まだ志望校が決まらない高1・2生へ。将来の選択肢を広げるためのモチベーション維持法と志望校の探し方

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高校生活にも少しずつ慣れてきたけれど、周りの友人たちが「〇〇大学に行きたい」と話し始めるのを聞いて、少し焦りを感じていませんか？

「自分には、まだ行きたい大学なんてない…」

「何のために勉強すればいいのか分からなくて、やる気が出ない…」

高校1年生、2年生の段階で、明確な志望校が決まっていないのは、決して珍しいことではありません。むしろ、これからたくさんの可能性を知っていく大切な時期です。焦って適当にゴールを決めてしまうより、じっくりと自分自身と向き合う良い機会だと考えてみましょう。

この記事では、そんなあなたのために、2つの大切なことを解説します。

志望校がまだ決まっていなくても、勉強のモチベーションを維持する方法
自分に合った志望校や学びたいことを見つけるための具体的な探し方

今の不安な気持ちを、将来の選択肢を広げるための前向きなエネルギーに変えていきましょう。

1. なぜ、志望校が決まらないとやる気が出ないのか？

まず、今のあなたの気持ちが、ごく自然なものであることを理解しましょう。

1.1. ゴールが見えないことによるモチベーションの低下

勉強は、長い道のりを進むマラソンによく例えられます。志望校という明確なゴールがあれば、そこに向かって頑張ることができますが、ゴールが見えない状態では、どこに向かって走ればいいのか分からず、ペースを維持するのが難しくなります。

1.2. 「何のために勉強しているのか」が分からなくなる

特に、難しくて面白みを感じにくい科目を勉強している時、「これをやって、一体何になるんだろう？」という疑問が湧いてくることがあります。勉強する目的や意味が見出せないと、やる気はどんどん下がっていってしまいます。

1.3. でも、焦って決める必要はない理由

志望校が決まらないことに焦る必要は全くありません。なぜなら、高1・2の段階では、世の中にどんな大学や学部があり、どんな学問があるのか、ほとんど知らない状態だからです。

よく知らないままに決めてしまうと、後から「もっと自分に合う大学があったのに…」と後悔することになりかねません。今は、これからどんな大学でも選べるように、準備をしておくことが何よりも大切です。

2. 【志望校が決まるまで】今やるべき勉強とモチベーション維持法

では、具体的なゴールがない状態で、どうやって勉強へのやる気を保てば良いのでしょうか。目標を少し変えてみることが有効です。

2.1. 短期目標に切り替える：目の前の「定期テスト」を目標にする

「〇〇大学合格」という遠い目標の代わりに、「次の定期テストで学年〇〇位以内に入る」「数学で85点以上取る」といった、身近で具体的な目標を設定しましょう。

メリット:
- やるべきことが明確になり、集中しやすくなります。
- 目標を達成することで、「やればできる」という自信（有能感）がつき、次の勉強への意欲が湧きます。
- 定期テストの成績は、大学受験の推薦入試で重要となる「評定平均」に直結します。目の前のテストを頑張ることが、将来の選択肢を増やすことに直接つながるのです。

2.2. とにかく「苦手科目」を作らない勉強を心がける

志望校が決まっていない段階で、最も避けるべきなのが「苦手科目」を作ってしまうことです。

選択肢を狭める原因: 例えば、「数学が苦手だから」という理由で理系学部への道を諦めたり、「英語が苦手だから」という理由で国際系の学部を候補から外したりするのは、非常にもったいないことです。
今やるべきこと: 苦手意識のある科目こそ、高1・2のうちに時間をかけて克服しておきましょう。全ての科目を平均的にできるようにしておくことが、後でどんな進路も自由に選べるための「保険」になります。

2.3. 「得意科目」を究めて、学問の面白さを知る

苦手克服と同時に、好きな科目や得意な科目をどんどん伸ばしていくことも大切です。

学問への興味: 得意科目をさらに深く勉強してみると、「もっと知りたい」という知的好奇心が刺激されます。その興味が、関連する大学の学部や学科を見つけるきっかけになることは非常に多いです。
自信につながる: 一つでも「この科目は誰にも負けない」という科目があれば、それが大きな自信となり、他の科目を勉強する上での精神的な支えにもなります。

2.4. 「仮の志望校」を設定してみる

どうしても目標がないと頑張れない、という場合は、「仮の目標」を立ててみるのも一つの手です。

設定の例:
- 有名な大学（例：東京大学、京都大学、早稲田大学、慶應義塾大学など）
- 地元の国公立大学
- 部活動の先輩が進学した大学
目的: あくまで仮の目標なので、途中で変えても全く問題ありません。大切なのは、具体的な大学名を目標にすることで、「その大学に合格するには、どれくらいの学力が必要か」を調べ、現在の自分との差を認識し、勉強のペースメーカーにすることです。

3. 【志望校の探し方・基礎編】自分を知ることから始める

勉強と並行して、少しずつ「自分はどんなことに興味があるのか」を探る旅を始めましょう。

3.1. 自分の「好き」と「得意」を書き出してみる

どんなに些細なことでも構いません。紙やノートに、自分の好きなこと、得意なこと、やっていて楽しいと感じることを書き出してみましょう。

例:
- 好きなこと：ゲーム、漫画を読む、絵を描く、音楽を聴く、動物と触れ合う
- 得意なこと：人と話す、計画を立てる、コツコツ作業する、計算する

3.2. 将来、どんな生活や仕事をしたいか考えてみる

まだ具体的でなくても構いません。ぼんやりとで良いので、将来の自分を想像してみましょう。

問いかけの例:
- 人とたくさん関わる仕事がしたいか、一人で黙々と取り組む仕事がしたいか？
- 安定した生活を送りたいか、変化や挑戦の多い生活がしたいか？
- 誰かの役に立っていると実感できる仕事が良いか？
- 高い収入を得たいか、それとも時間を自由に使える方が良いか？

3.3. 文系か理系か、今の考えを整理する

高2になると文理選択が待っています。現時点での考えを整理しておきましょう。

判断材料:
- 国語や社会の科目に興味があるか、数学や理科の科目に興味があるか？
- 論理的に物事を考えるのが好きか、人の気持ちや文化について考えるのが好きか？
- この時点での得意・不得意だけで決めず、あくまで「興味の方向性」で考えてみることが大切です。

4. 【志望校の探し方・実践編】視野を広げる情報収集術

自己分析で出てきたキーワードを元に、今度は外の世界に目を向けて、具体的な情報を集めていきましょう。

4.1. Step1：「学問」から探すアプローチ

自分の興味が、どんな学問分野に繋がっているか調べてみましょう。

例:
- 「なぜ流行が生まれるのか知りたい」→ 経営学、商学、社会学
- 「人の心の仕組みに興味がある」→ 心理学
- 「環境問題を解決したい」→ 環境科学、農学、工学
大学には、あなたが思っている以上にたくさんの種類の学問があります。まずはどんな学問分野があるのかを知ることから始めましょう。

4.2. Step2：「職業」から探すアプローチ

将来なりたい職業、あるいは少しでも興味のある職業から、関連する大学・学部を探す方法です。

例:
- ゲームクリエイター → 情報学部、工学部、芸術学部
- 公務員 → 法学部、経済学部
- カウンセラー → 心理学部、教育学部、社会福祉学部
職業名で検索すると、その職業に就いている人がどんな大学・学部出身なのか、といった情報を見つけることができます。

4.3. Step3：大学のウェブサイトやパンフレットを読んでみる

興味のある学問や職業が見つかったら、それらを学べる大学の公式ウェブサイトを覗いてみましょう。大学からパンフレットを取り寄せてみるのも良い方法です。

チェックポイント:
- どんな授業（カリキュラム）があるか？
- どんな研究をしている先生がいるか？
- どんなサークル活動や留学制度があるか？
- 卒業生はどんなところに就職しているか？

4.4. Step4：オープンキャンパスやオンライン説明会に参加する

実際に大学のキャンパスを訪れたり、オンラインで説明会に参加したりすると、大学の雰囲気を肌で感じることができます。

メリット:
- 模擬授業を受けることで、大学の学びの面白さを体験できます。
- 在学生である先輩たちから、直接リアルな話を聞くことができます。
- 「この大学で学びたい！」という強いモチベーションが生まれるきっかけになることも多いです。

4.5. Step5：進路情報サイトや適性診断を活用する

スタディサプリ進路やパスナビといった進路情報サイトには、全国の大学の情報がまとまっており、非常に便利です。サイトによっては、簡単な質問に答えるだけで自分に向いている学問や職業を教えてくれる「適性診断」もありますので、気軽に試してみましょう。

5. 志望校選びで後悔しないための注意点

最後に、志望校を考えていく上での大切な注意点を3つお伝えします。

5.1. 偏差値や知名度だけで選ばない

偏差値や大学の名前は、大学の価値の一つの側面に過ぎません。最も大切なのは、その大学で「自分が何を学びたいか」です。入学してから「思っていたのと違った」と後悔しないよう、必ずその大学で学べる内容を詳しく調べましょう。

5.2. 「今の学力」で決めつけない

「今の成績では、この大学は無理だ」と、最初から選択肢を狭めてしまうのはやめましょう。高1・高2のあなたには、これから学力を大きく伸ばす時間が十分にあります。今は、自分の可能性を信じて、少し高めの目標を持つくらいが丁度良いのです。

5.3. 周りの意見は参考に、最後は自分で決める

親や先生、友人の意見は、とても参考になります。しかし、最終的にその大学に進学し、4年間を過ごすのは、他の誰でもないあなた自身です。周りの意見に流されるのではなく、すべての情報を踏まえた上で、最後は自分の意志で決断することが、後悔しないための最も重要なポイントです。

結論

高校1年生、2年生の時期は、焦って志望校という一つのゴールを決めることよりも、将来、どんな道にでも進めるように、たくさんの「選択肢」を自分の中に作っておくことが何よりも大切です。

そのために、目の前の定期テストを頑張ったり、苦手科目をなくしたり、得意なことを伸ばしたりする。そして、少しずつ自分自身や社会に目を向け、興味のアンテナを広げていく。

そうした日々の積み重ねと、自分と向き合うプロセスそのものが、受験勉強のモチベーションとなり、あなたを大きく成長させてくれます。焦らず、自分のペースで、未来につながる一歩を今日から踏み出していきましょう。