2024年 共通テスト 本試験 英語

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基礎体系
  • すべての英語は、構造的に設計されている。単語の成り立ちから、文章全体の論理まで。
  • ミクロとマクロの視点を往還し、筆者の主張の核心を捉える。
  • 感覚や「なんとなく」の読解を排す。すべての解釈は、本文中の言語的な根拠だけが導く。

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【本記事の目的と構成】

本稿の目的は、2024年度大学入学共通テスト(英語リーディング)の全設問を、単に解答を提示するだけでなく、その正解に至るための思考プロセスを完全な形で再現・解説することにあります。多くの受験生が共通テスト・リーディングで直面する課題は、単語や文法の知識不足以上に、限られた時間内で膨大な情報を処理し、設問の要求に的確に応える「情報処理能力」と「戦略的思考」の不足に起因します。(共通テスト 英語:Module 1で詳述したように、この試験は知識量ではなく、知識の運用能力を測定しているのです。)

本稿は、参照資料である『基礎英語』および『共通テスト 英語』で体系化された理論と戦略を全面的に活用し、一問一問を「知的ゲーム」として捉え、そのルールを解明し、勝利を収めるための具体的な思考のアルゴリズムを提示します。 各設問の解説では、以下の要素を網羅します。

  • 思考のアルゴリズム: 設問の要求を解読し、最適な戦略(スキャニング、マトリクス思考など)を選択し、正解を導き出すまでの一連の思考プロセスを段階的に詳述します。
  • 選択肢の微視的分析: なぜその選択肢が正解であり、他の選択肢がなぜ、そしてどのように誤っているのかを、『共通テスト 英語』で提示された「7つの論理的欠陥パターン」に基づき、本文の根拠と照らし合わせながら徹底的に解剖します 1
  • 理論的背景との連携: 各設問を解く上で活用される思考法が、『基礎英語』や『共通テスト 英語』で学んだどの原理(スキーマ理論、結束性理論、統語解析など)に基づいているのかを明示し、あなたの学習に一貫性と体系性をもたらします。

この記事を読了したとき、あなたは単にこの試験の答え合わせを終えるだけでなく、共通テスト・リーディングという試験の本質を深く理解し、あらゆる問題に対して論理的かつ戦略的にアプローチするための、確固たる知的基盤を手にしているはずです。


目次

第1問 解説講義

大問の設計思想と戦術的意義

第1問は、日常生活に関連する多様な形式の情報(広告、チラシ、案内など)から、設問が要求する特定の情報を、いかに迅速かつ正確に抽出し、照合できるかという、基本的な情報処理能力を測定します。 難易度は比較的平易に設定されているため、満点を確保し、試験全体の精神的な安定を得るとともに、後半の難問に取り組むための時間的アドバンテージを確立することが戦術的意義となります。

A

問1 解説

  • 正解:④
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: 設問は “To join the event free of charge, you must…”、つまり「無料でイベントに参加するために、あなたがしなければならないこと」を特定するよう要求しています 2。 これは典型的な情報探索能力(Scanning)を問う問題です。
    2. 戦略的アプローチ: (共通テスト 英語:Module 4, セクション1.2)で詳述されている「設問先読み」からの逆算スキャニングを適用します 3。 まず設問を読み、”free of charge”(無料)というキーワードをターゲットとして設定します。
    3. 思考プロセス:
      • “free of charge” と同義の表現を本文からスキャンします。
      • “Entrance Fee: $5″ の直後、”TELS students don’t need to pay the entrance fee.” という記述を発見します 4444。「入場料を払う必要がない」は “free of charge” と同義です。
      • その条件として、”Please present your student ID at the reception desk…” とあります 55。「学生証を提示してください」が満たすべき条件です。
      • この条件と各選択肢を照合します。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(④)の根拠: “present your student ID” は、「あなたがTELSの学生であるという証明を見せること(show proof that you are a TELS student)」の完璧なパラフレーズです 6666。(基礎英語:Module 7, セクション3.2のパラフレーズ技術)
    • 不正解選択肢の論理的欠陥:
      • ① “bring pictures from your home country”: 本文の最後で展示品を募集していますが、これは無料参加の条件ではありません 7777。【論点のすり替え】。
      • ② “consult a staff member about the display”: ①と同様に、展示品に関する話題であり、参加費とは無関係です 8888。【論点のすり替え】。
      • ③ “fill out a form in the Student Lobby”: 本文に「用紙に記入する」という記述は一切ありません 9。【本文に記述なし】(共通テスト 英語:Module 3, セクション1.3)。

問2 解説

  • 正解:①
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: “At the event, you can…”、つまり「イベントでできること」を問うています 10。これも情報探索問題です。
    2. 戦略的アプローチ: 消去法が有効です。各選択肢のキーワードを本文の活動内容リストと照合していきます。
    3. 思考プロセス:
      • 本文中盤の “Experience different languages…” のセクションに注目します 1111
      • “Learn how people from these cultures use facial expressions and their hands to communicate.” という記述があります 1212。これは「身振り手振りについて学ぶ」ことを意味します。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(①)の根拠: “gestures” は、本文の “facial expressions and their hands to communicate” の優れたパラフレーズです 13131313。したがって、”learn about gestures in various cultures” は本文の内容と完全に一致します。
    • 不正解選択肢の論理的欠陥:
      • ② “participate in a dance competition”: ダンスショーを見て、基本的なステップを「教えてもらう(teach some basic steps)」ことはできますが、「コンテスト(competition)」に参加するとは書かれていません 14141414。【巧妙な単語の言い換えによる意味の歪曲】(共通テスト 英語:Module 3, セクション1.3)。
      • ③ “read short stories in foreign languages”: “Write basic expressions”(基本的な表現を書く)とはありますが、「短編小説を読む」とは書かれていません 15151515。【本文に記述なし】。
      • ④ “try cooking international dishes”: 世界の料理を「味わう(tasted)」ことはできますが、「料理する(cooking)」とは書かれていません 16161616。【巧妙な単語の言い換えによる意味の歪曲】。

B

問1 解説

  • 正解:④
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: “Yentonville has…”、つまり「Yentonville市にあるもの」として正しい記述を選びます 17。事実一致問題です。
    2. 戦略的アプローチ: 消去法で各選択肢の記述を本文と照合します。
    3. 思考プロセス:
      • “The Arts Tour” のセクションに “We will begin in the Art Gallery…” と “After lunch, enjoy a concert across the street at the Bruton Concert Hall…” という記述があります 1818
      • これは、市のアート地区に「アートギャラリー」と「コンサートホール」の両方が存在することを示しています。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(④)の根拠: “an arts area with both an art gallery and a concert hall” は、本文の記述と完全に一致します 19191919
    • 不正解選択肢の論理的欠陥:
      • ① “a church built 250 years ago”: 教会は “mid-1800s”(1800年代半ば)に建てられたとあり、2024年時点では約170年前です 20。「250年前」は不正確です。【本文の記述と矛盾】。
      • ② “a unique football training facility in the center of the town”: フットボールの練習施設は “in the suburbs”(郊外)にあります 21。「町の中心部」ではありません。【本文の記述と矛盾】。
      • ③ “an art studio where visitors can create original works of art”: “Watch artists at work in their studios” とあり、アーティストが仕事をするのを「見る」ことはできますが、訪問者が作品を「作る(create)」ことができるとは書かれていません 22222222。【巧妙な単語の言い換えによる意味の歪曲】。

問2 解説

  • 正解:③
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: “On all three tours, you will…”、つまり「3つのツアーすべてに共通すること」を探します 23。これは情報整理・比較能力を問う問題です。
    2. 戦略的アプローチ: 各ツアーの説明を読み、屋内外の活動が含まれているかを確認します。
    3. 思考プロセス:
      • History Tour: “St. Patrick’s Church”(屋内)、”Mayor’s House and its beautiful garden”(屋内/屋外)、”Peace Park”(屋外) 24。→ 屋内と屋外の両方。
      • Arts Tour: “Art Gallery”(屋内)、”Bruton Concert Hall”(屋内)、”Sculpture Park”(屋外) 25252525。→ 屋内と屋外の両方。
      • Sports Tour: “open-air facility”(屋外)、”Yentonville Hockey Arena”(屋内) 26。→ 屋内と屋外の両方。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(③)の根拠: 上記の分析から、3つのツアーすべてで “spend time both indoors and outdoors”(屋内外両方で時間を過ごす)ことがわかります 27
    • 不正解選択肢の論理的欠陥:
      • ① “learn about historic events”: これは主にHistory Tourの目的です 28282828。【部分的真実の罠】(共通テスト 英語:Module 3, セクション1.3)。
      • ② “see people demonstrate their skills”: Arts Tour(アーティスト)とSports Tour(フットボール選手、ホッケー選手)では見られますが、History Tourでは明確な記述がありません 29。【部分的真実の罠】。
      • ④ “use public transportation”: History Tour(バス)とSports Tour(地下鉄)では使いますが、Arts Tourでは “walking a short distance” とあり、公共交通機関の利用は明記されていません 3030303030303030303030303030。【部分的真実の罠】。

問3 解説

  • 正解:①
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: “Which is the newest place…?”、つまり「ツアーで訪れることができる最も新しい場所」を特定します 31
    2. 戦略的アプローチ: 各選択肢の場所がいつできたかを示す時間表現を本文からスキャンし、比較します。
    3. 思考プロセス:
      • The Hockey Arena: “completed last fall”(去年の秋に完成) 3232
      • The Mayor’s House: “early-20th-century”(20世紀初頭) 33
      • The Peace Park: “Opened soon after World War II”(第二次世界大戦後すぐ) 34
      • The Sculpture Park: “developed several years ago”(数年前に開発) 35
      • 本文の発行が “January, 2024” であることから、「去年の秋」が最も新しいと判断できます 36
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(①)の根拠: “last fall” が “early-20th-century”、”soon after World War II”、”several years ago” の中で最も新しい時期を指しています 37373737

第2問 解説講義

大問の設計思想と戦術的意義

第2問は、チラシやレビュー記事など、現代的で実用的なテクストを題材に、事実と意見を区別しながら読み解く能力を測定します。 Aパートではチラシの客観的な情報を、Bパートでは個人の主観的なレビューを読むなど、異なる種類のテクストを連続して処理する柔軟性が求められます。

A

問1 解説

  • 正解:①
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: “which is true about the club?”、つまりクラブに関する事実として正しいものを選びます 38
    2. 戦略的アプローチ: 各選択肢のキーワードを本文と照合します。
    3. 思考プロセス:
      • チラシの “Invitation” セクションに “Regardless of skill level, you are welcome to join.” とあります 39393939
      • さらに “Member Comments” にも “I was a complete beginner when I joined, and I had no problem!” とあります 404040
      • これらの記述は、初心者が歓迎されていることを明確に示しています。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(①)の根拠: “Absolute beginners are welcome.” は、本文の “Regardless of skill level” や “a complete beginner… had no problem” という記述と一致します 41414141414141414141
    • 不正解選択肢の論理的欠陥:
      • ② “Members edit computer programs.”: “analyse games using computer software” とあり、ソフトウェアを「使う」のであって、「編集する(edit)」わけではありません 424242。【巧妙な単語の言い換えによる意味の歪曲】。
      • ③ “Professional players give formal demonstrations.”: “demonstrations by club members” とあり、デモンストレーションを行うのは「部員」であり、「プロ」ではありません 434343434343。【本文の記述と矛盾】。
      • ④ “Students from other schools can join.”: “This club is open to all students of our school.” とあり、「私たちの学校の」生徒に限定されています 444444444444。【本文の記述と矛盾】。

問2 解説

  • 正解:②
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: “Which of the following is not mentioned as a club activity?”、つまり「クラブ活動として言及されていないもの」を選びます 45。 これは消去法が基本戦術です。(共通テスト 英語:Module 2, セクション2.3.3)。
    2. 戦略的アプローチ: 各選択肢が本文の活動リスト 46 に含まれているかを一つずつ確認し、含まれているものを消していきます。
    3. 思考プロセス:
      • ① “Having games with non-club members”: “participate in local and national tournaments” という活動があります 47。トーナメントでは部員以外(non-club members)と対戦するのが自然であり、これは間接的に言及されていると解釈できます。
      • ② “Playing matches against computers”: “analyse games using computer software” とありますが 48、これはコンピューターソフトでゲームを「分析する」ことであり、「対戦する」ことではありません。この活動は言及されていません。
      • ③ “Sharing game-playing ideas on the Internet”: “share tips on our club webpage” とあり 49494949、これは「インターネット上でゲームのアイデアを共有する」ことと一致します。→ 消去。
      • ④ “Studying the backgrounds of strategy games”: “learn the history and etiquette of each game” とあります 5050。”backgrounds” は “history” のパラフレーズであり、一致します。→ 消去。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(②)の根拠: 「コンピューターと対戦する」ことは、活動リストには明記されていません 51。”analyse” と “play matches” は異なる行為です。
    • 不正解選択肢の論理的欠陥: ①, ③, ④は、直接的または間接的に本文の活動リスト 52 に記載されています。

問3 解説

  • 正解:①
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: “One opinion stated by a member is that…”、つまり「部員によって述べられた意見」を探します 5353
    2. 戦略的アプローチ: “Member Comments” のセクション 54 をスキャンし、各選択肢の内容と照合します。
    3. 思考プロセス:
      • “Member Comments” の2番目に “It’s cool to learn how some games have certain similarities.” とあります 5555
      • これは「いくつかのゲームが特定の類似点を持っていることを学ぶのはクールだ」という意味です。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(①)の根拠: “comparing different games is interesting” は、”It’s cool to learn how some games have certain similarities” の優れたパラフレーズです 56565656。”cool” が “interesting” に、”learn how some games have certain similarities” が “comparing different games” に対応しています。
    • 不正解選択肢の論理的欠陥:
      • ② “many videos about go are useful”: “Members share Internet videos that explain practical strategies for chess.” とあり、ビデオは「囲碁(go)」ではなく「チェス(chess)」についてです 57575757。【巧妙な単語の言い換えによる意味の歪曲】。
      • ③ “members learn tips at competitions”: “At tournaments, I like discussing strategies with other participants.” とあり、戦略を「議論する」のであって、コツを「学ぶ」とは書かれていません 58585858。【巧妙な単語の言い換えによる意味の歪曲】。
      • ④ “regular meetings are held off campus”: “Regular meetings: Wednesday afternoons in Room 301, Student Centre” とあり、キャンパス内のスチューデントセンターで開かれています 59595959。【本文の記述と矛盾】。

問4 解説

  • 正解:④
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: “The club invitation and a member’s comment both mention that…”、つまり「チラシの勧誘文」と「部員のコメント」の両方で言及されている共通点を探します 60。 複数テクストの情報整理・比較能力が問われます。
    2. 戦略的アプローチ: マトリクス思考で情報を整理します。| 論点 | 勧誘文 (Invitation) | 部員のコメント (Member Comments) || :— | :— | :— || 集中力 | You can learn skills such as thinking logically and deeply without distractions. 616161 | My mind is clearer, calmer, and more focused in class. 626262 |
    3. 思考プロセス:
      • 勧誘文: “thinking logically and deeply without distractions”(集中を乱されずに論理的かつ深く考える)というスキルが学べるとあります 636363
      • 部員のコメント: “My mind is clearer, calmer, and more focused in class.”(授業で頭がよりクリアに、穏やかに、集中できるようになった)とあります 646464
      • 両者ともに「集中力」の向上について言及しています。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(④)の根拠: “strategy games help improve one’s concentration” は、勧誘文の “without distractions” と部員のコメントの “more focused” の両方を統合した内容と一致します 656565656565656565
    • 不正解選択肢の論理的欠陥: 他の選択肢は、両方で言及されている内容ではありません。【部分的真実の罠】。

問5 解説

  • 正解:②
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: “This club is most likely suitable for students who want to…”、つまり「このクラブが最も適しているであろう生徒」を、チラシ全体の内容から推論します 66
    2. 戦略的アプローチ: チラシ全体の目的と活動内容を総合的に判断します。
    3. 思考プロセス:
      • クラブは “Regardless of skill level” で初心者も歓迎しており、活動内容には “learn basic moves”、”share tips”、”analyse games”、”participate in… tournaments” が含まれています 67676767676767676767676767676767
      • これらの活動はすべて、ストラテジーゲームのスキルレベルを向上させることを目的としています。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(②)の根拠: “improve their skill level of playing strategy games” は、クラブの活動内容全体を最もよく要約しており、クラブの目的に合致しています 68
    • 不正解選択肢の論理的欠陥:
      • ① “create their own computer strategy games”: ゲームを「作る」活動はありません 69。【本文に記述なし】。
      • ③ “learn proper British etiquette”: “etiquette of each game”(各ゲームのエチケット)は学びますが、一般的な「イギリスのエチケット」ではありません 70707070。【極端な一般化】(共通テスト 英語:Module 3, セクション1.3)。
      • ④ “spend weekends playing strategy games”: 定例会は “Wednesday afternoons”(水曜の午後)です 71717171。【本文の記述と矛盾】。

B

問1 解説

  • 正解:①
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: “which of the following is true?”、つまりレビューの内容として正しいものを選びます 72
    2. 戦略的アプローチ: 各選択肢の内容を本文と照合します。
    3. 思考プロセス:
      • “The Premium Plan is $100/month. The plan provides 24-hour medical support…” とあります 7373
      • これは、最も高価なプラン(Premium Plan)で24時間(昼夜)の医療サポートが利用可能であることを示しています。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(①)の根拠: “Day and night medical assistance is available with the most expensive plan.” は、本文の “The Premium Plan … provides 24-hour medical support” と完全に一致します 74747474。”Day and night” が “24-hour” のパラフレーズです。
    • 不正解選択肢の論理的欠陥:
      • ② “The cheapest plan includes free hospitalization”: 最安のEconomy Planは “only covers emergency care”(救急治療のみをカバーする)とあり、入院が無料とは書かれていません 757575。【本文に記述なし】。
      • ③ “The mid-level plan does not include the one-time health check-up”: “All plans include a one-time health check-up.” とあり、すべてのプランに含まれます 76767676。【本文の記述と矛盾】。
      • ④ “The writer’s plan cost her over $100 every month”: 筆者が選んだStandard Planは “$75/month” であり、さらに前払いで15%の割引を受けています 7777。100ドル以上ではありません。【本文の記述と矛盾】。

問2 解説

  • 正解:①
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: “Which is not included in the cheapest option?”、つまり最安プラン(Economy Plan)に含まれていないサービスを選びます 78
    2. 戦略的アプローチ: Economy Planの説明部分 79 を精読し、各選択肢のサービスが含まれているかを確認します。
    3. 思考プロセス:
      • “It has the 24-hour telephone support…” → ③ Telephone help desk は含まれる 80
      • “…but only covers emergency care.” → ② Emergency treatment は含まれる 81
      • “…they can arrange a taxi to a hospital at a reduced cost…” → ④ Transport assistance は含まれる 82
      • “email support” についての言及はEconomy Planのセクションにはありません。(これはStandard Planのサービスです 8383)。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(①)の根拠: “Email support” はEconomy Planの説明にはなく 84、Standard Planのサービスとして言及されています 85858585。したがって、最安プランには含まれていません。

問3 解説

  • 正解:①
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: “Which is the best combination that describes TravSafer International?”、つまり保険会社の特徴として正しい組み合わせを選びます 86
    2. 戦略的アプローチ: 各選択肢(A〜E)の正誤を本文と照合し、正しいものの組み合わせを選びます。
    3. 思考プロセス:
      • A: They allow monthly payments. → “They accept any form of payment, usually on a monthly basis.” とあり、正しい 87
      • B: They design scholarship plans for students. → 奨学金についての記述はありません 88。【本文に記述なし】。
      • C: They help you remember your medication. → 薬(medication)は海外渡航の準備として筆者が言及しているだけで、保険会社のサービスではありません 89898989。【論点のすり替え】。
      • D: They offer an Internet-based registration system. → “I signed up online in less than 15 minutes…” とあり、正しい 9090
      • E: They require a few days to process the application form. → “…and was immediately covered.” とあり、「即座に」補償が開始されるので、数日もかかりません 91919191。【本文の記述と矛盾】。
      • 正しいのはAとDです。
  • 結論: AとDの組み合わせである①が正解です 92

問4 解説

  • 正解:③
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: “The writer’s opinion of her chosen plan is that…”、つまり筆者が選んだプラン(Standard Plan)についての意見を問うています 93
    2. 戦略的アプローチ: Standard Planについて筆者が述べている箇所 94 を精読します。
    3. 思考プロセス:
      • “It wasn’t cheap: $75/month.” と述べた後、”However, it was nice to get the optional 15% discount because I paid for six months of coverage in advance.” と続けています 9595
      • これは、安くはなかったが、割引オプションがあったのは良かった、という評価を示しています。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(③)の根拠: “the option for cost reduction was attractive” は、本文の “it was nice to get the optional 15% discount” の内容と一致します 96969696。”attractive” が “nice” に、”cost reduction” が “discount” に対応します。
    • 不正解選択肢の論理的欠陥:
      • ① “it prevented her from being health conscious”: むしろ健康に関するヒントメールが含まれており、逆です 97979797。【肯定的/否定的評価の逆転】。
      • ② “she was not satisfied with the telephone assistance”: 電話サポートに不満だったという記述はありません 98。【本文に記述なし】。
      • ④ “the treatment for her broken leg was covered”: 足を骨折したのは筆者の友人であり、筆者自身ではありません 99999999。【主体のすり替え】(共通テスト 英語:Module 2, セクション2.3.1)。

問5 解説

  • 正解:②
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: “Which of the following best describes the writer’s attitude?”、つまり筆者の全体的な考え方・態度を最もよく表しているものを選びます 100。これは文章全体のトーンから推論する問題です。
    2. 戦略的アプローチ: 文章の冒頭と結論部分に注目します。
    3. 思考プロセス:
      • 冒頭: “There are many things to consider before traveling abroad: pack appropriate clothes, prepare your travel expenses, and don’t forget medication (if necessary). Also, you should purchase travel insurance.” と、海外渡航前の準備の重要性を説いています 101
      • 結論: 友人の経験を通じて “I realized how important insurance is…” と、保険の重要性を再認識しています 102
      • これらの記述から、筆者は海外渡航前の準備を非常に重要視していることがわかります。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(②)の根拠: “She considers travel preparation to be important.” は、文章全体のトーンと主張に合致しています 103
    • 不正解選択肢の論理的欠陥:
      • ① “She believes the smartphone app is useful.”: スマホアプリはPremium Planのサービスであり、筆者が使ったStandard Planには含まれていません 104104104104
      • ③ “She feels the US medical system is unique…”: アメリカの医療制度がユニークだという意見は述べていません 105。【本文に記述なし】。
      • ④ “She thinks a different hospital would have been better…”: 友人が入院した病院について、良いとも悪いとも述べていません 106。【本文に記述なし】。

第3問 解説講義

大問の設計思想と戦術的意義

第3問は、ブログ記事や体験談といった物語的なテクストを題材とし、出来事の時系列把握や登場人物の感情、そして文章と視覚情報(写真やイラスト)を統合する能力を測定します。論理関係は比較的平易ですが、情報の種類が多岐にわたるため、冷静な情報整理が求められます。

A

問1 解説

  • 正解:②
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: “You click the link in the blog. Which picture appears?”、つまりブログのリンク先に表示される写真がどれかを特定します 107
    2. 戦略的アプローチ: リンクが貼られている文の前後を読み、どの写真がウェブサイトに選ばれたのかに関する記述を探します。
    3. 思考プロセス:
      • ブログの結びで、”One of our photos was selected to be on the event website (click here).” と述べられています 108108
      • その直後に、”It reminds me of the man’s warmth and kindness: our own ‘gold medal.'” と続きます 109。”It” は選ばれた写真を指しており、その写真は「男性の温かさや親切さを思い出させるもの」だとわかります。
      • 本文中で男性が登場するのは、道に迷った際に助けてくれた「ペットの猿を連れた男性(a man with a pet monkey)」です 110
      • そして、彼らと別れる際に “We took a photo with him and said goodbye.” とあります 111111
      • これらの情報から、ウェブサイトに選ばれたのは、この男性と一緒に撮った写真であると結論付けられます。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(②)の根拠: この写真は、ブログの記述通り、チームの3人と猿を連れた男性が一緒に写っています 112
    • 不正解選択肢の論理的欠陥:
      • ①: 侍の像。これは最後の目的地でしたが、たどり着けなかったため、この写真は撮られていません 113113113
      • ③: ゴール地点。彼らは途中で諦めたため、ゴールしていません 114
      • ④: 市立博物館。最初の目的地であり写真は撮ったはずですが、ウェブサイトに選ばれたのは男性との写真です 115115115115

問2 解説

  • 正解:②
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: Susanのブログに対する「適切なコメント」を選びます 116。これには、ブログ全体の趣旨やトーンを正確に理解する推論能力が求められます。
    2. 戦略的アプローチ: Susanの体験(目標未達だが、良い出会いがあった)を肯定的に捉え、共感や励ましを示すコメントを探します。
    3. 思考プロセス:
      • Susanのチームは目標を達成できませんでした (“would have to give up”) 117。しかし、ブログの結びは、助けてくれた男性との出会いを “our own ‘gold medal'” と表現しており、ポジティブなトーンで締めくくられています 118118
      • したがって、彼女の努力を認め、そのポジティブな経験に共感し、次への期待を示すようなコメントが最も適切です。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(②)の根拠: “You did your best. Come back to Japan and try again!” は、彼女の努力を認め(You did your best)、再挑戦を促す(try again)、非常にポジティブで適切なコメントです 119
    • 不正解選択肢の論理的欠陥:
      • ① “I want to see a picture of you wearing the gold medal!”: “gold medal” は比喩表現であり、実在のメダルではありません 120120120120。コメント主はブログの内容を誤解しています。【巧妙な単語の言い換えによる意味の歪曲】 (この場合は比喩表現の誤解)。
      • ③ “You reached 19 checkpoints in three hours? Really? Wow!!”: 19のチェックポイントを達成したのは優勝チームであり、Susanのチームではありません 121121121121。【主体のすり替え】。
      • ④ “Your photo is great! Did you upgrade your phone?”: ルールで “No mobile phones” と明記されており、カメラは主催者から提供されています 122122122122。コメント主はルールを理解していません。

B

問1 解説

  • 正解:①→②→④→③
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: 仮想ツアーでの出来事を記述した生徒のコメント(①〜④)を、記事の中で起こった順に並べ替えます 123。典型的な時系列整序問題です。
    2. 戦略的アプローチ: (共通テスト 英語:Module 4, セクション2.2)の時系列マッピングを適用します 124。まず記事本文の出来事の順序を確定させ、次に各コメントがどの出来事に対応するかを特定します。
    3. 思考プロセス:
      1. 記事の出来事の順序:
        • cite_start “First, we ‘took a road trip’ to learn about the geography… get a better sense of the rainforest.”(地理を学ぶためのロードトリップ、熱帯雨林の見学) 125
        • cite_start “Later, we ‘dived into the ocean’ and learnt about the diversity of marine creatures.”(海中散策、海洋生物の学習) 126126
        • cite_start “In the evening, we studied astronomy under a ‘perfect starry sky.'”(夜、体育館での天文学習) 127127
      2. コメントとの対応付け:
        • コメント①: “I saw beautiful birds and a huge snake in the jungle.” 「ジャングル」という記述から、これはhttps://www.google.com/search?q=%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%881の「熱帯雨林」に対応します 128。→ 順序1
        • コメント②: “We should protect our beautiful oceans!” 「海」に関する記述から、https://www.google.com/search?q=%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%882の「海中散策」に対応します 129。→ 順序2
        • コメント④: “We were lost for words during the space show…” 「宇宙ショー」という記述から、https://www.google.com/search?q=%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%883の「天文学習」に対応します 130。→ 順序3
        • コメント③: “Setting up a camping site in the gymnasium was kind of weird, but great fun!” 「体育館でのキャンプ」という記述から、これもhttps://www.google.com/search?q=%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%883に対応します 131。→ 順序4
  • 結論: 正しい順序は① → ② → ④ → ③です。

問2 解説

  • 正解:③
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: “From the tour, Yuzu did not learn about…”、つまりYuzuがツアーで学ばなかった事柄を選びます 132
    2. 戦略的アプローチ: 消去法を用います。Yuzuが学んだことを本文から探し出し、選択肢から消していきます。
    3. 思考プロセス:
      • ① marine ecosystem (海洋生態系): “learnt about the diversity of marine creatures” とあり、学んでいます 133133133133。→ 消去。
      • ② night-time sky (夜空): “studied astronomy” とあり、学んでいます 134134134134。→ 消去。
      • ④ trees and plants (木や植物): “get a better sense of the rainforest” とあり、学んでいます 135135135135。→ 消去。
      • ③ seasonal weather (季節の天気): 記事の冒頭でYuzuの住む場所の “winter weather” について言及がありますが、それはツアー前の話です 136。ツアー先の南の島の「季節の天気」について学んだという記述はどこにもありません。
  • 結論: 学ばなかったのは③です 137

問3 解説

  • 正解:②
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: “On the way home, Yuzu looked up and most likely saw… in the night sky.”、つまり帰り道でYuzuが夜空に最も見そうだったものを推論します 138
    2. 戦略的アプローチ: これは(共通テスト 英語:Module 3, セクション2)で詳述されている推論問題です。本文の記述を根拠として、論理的に導き出せる結論を考えます 139
    3. 思考プロセス:
      • 根拠1: 先生が「人間が作った人工の光が多すぎて、私たちの街の夜空ではほとんど何も見えない(hardly anything is visible in our city’s night sky)」と説明しています 140
      • 根拠2: 帰り道、Yuzuは空を見上げ、「先生が言ったことは本当だと気づいた(realised what Mr Leach had told us was true)」とあります 141141
      • 論理的推論: これらの根拠を組み合わせると、「先生の言う通り、帰り道の空にはほとんど何も見えなかった」と結論付けられます。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(②)の根拠: “just a few stars”(ほんの少しの星)は、「ほとんど何も見えない」という状況に最も合致する表現です 142
    • 不正解選択肢の論理的欠陥:
      • ① a shooting star, ④ the Milky Way: これらは仮想ツアーのプラネタリウムで見たものであり、光害のある現実の街の空で見えたものではありません 143143143143143143143143143
      • ③ the full moon: 本文で “moonless sky”(月のない空)と明記されています 144144144144。【本文の記述と矛盾】。

第4問 解説講義

大問の設計思想と戦術的意義

第4問は、共通テスト・リーディングの中でも特に高い認知負荷を要求する大問です。記事やアンケート結果といった複数の情報源(マルチプル・テクスト)を提示し、それらの情報を横断的に読み解き、比較・対照・統合して一つの結論を導く、より実践的な情報処理能力を試すことを設計思想としています。

戦術的意義は、情報を頭の中だけで処理しようとせず、問題用紙の余白にメモを取る、あるいはマトリクス(表)を作成するといった外部記憶を戦略的に活用し、ワーキングメモリの負荷を管理する能力を実践することにあります 145。配点(16点)も比較的高く、情報整理のプロセスを体系化できれば、安定した得点源とすることが可能です。


問1 解説

  • 正解:③
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: 空所24に入る、”SIN Framework” の説明として最も適切なものを選びます 146146146146
    2. 戦略的アプローチ: 本文記事 “What Makes a Good Classroom?” の冒頭で、SIN Frameworkがどのように導入されているかをスキャンし、その目的を把握します。
    3. 思考プロセス:
      • 記事の導入部で、”it is important to have some ideas for making design decisions.”(デザインの決定を下すためのいくつかのアイデアを持つことが重要だ)と述べられています 147
      • その直後、”SIN… is a framework that might be helpful to consider when designing classrooms.”(SINは、教室をデザインする際に考慮すると役立つかもしれないフレームワークだ)と続きます 148148
      • これらの記述から、SINが生徒の成績にどう影響するか(④)や、ニーズの優先順位付け(②)ではなく、教室環境を「計画する(planning)」または「デザインする(designing)」際に「従うべきモデル(model to follow)」であるとわかります。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(③)の根拠: “A model to follow when planning classroom environments”(教室環境を計画する際に従うべきモデル)は、本文の “a framework that might be helpful to consider when designing classrooms” の趣旨と完全に一致します 149149149149
    • 不正解選択肢の論理的欠陥:
      • ① “A guide to show which colors are appropriate”: 色はStimulationの一要素に過ぎず、フレームワーク全体の説明ではありません 150150150。【論点の矮小化】。
      • ② “A method to prioritize the needs of students and teachers”: ニーズの優先順位付けの方法については言及されていません 151。【本文に記述なし】。
      • ④ “A system to understand how classrooms influence students’ performance”: パフォーマンスへの影響は示唆されていますが、SINはそれを「理解するためのシステム」というよりは、「デザインするためのフレームワーク」として提示されています 152

問2 解説

  • 正解:④
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: 空所25に入る、”Stimulation” の項目におけるデザインの推奨事項として最も適切なものを選びます 153153153153
    2. 戦略的アプローチ: 記事本文の “Stimulation” に関する説明と、アンケートのコメントを統合して、改善すべき点を特定します。
    3. 思考プロセス:
      • 記事の記述: Stimulationにはcolorとcomplexityの側面があります。特にcomplexityについて、”it can be visually distracting to have too many things displayed on walls. It is suggested that 20 to 30 percent of wall space remain free.”(壁に多くのものを飾りすぎると視覚的に注意が散漫になる可能性があり、壁のスペースの20~30%は空けておくことが提案されている)とあります 154
      • アンケートのコメント: S2が “the walls are covered with posters. It makes me feel uncomfortable.”(壁がポスターで覆われていて、不快に感じる)と明確に不満を述べています 155
      • 統合: この2つの情報から、壁の掲示物が多すぎることが問題であり、それを減らすことが推奨されると結論付けられます。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(④)の根拠: “reduce displayed items”(掲示物を減らす)は、記事の推奨事項とS2のコメントの両方から導かれる、最も直接的な解決策です 156
    • 不正解選択肢の論理的欠陥:
      • ① “move the screen to a better place”: これはNaturalness(光)の問題であり、Stimulationではありません 157
      • ② “paint each wall a different color”: 記事では “a classroom should not be too colorful” と警告しており、逆効果になる可能性があります 158158158158
      • ③ “put books on shelves”: 本の整理はS2が指摘していますが 159、Stimulationのcomplexity(複雑さ)というよりは、Individualizationのownership(整理整頓された空間)に関連する問題です 160

問3 解説

  • 正解:④
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: ハンドアウトの “Naturalness” の項目にある推奨事項の中で、エラー、つまりNaturalnessのカテゴリに属さないものを特定します 161161161161
    2. 戦略的アプローチ: まず記事本文で “Naturalness” の定義を確認します。次に、ハンドアウトのA~Eの各項目がその定義に当てはまるかを検証します。
    3. 思考プロセス:
      • Naturalnessの定義: 記事によれば、”Naturalness relates to the quality and quantity of light, both natural and artificial, and the temperature of the classroom.”(Naturalnessは、自然光と人工光の両方の光の質と量、そして教室の温度に関連する)と定義されています 162
      • 各項目の検証:
        • A. Install blinds on windows (ブラインド設置) → 光の調整。適合 163
        • B. Make temperature control possible (温度調節) → 温度。適合 164
        • C. Move projector screen away from windows (スクリーン移動) → 光の見えやすさ。適合 165
        • D. Place sofas near walls (ソファの配置) → 家具の配置。光や温度とは直接関係ありません。不適合 166
        • E. Put floor lamp in darker corner (フロアランプ設置) → 光の量。適合 167
  • 結論: Naturalnessの定義に当てはまらないのはDです 168

問4 解説

  • 正解:⑤, ④
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: ハンドアウトの空所27と28を埋めます。”The majority of members use the room as 27, as 28’s comment mentioned.”(大多数のメンバーは、28のコメントで言及されているように、部室を27として使っている) 169169169169169169169169169
    2. 戦略的アプローチ: 2つの情報源(Q1のグラフとQ2のコメント)を統合します。
    3. 思考プロセス:
      • 空所27の特定: “The majority of members”(大多数のメンバー)が何をしているかをQ1のグラフで確認します。38人中、最も多い活動は “Sleeping” で32人が回答しています 170。したがって、27には⑤ “take naps in”(昼寝をする)が入ります 171
      • 空所28の特定: メンバーが部室で寝ていることについて言及しているコメントをQ2から探します。S4が “Everyone likes the sofas they are so comfortable that we often use the room for sleeping!”(ソファが快適なので、私たちはしばしば部室を睡眠に使っている)と述べています 172。したがって、28には④ “S4” が入ります 173
  • 結論: 27は⑤、28は④となります。

問5 解説

  • 正解:③
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: ハンドアウトの空所29を埋めます。”Based on both the graph and 29’s comment, should we set a language rule… to motivate members to speak English more?”(グラフと29のコメントの両方に基づき、メンバーにもっと英語を話すよう動機づけるために、言語ルールを設けるべきか?) 174174174174
    2. 戦略的アプローチ: 「英語ではなく日本語が話されている」という問題点を指摘している2つの情報源(グラフとコメント)を特定します。
    3. 思考プロセス:
      • グラフの分析: Q1のグラフを見ると、”Chatting in Japanese”(日本語でのおしゃべり)が30人と非常に多いのに対し、”Chatting in English”(英語でのおしゃべり)はわずか4人です 175175175175175175175175175。これは、英語クラブでありながら日本語が多く使われているという問題を示唆しています。
      • コメントの分析: Q2のコメントの中で、この問題に直接言及している人物を探します。S3が “lots of members speak Japanese, even though it’s an English club.”(英語クラブなのに、多くのメンバーが日本語を話す)と明確に指摘しています 176
      • 統合: グラフが示すデータと、S3のコメントが同じ問題を指摘しています。
  • 結論: 29には③ “S3” が入ります 177

第5問 解説講義

大問の設計思想と戦術的意義

第5問は、比較的長めの物語文を題材とし、読解した内容をプレゼンテーションのノートやストーリーのアウトラインといった別の形式に**再構成(reorganize)**する能力を測定します。ここで問われるのは、単にストーリーを追うだけでなく、登場人物の相関関係、心情の変化、そして出来事の因果関係を構造的に把握し、要約する能力です。

戦術的意義は、物語を漫然と読むのではなく、誰が、いつ、何をしたのか、そしてその結果どうなったのか、という構造を意識しながら読む構造的読解の実践にあります。登場人物相関図時系列プロットを問題用紙の余白に作成するなどの外部記憶の活用が、複雑な人間関係や時間軸の整理に極めて有効です(共通テスト 英語:Module 5, セクション3.2) 178


問1 解説

  • 正解:④ → ⑤ → ① → ②
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: 5つの出来事から4つを選び、物語の中で起こった順に並べ替える、時系列整序問題です 179
    2. 戦略的アプローチ: (共通テスト 英語:Module 4, セクション2.2)で詳述されている時系列マッピングを適用します。まず本文の出来事の順序を確定させ、次に各選択肢がどの出来事に対応するかを特定します 180
    3. 思考プロセス:
      1. Takuyaが俳優の夢に破れて帰郷した1年後、Makiは父の病気のため大学進学を諦め、家業のレストランで働き始めます 181。これが最初の出来事です。→ ④ Maki starts working in her family business. 182
      2. MakiはTakuyaにコーヒーに関する仕事を紹介し、後に彼が自分のコーヒービジネスを始める際には励まし、宣伝も手伝います 183183183183。→ ⑤ Takuya is inspired to start his own business. 184
      3. Kasumiは高校卒業後に入社した会社で着実にキャリアを積み、物語の時点(高校卒業から20年後)で副社長になります 185185185。これはTakuyaの成功とほぼ同時期の、非常に最近の出来事です。→ ① Kasumi becomes vice-president of her company. 186
      4. Kasumiは新聞でTakuyaの成功を知り、Makiのことを思い出し、Takuyaに電話をかけます 187187187187。これが、3人が再会するきっかけとなる最後の出来事です。→ ② Kasumi gets in touch with Takuya. 188
      5. 選択肢③ “Maki gets her university degree.” は、物語の最後で大学進学を勧められる場面はありますが、学位を取得したという事実は述べられていません 189189189189。これが除外される選択肢です。
  • 結論: 正しい順序は④ → ⑤ → ① → ②です。

問2 解説

  • 正解:②
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: ノートの空所34に入るMakiの年齢を推測します 190190190190
    2. 戦略的アプローチ: 本文から年齢を推測するための手がかりを探します。
    3. 思考プロセス:
      • KasumiとTakuyaの電話の会話で、”our 20th high school reunion last month.”(先月の20周年の高校の同窓会)という言及があります 191
      • また、Kasumiは “I can’t believe it’s been 20 years since we graduated.”(卒業してから20年も経ったなんて信じられない)とも言っています 192192
      • 高校を18歳で卒業すると仮定すると、その20年後は38歳になります。
      • したがって、Makiの年齢は30代後半であると推測するのが最も妥当です。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(②)の根拠: “late 30s”(30代後半)が、卒業後20年という記述から導かれる年齢と一致します 193

問3 解説

  • 正解:①, ② (順不同)
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: 空所35と36に入る、MakiがTakuyaとKasumiをそれぞれどのように支援したかを特定します 194194194194194194194194194
    2. 戦略的アプローチ: 本文から、Makiが二人のキャリアの転機にどのように関わったかを探します。
    3. 思考プロセス:
      • Takuyaへの支援 (35): MakiはTakuyaのコーヒービジネスを支援するために、自分のレストランに “We proudly serve Takuya’s Coffee” という看板を掲げました。そして、”this publicity helped the coffee gain popularity in Kawanaka.”(この宣伝が、コーヒーが川中町で人気を得る助けとなった)とあります 195。これは① “made the product known to people”(製品を人々に知らせた)に該当します。
      • Kasumiへの支援 (36): Makiは、Kasumiが化粧品の訪問販売で苦労しているのを見て、”Doesn’t Beautella do make-up workshops? I think you are more suited for that.”(ビューテラはメイクのワークショップをやっていない?あなたはそちらの方が向いていると思う)と提案します 196。このアイデアは成功し、Kasumiのキャリアを大きく飛躍させました 197。これは② “proposed a successful business idea”(成功するビジネスアイデアを提案した)に該当します。
  • 結論: 35には①、36には②が入ります(順不同)。

問4 解説

  • 正解:③
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: 空所37に入る、KasumiとTakuyaが電話で気まずい沈黙を経験した理由を特定します 198198198198
    2. 戦略的アプローチ: 電話での会話の最後の部分と、その直前のKasumiの心情描写を読み解きます。
    3. 思考プロセス:
      • 電話をする直前、Kasumiは “I wouldn’t be vice-president now without Maki… but I was too absorbed with my work… to give her support when she had to quit her preparatory school.”(マキがいなければ今の私はない…でも、彼女が進学予備校を辞めなければならなかった時、私は仕事に夢中で彼女を支えてあげられなかった)と後悔の念を抱いています 199
      • 電話の最後で、Kasumiが “Where would we be without her?”(彼女なしで今の私たちはあったかしら?)と問いかけた後、”The conversation became silent, as they wordlessly communicated their guilt.”(彼らが言葉なくして罪悪感を伝え合ったため、会話は沈黙した)とあります 200
      • これらの記述から、沈黙の理由は、Makiに助けてもらったにもかかわらず、自分たちは彼女を十分に支えてこなかったという「罪悪感」と「後悔」であることがわかります。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(③)の根拠: “regret not appreciating their friend more”(友人にこれ以上感謝しなかったことを後悔している)は、本文の “guilt”(罪悪感)と、Makiを支えられなかったというKasumiの後悔の念を的確に表しています 201
    • 不正解選択肢の論理的欠陥:
      • ① “do not want to discuss their success”: むしろお互いの成功を祝福しています 202202202202。【本文の記述と矛盾】。
      • ② “have not spoken in a long time”: 長い間話していなかったのは事実ですが、それが沈黙の直接的な理由ではありません 203203203203。【因果関係の混同】。
      • ④ “think Maki was envious of their achievements”: Makiが彼らを羨んでいるという記述は一切なく、むしろ応援しています 204。【本文の記述と矛盾】。

問5 解説

  • 正解:②
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: 空所38に入る、KasumiがMakiに対して使った “irony”(皮肉)という言葉の意味を特定します 205205205205
    2. 戦略的アプローチ: 物語の最終場面でのTakuyaとKasumiのセリフを精読し、”irony” が何を指しているのかを分析します。
    3. 思考プロセス:
      • TakuyaはMakiにこう言います。”You understand people incredibly well. You can identify others’ strengths and show them how to make use of them.”(君は信じられないほど人をよく理解している。他人の強みを見つけ出し、それをどう活かすかを示すことができる) 206
      • それを受けてKasumiが “The irony is that you couldn’t do the same for yourself.”(皮肉なのは、君が自分自身には同じことをできなかったことね)と付け加えます 207
      • つまり、ここでの皮肉とは、「Makiは他人の才能を見抜く力に長けているのに、自分自身の才能には気づいていない」という矛盾した状況を指しています。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(②)の根拠: “recognize her own talent”(彼女自身の才能を認識する)ことができていない、という点が、Kasumiの言う「皮肉」の核心です 208
    • 不正解選択肢の論理的欠陥:
      • ① “like to try different things”: Makiは時々違うことを夢想していましたが、それが皮肉の核心ではありません 209209209209
      • ③ “understand the ability she lacks”: 彼女に欠けている能力ではなく、彼女が持っているのに気づいていない能力が問題です 210。【肯定的/否定的評価の逆転】。
      • ④ “want to pursue her dreams”: 彼女は夢を追うことを諦めていましたが、皮肉の核心は、自分自身の才能に気づいていないという点にあります 211

第6問 解説講義

大問の設計思想と戦術的意義

第6問は、共通テスト・リーディングの最終関門であり、最も配点が高く(24点)、最も高度な読解能力を要求されるセクションです。 科学、心理学、社会問題などをテーマとした、大学での学習に直結するような学術的な長文論説文が出題されます。 この大問を攻略するためには、これまでに習得した全てのスキルを総動員し、文章の核心的な主張(メインアイデア)を抽出し、その主張を支える論証構造を解明するという、総合的な分析能力が不可欠となります。

A

問1 解説

  • 正解:②、⑥ (順不同)
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: プレゼンテーションのノート(アウトライン)の空所39と40に、それぞれ第1段落と第4段落の見出しとして最も適切なものを選択肢から選びます。
    2. 戦略的アプローチ: 各段落の主題文(Topic Sentence)を特定し、その内容を要約する見出しを選びます。(共通テスト 英語:Module 4, セクション3)。
    3. 思考プロセス:
      • 空所39 (Paragraph 1): 第1段落は、”clock time”(時計の時間)と “psychological time”(心理的な時間)という2種類の時間の概念を導入しています。したがって、見出しは「時間の種類」に関するものであるべきです。→ ⑥ Types of time。
      • 空所40 (Paragraph 4): 第4段落は、”Your emotional state can influence your awareness of time, too.” という主題文で始まり、楽しい時(having fun)や退屈な時(bored)、恐怖(Fear)といった感情が時間の知覚にどう影響するかを具体例を挙げて説明しています。したがって、見出しは「感情の影響」に関するものであるべきです。→ ② Effects of our feelings。
  • 結論: 空所39には⑥、空所40には②が入ります。

問2 解説

  • 正解:①
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: アウトラインの空所41に入る、第5段落の要約として最も適切なものを選びます 212212212212
    2. 戦略的アプローチ: 第5段落を精読し、その主要な論点を正確に反映している選択肢を探します。
    3. 思考プロセス:
      • 第5段落は、年齢と時間の知覚の関係について論じています 213
      • 一般論として “time seems to accelerate as we mature”(年を取るにつれて時間は加速するように思える)と述べています 214
      • しかし、”However, this is not always the case.” と逆接マーカーを用い、例外を提示しています 215215
      • その例外とは “when drastic changes occur, such as changing jobs or relocating to a new city.” であり、その場合 “the passage of time for those people is similar to that for children”(時間の経過は子供のそれと似たものになる)、つまり時間が遅く感じられると述べています 216
      • これをまとめると、「年を取ると時間は速く進むように感じるが、大きな生活の変化があると、年齢に関わらず時間は遅く感じられる」となります。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(①)の根拠: “major lifestyle change at any age will likely make time slow down” は、この例外ケースを正確に要約しています 217
    • 不正解選択肢の論理的欠陥:
      • ② “make time speed up” は逆です 218。【肯定的/否定的評価の逆転】。
      • ③ “minor lifestyle change” は “drastic changes” と矛盾します 219219219219。【巧妙な単語の言い換えによる意味の歪曲】。
      • ④ “minor lifestyle change” と “make time speed up” の両方が誤りです 220

問3 解説

  • 正解:③
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: “Retrospective timing” の具体例として最も適切なものを選びます 221221221221221221221221221
    2. 戦略的アプローチ: 本文で “Retrospective timing” がどのように定義されているかを確認し、その定義に合致する状況を選択肢から探します。
    3. 思考プロセス:
      • 本文第2段落に “retrospective timing, which is estimating time based on the information retrieved from memory.” と定義されています 222
      • これは「記憶から取り出された情報に基づいて時間を推定すること」、つまり「後から振り返って、どれくらいの時間がかかったかを考える」行為です。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(③)の根拠: “reflecting on how many hours you worked today”(今日何時間働いたかを振り返る)は、過去の出来事について記憶を基に時間を推定する行為であり、retrospective timingの定義に完全に一致します 223
    • 不正解選択肢の論理的欠陥: ①, ②, ④は、未来の予定や現在の記憶作業であり、「過去の時間の長さを振り返る」という行為ではありません 224224224224

問4 解説

  • 正解:①
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: “Prospective timing” の具体例として最も適切なものを選びます 225225225225225225225225225
    2. 戦略的アプローチ: 本文で “Prospective timing” がどのように定義されているかを確認し、その定義に合致する状況を選択肢から探します。
    3. 思考プロセス:
      • 本文第3段落に “It is used when you are actively keeping track of time while doing something.” と定義されています 226
      • これは「何かをしながら、積極的に時間の経過を意識している」状況です。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(①)の根拠: “guessing how long you’ve been jogging so far”(これまでどれくらいの時間ジョギングしているか推測する)は、活動の最中に時間の経過を意識する行為であり、prospective timingの定義に完全に一致します 227
    • 不正解選択肢の論理的欠陥: ②は未来の計画、③は偶然の出来事、④は過去の出来事の回想であり、「活動中の時間経過の意識」ではありません 228

B

問1 解説

  • 正解:④
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: プレゼンテーションスライド2の空所44に入る、わさびの最初の特徴を問うています 229229229229229229229229229
    2. 戦略的アプローチ: 本文のわさびに関する説明部分 230 をスキャンし、その特徴をリストアップします。
    3. 思考プロセス:
      • 本文第3段落に “The reason some people cannot tolerate chili spice but can eat foods flavored with wasabi is that the spice compounds in it are low in density.” とあります 231
      • これは、わさびの辛味成分が「密度が低い(low in density)」ことを示しています。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(④)の根拠: “light compounds”(軽い化合物)は、”compounds… are low in density” の優れたパラフレーズです 232
    • 不正解選択肢の論理的欠陥: ①, ②, ③は唐辛子(chili peppers)の辛さの特徴(”burning”, “fire-like”, “lingering”)であり、わさびの特徴ではありません 233233233233

問2 解説

  • 正解:④
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: スライド3 “Positive Effects” のリストにあるエラー(本文の内容と合致しないもの)を特定します 234234234234
    2. 戦略的アプローチ: 本文からカプサイシンの持つ健康への良い効果をすべてリストアップし、スライドの項目(A〜E)と照合します。
    3. 思考プロセス:
      • A. reduce pain: “make pain go away” とあり、正しい 235235235235
      • B. give you more energy: “convert fat into energy” とあり、正しい 236236236236
      • C. speed up your metabolism: “accelerate the metabolism” とあり、正しい 237237237237
      • E. decrease food poisoning: “have antibacterial properties” であり “fewer food-borne illnesses” につながるため、正しい 238238238238
      • D. make you feel less stress: 本文には、カプサイシンが “induces stress”(ストレスを誘発する)受容体を活性化させるとあり、ストレスを「減らす」という記述はありません 239239239239
  • 結論: エラーはDです 240

問3 解説

  • 正解:②、③ (順不同)
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: スライド4 “Negative Effects” に入る、辛い唐辛子を食べ過ぎた時の症状を2つ選びます 241241241241
    2. 戦略的アプローチ: 本文最終段落の、唐辛子の健康への悪い影響について述べた箇所 242 をスキャンします。
    3. 思考プロセス:
      • 本文に “People who have eaten several of the world’s hottest chilis… have reported experiencing upset stomachs, diarrhea, numb hands, and symptoms similar to a heart attack.” とリストアップされています 243
      • このリストと選択肢を照合します。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(②)の根拠: “you might experience stomach pain” は、本文の “upset stomachs” と一致します 244
    • 正解選択肢(③)の根拠: “you might lose feeling in your hands” は、本文の “numb hands” と一致します 245
    • 不正解選択肢の論理的欠陥: ①, ④, ⑤は本文に記述がありません 246246246246。【本文に記述なし】。

問4 解説

  • 正解:③
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: スライド5 “Spice Tolerance”(辛さへの耐性)について、本文から推論できること(inferred)を選びます 247247247247
    2. 戦略的アプローチ: 本文で辛さへの耐性について言及している箇所を探し、その記述から論理的に導き出せる結論を考えます。
    3. 思考プロセス:
      • 本文第5段落に “people in hot climates have a tendency to use more chili peppers, and therefore, be more tolerant of spicier foods due to repeated exposure.” とあります 248
      • これは「繰り返しさらされること(repeated exposure)によって、より辛い食べ物への耐性がつく」ことを意味します。
      • このことから、「辛さへの耐性が低い人でも、繰り返し食べることで熱さに慣れることができる」と推論できます。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(③)の根拠: “People with a low tolerance to chili peppers can get used to their heat.” は、上記の推論と完全に一致します 249
    • 不正解選択肢の論理的欠陥: ①, ②, ④は本文の記述からは支持されない「飛躍した憶測」です 250250250250

問5 解説

  • 正解:⑤
  • 思考のアルゴリズム
    1. 指令の解読: スライド6 “Closing Remark”(結びの言葉)として最も適切なものを選びます 251251251251。これは文章全体の要旨とトーンを反映したものであるべきです。
    2. 戦略的アプローチ: 文章全体が唐辛子のプラス面とマイナス面の両方を論じていることを踏まえ、バランスの取れた結論を探します。
    3. 思考プロセス:
      • 本文は、唐辛子の辛さのメカニズム、健康への良い効果(鎮痛、代謝促進、食品安全)、そして悪い効果(胃痛など)を多角的に紹介しています。
      • 結論として、”it is safe to consume spicy foods, but you might want to be careful about the amount” と、注意を促しつつも安全性を強調しています 252
      • 全体として、唐辛子には多くの利点があることを伝えたいという筆者の意図が読み取れます。
  • 選択肢の微視的分析
    • 正解選択肢(⑤)の根拠: “When someone offers you some spicy food, remember it has some benefits.” は、本文で詳述された様々な健康上の利点を踏まえた、ポジティブでバランスの取れた結びの言葉として最も適切です 253
    • 不正解選択肢の論理的欠陥:
      • ① “boost your confidence”(自信を高める)という効果は述べられていません 254。【本文に記述なし】。
      • ② “punch only stays for a second”(辛さは一瞬しか続かない)は、”lingering, fire-like sensation”(長引く、火のような感覚)という記述と矛盾します 255255255255
      • ③ “Personality plays a big role”(性格が大きな役割を果たす)という記述はありません 256。【本文に記述なし】。
      • ④ わさびの耐性についての治療法には言及していません 257。【本文に記述なし】。

総括と今後の学習戦略

本解説で詳述したように、共通テスト・リーディングは単なる英語力を問う試験ではなく、限られた時間内に膨大な情報を処理し、論理的に判断を下す**「情報処理能力」と「思考力」**を測定する、高度に設計された「知的ゲーム」です。

各設問は特定の認知能力(情報探索、整理・比較、推論)を試すように意図的に作られており、不正解の選択肢もまた、典型的な論理的欠陥パターンに基づいて受験生を惑わすように設計されています。

今後の学習においては、以下の点を強く意識してください。

  1. 戦略的思考の徹底: 常に試験全体の構造を意識し、時間配分や解答順序を最適化する「戦略家」としての視点を持ち続けてください。(共通テスト 英語:Module 1
  2. 高速情報処理技術の自動化: スキミング、スキャニング、パラグラフリーディングといった技術を、意識せずとも実行できるレベルまで反復練習し、情報処理の速度と精度を極限まで高めてください。(共通テスト 英語:Module 2
  3. 解法アルゴリズムの習得: 各設問タイプに対する思考のプロセスを完全にマスターし、特に不正解選択肢の論理的欠陥を能動的に分析する批判的思考を養ってください。(共通テスト 英語:Module 3

本稿で提示した思考のアルゴリズムと、『基礎英語』および『共通テスト 英語』で学んだ普遍的な原理を結びつけることで、あなたの学習はより体系的で、効果的なものとなります。未知の問題に直面したときこそ、本稿で示した思考のプロセスに立ち返り、冷静に、そして論理的に正解を導き出してください。

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