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早稲田大学 試験解説 2020年度 文学部 国語 現代文

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 はじめに現代文の基本姿勢として、二点のポイントを紹介しよう。

 一点目は、客観的に読む、ということである。これは、あなたの意見や主張は聞いていない、ということである。また、同時に出発点でもある。文章を読んで次の問に答えよ、というような文言で始まる現代文科目においては、回答、その全ての根拠を本文中より抽出しなければいけない。また巷で聞く、現代文を実力ではなく運、とする主張は、筆者と回答者の間にある主張の距離によるものである。これが近ければ点数は上がり、遠ければ点数は下がる。そういう意味で、学習を放棄した者にとっては運によって点数の上下する対象として映るのかもしれない。

 二点目は、採点基準より逆算する、ということである。これは、採点基準に沿って回答する、ということである。試験というのは、解く(採点)するために作られているのだから、そこには必ず採点の基準が存在する。採点基準を意識した学習を積み・回答をすることで、得点を伸ばすことが可能である。さらにいえば、試験中に採点基準をイメージし、回答できるようにしたい。採点基準は、模試であれば解答・解説の冊子に記載されているし、入試であれば(東大をはじめとする難関大に限られるが)各予備校の解答速報より共通項を探ることで確認できる。
 また、この基本姿勢は、他の教科でも同様に当てはまるものである。例えば、数学においては回答指針を示すことによって同じ計算ミスでも得点が変わることがあったり、英語において文法知識の確認が不明と理由で「意訳」による減点・不正解、がこれにあたる。

評論テーマの現代文。評論文の特徴としては、基本的に筆者に何らかの主張があり、その主張を読者に伝えるために例示や比較などが用いられる。さらに、文章ならではの表現、独自の意味解釈、などが用いられることが多く、文章内で意味を推察しながら読み進めていくことが求められる。そのため、テーマ演習などが役に立たないとは言えないが、個別具体的な目の前の文章から離れた知識によって解答することで、自らを誤答へ導くことを心に留めておくことが重要である。

基礎講座

 いわゆる「授業」に該当する記事を、「基礎講座」として扱っています。過去問解説では、どうしても一対一の対処療法的なものになってしまいます。その点、「基礎講座」では体系的に受験レベルの基本情報を扱います。

 大学受験に際する情報を全て暗記すると膨大ですが、知識の使い方を応用することで、覚えるべき情報は減らすことができます。「基礎講座」では、本質を抑えることで、最小の情報で最大の効果、を目指しています。ぜひ、科目に対する基本知識の習得にお役立てください。

目次

得点状況と分析

得点状況

準備中

年度教科科目配点受験者平均点合格最低点
2020外国語英語7520043.440132.2
国語7548.148
地歴日本史5029.590
世界史36.706
2019外国語英語7520045.840134.0
国語7548.346
地歴日本史5030.330
世界史34.046
2018外国語英語7520036.982135.1
国語7548.653
地歴日本史5027.689
世界史31.309
年度試験科目配点受験者平均点合格最低点

分析

準備中

問一

 社会科学系の文章で、日常生活との関連も強く、それほど難しい文章ではない。また、テーマの変更される段落の切れ目も明確であり、文章全体を行ったり来たりしながら解く設問もない。文章を読むことを前提に試験に臨む諸君らからすれば、2問ミス(75%)程度の得点を十分に獲得可能な難易度である。
 ただし、これは現代文の対策・学習を十分に積んでいることが前提である。文章構造が分からない、文章から離れ背景知識で解く、といった解法を選択している場合は、この限りではない。

問一:空所補充(選択)

 まず、空所の内容を特定していく。主に指示語や修飾語といった同義表現に注目し、状況に応じて異議表現に注目する。
 一つ目の空所について、「こうした事態」に対する私たちの態度が A であると述べられているので、前段落(第一段落)の内容を確認する。すると、「監視が拡大されているにも関わらず、人々は違和感を感じない」という、監視の程度と人々の興味、の対比構造を読み取ることができる。
 二つ目の空所について、「不均衡」であることに注目した上で、前文を確認する。第二段落は、第一段落の具体事例を扱った段落であるので、同様の内容(監視が拡大されているにも関わらず、人々は違和感を感じない)が記述されている。より詳細に扱えば、監視の拡大=取得可能な情報の増大・違和感を感じない=批判的な検証を求める動きはない、という具体的な関係性を読み取ることができる。そして、この状況を筆者は「不均衡」であると表現しているのである。
 そして、空所は3つあるが、2つを検討した段階で解答する。ここまでの関係性をまとめると「社会において監視機能が増大すれば、本来、権力の濫用を予防する措置を要求する動きが進むはずであるが、実際はそうではない不均衡な状態が成立している。」となる。すると A に相当する語句は、無関心、といった興味の薄い状態を示していると推測できるだろう。

解答

ロ:無頓着

問二:空所補充(選択)

 まず、第三段落の内容を整理する。設問に対する解答アプローチとして、設問テーマに関する領域の構造分析をする必要がある。
 テーマは、2000年前後に関心を集め始めた監視社会という言葉の広まった要因、である。要因は二つあり、それぞれ、以下の通りである。

  • 情報監視を主な分析対象としたこと。
    • 大規模な個人情報の収集とそれに基づく個体識別が日常化した。
    • 技術的な新しさが監視社会という言葉の広がりを支えた。
  • 監視の担い手が多様化している現実を言い当てたこと
    • 企業が個人情報を大規模に収集する
    • 地域住民が監視カメラを設置する

 実は、ここだけでは解答することはできない。この内容を踏まえて次の段落まで検討する必要がある。次の段落を読むと、監視する国・監視される市民、という監視する側・監視される側という関係性が、多様化とともに崩壊したことが分かる。

解答

ロ:国だけではなく、社会が全面的に監視の担い手になる

問三:内容説明(選択)

 まず、傍線部の内容説明問題であるから傍線部の内容を確認する。傍線部は、近代社会についての記述である。そして、近代社会についての説明は前段落から始まっている。そのため、解答根拠は傍線部1を含む段落と一つ前の段落を読むことによって特定することができる。
 具体例が多く文章量が多くなってはいるが、内容は非常にシンプルである。それは、学校・工場・病院といったような概ね帰属組織によって制定された規則に従うように自らを主体的・能動的に監視することである。

解答

ロ:近代社会に生きる人びとは、社会的な規範に責任をもつ能動的な主体として、監視を必要とみなす。

問四:空所補充(記述)

 私立大学の場合は設問形式の確認が必要である。英語の自由英作文のように解答全体を採点しているのか、それとも、抜き出し問題のように特定の語句だけを限定して正解とみなすのか、である。多くの私立大学は後者の形式が多く、この設問も紛れもなく後者である。
 まず、設問形式の確認である。設問には「文中の語句と対になる五字の語句が入る」とある。つまり、文中に解答と対になる五字の語句があり、その対義語を解答する、という解答アプローチを考えることができる。
 そして、C の内容を特定する。これは、非常に簡単で一つ目の空所の直前に記述してある。内容は、「包括的・抽象的な体系としての構造が上に、その影響を受ける行為体が下に位置する」、とあり、このままである。言い換えるならば、構造上の上下関係・重層的な関係、とでも言えよう。
 C の内容を特定することができたら、対になる語句を特定する。該当箇所は、傍線部2の段落の個人間の「横の関系性」の「横の関係性」である。内容をしっかり把握していないと、この問題は難易度が高い。
 少し細かく解説すると、国や企業といった権威的に強い主体が規制を作り、それに国民や従業員が従う、という構造を監視する、というのがC の内容である。一方、対になる箇所に書かれている内容は、規制を権威的な主体が作るのではなく、個人が個人的な価値観によって規定し、その価値観に応じて監視されるというもの。当然、同じような価値観を持った個人によって集団化・組織化はされるかも知れるかもしれないが、国や企業の作る規範ほどの強固な拘束性はない。

解答

縦の関係性

問五

準備中

問六:内容説明(選択)

 まず、傍線部の解釈である。難関国公立大学の現代文対策としては、もやは当たり前ではあるが、私立大学志望者からすると、たとえ早大志望者であっても馴染みが薄いかもしれない。傍線部を文節ごとに単位を区切り、その要素ごとに文中の定義を確定させることである。全てを細かく定義する必要はない、必要なものを判断し、特にそれだけを判断すれさえすれば良い。今回の設問では「安心感」である。
 ここで言う「安心感」は、長い間で同じ状態を継続できること、いわば、流動性の少ない状態、のdことを指す。以前の、規制の制定主体が国や企業の場合、その数は限られる。しかし、それが多様な個人となると、その規制も多様化されるため、これに従っていれば良い、という安心感は失われる。

解答

ニ:個々人が望む多様な性をのあり方を認め、実現しようとする社会は、従来の判断基準がゆらぐために不安定で不安な社会でもある。

問七:内容説明(選択)

 非常に高い内容理解が問われる問題。
 まず、傍線部の解釈、である。「敵視」、「想像の共同体」、の文中の定義を確定させる必要がある。
 敵視としたとは、誰からも非難される社会規範を逸脱した行為、のことである。従うべき規範が主体の多様化により曖昧になった時代において、誰もが安心して避難することのできる行為である。
 想像の共同体とは、敵視を媒介として、集まった集合体のこと。厳密に共同体として成立しているわけではないが、敵視という共同価値観を持った人たちによって、実質的に作られた集合体である。
 実際の入試では決して推奨できる行為ではないが、もはや文脈のみで8割がた解答を固め、確認程度に文章を読むだけで解答することも可能だ。

解答

イ:社会的に逸脱する者を見いだし敵視することで、自分はそうではない者だという安心の共同体に加わる。

問八:内容一致(選択)

 このレベルの問題に解説は不要だろう。消去法を含め選択肢を読めば迷わず解けるレベルである。もし、解答に10秒以上要するのであれば、文章を読めていないので反省が必要である。そういった意味で、文章が読めているかという確認問題とするのが良い。

解答

ハ:国による監視、規範にもとづく自発的な監視、データベース監視という三つの権力の類型論は、いずれも社会−個人モデルにもとづき監視を説明している。

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