関係詞節:埋め込み構造と意味(講義編)

当ページのリンクには広告が含まれています。
  • 本記事は生成AIを用いて作成しています。内容の正確性には配慮していますが、保証はいたしかねますので、複数の情報源をご確認のうえ、ご判断ください。

英語の文をより豊かに、そして詳細にするためには、名詞について「それはどんな人なのか?」「どんな物なのか?」といった補足的な説明を加える必要があります。例えば、「昨日私が見た映画」や「隣に住んでいる男性」のように。このような名詞を詳しく説明する役割を果たすのが、「関係詞節 (Relative Clause)」です。関係詞節は、関係詞(関係代名詞や関係副詞)によって導かれ、文の中に別の文を「埋め込む」ような形で、先行する名詞(先行詞)を修飾します。この講義では、関係詞節がどのように形成され(埋め込み構造)、どのような種類(関係代名詞、関係副詞)があり、そして文全体の意味にどのように貢献するのかを、体系的に解説していきます。関係詞節をマスターすることは、複雑な英文の構造を正確に読み解き、情報豊かで洗練された表現を行うための決定的な一歩となります。

目次

1. 関係詞節 (Relative Clause) とは何か? – 名詞を詳しく説明する節

1.1. 文の中に文を埋め込む – 複雑な情報伝達

私たちが伝えたい情報は、常に一つの単純な文で表現できるわけではありません。特に、ある名詞について、それがどのようなものかを具体的に説明したい場合、追加の情報が必要になります。例えば、

  • I read a book. (私は本を読んだ。) – どんな本?
  • The book was very interesting. (その本はとても面白かった。)

これら2つの文の情報を1つにまとめ、より効率的に伝えるために、関係詞節が使われます。

  • I read a book **which was very interesting**. (私はとても面白い本を読んだ。)

このように、関係詞節は、ある名詞(この場合は a book)に関する説明情報を含む節(which was very interesting)を、元の文に埋め込む形で結合する機能を持っています。

1.2. 関係詞節の定義と機能

  • 関係詞節 (Relative Clause) の定義: 関係詞によって導かれ、文中の先行詞 (Antecedent) と呼ばれる名詞(句)を修飾する働きをする節 (Clause) のこと。機能的には形容詞節 (Adjective Clause) とも呼ばれます。
  • 先行詞 (Antecedent): 関係詞節によって説明されたり限定されたりする、関係詞節のに置かれる名詞(句)のこと。上記の例では a book が先行詞です。
  • 関係詞 (Relative): 関係詞節の先頭に置かれ、以下の2つの重要な役割を同時に果たします。
    1. 接続詞的な役割: 関係詞節を先行詞に結びつける。
    2. 代名詞または副詞的な役割: 関係詞節の中で、主語、目的語、所有格(関係代名詞の場合)または副詞(関係副詞の場合)として機能する。上記の例の which は、接続詞の役割と、関係詞節内の主語 (The book was very interesting の The book に相当) の役割を兼ねています。
  • 機能: 関係詞節の主な機能は、先行詞がどのような人・物・場所・時・理由であるかを具体的に説明したり、他のものと区別するために限定したりすることです。

1.3. 関係詞の種類:関係代名詞と関係副詞

関係詞には、節の中で果たす役割に応じて、大きく2つの種類があります。

  • (1) 関係代名詞 (Relative Pronoun): 関係詞節の中で代名詞の役割(主語、目的語、所有格)を果たす関係詞です。先行詞の種類(人か、物・動物か)と、節内での格によって使い分けられます。
    • 主な関係代名詞: who (人-主格), whom (人-目的格), whose (人/物-所有格), which (物・動物-主格/目的格), that (人/物-主格/目的格)
  • (2) 関係副詞 (Relative Adverb): 関係詞節の中で副詞の役割(時、場所、理由、方法)を果たす関係詞です。先行詞の種類に応じて使い分けられます。
    • 主な関係副詞: when (時), where (場所), why (理由), how (方法 ※用法注意)

1.4. 埋め込み構造 (Embedded Structure)

関係詞節は、独立した文ではなく、先行詞を含む名詞句の一部として、主節の中に埋め込まれた (embedded)構造をとります。この階層構造を理解することが、複雑な文を解析する上で重要です。

  • 例: [NP The student [S' **who answered the question**]] raised his hand.
    • この文の主語は The student who answered the question という長い名詞句(NP)です。
    • このNPの中に、先行詞 The student を修飾する関係詞節(S’: who answered the question)が埋め込まれています。
    • 主節の動詞は raised です。

このように、文の中に別の節が部品として組み込まれる構造を意識することが、関係詞節の理解の第一歩です。

2. 関係代名詞 (Relative Pronouns) – 人か物か、格は何か

関係代名詞は、先行詞の種類(人か、物・動物か)と、関係詞節の中での文法的な役割(格:主格、所有格、目的格)によって使い分ける必要があります。

2.1. 主格の関係代名詞 (whowhichthat)

関係詞節の中で主語 (Subject) の働きをします。関係代名詞の直後に動詞が続くのが特徴です。

  • 先行詞が「人」の場合:who または that を使います。
    • I know the girl **who** plays the violin well. (私はバイオリンを上手に弾く少女を知っている。)
      • (who は関係詞節 who plays the violin well の主語)
    • He is the teacher **that** taught me English last year. (彼は昨年私に英語を教えてくれた先生だ。)
      • (that は関係詞節 that taught me English last year の主語)
  • 先行詞が「物」または「動物」の場合:which または that を使います。
    • The computer **which** is on the desk is mine. (机の上にあるコンピューターは私のです。)
      • (which は関係詞節 which is on the desk の主語)
    • This is the key **that** opens the front door. (これが玄関のドアを開ける鍵です。)
      • (that は関係詞節 that opens the front door の主語)
  • 注意: 主格の関係代名詞は、原則として省略することはできません。(ただし、be動詞が続く場合など、特定の口語表現で省略されることも稀にありますが、標準的ではありません。非制限用法では省略不可。)

2.2. 所有格の関係代名詞 (whoseof which)

関係詞節の中で所有格 (Possessive)(〜の)の働きをし、必ず後ろに名詞を伴います。<whose + 名詞> の形で、先行詞と後ろの名詞の間に「〜の」という所有関係があることを示します。

  • 先行詞が「人」でも「物・動物」でも:whose を使うのが一般的です。
    • 先行詞が「人」:I met a woman **whose** husband is a famous actor. (私は夫が有名な俳優である女性に会った。)
      • (whose husband = her husband)
    • 先行詞が「物」:He lives in a house **whose** walls are painted green. (彼は壁が緑色に塗られた家に住んでいる。)
      • (whose walls = its walls)
  • 先行詞が「物」の場合の of which:
    • 先行詞が物の場合、whose の代わりに of which を使うこともできます。この場合、<the + 名詞 + of which> または <of which + the + 名詞> (後者はまれ) の形をとります。whose よりも硬い、文語的な表現です。
    • He lives in a house, **the walls of which** are painted green.
    • He lives in a house **of which the walls** are painted green. (あまり一般的ではない)

2.3. 目的格の関係代名詞 (whomwhichthat, 省略)

関係詞節の中で目的語 (Object)(動詞の目的語、または前置詞の目的語)の働きをします。関係代名詞の後ろには <主語 + 動詞> が続くのが特徴です。

  • 先行詞が「人」の場合:whom (フォーマル), who (口語), that, または 省略します。
    • 動詞の目的語:The artist **whom/who/that** I admire most is Picasso. (私が最も尊敬する芸術家はピカソだ。)
      • (元の文: I admire the artist most. の the artist の代わり)
    • 前置詞の目的語:The lady **whom/who/that** I was talking **to** is my aunt. (私が話していた女性は私の叔母だ。)
      • (元の文: I was talking **to** the lady. の the lady の代わり)
  • 先行詞が「物」または「動物」の場合:whichthat, または 省略します。
    • 動詞の目的語:This is the cake **which/that** she baked yesterday. (これは彼女が昨日焼いたケーキだ。)
      • (元の文: She baked the cake yesterday. の the cake の代わり)
    • 前置詞の目的語:The topic **which/that** we talked **about** was interesting. (私たちが話した話題は面白かった。)
      • (元の文: We talked **about** the topic. の the topic の代わり)
  • ★目的格関係代名詞の省略:
    • 目的格の関係代名詞 (whomwhowhichthat) は、特に会話やインフォーマルな文体では省略されることが非常に多いです。
      • 例: The artist **I admire** most is Picasso. (whom/who/that 省略)
      • 例: This is the cake **she baked** yesterday. (which/that 省略)
    • 読解においては、名詞の直後に <主語 + 動詞> が続いていたら、「ここに目的格の関係代名詞が省略されているのではないか?」と疑うことが、文構造を正確に把握するために重要です。

2.4. 関係代名詞 that の注意点

that は先行詞が人でも物でも、主格でも目的格でも使える便利な関係代名詞ですが、以下のような制限や、逆に好まれる場合があります。

  • that が使えない場合:
    • (a) 非制限用法 (コンマの後): コンマ(,)の後ろでは that は使えません。(後述)
      • 例: × My father, that is a doctor, works hard. → ○ My father, **who** is a doctor, works hard.
    • (b) 前置詞の後:<前置詞 + that> の形は使えません。(後述)
      • 例: × the tool with that I fixed the chair → ○ the tool **with which** I fixed the chair / the tool **that** I fixed the chair **with**
  • that が好まれる場合:
    • 先行詞に 最上級 (the bestthe tallest など)、序数 (the firstthe second など)、the only (唯一の), the very (まさにその), the same (同じ), allnoanyevery (または -thing-body で終わる語) が付いている場合。
      • 例: This is **the best** movie **that** I have ever seen.
      • 例: She is **the only** person **that** can solve the problem.
      • 例: **All that** glitters is not gold. (ことわざ: 輝くものすべてが金とは限らない)
    • 先行詞が 「人 + 物/動物」 の場合。
      • 例: Look at the man and his dog **that** are running over there.

3. 関係副詞 (Relative Adverbs) – 時・場所・理由

関係副詞は、接続詞の役割と、関係詞節の中で副詞(時、場所、理由、方法)の役割を兼ね備えています。先行詞を修飾する形容詞節を導きます。

3.1. when (時)

  • 先行詞がを表す名詞 (timedayyearmomentoccasion など) の場合に用いられます。関係詞節の中で「その時に」という副詞の働きをします。
  • 例: Sunday is the day **when** I can relax. (日曜日は私がリラックスできる日だ。) (= … the day on which I can relax.)
  • 例: I will never forget the moment **when** I first saw her. (私が初めて彼女に会った瞬間を決して忘れないだろう。) (= … the moment at which I first saw her.)
  • when は非制限用法でも使われます(後述)。

3.2. where (場所)

  • 先行詞が場所を表す名詞 (placehousecitycountryroompoint など) の場合に用いられます。関係詞節の中で「そこで」という副詞の働きをします。
  • 例: This is the town **where** I grew up. (これが私が育った町だ。) (= … the town in which I grew up.)
  • 例: Let's find a place **where** we can sit down. (私たちが座れる場所を見つけよう。) (= … a place at/in which we can sit down.)
  • where は非制限用法でも使われます(後述)。

3.3. why (理由)

  • 先行詞が理由を表す名詞、主に the reason の場合に用いられます。関係詞節の中で「その理由で」という副詞の働きをします。
  • 例: That is the reason **why** he refused the offer. (それが彼が申し出を断った理由だ。) (= … the reason for which he refused the offer.)
  • the reason または why のどちらか一方が省略されることがよくあります。
    • That is **why** he refused the offer.
    • That is **the reason** (that) he refused the offer. ※whyを省略する場合、代わりにthatを使うことが多い。

3.4. how (方法) – 特殊な用法

  • how は「方法」を表しますが、他の関係副詞と異なり、先行詞 the way と一緒には使えません
  • 以下のいずれかの形をとります。
    • the way (関係副詞なし): This is **the way** I learned English. (これが私が英語を学んだ方法だ。)
    • how (先行詞なし): This is **how** I learned English. (これが私が英語を学んだ方法だ。) ※この how節は名詞節として機能します。
    • the way in which ...This is **the way in which** I learned English.
    • the way that ...This is **the way that** I learned English.
  • (誤) *This is the way how I learned English.

3.5. 関係副詞と <前置詞 + 関係代名詞>

関係副詞 whenwherewhy は、<前置詞 + which> の形で言い換えることができる場合が多いです。どの前置詞を使うかは、先行詞と関係詞節内の動詞や意味関係によって決まります。

  • when → at which (時刻), on which (日), in which (月、年など)
  • where → at which (地点), on which (表面), in which (内部、場所)
  • why → for which

この書き換えができるかどうかを考えることは、関係副詞の理解を深めるのに役立ちます。

4. 制限用法 (Restrictive) と非制限用法 (Non-restrictive) – コンマ(,)の有無と意味の違い

関係詞節には、先行詞との結びつき方によって、制限用法非制限用法という2つの重要な用法があります。これはコンマ(,)の有無によって区別され、意味も異なります。

4.1. 制限用法 (Restrictive / Defining Clause) – コンマなし

  • 機能: 先行詞が指す範囲を限定・特定します。その関係詞節がないと、先行詞が具体的に何を指すのかが不明確になるような、必須の情報を提供します。「(たくさんある中で)〜である(ところの)先行詞」というニュアンス。
  • 形式: 関係詞節の前にコンマ(,)を置きません
  • 特徴:
    • 関係代名詞 that を使うことができる
    • 目的格の関係代名詞は省略可能
  • 例:
    • The woman **who is wearing a red hat** is my sister. (赤い帽子をかぶっている女性は私の姉です。→ 他にも女性がいる中で、特定している)
    • I like movies **that have happy endings**. (私はハッピーエンドの映画が好きだ。→ 全ての映画ではなく、そういう種類の映画)
    • The keys **(which/that) I lost** were found. (私がなくしたが見つかった。→ 他の鍵ではなく、なくした特定の鍵)

4.2. 非制限用法 (Non-restrictive / Non-defining Clause) – コンマあり

  • 機能: 先行詞について、特定するためではなく、**付加的な情報(補足説明)**を加えます。先行詞は、その関係詞節がなくても、文脈上または固有名詞などによって既に特定されていることが多いです。前から訳し下ろし、「先行詞、そしてその人/物は〜」のように解釈できます。
  • 形式: 関係詞節の前にコンマ(,)を置きます。文の途中に挿入される場合は、後ろにもコンマを置きます。
  • 特徴:
    • 関係代名詞 that は使えません。(whowhomwhosewhich を使う)
    • 主格・目的格の関係代名詞も省略できません
    • 関係副詞 whenwhere も使えます。
    • 関係代名詞 which は、特定の先行詞だけでなく、前の文(節)全体や一部(句)を先行詞として指すことができます。
  • 例:
    • My eldest brother**, who** works in New York, is visiting us next week. (私の長兄(特定されている)は、そして彼はニューヨークで働いているのだが、来週私たちを訪ねてくる。)
    • We went to Paris**, where** we saw the Eiffel Tower. (私たちはパリへ行ったが、そしてそこでエッフェル塔を見た。)
    • He passed the exam**, which** surprised everyone. (彼は試験に合格したが、そしてそのことは皆を驚かせた。) (which = He passed the exam という事実全体)

4.3. 意味の違いの例

制限用法か非制限用法かで、文全体の意味合いが変わる場合があります。

  • 制限: He has two sons **who became doctors**. (彼には医者になった息子が2人いる。→ 他にも息子がいる可能性がある)
  • 非制限: He has two sons**, who** became doctors. (彼には息子が2人いるが、そしてその2人とも医者になった。→ 息子は合計2人であるという含意)

コンマ一つで意味が変わるため、読解でも作文でも注意が必要です。

5. 前置詞 + 関係代名詞

関係詞節の中で関係代名詞が前置詞の目的語になる場合、その前置詞を関係代名詞の前に置くことができます。

5.1. 構造と作り方: <前置詞 + whom/which>

  • 先行詞が「人」:<前置詞 + whom> を使うのが正式です。
    • This is the professor **about whom** I told you. (これが私があなたに話した教授です。) ← I told you **about** the professor.
  • 先行詞が「物・動物」:<前置詞 + which> を使います。
    • The chair **on which** you are sitting is broken. (あなたが座っている椅子は壊れています。) ← You are sitting **on** the chair.
  • この形は、that は使えず関係代名詞 (whom/which) の省略もできません
  • 前置詞を関係詞節の末尾に残す形(例: the professor (who/whom/that) I told you **about**)の方が口語的で一般的ですが、<前置詞 + 関係代名詞> の形はフォーマルな書き言葉などでよく使われます。

5.2. 注意点(句動詞など)

  • look fordepend ontalk about のような句動詞の場合、その前置詞や副詞は関係代名詞の前に移動できません
    • 例: the job **which** I applied **for** (私が応募した仕事)
    • (誤) *the job for which I applied (※ apply for で一つの動詞と考えるため)

6. 複合関係詞 (Compound Relatives) – 先行詞を含む関係詞

関係詞自体に先行詞の意味が含まれているのが複合関係詞です。what と -ever の付く形があります。

6.1. 複合関係詞とは?

  • 例: what = the thing(s) which/that (〜すること/もの)
  • 例: whatever = anything that (〜するものは何でも) / no matter what (たとえ何が〜でも)
  • 複合関係詞が導く節は、名詞節 または 副詞節 として機能します。

6.2. 名詞節を導く複合関係詞

  • 文の中で主語(S)、目的語(O)、補語(C)になります。
    • what (〜すること/もの):
      • **What** surprised me was his honesty. (S: 私を驚かせたことは彼の正直さだった。)
      • Tell me **what** you need. (O: あなたが必要なものを教えて。)
      • This is **what** I have been looking for. (C: これが私が探していたものだ。)
    • whatever (〜するものは何でも): Take **whatever** you want. (欲しいものは何でも取りなさい。)
    • whoever (〜する人は誰でも): **Whoever** breaks the rule will be fined. (規則を破る者は誰でも罰金が科される。)
    • whichever (〜するものはどちらでも): You can choose **whichever** appeals to you. (どちらでもあなたに訴える方を選んでよい。)

6.3. 副詞節を導く複合関係詞 (譲歩)

  • 「たとえ〜でも」という譲歩の意味を表す副詞節を導きます。No matter + 疑問詞 とほぼ同じ意味になります。
    • whatever (= no matter what): **Whatever** you do, do your best. (たとえ何をするにしても、最善を尽くしなさい。)
    • whoever (= no matter who): **Whoever** calls, I'm not at home. (たとえ誰が電話してきても、私は留守だと言ってくれ。)
    • whichever (= no matter which): **Whichever** route you take, it will take about an hour. (たとえどちらのルートをとっても、約1時間かかるだろう。)
    • whenever (= no matter when): He is always cheerful **whenever** I see him. (いつ会っても彼はいつも陽気だ。)
    • wherever (= no matter where): You can sit **wherever** you like. (どこでも好きなところに座ってよい。)
    • however + 形容詞/副詞 (= no matter how): **However** hard you try, you can't finish it in a day. (たとえどんなに一生懸命やっても、…)
    • 注意: 接続副詞の however (しかしながら) と、複合関係副詞の however (どんなに〜でも) を混同しないように注意が必要です。

7. 関係詞の知識を読解と作文に活かす

7.1. 読解における関係詞節の重要性

  • 複雑な文構造の核心: 関係詞節は、文を長く複雑にする主要因の一つです。先行詞を正確に特定し、関係詞節がどこまで続き、どのような情報を付加しているかを把握することが、複雑な文を正確に読み解くための鍵となります。
  • 情報の階層性の理解: 制限用法と非制限用法の違いを理解することで、情報が先行詞を特定するための必須情報なのか、補足的な付加情報なのかを区別でき、文の構造とニュアンスをより深く理解できます。
  • 省略の補完: 目的格関係代名詞の省略は非常に一般的です。名詞の直後に <S+V> が続く形を見たら、関係詞の省略を疑い、補って解釈する能力が必要です。
  • 複合関係詞の機能判断: what や -ever 形が名詞節なのか副詞節(譲歩)なのかを文脈から判断することが重要です。

7.2. 作文における関係詞の活用

  • 文の結合と洗練: 関係詞を用いることで、短く途切れがちな文を結合し、よりスムーズで流暢な、情報密度の高い文を作成できます。
  • 正確な情報の付加: 先行詞に合わせて適切な関係詞(格、人/物、制限/非制限)を選択し、名詞に正確な説明や限定を加えることができます。
  • 表現の多様性: 目的格の省略、前置詞+関係代名詞、複合関係詞などを使いこなすことで、表現のバリエーションが広がり、より洗練された文章を書くことが可能になります。非制限用法は、情報を効果的に付け加えるテクニックとして有用です。

8. まとめ:関係詞は名詞と情報を繋ぐ架け橋

関係詞(関係代名詞・関係副詞)は、文中の名詞(先行詞)に対して、それに関する詳細な情報を含む節(関係詞節=形容詞節)を結びつける、極めて重要な文法機能です。これにより、文はより具体的で、情報豊かになります。

関係代名詞は先行詞の種類(人/物)と格(主格/所有格/目的格)によって、関係副詞は先行詞(時/場所/理由)によって使い分けられます。コンマの有無で区別される制限用法と非制限用法は、情報の性質(限定か付加か)を伝え、文意に影響を与える重要な区別です。目的格の省略、前置詞との組み合わせ、先行詞を含む複合関係詞など、関係詞には多様な側面がありますが、これらをマスターすることで、英語の構造に対する理解は格段に深まります。

関係詞節を正確に読み解き、適切に使いこなす能力は、複雑な英文を理解し、自らも洗練された文章を作成するための必須スキルです。関係詞という「架け橋」を使いこなし、名詞と情報を効果的に結びつけられるようになりましょう。

次の「関係詞節:演習編」では、関係詞の選択、用法識別、省略、非制限用法、複合関係詞など、この講義で学んだ内容を実践的な問題を通して練習していきます。

目次