます。

2.3. 叙述用法(補語)

問題

括弧内に入れるのに適切な分詞の形 (-ing または pp) を選びなさい。

  1. Keep the door (locking / locked) when you go out. (SVOC)
  2. The results of the experiment were quite (surprising / surprised). (SVC)
  3. I saw my cat (chasing / chased) a mouse in the garden. (SVOC)
  4. He felt (disappointing / disappointed) because he failed the exam. (SVC)
  5. You should get your eyes (testing / tested) regularly. (SVOC – get O pp)

解答・解説

  1. locked (ドアが「鍵をかけられた」状態に保つ → 受動)
  2. surprising (実験結果が「驚かせる」ものだった → 能動)
  3. chasing (猫がネズミを「追いかけている」のを見た → 能動/進行)
  4. disappointed (彼が「がっかりさせられた」と感じた → 受動)
  5. tested (目を「検査される」状態にする → 受動)

解説: SVCでは主語(S)と、SVOCでは目的語(O)と分詞(C)の関係が能動・進行か受動・完了かで判断します。get O pp は「Oを〜してもらう/される」という使役・受動の意味を表す重要構文です。

3. 分詞構文の作成と解釈

副詞的に機能する分詞構文の練習です。

3.1. 分詞構文への書き換え

問題

次の文を分詞構文を用いて書き換えなさい。(接続詞と、主節と同じ主語を省略すること)

  1. Because I had a headache, I took some medicine.
  2. While she was walking in the park, she found a wallet.
  3. If you turn right at the next corner, you will see the library.
  4. Though he knew the danger, he decided to go.
  5. He finished his work and then went home.

解答・解説

  1. Having a headache, I took some medicine. (理由) ※ Because と I を省略し、had を -ing 形 having に。
  2. Walking in the park, she found a wallet. (時) ※ While と she を省略し、was walking を -ing 形 walkingに。
  3. Turning right at the next corner, you will see the library. (条件) ※ If と you を省略し、turn を -ing 形 turning に。
  4. Knowing the danger, he decided to go. (譲歩) ※ Though と he を省略し、knew を -ing 形 knowing に。
  5. Finishing his work, he went home. (連続動作) ※ and then を省略し、finished を -ing 形 finishing に。

解説: 分詞構文の基本的な作り方(接続詞・主語省略、動詞を -ing 形へ)を適用します。完了形や受動態の元の文からの書き換えも同様に行います。

3.2. 分詞構文の意味解釈

問題

次の下線部の分詞構文が表す主な意味関係を、(a)時 (b)原因・理由 (c)条件 (d)譲歩 (e)付帯状況・連続動作 から選びなさい。

  1. Not having enough money, I couldn’t buy the concert ticket.
  2. She sat by the window, watching the rain fall.
  3. Admitting it’s difficult, we should still try our best.
  4. Seen from the airplane, the island looked very small.
  5. Turning on the TV, I heard the shocking news.

解答・解説

  1. (b) 原因・理由 (十分なお金を持っていなかったので)
  2. (e) 付帯状況 (雨が降るのを見ながら)
  3. (d) 譲歩 (難しいとは認めるけれども)
  4. (a) 時 / (c) 条件 (飛行機から見ると / もし見れば) ※ If it is seen… の意味合いが近い。
  5. (a) 時 / (e) 連続動作 (テレビをつけるとすぐに / テレビをつけて、そして)

解説: 省略された接続詞を補って考えるのがコツです。文脈から最も自然な意味関係を判断します。

3.3. 完了分詞構文と受動分詞構文

問題

括弧内の動詞を適切な分詞構文の形(単純/完了、能動/受動)に直しなさい。

  1. (Lose) his job, he didn’t know what to do. → Having lost (失業したのは、途方にくれた時より過去)
  2. (Examine) carefully, the stone turned out to be a diamond. → (Being) Examined (石は注意深く調べ「られる」と)
  3. (Not sleep) well the night before, I felt sleepy all day. → Not having slept (よく眠れなかったのは、一日中眠かった時より過去)
  4. (Ask) to give a speech, he felt very nervous. → (Being) Asked (スピーチをするよう頼ま「れて」)

解答・解説

  1. Having lost (主節の過去 didn't know よりも前に失業したので完了形)
  2. (Being) Examined (石は調べ「られる」ので受動形。Being は省略可)
  3. Not having slept (眠かった(過去)よりも前の晩のことなので完了形、かつ否定)
  4. (Being) Asked (頼ま「れた」ので受動形。Being は省略可)

解説: 主節との時制のずれ(より過去)があれば完了形 Having pp / Having been pp を、意味上の主語が動作をされる場合は受動形 (Being) pp / Having been pp を使います。

3.4. 独立分詞構文と懸垂分詞

問題

  1. 次の文を独立分詞構文を用いて完成させなさい。 (a) (The sun / set), we started preparing dinner. → The sun having set (b) (All things / consider), it was a reasonable decision. → All things considered
  2. 次の文は懸垂分詞の誤りを含みます。自然な文になるように訂正しなさい。 Looking out the window, the mountains were covered with snow.

解答・解説

  1. (a) The sun having set (意味上の主語 The sun を明示し、主節より過去なので完了形) (b) All things considered (慣用的な独立分詞構文「あらゆることを考慮に入れると」)
  2. 訂正例: Looking out the window, I saw that the mountains were covered with snow. / When I looked out the window, the mountains were covered with snow. 解説: 元の文では「窓の外を見ていた」のが山 (the mountains) であるかのような不自然な文になっている(懸垂分詞)。意味上の主語(例: I)を明確にするか、分詞構文を使わずに接続詞で書き換える。

4. with + O + 分詞 構文の演習

4.1. 構文の理解と作成

問題

  1. 括弧内に入れるのに適切な形(現在分詞 -ing または過去分詞 pp)を選びなさい。 (a) He fell asleep with the radio (playing / played). (b) She was waiting for him with her arms (folding / folded). (c) Don’t eat with your hands (washing / washed / dirty). (dirty: 形容詞) (d) With so many people (watching / watched), he felt nervous.
  2. 「彼女は涙を流しながらその話をした。」を with 構文を用いて英訳しなさい。(tears / run down / her cheeks)

解答・解説

  1. (a) playing (ラジオが「鳴っている」状態で → 能動・進行) (b) folded (腕が「組まれた」状態で → 受動) (c) dirty (手が「汚い」状態で → 形容詞) ※ washed (洗われた状態で) も文脈により可。 (d) watching (多くの人々が「見ている」状態で → 能動・進行)
  2. She told the story with tears running down her cheeks解説: <with + O + 分詞/形容詞/副詞/前置詞句>の O と後ろの要素の関係が能動・進行なら -ing、受動・完了なら pp、状態なら形容詞などを選びます。

5. 総合演習

5.1. 誤文訂正(総合)

問題

次の各文には分詞に関する誤りが含まれています。誤りを指摘し、正しく訂正しなさい。

  1. The exciting fans rushed onto the field.
  2. Stolen the wallet, he reported it to the police.
  3. I kept the door locking all night.
  4. Finishing the report, it was submitted to the boss.
  5. She sat reading with crossing her legs.

解答・解説

  1. 誤り: exciting → 訂正: excited 解説: ファンは興奮「させられた」側なので過去分詞 excited
  2. 誤り: Stolen → 訂正: Having had his wallet stolen / His wallet having been stolen / After his wallet was stolen 解説: 財布を盗んだのは彼ではない。分詞構文の意味上の主語が主節の主語 he と一致しない。彼が「盗まれた」状況にする必要がある。独立分詞構文か、Having had O pp (Oを〜される) の形、あるいは接続詞節を使う。
  3. 誤り: locking → 訂正: locked 解説: keep O C の構文。ドアが「鍵をかけられた」状態なので過去分詞 locked
  4. 誤り: 文全体の構造 → 訂正: Having finished the report, he submitted it to the boss. / After finishing the report, he submitted it to the boss. 解説: 元の文は懸垂分詞。レポートを終えたのは it (=the report) ではない。意味上の主語(例: he)を明確にする必要がある。
  5. 誤り: with closing her legs → 訂正: with her legs crossed 解説: with + O + pp の形。「脚が組まれた」状態なので過去分詞 crossed

5.2. 短文和訳・英訳(分詞に注目)

問題

  1. 次の英文を和訳しなさい。 (a) Taking everything into consideration, his decision seems reasonable. (b) Strictly speaking, your answer is not correct. (c) The package, sent by airmail, arrived this morning. (d) He stood motionless, his eyes fixed on the strange object.
  2. 次の日本文を英訳しなさい。 (a) 彼は音楽を聴きながら勉強するのが好きだ。(付帯状況の分詞構文) (b) 英語で書かれているので、この手紙を読むのは難しい。(分詞構文 – 理由・受動) (c) その先生に励まされて、彼女は再び挑戦することにした。(分詞構文 – 理由・受動) (d) 帽子をかぶったまま部屋に入ってはいけません。(with構文)

解答・解説

  1. (a) 全てのことを考慮に入れると、彼の決定は妥当に思える。(慣用的独立分詞構文) (b) 厳密に言えば、あなたの答えは正しくない。(慣用的独立分詞構文) (c) 航空便で送られたその小包は、今朝到着した。(後置修飾の過去分詞句) (d) 彼は奇妙な物体に目を固定したまま、身動きせずに立っていた。(独立分詞構文 / with構文に近い)
  2. (a) He likes to study, listening to music. (b) (Being) Written in English, this letter is difficult for me to read. (c) (Being) Encouraged by the teacher, she decided to try again. / Having been encouraged by the teacher, … (励まされたのが決心より前) (d) Don’t enter the room with your hat on.

解説: 和訳では分詞(構文)の持つ意味合い(理由、譲歩、付帯状況など)や慣用表現を正確に。英訳では状況に合わせて適切な分詞の用法(後置修飾、分詞構文、with構文)を選択し、形(能動/受動、単純/完了)も正しくする。

6. まとめとネクストチャレンジ

6.1. 分詞スキルの習熟度チェック

この演習を通じて、現在分詞と過去分詞の使い分け、形容詞的用法(名詞修飾・補語)、副詞的用法(分詞構文)、そして with構文といった分詞の多様な機能を理解し、実践的に運用する力がどれだけ身についたかを確認しましょう。特に、分詞構文の意味判断や完了形・受動態の適用、懸垂分詞の回避などは、繰り返し練習が必要なポイントです。

6.2. 分詞をさらに活用するために

  • 準動詞マスターへ: 不定詞・動名詞・分詞は英語の準動詞トリオです。それぞれの機能と用法を比較し、共通点と相違点を整理することで、準動詞全体の理解が深まります。文脈に応じて最適な準動詞を選択できる力を目指しましょう。
  • 読解での瞬時の判断: 長文読解では、分詞(特に後置修飾や分詞構文)を素早く正確に処理する能力が求められます。多くの英文に触れ、分詞のパターンに慣れ親しむことが重要です。
  • 作文での表現力向上: 分詞構文や with構文を効果的に使うことで、文章をより簡潔に、流暢に、そして描写豊かにすることができます。単調な接続詞の繰り返しを避けるためにも、意識的に分詞を活用する練習をしましょう。
  • さらなる探求: 分詞には、ここで扱った以外にも細かい用法や慣用表現があります。辞書や参考書を活用し、知識をさらに深めていくことも有効です。

分詞は、英語の表現力を格段に引き上げる可能性を秘めた強力なツールです。この演習で培った基礎力を元に、さらに練習を重ね、自在に使いこなせるレベルを目指してください。

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