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はじめに現代文の基本姿勢として、二点のポイントを紹介しよう。
一点目は、客観的に読む、ということである。これは、あなたの意見や主張は聞いていない、ということである。また、同時に出発点でもある。文章を読んで次の問に答えよ、というような文言で始まる現代文科目においては、回答、その全ての根拠を本文中より抽出しなければいけない。また巷で聞く、現代文を実力ではなく運、とする主張は、筆者と回答者の間にある主張の距離によるものである。これが近ければ点数は上がり、遠ければ点数は下がる。そういう意味で、学習を放棄した者にとっては運によって点数の上下する対象として映るのかもしれない。
二点目は、採点基準より逆算する、ということである。これは、採点基準に沿って回答する、ということである。試験というのは、解く(採点)するために作られているのだから、そこには必ず採点の基準が存在する。採点基準を意識した学習を積み・回答をすることで、得点を伸ばすことが可能である。さらにいえば、試験中に採点基準をイメージし、回答できるようにしたい。採点基準は、模試であれば解答・解説の冊子に記載されているし、入試であれば(東大をはじめとする難関大に限られるが)各予備校の解答速報より共通項を探ることで確認できる。
また、この基本姿勢は、他の教科でも同様に当てはまるものである。例えば、数学においては回答指針を示すことによって同じ計算ミスでも得点が変わることがあったり、英語において文法知識の確認が不明と理由で「意訳」による減点・不正解、がこれにあたる。
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評論テーマの現代文。評論文の特徴としては、基本的に筆者に何らかの主張があり、その主張を読者に伝えるために例示や比較などが用いられる。さらに、文章ならではの表現、独自の意味解釈、などが用いられることが多く、文章内で意味を推察しながら読み進めていくことが求められる。そのため、テーマ演習などが役に立たないとは言えないが、個別具体的な目の前の文章から離れた知識によって解答することで、自らを誤答へ導くことを心に留めておくことが重要である。
概観
文章量が多いが、抽象的な表現は少なく、また特殊な意味で用いられる語句も少ないので、比較的読みやすい文章である。
構造分析
準備中
設問解説
(一):空所補充(選択)
空所に入る接続詞を答える問題。英語であれば、ディスコースマーカ(談話標識)という名称で一分野化し、学習することもあるだろう。しかし、日本語とりわけ現代文においては、あまり詳しく学習しないように感じる。補足的に説明すると、前後の関係性を見極める印(標識)として理解いただきたい。
aについて、空所前では「できるだけ音を立てないように砕く」という内容であるのに対し、空所後では「そのゆっくりと砕かれるせんべいの音が悪目立ちしてしまう」、という内容である。つまり、空所には意図に反対する意をもつ接続詞が入る。
bについて、空所前では「このまま飲み込んでしまいたい。」という内容であるのに対し、空所後では「それは私の食道と胃袋を傷つけてやまないだろう」、という内容である。つまり、空所には逆説の意を接続詞が入る。
解答
a:5 かえって、b:2 だが
(二):空所補充(選択)
解答
2:挙げ句の果てには
(三):内容説明(選択)
まず、傍線部の内容説明問題であるから傍線部の内容を確認する。
傍線部以後、具体例によって様々な説明があるが、あくまでも一例に過ぎないので、抽象的にまとめられた箇所が回答根拠となる。
解答
4:食べることによって、歯や舌、喉、胃袋、腸など人間の体のなかが発する多彩な音が、本来、自分が動物として生まれてきたことを再確認させる。
(四):内容説明(選択)
まず、傍線部の内容説明問題であるから傍線部の内容を確認する。回答手続きは前設問と同様。
傍線部以後、具体例によって様々な説明があるが、あくまでも一例に過ぎないので、抽象的にまとめられた箇所が回答根拠となる。
解答
3:生きる生命体と食べものが摩擦することで発した熱が、生命の兆しとなり、生命の証となるところに、食べることの意味がある。
(五):内容説明(選択)
準備中
解答
2:ある場所の同じ時間における人間と人間のめぐりあわせという併存の場があることで、現代社会のなかで助かる人が多くなる。
(六):内容一致(選択)
文章全体にわたった内容一致問題。さほど難しくないので、しっかりと文章を読んでいれば正解することができる。2/ 3程度を目標としたい。最低でも、選択肢から本文の該当箇所がわかる程度に読んでおく必要がある。一から該当箇所を探すと、時間がかかり過ぎてしまう。
解答
1:食は、味覚や嗅覚はもとより、視覚、触覚、聴覚も深く関わる文化である。
6:一九八〇年代以降、音楽が次第に環境化し、安易な涙や癒しを誘うようになった。
(七):内容説明(記述)
現代文の記述問題には、二段階の難易度が存在する。低い難易度は、本文中の表現を用いながらつなぎ合わせ回答するもの。高い難易度は、本文中の表現を極力用いずに自らが文章を作り上げ回答するもの。高い難易度の場合、本文中の表現を用いながらつなぎ合わせ回答できないような字数制限が設定されている。
特に私立大学の場合は、採点の観点から低い難易度のアプローチで良いと考えて良い。読解に依拠した回答ができているならば、他の受験者と比較して大きく点差が生じることもないだろう。
解答
準備中
回答例
参考:抽象度の高い回答例
おわりに
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