【基礎 現代文】モジュール2:文間の論理関係

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基礎体系
  • 解くために作られる試験問題は、客観的な採点基準が用意されている
  • 全体を俯瞰して読むことで、何が問われ、何を答えるのか、見えてくる
  • 「背景知識」や「教養」で誤魔化さず、本文に依拠することで誤答を防ぐ

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目次

論理関係の識別能力は、現代文読解において合否を分ける決定的な要素である。文と文がどのような論理関係で結びついているのかを正確に把握できなければ、筆者の主張を誤解し、設問の要求に的確に応えることができない。特に難関大学の入試では、接続詞が省略された洗練された文章が出題され、文脈と内容から論理関係を推定する高度な読解力が求められる。空所補充問題では適切な接続詞を選択する能力が、文整序問題では論理の流れを再構築する能力が、理由説明問題では因果関係を明示する能力が、それぞれ直接的に問われる。本演習では、順接・逆接・対比・例示・説明といった基本的な論理関係の識別から、論理的飛躍の発見や隠れた前提の抽出といった批判的読解まで、段階的に能力を測定する。第1問では空所補充を通じて論理関係の基本的識別能力を確認し、第2問では段落間の論理構造と文の機能的役割の把握を問う。第3問では複雑な論理展開を持つ評論文の読解と記述答案の作成能力を測定し、第4問では筆者の論証における論理的問題点を批判的に検証する能力を問う。

入試での出題分析

出題形式と難易度

項目評価
難易度★★★★☆ 発展
分量標準(本文約2,500字、設問4問)
論理構造の複雑さ高い
抽象度中〜高(社会科学・哲学系)
思考の深度論理関係の精密な把握と批判的検証を要する

頻出パターン

早慶・難関私大

  • 空所補充問題が頻出し、文と文の間に空所があり適切な接続詞や接続語句を補充させる問題が多い。単に前後の文だけでなく段落全体の論理展開を把握していないと正解できない難問が出題され、選択肢には一見もっともらしいが文脈に合わない接続詞が含まれており論理関係の精密な把握が求められる。
  • 文整序問題も出題され、バラバラになった文を正しい論理的順序に並べ替える問題において、指示語や接続表現、意味のつながりを手掛かりに論理構造を再構築する力が問われる。

東大・京大・旧帝大

  • 理由説明問題において、傍線部を含む文とその根拠となる文との論理関係を正確に把握し、因果関係や順接・逆接の構造を答案として再構成する力が問われる。接続詞が省略された高度な文章が多く、暗示的論理関係を読み取る能力が必須となる。
  • 要約問題において、文章全体の論理骨格を抽出し制限字数内で再構成する問題が出題される。主要な論理関係と補助的な論理関係を選別し、論理の転換点を的確に把握する高度な分析力が必要となる。

差がつくポイント

  1. 逆接の機能の多層的理解:単なる「否定」ではなく、「譲歩からの転換」「対比による強調」「部分的修正」など、逆接の多様な機能を文脈に応じて識別できるかが問われる。「しかし」と「とはいえ」の機能的差異を理解していることが高得点の条件となる。
  2. 暗示的論理関係の発見:接続詞がない箇所で因果関係や対比関係を見抜けるかが問われる。難関大ほど接続詞を省略した洗練された文章が出題されるため、文脈から論理を補う力が合否を分ける。
  3. 論理関係の階層的把握:文レベルの論理関係だけでなく、段落間の論理関係、文章全体の論理構造を階層的に把握し、主要な論理関係と補助的な論理関係を区別できるかが問われる。

演習問題

試験時間: 60 分 / 満点: 100 点

第1問(20 点)

次の文章を読み、空所( A )〜( D )に入る最も適切な語句を、それぞれの選択肢から一つずつ選びなさい。

近代科学は、自然を客観的な観察の対象として切り離すことから始まった。主観的な価値判断や感情を排し、測定可能なデータに基づいて法則を導き出すことこそが、真理への到達方法だと考えられたのである。( A )、量子力学の登場は、この前提に根本的な疑義を突きつけた。観察するという行為自体が、観察対象の状態に影響を与えることが明らかになったからである。( B )、客観的な観察者という立場は幻想に過ぎず、私たちは常に世界に関与しながら世界を認識していることになる。

この認識の転回は、科学の領域にとどまらない。( C )、歴史学においても、歴史家の視点や価値観から独立した「客観的な歴史事実」など存在しないという認識が一般的となっている。歴史家は過去の出来事を「発見」するのではなく、特定の問題関心に基づいて史料を「解釈」するのである。( D )、歴史叙述は不可避的に歴史家の立場を反映することになる。

( A )の選択肢

  1. すなわち 2. したがって 3. しかし 4. たとえば

( B )の選択肢

  1. つまり 2. ところが 3. なぜなら 4. 一方

( C )の選択肢

  1. だが 2. たとえば 3. それゆえ 4. あるいは

( D )の選択肢

  1. しかし 2. したがって 3. ただし 4. むしろ

第2問(25 点)

次の文章を読み、後の問いに答えなさい。

①グローバル化は、情報の瞬時な移動を可能にし、世界を「狭く」した。②遠く離れた場所で起きた出来事が、リアルタイムで私たちの生活に影響を与える。③経済的な相互依存も深まり、一国の経済危機が瞬く間に世界中に波及するようになった。④このように、世界の一体化は不可逆的な流れとなっている。

⑤一方で、グローバル化はローカルなアイデンティティの覚醒も促している。⑥世界が均質化する圧力に対して、人々は自らの固有の文化や伝統に回帰しようとする。⑦マクドナルドが世界中に広まるのと並行して、各地で民族料理の見直しが進んでいるのはその一例だ。⑧グローバルとローカルは対立するものではなく、むしろ相互に刺激し合う関係にあると言えるだろう。

(1) ①〜④の文群と⑤〜⑧の文群は全体としてどのような論理関係にあるか、最も適切なものを次から選べ。(10 点)

  1. 因果関係 2. 対比関係 3. 包含関係 4. 累加関係

(2) ⑦の文は⑥の文に対してどのような論理的機能を果たしているか、40 字以内で説明せよ。(15 点)

第3問(30 点)

次の文章を読み、後の問いに答えなさい。

民主主義は、すべての市民に平等な政治参加の権利を保障する制度である。一人一票の原則に基づき、多数決によって意思決定を行うことで、人民の意思を政治に反映させることができる。この点において、民主主義は専制政治や寡頭政治よりも正当性の高い統治形態であると言える。

民主主義が前提としているのは、市民の合理的な判断能力である。市民は自らの利益を正しく認識し、それを実現するための最善の手段を選択できると想定されている。政治家は市民の審判を受けるため、市民の利益に反する政策を長期間にわたって継続することはできない。このメカニズムによって、民主主義は自己修正能力を持つとされてきた。

【 ア 】、現実の民主主義はこの理想通りには機能していない。市民は必ずしも合理的に判断するわけではなく、感情や偏見に左右されることが少なくない。マスメディアやSNSによる情報操作の影響も無視できない。【 イ 】、短期的な利益を優先する傾向があり、長期的な視点に立った政策が選択されにくいという構造的な問題もある。環境問題や財政問題において、民主主義国家が有効な対策を打ち出せないでいるのは、この問題と無関係ではない。

【 ウ 】、民主主義を放棄すべきだというのではない。民主主義の限界を認識した上で、それを補完する制度的工夫が必要なのである。専門家の知見を政策決定に反映させる仕組みや、長期的な視点を担保するための独立機関の設置などが、その具体策として考えられる。

(1) 空所【 ア 】〜【 ウ 】に入る最も適切な接続表現を、それぞれ15字以内で答えよ。(15 点)

(2) 傍線部「民主主義は自己修正能力を持つ」とあるが、筆者はなぜそのように述べているのか。本文に即して60字以内で説明せよ。(15 点)

第4問(25 点)

次の文章を読み、筆者の論証における問題点を指摘し、なぜそれが問題なのかを120字以内で論じなさい。

近年、若者の読書離れが深刻化している。文化庁の調査によれば、一ヶ月に一冊も本を読まない若者の割合は年々増加しており、読書習慣の衰退は明らかである。読書は、語彙力を高め、論理的思考力を養い、想像力を豊かにするために不可欠な活動である。読書量が減少すれば、当然、若者の知的能力は低下する。

実際、近年の大学生の学力低下は著しい。大学教員からは、レポートの文章が稚拙である、論理的な議論ができない、といった声が相次いでいる。この学力低下の原因が読書離れにあることは明白である。

若者が読書をしなくなった最大の原因は、スマートフォンの普及である。電車の中でも、カフェでも、若者はスマートフォンの画面を見つめている。かつて読書に費やされていた時間が、SNSや動画視聴に奪われているのだ。したがって、若者の知的能力の低下を防ぐためには、スマートフォンの使用を制限すべきである。

解答・解説

難易度構成

難易度配点大問
標準20 点第1問
発展55 点第2問、第3問
応用25 点第4問

結果の活用

得点判定推奨アクション
80 点以上A過去問演習へ進む。複雑な論理構造を持つ文章での実践演習を重点的に行う
60-79 点B論理関係の識別精度を向上させる。特に暗示的論理関係の読み取りを強化
40-59 点C講義編の本源層・分析層を復習。基礎的な論理関係の理解を再確認
40 点未満D講義編を最初から再学習。順接・逆接・対比・例示の基本類型の確実な定着を図る

第1問 解答・解説

【戦略的情報】

項目内容
出題意図文脈に応じた適切な接続詞の選択能力、論理関係の基本類型の識別
難易度標準
目標解答時間10 分

【思考プロセス】

状況設定

空所補充問題では、前後の文の内容を正確に把握し、両者の間に成立する論理関係を特定することが求められる。接続詞の選択は感覚ではなく論理的分析に基づくべきであり、選択肢の接続詞がそれぞれどのような論理関係を示すかを明確に理解しておく必要がある。

レベル 1:初動判断

各空所について、前の文が述べている内容と後の文が述べている内容を把握し、両者の関係が順接(因果・推論)、逆接(対立・転換)、並列(列挙・対比)、補足(説明・例示)のいずれに該当するかを判定する。

レベル 2:情報の取捨選択

( A ):前文は「近代科学の客観性への信頼」を述べ、後文は「量子力学による疑義」を述べている。予想される展開を裏切る内容であり、逆接が適切。

( B ):前文は「観察が対象に影響を与える」という事実を述べ、後文は「客観的観察者は幻想」という結論を述べている。前文の内容から導かれる帰結を敷衍しており、説明・換言の関係。

( C ):前文は「科学の領域にとどまらない」と一般化を示唆し、後文は「歴史学」という具体例を挙げている。一般論の具体例であり、例示の関係。

( D ):前文は「史料を解釈する」という事実を述べ、後文は「歴史叙述は立場を反映する」という帰結を述べている。前文から論理的に導かれる結論であり、順接の関係。

レベル 3:解答構築

各空所の論理関係を特定した後、選択肢の中から最も適切な接続詞を選択する。

判断手順ログ

手順1:( A )の前後を確認。「客観性への信頼」→「疑義」という対立構造を確認。手順2:選択肢から逆接を示す「しかし」を選択。手順3:( B )の前後を確認。「観察が影響」→「客観的観察者は幻想」という換言・敷衍を確認。手順4:選択肢から換言を示す「つまり」を選択。手順5:( C )の前後を確認。「科学にとどまらない」→「歴史学」という具体例の関係を確認。手順6:選択肢から例示を示す「たとえば」を選択。手順7:( D )の前後を確認。「解釈する」→「立場を反映」という帰結の関係を確認。手順8:選択肢から順接を示す「したがって」を選択。

【解答】

小問解答
( A )3(しかし)
( B )1(つまり)
( C )2(たとえば)
( D )2(したがって)

【解答のポイント】

正解の論拠: ( A )は近代科学への信頼から量子力学による疑義への転換点であり、予想される展開を裏切る逆接「しかし」が必要である。( B )は量子力学の発見が意味することを敷衍する説明であり、換言を示す「つまり」が適切である。( C )は「科学にとどまらない」という一般化の具体例として歴史学を挙げており、例示を示す「たとえば」が適切である。( D )は「解釈する」という事実から「立場を反映する」という帰結を導いており、順接を示す「したがって」が適切である。

誤答の論拠: ( A )で「したがって」を選ぶと、近代科学の前提から量子力学の疑義が論理的に導かれることになり、文脈に反する。( B )で「ところが」を選ぶと前後に対立があることになるが、実際には前文の内容を後文が敷衍している。( C )で「それゆえ」を選ぶと因果関係を示すことになるが、実際は例示の関係である。( D )で「しかし」を選ぶと前後に対立があることになるが、実際には論理的帰結の関係である。

【再現性チェック】

この解法が有効な条件: 空所の前後で論理の転換があるか継続があるかを判断し、転換なら逆接、継続なら順接・説明・例示のいずれかを選択する問題全般に適用可能である。

【参照】

  • [M02-本源] └ 順接・逆接の識別と機能の理解
  • [M02-本源] └ 説明・例示の論理関係の識別

第2問 解答・解説

【戦略的情報】

項目内容
出題意図段落間の論理関係の把握、文の機能的役割の識別
難易度発展
目標解答時間12 分

【思考プロセス】

状況設定

文章全体の論理構造を把握し、段落間の関係と個々の文の機能を正確に識別することが求められる。⑤の冒頭に「一方で」という接続表現があることに注目し、前半と後半の関係を分析する。

レベル 1:初動判断

(1) について、①〜④と⑤〜⑧の二つの文群の関係を把握する。①〜④は「グローバル化による一体化・均質化」を述べ、⑤〜⑧は「グローバル化によるローカルの覚醒」を述べている。⑤の冒頭に「一方で」という対比表現がある。

(2) について、⑥と⑦の関係を分析する。⑥は「固有の文化や伝統への回帰」という一般的傾向を述べ、⑦は「民族料理の見直し」という具体例を挙げている。

レベル 2:情報の取捨選択

(1) について、①〜④は「一体化」「相互依存」という側面、⑤〜⑧は「ローカルの覚醒」「文化への回帰」という側面を扱っている。両者はグローバル化の異なる側面を対照的に提示しており、対比関係にある。

(2) について、⑦の「マクドナルド」と「民族料理」の例は、⑥で述べた「固有の文化への回帰」を具体的に示す事例である。一般論を具体例で裏付ける例示の機能を果たしている。

レベル 3:解答構築

(1) は選択肢から「対比関係」を選択する。(2) は⑦が⑥に対して果たしている機能を、「例示」「具体例」「例証」といったキーワードを用いて説明する。

判断手順ログ

手順1:①〜④の内容を「世界の一体化」と要約。手順2:⑤〜⑧の内容を「ローカルの覚醒」と要約。手順3:⑤の「一方で」に注目し、対比構造を確認。手順4:(1) の解答を「対比関係」と確定。手順5:⑥の内容を「文化への回帰という一般的傾向」と把握。手順6:⑦の内容を「民族料理という具体例」と把握。手順7:⑦が⑥の例示であることを確認。手順8:(2) の解答を構成。

【解答】

小問解答
(1)2(対比関係)
(2)⑥で述べた固有の文化への回帰という一般的傾向を、民族料理の見直しという具体例で例証している。(44字)

【解答のポイント】

正解の論拠: (1) について、①〜④が「一体化」、⑤〜⑧が「ローカルの覚醒」という対照的な内容を扱っており、⑤の「一方で」が対比を明示している。両者はグローバル化という同一の現象の異なる側面を対照的に提示しており、対比関係が成立している。(2) について、⑦は⑥の「固有の文化や伝統に回帰」という一般論を「民族料理の見直し」という具体的事例で示しており、例示の機能を果たしている。⑦の末尾「その一例だ」という表現も例示であることを明示している。

誤答の論拠: (1) で「因果関係」を選ぶと、一体化がローカルの覚醒を引き起こすという解釈になるが、文章は両者を並列的に対比しており因果関係は明示されていない。「累加関係」を選ぶと、両者が同種の内容を追加的に述べているという解釈になるが、実際には対照的な内容を述べている。(2) で「説明している」とだけ答えると、具体例による例証という核心部分が欠落し、不十分な解答となる。

【再現性チェック】

この解法が有効な条件: 「一方で」「これに対して」などの接続表現を手がかりに段落間の論理関係を特定し、文の機能(一般論と具体例など)を識別する問題に有効である。

【参照】

  • [M02-本源] └ 並列の論理における対比関係の識別
  • [M02-本源] └ 補足の論理における例示の機能

第3問 解答・解説

【戦略的情報】

項目内容
出題意図論理展開における転換点の把握、論理関係を明示する接続表現の選択、因果関係の説明能力
難易度発展
目標解答時間18 分

【思考プロセス】

状況設定

複数段落にわたる評論文の論理構造を把握し、空所に適切な接続表現を補充するとともに、傍線部の理由を本文に即して説明することが求められる。文章全体が「民主主義の理念」→「民主主義の前提」→「現実の問題」→「解決の方向性」という構成になっていることを把握する。

レベル 1:初動判断

(1) について、各空所の前後の論理関係を分析する。【 ア 】は第2段落の「理想」と第3段落の「現実」の間にあり、転換点である。【 イ 】は第3段落内で問題点を追加する箇所にある。【 ウ 】は第3段落の「問題点」と第4段落の「解決策」の間にあり、譲歩的転換である。

(2) について、傍線部を含む第2段落の論理構造を分析し、「自己修正能力」が成立する理由を特定する。

レベル 2:情報の取捨選択

(1) について、【 ア 】の前は「民主主義の理想的メカニズム」、後は「現実はそうではない」であり、逆接の転換が必要。【 イ 】の前は「感情や偏見に左右される」という問題、後は「短期的利益を優先する」という別の問題であり、問題点の追加を示す接続が必要。【 ウ 】の前は「民主主義の問題点」、後は「放棄すべきではない」であり、誤解を防ぐ譲歩的転換が必要。

(2) について、傍線部の直前に「政治家は市民の審判を受けるため、市民の利益に反する政策を長期間にわたって継続することはできない」という記述があり、これが「自己修正能力」の根拠となっている。

レベル 3:解答構築

(1) は各空所の論理関係に応じた接続表現を選択する。(2) は傍線部の理由を、本文の記述に即して因果関係を明示する形で構成する。

判断手順ログ

手順1:文章全体の構成を把握。手順2:【 ア 】の前後を分析し、逆接の転換と確認。手順3:【 イ 】の前後を分析し、問題点の追加と確認。手順4:【 ウ 】の前後を分析し、譲歩的転換と確認。手順5:傍線部の直前の記述を確認。手順6:「市民の審判」→「利益に反する政策を継続できない」→「自己修正」という因果の連鎖を把握。手順7:(2) の解答を構成。

【解答】

小問解答
(1) 【 ア 】しかし(または「ところが」「だが」)
(1) 【 イ 】また(または「さらに」「加えて」)
(1) 【 ウ 】だからといって(または「とはいえ」「もっとも」)
(2)政治家は選挙を通じて市民の審判を受けるため、市民の利益に反する政策を長期間継続できず、政策の修正を余儀なくされるから。(58字)

【解答のポイント】

正解の論拠: (1) について、【 ア 】は「理想」から「現実の問題」への転換点であり、逆接を示す「しかし」が適切である。【 イ 】は民主主義の問題点を列挙する文脈であり、追加を示す「また」「さらに」が適切である。【 ウ 】は問題点を指摘した後に「放棄すべきではない」と述べる箇所であり、誤解を防ぐ譲歩的転換を示す「だからといって」が適切である。(2) について、傍線部の直前に「政治家は市民の審判を受けるため、市民の利益に反する政策を長期間にわたって継続することはできない」という記述があり、これが「自己修正能力」の根拠である。選挙によるチェック機能が政策修正を促すという因果関係を明示する必要がある。

誤答の論拠: (1) で【 ア 】に「したがって」を入れると、理想から問題が論理的に導かれることになり、文脈に反する。【 イ 】に「しかし」を入れると、前後の問題点が対立することになるが、実際には同種の問題点の追加である。【 ウ 】に「したがって」を入れると、問題点から放棄の否定が導かれることになり、論理が通らない。(2) で「市民が合理的に判断するから」と答えると、本文の論理構造を誤解している。筆者は「選挙による審判」というメカニズムを自己修正能力の根拠としている。

【再現性チェック】

この解法が有効な条件: 文章全体の構成を把握し、各段落の機能(理念の提示、前提の説明、問題の指摘、解決策の提示など)を識別した上で、論理の転換点や追加・譲歩の関係を特定する問題に有効である。

【参照】

  • [M02-本源] └ 逆接の機能と識別
  • [M02-分析] └ 論理関係の転換点の特定
  • [M02-論述] └ 理由説明問題の論理構成

第4問 解答・解説

【戦略的情報】

項目内容
出題意図論理的飛躍の発見、隠れた前提の抽出、因果関係の妥当性検証
難易度応用
目標解答時間15 分

【思考プロセス】

状況設定

筆者の論証を批判的に検証し、論理的な問題点を発見・指摘することが求められる。文章の論理構造を分析し、各ステップの妥当性を検証する。

レベル 1:初動判断

文章の論理構造を把握する。「読書離れ(事実)」→「知的能力低下(主張)」→「学力低下の原因は読書離れ(断定)」→「読書離れの原因はスマートフォン(断定)」→「スマートフォン制限(結論)」という流れを把握する。

レベル 2:情報の取捨選択

各論理ステップの妥当性を検討する。「読書離れ」と「知的能力低下」の因果関係は一応の根拠があるが、「学力低下の原因は読書離れ」という断定は根拠が不十分である。「読書離れの原因はスマートフォン」という断定も根拠が不十分である。複数の論理的飛躍が存在するが、最も大きな問題は結論への飛躍である。

レベル 3:解答構築

論理的問題点を特定し、なぜそれが問題なのかを説明する。単に「スマホが原因とは限らない」と指摘するだけでなく、論証に必要な隠れた前提が欠如しているという構造的な問題を指摘する。

判断手順ログ

手順1:文章全体の論理構造を把握。手順2:「読書離れ→知的能力低下」の因果関係を検証。手順3:「学力低下の原因は読書離れ」という断定の根拠を検証。手順4:「読書離れの原因はスマートフォン」という断定の根拠を検証。手順5:結論「スマートフォン制限」に至る論理的飛躍を特定。手順6:最も重大な問題点を選定。手順7:解答を構成。

【解答】

筆者の論証には複数の問題がある。第一に、学力低下の原因が読書離れであるという断定に十分な根拠がない。学力低下には教育制度や社会環境など他の要因も考えられる。第二に、読書離れの原因がスマートフォンであるという前提も検証されていない。これらの隠れた前提が欠如したまま、スマートフォン制限という結論を導いており、論理的飛躍がある。(150字)

※120字以内の解答例:
筆者は読書離れの原因がスマートフォンであると断定しているが、その根拠が示されていない。また、学力低下の原因が読書離れであるという前提も検証されていない。これらの隠れた前提が欠如したまま結論を導いており、論理的飛躍がある。(109字)

【解答のポイント】

正解の論拠: 筆者の論証には以下の問題がある。「学力低下の原因は読書離れ」という断定について、相関関係を因果関係と混同している可能性がある。学力低下には教育制度の変化、社会環境の変化、評価基準の変化など他の要因も考えられる。「読書離れの原因はスマートフォン」という断定についても、「かつて読書に費やされていた時間が奪われている」という推測が根拠として示されているだけで、実証的なデータはない。これらの隠れた前提が検証されないまま、「スマートフォン制限」という結論が導かれており、論理的飛躍がある。

誤答の論拠: 「スマホが原因とは限らない」と指摘するだけでは不十分である。なぜそれが「論証上の問題」なのか、すなわち、前提の欠如による論理的飛躍であるという構造的な指摘が必要である。また、「読書は大切だ」「スマホにも良い面がある」といった内容的な反論は、論証の論理構造の問題を指摘するという設問の要求に応えていない。

【再現性チェック】

この解法が有効な条件: 筆者の主張が複数の因果関係の連鎖に基づいている場合、各連鎖の妥当性を個別に検証し、論理的飛躍や隠れた前提がないかをチェックする際に有効である。

【参照】

  • [M02-批判] └ 論理的飛躍の発見
  • [M02-批判] └ 隠れた前提の抽出
  • [M02-批判] └ 因果関係の妥当性検証

体系的接続

  • [M03-分析] └ 主張と根拠の構造分析における論理的妥当性の評価を理解する
  • [M05-批判] └ 因果関係の認定と検証における相関と因果の区別を把握する
  • [M23-批判] └ 複数テクストの比較と対照における代替解釈の検討を理解する
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