【共通テスト 古文】Module 2: 設問解体の論理─正解選択肢の構成要件と誤答の生成原理

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本モジュールの目標:「なんとなく」を排し、全ての解答に「論拠」を持つ

Module 1では、文法という名のメスを手に、古文を精密に読み解くための「ツール」を磨き上げました。あなたは今、助動詞や助詞が放つ微細なニュアンスの違いを捉え、文章の解像度を格段に上げるための土台を築いています。

しかし、共通テスト古文における真の戦場は、選択肢という名の迷宮の中にあります。本文がある程度読めたとしても、設問で提示される5つの選択肢は、どれもが本文の言葉を巧みに使い、もっともらしく見せかけてあなたを惑わしに来ます。ここで合否を分けるのは、曖昧な「本文のイメージに合う/合わない」といった感覚的な判断ではありません。求められるのは、正解がなぜ絶対的に正解なのかを「証明」し、誤答がなぜ決定的に誤答なのかを「論証」する、冷徹なまでの論理的思考力です。

本モジュールは、この選択肢との格闘を、五里霧中の闇雲な作業から、明るい光の下で行われる科学的な分析へと変革させることを目的とします。そのために、私たちは光と影の両面からアプローチします。

  1. 【正解の構造学】: 正解選択肢が必ず満たさなければならない、絶対的な構成要件を解明します。
  2. 【誤答の生成論】: 作問者がどのような思考プロセスで、受験生を陥れる巧妙な「罠(誤答選択肢)」を作り出すのか、その生成パターンを体系的に暴きます。

このモジュールをマスターしたあなたは、もはや選択肢の前で怯えることはありません。一つ一つの選択肢を、まるで精密な鑑定士のように、その構成要素を分解し、本文という絶対的な基準と照合し、その真贋を完璧に見抜くことができるようになります。それは、古文の得点を運任せの博打から、再現性のある確固たる実力へと引き上げる、決定的なステップとなるのです。


目次

1. 設問要求の完全分解―何を問われ、どこまで答えるべきか

選択肢の吟味に入る前に、絶対に行わなければならない準備があります。それは、設問文そのものを一字一句おろそかにせず、その「命令」を完璧に理解することです。設問文は、あなたがこれから行うべき知的作業の全てを規定する「命令書」です。この命令を読み違えれば、どれだけ本文が読めていても、的外れな解答を選んでしまうことになります。

1.1. 設問は「命令書」である:問いの核心を掴む

設問文を読む際に、特に注意すべきは、その**「問い方」**です。

  • 「~の解釈として最も適当なもの」→ 傍線部の現代語訳の正確性が問われています。単語・文法の知識が直結します。
  • 「~の理由として最も適当なもの」→ 傍線部の事象が起こった原因・理由を、本文の因果関係から特定することが求められます。
  • 「~はどういうことか、説明せよ」→ 傍線部の内容を、本文の別の箇所にある記述(具体例や定義など)を用いて、分かりやすく言い換えることが要求されます。
  • 「~という心情についての説明」→ 登場人物の感情そのものだけでなく、その感情が**「なぜ」「誰に対して」「どのような状況で」**生まれたのか、という背景まで含めた理解が問われます。

これらの問い方の違いを意識せず、全てを「傍線部の説明問題」として一括りにしてしまうと、解答の焦点がぼやけてしまいます。

1.2. 解答のスコープを画定する:「主語」と「範囲」の特定

さらに、設問という命令書は、あなたが答えるべき内容の**「主語」「範囲(スコープ)」**を厳密に指定しています。

  • 「誰の」問いか?(主語の特定)
    • その心情は、主人公のものですか? それとも相手役のものですか?
    • その行動の理由は、Aの視点から見たものですか? それともBの視点から見たものですか?
    • 古文は主語が頻繁に省略されるため、設問が「誰について」問うているのかを最初に確定させることは、致命的な誤りを防ぐ上で極めて重要です。
  • 「どこまで」の問いか?(範囲の特定)
    • 傍線部そのものの解釈だけを問うていますか?
    • 傍線部を含む、その場面全体の状況説明を求めていますか?
    • 和歌であれば、和歌そのものの解釈ですか? それとも、その和歌が詠まれた前後の文脈まで含めた解釈ですか?
    • 文章全体の趣旨を問うていますか?

この「主語」と「範囲」を読み間違えると、たとえ正しい知識を持っていても、設問の要求から外れた選択肢を選んでしまうのです。

1.3. 【実践】設問文の構造分析

  • 【演習問題】2021年度 追試 第3問 問3
    • 設問文: 「この文章の男君の行動や心境についての説明として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。」
    • 構造分解:
      • 主語は誰か? → **「男君」**です。女君や乳母の行動・心境について述べている選択肢は、たとえ内容が正しくても、主語が違うので誤りとなります。
      • 問われている内容は? → **「行動」「心境」**の両方です。行動のみ、あるいは心境のみに偏った説明は、不十分である可能性があります。
      • 範囲はどこまでか? → **「この文章」**全体です。傍線部問題ではないため、本文全体から男君の行動・心境に関する記述を拾い集め、総合的に判断する必要があります。

このように、設問文を最初に分解・分析することで、**「これから自分は何を探し、何を基準に選択肢を判断すればよいのか」**という、明確な行動計画を立てることができるのです。


2. 正解選択肢の構成要件―本文根拠との論理的一致度を測る

設問の要求を完全に理解したら、いよいよ選択肢の吟味に移ります。前述の通り、正解選択肢が満たすべき絶対条件は、**「本文中の解答根拠となる記述と、論理的に等価(同値)である」ことです。古文においては、この「同値関係」の証明に、古語から現代語への正確な「翻訳」**というプロセスが加わります。

2.1. 古文における「同値」の証明:3つのチェックポイント

ある選択肢が、本文の根拠と「同値」であると証明するためには、少なくとも以下の3つのチェックポイントをクリアしている必要があります。

  1. 【Point 1】単語・文法の「翻訳精度」
    • 選択肢で使われている現代語が、本文中の古文単語、助動詞、助詞の意味・用法を正確に翻訳しているか。
    • 例えば、助動詞「けり」を「~た」と訳すだけでなく、それが**「詠嘆(~だなあ)」なのか「伝聞過去(~たそうだ)」なのか、そのニュアンスまで正確に反映しているか。敬語であれば、その種類(尊敬・謙譲・丁寧)敬意の方向**が正しく訳出されているか。ここにズレがあれば、その選択肢は誤りです。
  2. 【Point 2】文脈との「整合性」
    • その選択肢の解釈が、傍線部や根拠箇所だけでなく、その前後の文脈、さらには文章全体の流れと矛盾していないか
    • たとえ一文だけを取り出せばそう読めるように見えても、文脈全体から判断して不自然な解釈は、正解にはなり得ません。
  3. 【Point 3】登場人物の「キャラクター」との一致
    • その選択肢が示す登場人物の心情や行動は、物語全体を通して描かれてきた、その人物の性格(キャラクター)と一致しているか
    • 例えば、普段は思慮深い人物が、その選択肢では突飛で軽率な行動を取ったことになっている場合、よほど強いきっかけが本文にない限り、その解釈は疑わしいと言えます。

2.2. 【実践】正解選択肢の根拠マッピング

  • 【演習問題】2022年度 追試 第3問 問3
    • 問い: 『出世景清』における阿古屋の考えを問う問題。
    • 正解選択肢: ④「十蔵が「我々にも運が向いてきた。景清をさっさと頼朝に売り渡し、恩恵にあずかろう」と言ったのに対し、阿古屋は「平家の全盛期には並ぶ者もいない勢いであった景清だが、今や取るに足りない我々を頼りにしている。そのような人を裏切ることはできない」と言っている」
    • 同値関係の証明:
選択肢④の構成要素対応する本文の記述(解答根拠)翻訳・解釈のポイント
十蔵が「我々にも運が向いてきた。景清をさっさと頼朝に売り渡し、恩恵にあずかろう」と言った「我等が栄華の瑞相この時とおぼえたり。兵衛はいづくにありけるぞ。はや六波羅へ訴へて、一かど御恩にあづからん。」「栄華の瑞相」→「運が向いてきた」。「訴へて」→「売り渡し」。「御恩にあづからん」→「恩恵にあずかろう」。主要な単語と文意が正確に翻訳されている。
阿古屋は「平家の全盛期には並ぶ者もいない勢いであった景清だが、「平家の御代にて候はば、誰かあらう景清と、飛ぶ鳥までも落ちし身が、」「平家の御代」→「平家の全盛期」。「誰かあらう景清と、飛ぶ鳥までも落ちし身」→「並ぶ者もいない勢いであった景清」。見事なパラフレーズ。
今や取るに足りない我々を頼りにしている。「今この御代にて候へばこそ、数ならぬ我々を頼みて御入り候ふものを。」「数ならぬ我々」→「取るに足りない我々」。「頼みて」→「頼りにしている」。正確な翻訳。
そのような人を裏切ることはできない」と言っている「たとへば日本に唐をそへて賜るとて、そもや訴人がなるべきか。」「訴人(密告者)になるべきか、いや、なるべきではない」という反語表現を、「裏切ることはできない」という平叙文に、意味内容を維持したまま的確に言い換えている。

このように、正解選択肢は、一見すると現代語で自由に説明されているように見えても、その全てのパーツが本文の記述と1対1で対応し、かつ古文としての文法的・文脈的ニュアンスを損なうことなく翻訳されているのです。この緻密な対応関係を「証明」する視点を持つことが、正解への鍵です。


3. 誤答選択肢の類型分析─作問者の罠を見破る

正解が「本文との完全なる論理的同値」を要求するのに対し、誤答は**「本文のパーツを使いながら、どこかで論理的なズレや矛盾を生じさせている」**ものです。作問者は、この「ズレ」をいかに巧妙に隠蔽し、受験生を誤った結論に導くかに心血を注いでいます。ここでは、その代表的な「罠」の類型を分析し、あなたの防御力を高めます。

3.1. 類型(1) 範囲・程度のズレ:「言い過ぎ」と「限定しすぎ」の罠

これは、本文の記述の適用範囲や程度を、不当に拡大したり縮小したりする、最も古典的かつ頻出する罠です。

  • ① 言い過ぎ(過度の一般化)
    • 手口: 本文では限定的に述べられていること(例:「時には~と思う」)を、選択肢では恒常的・全体的なこと(例:「常に~と思っていた」)であるかのように断定します。
    • 看破のポイント: 選択肢中の**「常に」「いつも」「全く~ない」「決して~ない」「すべて」**といった、断定や全否定の強い言葉に警戒してください。本文に、それほど強い断定を裏付ける根拠があるかを確認します。
    • 具体例:2021年度追試 第3問 問5の選択肢③「(作者は)仏道修行に専念する生活の中で、月だけが女君のつらい過去を忘れさせてくれる存在であったことが暗示されている。」→本文に「月だけが」と限定する記述はなく、「言い過ぎ(限定しすぎ)」の典型です。
  • ② 限定しすぎ(過度の具体化)
    • 手口: 本文では複数の理由や要因が挙げられているのに、選択肢ではそのうちの一つだけを取り上げて、あたかもそれが唯一の原因であるかのように記述します。
    • 看破のポイント: 「~だけが理由で」「~のみによって」といった限定的な表現に注意します。本文に他の理由が示唆されていないか、常に確認する癖をつけましょう。

3.2. 類型(2) 論理・内容のズレ:「本文に記述なし」と「因果関係の逆転」の看破

これは、一見するともっともらしいことを言っているようで、その根拠が本文にない、あるいは論理が破綻しているタイプの罠です。

  • ① 本文に記述なし
    • 手口: 選択肢で述べられている内容が、本文のどこを読んでも一切書かれていない。受験生の「たぶんこうだろう」という常識や、物語から受ける漠然としたイメージに訴えかけてくる、巧妙な罠です。
    • 看破のポイント: 全ての選択肢の全ての要素は、必ず本文中に根拠がなければならない、という大原則に立ち返ることです。「これは本文のどこに書いてある?」と自問し、対応箇所が見つからなければ、その選択肢は誤りです。
    • 具体例:2023年度追試 第3問 問3の選択肢②「春の中納言は、(中略)すべての力を注いで女二の宮を奪い取ろうという気持ちで日々を過ごしていた。」→本文には、春の中納言がライバルであることは示されていますが、「すべての力を注いで奪い取ろうとした」という具体的な行動や心情の記述は一切ありません。これは「本文に記述なし」です。
  • ② 因果関係の逆転
    • 手口: 本文では「A(原因)だから、B(結果)になった」と書かれているのを、選択肢で「B(結果)だから、A(原因)になった」と、原因と結果をひっくり返して記述します。
    • 看破のポイント: 傍線部の理由を問う問題などで頻出します。選択肢を読む際に、「AだからB」という因果の矢印を意識し、その方向が本文の記述と一致しているかを確認します。

3.3. 類型(3) 主体のズレ:「主語・客体」のすり替えを見抜く

古文の選択肢問題において、最も多く、そして最も注意すべき誤答パターンがこれです。主語が省略されがちな古文の特性を巧みに利用した罠です。

  • 手口: ある行動や心情の主体(する人)や客体(される人)を、別の登場人物にすり替えて記述します。
  • 看破のポイント: **敬語の主語特定能力(Module 1-6参照)**が、この罠を見破るための最強の武器となります。
    • 尊敬語が使われていれば、その動作主は高貴な人物のはず。選択肢の説明する主語と一致しているか?
    • 謙譲語が使われていれば、その動作の受け手(客体)が高められているはず。選択肢の説明と一致しているか?
    • 会話文であれば、そのセリフを言っているのは誰か?地の文であれば、それは誰の視点からの記述か?
  • 具体例:2025年度試作 第3問 問4(傍線部B)
    • 本文: 権中納言が、女君の面影を恋しく思い、胸をかき乱し、泣き沈んでいる様子。
    • 設問: この場面の権中納言の様子を説明する問題。
    • 誤答選択肢(例): 「女君に去られた乳母は、権中納言の前で、悲しみのあまり泣き崩れてしまった。」
    • 分析: 本文で泣いているのは明らかに権中納言です。それを乳母にすり替えています。敬語(「泣かれたまふ」の尊敬の「たまふ」は権中納言にかかる)からも、主語が権中納言であることは明白であり、この選択肢は典型的な「主語のすり替え」として排除できます。

4. 本文の情報を利用した選択肢の積極的消去法

誤答のパターンを理解した上で、いよいよ選択肢を「消去」していきます。この消去法は、「正解が分からないから、残ったものを選ぶ」という消極的な作業ではありません。「この選択肢は、本文のこの記述と矛盾する。ゆえに、100%誤りである」と、一つ一つの選択肢の「死刑判決」を、明確な根拠をもって下していく、極めて積極的な論証作業です。

4.1. 「なんとなく違う」からの脱却

  • ダメな消去法: 「この選択肢は、ちょっと言い過ぎな気がするから×」「なんとなく本文の雰囲気と違うから×」→ 根拠が曖昧で、後から見直した時に迷いが生じる。
  • 良い消去法: 「この選択肢は、尊敬語の主体をAとしているが、本文の敬語の用法から主体はBである。よって主語のすり替えであり×」「この選択肢は、『~だけが原因だ』と限定しているが、本文には別の原因も示唆されている。よって限定のしすぎであり×」→ 誤りである根拠を、本文中に明確に指摘できる。

4.2. 古文特有の消去ポイント:3つの急所

本文と選択肢を照合する際、特に以下の3つの「急所」に注目すると、効率的に誤答を排除できます。

  1. 敬語の矛盾: 選択肢が説明する人物関係(例:AがBを敬っている)と、本文で実際に使われている敬語の方向性が矛盾していないか。
  2. 単語・文法の誤訳: 選択肢の現代語訳が、明らかに重要古文単語や助動詞の意味・用法を誤って解釈していないか。特に、反語を疑問と取り違えている、助動詞「なり」の接続を誤っている、などの基本的な誤訳は、即座に消去の対象となります。
  3. 文脈・常識の逸脱: 選択肢の解釈が、物語の文脈や、リード文・注で与えられた時代背景、古典世界の常識(例:物の怪の存在、宿命論など)から大きく逸脱していないか。

4.3. 【実践】消去プロセスの実況中継

  • 【演習問題】2024年度追試 第3問 問5(本文の内容合致問題)
    • この問題は、本文全体の内容と合致するものを選ぶ問題です。誤答選択肢を論理的に消去していくプロセスを見てみましょう。
    • 選択肢①: 「女君は(中略)権中納言が嘆いている。→男君は化け物だと思い込み、着物の袖をつかまれたことで、涙がこぼれるほど恐ろしく感じた。」
      • 消去根拠: 本文には「化け物などいふらむものにこそと、むくつけくて」とあるが、直後に「さすが、それと見知られ給ふは」とあり、すぐに男君だと気づいています。「思い込んだ」ままではありません。【言い過ぎ】×
    • 選択肢③: 「男君ほどつらい思いをしている者はこの世にいないだろうと世間が噂しているのを聞き、不愉快に感じていた。」
      • 消去根拠: 「世間が噂しているのを聞き」という記述は、本文のどこにも存在しません。【本文に記述なし】×
    • 選択肢④: 「男君に見つかってしまったのは、歌を口ずさんだのを聞かれたせいに違いないと思い、軽率な行動を後悔した。」
      • 消去根拠: 歌を詠んだ後に男君に声をかけられていますが、女君が「歌を聞かれたせいだ」と考えたり、「後悔した」りする心情は一切描かれていません。【本文に記述なし】×
    • 選択肢⑥: 「男君が以前とは打って変わってひどくやつれているのを見て、その苦悩の深さを知り、同情の気持ちがわいた。」
      • 消去根拠: 男君のやつれた様子や、それを見て女君が同情したという記述は一切ありません。【本文に記述なし】×
    • 残った選択肢(②、⑤)を吟味: このように、明確な根拠をもって選択肢を消去していくことで、吟味すべき選択肢が絞られ、正解の確度が飛躍的に高まります。(※この問題の正解は二つ選ぶ形式)

5. 結論:設問解体とは、正解への道を照らし、罠を回避する論理の地図である

本モジュールで体系化した、「設問要求の完全分解」「正解の構成要件の理解」「誤答パターンの分析」「積極的消去法」。これらの一連の技術は、あなたが古文の設問という複雑な迷宮を、論理的に踏破するための**「地図」であり「コンパス」**です。

もはや、あなたは感覚や運に頼る必要はありません。

  • 設問文を分解することで、**進むべき方角(問いの核心)**を知る。
  • 正解の構成要件を理解することで、目的地(正解)の姿を知る。
  • 誤答の生成パターンを分析することで、**道に仕掛けられた罠(誤答)**を予測し、回避する。
  • そして、積極的消去法という確かな足取りで、誤ったルートを一つずつ消去していく。

この論理の地図を手に、正解がなぜ正しいのかを「証明」し、誤答がなぜ誤っているのかを「論証」する。この知的作業を繰り返すことで、あなたの古文の得点は安定し、やがてそれは揺るぎない自信へと変わるでしょう。

この強固な設問分析能力を土台として、次なる**Module 3「人物関係の確定と読解の機軸」**では、古文読解の核心である「誰が何をしたのか」という、物語の根本構造を、敬語を手がかりに解き明かす、より高度な読解戦略へと進んでいきます。

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